三角関数の積分を学ぶ中で、1/tanxの積分という形に出会うことがあります。
1/tanxはcotxと同じ関数であるため、cotxの積分公式をそのまま活用することができます。
この記事では、1/tanxの積分公式とその証明、cotxの積分との関係について、わかりやすく丁寧に解説していきます。
1/tanxの積分の公式はlog|sinx|+C
それではまず、1/tanxの積分の公式について解説していきます。
∫(1/tanx)dx=log|sinx|+C(Cは積分定数)
1/tanxはcotx=cosx/sinxと同じ関数であるため、∫cotx dx=log|sinx|+Cという形で参考書に掲載されていることが多いです。
公式の形はシンプルですが、なぜlog|sinx|になるのかを証明の流れとともに理解しておくことが大切です。
また、log内の絶対値を忘れずに記載することも重要なポイントです。
公式の証明:置換積分を使った方法
1/tanxの積分の証明は、置換積分を使うことでシンプルに導くことができます。
1/tanx=cosx/sinxより、
∫(1/tanx)dx=∫(cosx/sinx)dx
t=sinxとおくと dt=cosx dx
∫(cosx/sinx)dx=∫(1/t)dt=log|t|+C=log|sinx|+C
この証明のポイントは、分子のcosxが分母sinxの微分になっていることです。
∫f'(x)/f(x)dx=log|f(x)|+Cという基本公式に帰着する形であり、非常にスムーズに証明できます。
f'(x)/f(x)型の積分として捉える方法
置換積分を使わずとも、cosx/sinxをf'(x)/f(x)の形として直接捉えることができます。
f(x)=sinxとおくと f'(x)=cosx
∫(cosx/sinx)dx=∫f'(x)/f(x)dx=log|f(x)|+C=log|sinx|+C
この方法は分子が分母の微分になっているかを確認するだけで積分できるため、計算が非常に速くなります。
cotxの積分を解く際に最も使われる考え方でしょう。
積分定数と絶対値の注意点
不定積分を求める際は、積分定数Cを忘れずに付けることが必要です。
また、log内の絶対値記号も忘れやすいポイントです。
sinxは負の値をとる場合もあるため、logの真数を正に保つために絶対値が必要となります。
答えを書く際は必ずlog|sinx|+Cの形で記載するようにしましょう。
1/tanxの積分とcotxの積分の関係を整理しよう
続いては、1/tanxの積分とcotxの積分の関係について確認していきます。
この2つは実質的に同じ関数であるため、公式も完全に一致します。
| 表記 | 同値な形 | 積分結果 |
|---|---|---|
| 1/tanx | cosx/sinx | log|sinx|+C |
| cotx | cosx/sinx | log|sinx|+C |
| tanx | sinx/cosx | -log|cosx|+C |
表から、1/tanxとcotxはまったく同じ積分結果になることがわかります。
また、tanxの積分が-log|cosx|+Cになることと対比させて覚えておくと、混同を防ぐことができるでしょう。
tanxの積分との対比で覚える
tanxの積分とcotxの積分はよく混同されますが、構造を理解すると区別しやすくなります。
∫tanx dx=∫(sinx/cosx)dx
f(x)=cosxとおくと f'(x)=-sinx
∫(sinx/cosx)dx=-∫(-sinx/cosx)dx=-log|cosx|+C
∫cotx dx=∫(cosx/sinx)dx=log|sinx|+C
tanxの積分では符号のマイナスが付く点がcotxの積分との大きな違いです。
分子と分母のどちらが微分の形になっているかを確認することが、正確な計算のポイントとなります。
cotxとtanxの微積分を一覧で整理する
cotxとtanxの微分・積分をまとめて整理しておきましょう。
| 関数 | 微分 | 積分 |
|---|---|---|
| tanx | 1/cos²x | -log|cosx|+C |
| cotx(=1/tanx) | -1/sin²x | log|sinx|+C |
tanxとcotxは微分・積分ともに対称的な構造を持っていることがわかります。
この対称性を意識して覚えると、どちらの公式も記憶に定着しやすくなるでしょう。
積分公式の使い分けのポイント
1/tanxとcotxは同じ関数ですが、問題文ではどちらの表記で出題されるかわかりません。
どちらの表記で出題されても同じ公式を適用できるように、2つの表記が同値であることを確実に理解しておきましょう。
また、問題によってはcosx/sinxの形で出題されることもあるため、変形の柔軟性を身につけることが大切です。
1/tanxの積分の例題で理解を深めよう
続いては、実際の例題を通じて1/tanxの積分の解き方を確認していきます。
例題①:基本的な不定積分
問題:∫(1/tanx)dx を求めよ。
解答:1/tanx=cosx/sinxより、
∫(1/tanx)dx=∫(cosx/sinx)dx=log|sinx|+C
この問題は1/tanxをcosx/sinxに変形してから公式を適用することで解けます。
答えにCを忘れないこと、logの中に絶対値をつけることを必ず守りましょう。
例題②:係数を含む場合の積分
問題:∫(2/tanx)dx を求めよ。
定数倍は積分の外に出せるため、
∫(2/tanx)dx=2∫(1/tanx)dx=2log|sinx|+C
係数をそのまま外に出して計算を進めると、シンプルに解くことができます。
積分の線形性を積極的に活用しましょう。
例題③:定積分への応用
問題:∫[π/6→π/2](1/tanx)dx を求めよ。
∫(1/tanx)dx=log|sinx|より、
[log|sinx|]のx=π/6からx=π/2までを計算します。
log|sin(π/2)|-log|sin(π/6)|=log1-log(1/2)=0+log2=log2
定積分では不定積分の結果に上端と下端の値を代入して差を求めます。
sin(π/2)=1よりlog1=0、sin(π/6)=1/2よりlog(1/2)=-log2となる点がポイントです。
まとめ
この記事では、1/tanxの積分公式と証明、cotxの積分との関係について解説しました。
1/tanxの積分公式はlog|sinx|+Cであり、1/tanx=cosx/sinxと変形してからf'(x)/f(x)型の積分として解くことができます。
cotxの積分とは完全に同値であり、tanxの積分(-log|cosx|+C)と対比させて覚えておくと混同を防ぐことができるでしょう。
例題を通じて確認したように、係数がある場合や定積分においても基本公式をそのまま活用できます。
公式の意味と証明の流れをセットで理解した上で、さまざまな問題に取り組んでみてください。