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多面体とは?定義や種類をわかりやすく解説!(凸多面体:正多面体:英語表記:幾何学:立体図形など)

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算数・数学で立体図形を学ぶ中で「多面体」という言葉を目にしますが、「どんな立体図形が多面体で、どんなものが多面体でないのか」「正多面体が5種類しかない理由は?」と疑問に感じたことはないでしょうか。

本記事では、多面体の定義・凸多面体・正多面体・各種多面体の種類・英語表記・幾何学的性質まで、わかりやすく体系的に解説していきます。

幾何学が得意でない方でも理解できるよう丁寧に説明しますので、ぜひ最後までお付き合いください。

多面体とは何か?まず定義と基本概念を押さえよう

それではまず、多面体とはどのような図形かという定義と基本概念から解説していきます。

多面体(Polyhedron、英語の複数形は Polyhedra または Polyhedrons)とは、有限個の平面多角形(面)で囲まれた三次元の立体図形のことです。

日本語の「多面体」は「多くの面を持つ体(立体)」という意味であり、英語の Polyhedron も ギリシャ語の「poly(多くの)+hedron(面・座)」に由来します。

多面体の必要条件をまとめると以下の3点です。

① すべての面が平面的な多角形(三角形・四角形・五角形など)であること

② 面と面は辺(直線)で接すること

③ 辺と辺は頂点(点)で接すること

これらの条件を満たさない曲面(球・円柱・円錐など)は多面体ではありません。

多面体の構成要素:頂点・辺・面

多面体は三つの基本的な構成要素から成り立っています。

構成要素 英語表記 定義
頂点(Vertex) Vertex / Vertices(複数) 3つ以上の辺が交わる点
辺(Edge) Edge / Edges(複数) 2つの面が接する線分
面(Face) Face / Faces(複数) 多面体の表面を構成する多角形

これら三つの要素の個数の間には、有名なオイラーの多面体定理 V−E+F=2(V:頂点数・E:辺数・F:面数)が成り立ちます(凸多面体の場合)。

多面体でないもの:球・円柱・円錐

以下のものは多面体ではありません。

球(Sphere)は曲面で囲まれており、平面的な多角形の面を持ちません。

円柱(Cylinder)は側面が曲面であるため多面体ではありません。

円錐(Cone)も側面が曲面であるため多面体ではありません。

一方で、三角柱・四角柱(角柱)・三角錐・四角錐(角錐)・プリズムはすべての面が平面多角形であるため、多面体に分類されます。

多面体の辺数と面数の制限

多面体を構成する最小の面数は4枚であり、三角形4枚からなる正四面体が最小の多面体です。

また一つの頂点に集まる辺は最低3本必要です(2本では平面になってしまうため)。

理論上、面数・辺数・頂点数の上限はなく、非常に多くの面を持つ多面体も存在します。

例えば近似的な球を多面体で表現しようとすると、面数を増やすほど滑らかな球に近づきます。

凸多面体の定義と性質を詳しく確認しよう

続いては、多面体の中でも最も基本的で重要な「凸多面体」について確認していきます。

凸多面体は正多面体やアルキメデス立体の議論の基礎となる概念です。

凸多面体とは何か:定義と直感的理解

凸多面体(Convex Polyhedron)とは、多面体内の任意の2点を結ぶ線分が常に多面体の内部または表面上に収まる多面体のことです。

直感的には「へこみ・くぼみ・自己交差がない、外側に向かって膨らんでいる立体」と理解できます。

凸多面体と非凸多面体の見分け方

「多面体の内部を通る直線が、表面と2点以上で交わることがあるか」を確認します。

凸多面体:どの直線も表面とちょうど2点で交わる(または1点・0点)

非凸多面体:ある直線が表面と4点・6点など偶数個の複数の交点を持つ場合がある

立方体・正四面体・正八面体・正十二面体・正二十面体などすべての正多面体は凸多面体です。

一方で星型多面体(Star Polyhedra)は自己交差または凹みを持つため非凸多面体(あるいは多面体の定義によっては別扱い)となります。

凸多面体の重要な性質

凸多面体はいくつかの重要な数学的性質を持ちます。

まずオイラーの多面体定理 V−E+F=2 が成り立ちます。

次に各面の外向き法線ベクトルが、多面体全体を「内側から見て外側を向く」という一貫した向きづけ(Orientation)を持ちます。

さらに凸多面体は必ず「凸包(Convex Hull)」として表現できます。

凸包とは、有限個の点の集合を含む最小の凸集合であり、三次元の凸包は凸多面体になります。

コンピュータグラフィックス・最適化理論・計算幾何学などで凸包アルゴリズムが重要な役割を果たしています。

半正多面体・ジョンソン立体との関係

凸多面体の中で、面がすべて正多角形(等辺等角)からなるものを特に「面が正多角形のみからなる凸多面体」と呼び、正多面体・アルキメデス立体・角柱・反角柱・ジョンソン立体に分類されます。

分類 条件 個数
正多面体(プラトン立体) 面が同一の正多角形・各頂点形状が同じ 5種類 正四面体・立方体・正八面体
アルキメデス立体 面が2種類以上の正多角形・各頂点形状が同じ 13種類 切頂立方体・切頂十二面体
角柱(正N角柱) 2枚の正N角形+N枚の正方形 無限種 正三角柱・正四角柱
反角柱 2枚の正N角形+2N枚の正三角形 無限種 正三角反角柱(=正八面体)
ジョンソン立体 面が正多角形・各頂点形状が異なる場合あり 92種類 正三角錐付き四角柱など

正多面体(プラトン立体)の種類と性質を見ていこう

続いては、多面体の中で最も対称性が高い「正多面体(プラトン立体)」について見ていきます。

正多面体は古代ギリシャの哲学者プラトンが4元素+宇宙に対応させたことから「プラトンの立体」とも呼ばれます。

正多面体の定義と5種類の一覧

正多面体(Regular Polyhedron)とは、すべての面が同一の正多角形・すべての頂点において同数の面が同じ配置で集まる凸多面体のことです。

正多面体は全世界に5種類しか存在しないことがオイラーの多面体定理などを使って証明されています。

正多面体名 英語名 面の形 V(頂点) E(辺) F(面)
正四面体 Tetrahedron 正三角形×4 4 6 4
正六面体(立方体) Cube / Hexahedron 正方形×6 8 12 6
正八面体 Octahedron 正三角形×8 6 12 8
正十二面体 Dodecahedron 正五角形×12 20 30 12
正二十面体 Icosahedron 正三角形×20 12 30 20

この5種類の正多面体には双対関係があります。

正六面体↔正八面体(頂点数と面数が入れ替わり辺数は等しい)、正十二面体↔正二十面体(同様に双対)、正四面体↔正四面体(自己双対)という美しい対称性を持っています。

正多面体の体積・表面積の計算(辺長 a の場合)

辺長 a の正多面体の体積と表面積

正四面体:体積=(√2/12)a³、表面積=√3 a²

正六面体(立方体):体積=a³、表面積=6a²

正八面体:体積=(√2/3)a³、表面積=2√3 a²

正十二面体:体積=(15+7√5)/4 × a³ ÷ √5、表面積=3√(25+10√5) a²

正二十面体:体積=5(3+√5)a³÷12、表面積=5√3 a²

立方体以外の正多面体の体積・表面積の計算には√5 などの無理数が現れるのも興味深い特徴です。

正多面体の自然界・科学における登場

正多面体は自然界のさまざまな場所に現れます。

ウイルスのカプシド(外殻タンパク質)の多くは正二十面体の対称性を持っており、インフルエンザウイルス・アデノウイルスなどが代表例です。

フラーレン(C60分子)はサッカーボール型の正五角形12枚+正六角形20枚からなる切頂正二十面体の構造を持ちます。

結晶構造では食塩(NaCl)の単位格子が正六面体(立方体)に対応し、鉄の体心立方格子や面心立方格子も立方体の対称性を持ちます。

「数学的な美しさと自然の形が一致する」という驚くべき現象が正多面体に凝縮されています。

その他の多面体の種類と幾何学的分類を確認しよう

続いては、正多面体以外の重要な多面体の種類と幾何学的分類について確認していきます。

多面体の世界は正多面体の5種類にとどまらず、多様で豊かな構造を持っています。

アルキメデス立体:半正多面体の13種類

アルキメデス立体(Archimedean Solid)は、2種類以上の正多角形の面を持ち、すべての頂点が同一の環境にある(頂点推移的な)凸多面体です。

代表的なアルキメデス立体を紹介します。

名称 英語名 面の構成 V E F
切頂四面体 Truncated Tetrahedron 正三角形×4・正六角形×4 12 18 8
切頂立方体 Truncated Cube 正三角形×8・正八角形×6 24 36 14
切頂十二面体(サッカーボール) Truncated Icosahedron 正五角形×12・正六角形×20 60 90 32
斜方立方体 Cuboctahedron 正三角形×8・正方形×6 12 24 14

サッカーボールの模様(正五角形12枚+正六角形20枚)は切頂正二十面体であり、フラーレン分子(C60)と同じ構造を持ちます。

カタランの立体:アルキメデス立体の双対

アルキメデス立体に双対変換(頂点↔面の入れ替え)を施すとカタランの立体(Catalan Solid)という13種類の多面体が得られます。

カタランの立体はすべての面が合同な(等しい形の)非正多角形を持つという特徴があります。

代表例として菱形十二面体(Rhombic Dodecahedron)が知られており、12枚の合同な菱形で構成されています。

菱形十二面体は空間充填多面体(隙間なく空間を埋め尽くせる多面体)の一つでもあり、蜂の巣(ハニカム構造の三次元版)としても知られています。

非凸正多面体:ケプラー・ポアンソー立体

凸条件を緩めると、自己交差を許した正多面体(星型正多面体)が追加で4種類存在します。

これをケプラー・ポアンソー立体(Kepler-Poinsot Polyhedra)と呼び、17世紀のケプラーと19世紀のポアンソーが発見・完成させました。

小星型十二面体・大星型十二面体・大十二面体・大二十面体の4種類があり、いずれも正五角形・正五角星形の面と正多面体的な対称性を持ちます。

これら4種を加えると正多面体は「凸」の5種類+「非凸(自己交差)」の4種類の計9種類となります。

まとめ

本記事では、多面体の定義(平面多角形の面で囲まれた立体)と構成要素(頂点・辺・面)から始まり、凸多面体の性質・正多面体(プラトン立体)の5種類と詳細・アルキメデス立体13種類・カタランの立体・ケプラー・ポアンソー立体・自然界への登場まで幅広く解説しました。

多面体は「平面的な顔(面)の集合体として空間を形作る立体」という幾何学の基本中の基本概念でありながら、正多面体の美しい対称性・フラーレン・ウイルス・結晶構造など自然界との驚くべき一致を通じて、数学と現実世界をつなぐ豊かな概念です。

オイラーの多面体定理・位相幾何学・双対関係など、多面体に関連する数学の奥深さをぜひ引き続き探求していただければ幸いです。