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束髪とは?日本の伝統的髪型を解説(つかがみ・まとめ髪・和装・髪の結い方・歴史など)

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「束髪(そくはつ)」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。

束髪は明治時代に日本で普及した西洋風の髪型であり、近代日本における女性の髪型の歴史と深く関わっています。

一方で「束髪(つかがみ)」という読み方もあり、日本の伝統的なまとめ髪・和装の髪型を指す場合もあります。

この記事では、束髪の意味・読み方・歴史的な背景・種類・和装との関係・現代でのまとめ髪との関連まで、幅広く丁寧に解説していきます。

日本の歴史・文化・和装・ヘアスタイルに興味がある方にとって役立つ内容ですので、ぜひ最後まで読んでみてください。

束髪とは「髪をまとめて束ねた髪型」—明治時代に広まった近代的なスタイル

それではまず、束髪の基本的な意味と定義について解説していきます。

「束髪(そくはつ)」とは、髪をまとめて後ろや上で束ねた髪型の総称であり、特に明治時代に西洋の影響を受けて日本に広まった近代的な女性の髪型を指すことが多い言葉です。

江戸時代まで主流だった日本髪(油でかためた伝統的な結い髪)に対し、束髪は油をあまり使わずに髪を束ねるシンプルなスタイルであり、当時の女性たちに解放感を与えた革新的な髪型でした。

一方「束髪(つかがみ)」という読み方では、日本の伝統的な「まとめ髪・束ねた髪型」を広く指す言葉として使われることもあります。

「束髪」の読み方と2つの意味

「束髪」には2つの主な読み方と意味があります。

読み方 意味・使用文脈
そくはつ 明治時代に広まった近代的な西洋風まとめ髪。歴史・文化的文脈で使われる
つかがみ 髪をまとめて束ねた髪型全般・日本の伝統的なまとめ髪を指す場合に使われる

現代の文章では「束髪(そくはつ)」は歴史・日本文化の文脈で使われることが多く、「束髪(つかがみ)」は日本髪・和装の文脈で使われることが多い傾向があります。

どちらの読み方も「髪を束ねる」という本質的な意味は共通しており、「束(まとめる・束ねる)」+「髪(かみ)」という成り立ちから来ています。

束髪の語源と漢字の意味

「束髪」の語源を確認しておきましょう。

「束(そく・つか)」は「まとめてひとつにくくる」という意味をもち、「髪(はつ・かみ)」は「頭髪」を意味します。

「束髪(そくはつ)」は漢語的な読み方であり、「髪を束ねること・束ねた髪型」という直接的な意味から来ています。

明治時代の近代化・西洋化の流れの中で、当時の知識人・啓蒙家たちが「束髪(そくはつ)」という語を使って新しい髪型を普及させようとしたことが、この読み方の定着につながりました。

束髪の歴史—明治時代の女性解放と髪型の変化

続いては、束髪(そくはつ)の歴史的な背景と明治時代における意味について確認していきます。

束髪の普及は単なる髪型のファッションの変化ではなく、近代日本における女性の社会的な変化とも深く結びついています。

江戸時代の日本髪と束髪の違い

束髪を理解するためには、それ以前の江戸時代の日本髪との違いを知ることが重要です。

項目 江戸時代の日本髪 明治時代の束髪
スタイルの特徴 油でかためた複雑な結い上げ。島田髷・桃割れなど多様な形式がある 髪を後ろでまとめた比較的シンプルな形。西洋のアップスタイルに近い
手入れの手間 専門の結い手(髪結い師)が必要なことも多い。手間と費用がかかる 自分で結えるシンプルな形が多い。比較的手軽
使う道具 鬢付け油(びんつけあぶら)・かんざし・笄(こうがい)・べっ甲など多様な飾り シンプルな飾りピン・リボンなど
文化的意味 身分・年齢・婚姻状況が髪型に表れる。厳格な形式がある 個人の好みや実用性を重視。近代的・西洋的な価値観を反映

日本髪は美しい反面、手間・費用・時間がかかる髪型であり、日常生活での活動の制約にもなっていました。

束髪の登場は、そのような制約からの解放という側面をもち、女性の社会進出・生活の近代化と連動した変化でした。

明治時代の束髪普及運動

明治時代には、束髪を普及させるための社会的な運動が起きました。

1885年(明治18年)頃、「束髪会(そくはつかい)」という団体が設立され、西洋風のまとめ髪を普及させる活動が行われました。

当時の教育者・知識人・女学校などが束髪の普及を推進し、女学生・女教師の間で束髪スタイルが広まっていきました。

束髪の普及は単なるファッションの変化ではなく、近代日本における女性の自立・社会参加・西洋文化の受容という大きな時代の流れを体現するものでした。

束髪の代表的なスタイル

明治から大正・昭和初期にかけて流行した束髪の代表的なスタイルを確認しておきましょう。

代表的な束髪のスタイル:
①二百三高地髷(にひゃくさんこうちまげ):日露戦争の戦地名にちなんだ髷。明治末期に流行
②英吉利巻(いぎりすまき):イギリス風のまとめ髪。洋髪の影響を受けたスタイル
③夜会巻き(やかいまき):後頭部で髪をねじり上げてまとめた優雅なスタイル
④マーガレット結び:リボンやピンで髪をまとめた女学生風のスタイル
⑤耳隠し(みみかくし):大正時代に流行。両耳を隠すように髪を波打たせたスタイル

これらのスタイルは、西洋の影響を受けながらも日本人の感性と組み合わさって独自に発展したものです。

文学作品・映画・写真などにも多く残っており、時代の空気感を感じさせる髪型として今も注目されています。

和装と束髪(つかがみ)—日本の伝統的なまとめ髪

続いては、日本の伝統的な和装における束髪(つかがみ)・まとめ髪の種類と特徴を確認していきます。

日本の伝統的な髪型の分類

日本の伝統的な髪型は大きく「日本髪(結い髪)」と「まとめ髪(束髪・つかがみ)」に分類できます。

分類 代表的な髪型 特徴・場面
日本髪(結い髪) 島田髷・桃割れ・銀杏返し・丸髷 鬢付け油で固める。結婚式・舞妓・芸妓などの正式な場面
まとめ髪(束髪) 夜会巻き・シニヨン・お団子ヘア・ギブソンタック 比較的シンプル。和洋装を問わず幅広く使えるスタイル
垂れ髪(たれがみ) おすべらかし(宮廷女官)・垂れ髪(平安時代) 髪を束ねずに垂らすスタイル。古代・宮廷のスタイル

現代の和装(着物・浴衣・振袖・留袖)では、髪型として日本髪・まとめ髪(シニヨン・夜会巻き)のいずれかを選ぶことが多いです。

結婚式での白無垢・色打掛には日本髪(文金高島田など)が合わせられることが多く、和装のカジュアルな場面ではシンプルなまとめ髪が選ばれます。

夜会巻き(やかいまき)の特徴と現代での人気

「夜会巻き(やかいまき)」は束髪を代表するスタイルのひとつであり、現代でも和装・洋装を問わず人気の高いまとめ髪スタイルです。

夜会巻きは後頭部で髪をねじり上げ、コームやピンで固定したエレガントなスタイルです。

名前の通り、元々は夜会(ソワレ・パーティー)に出席する際の正装に合わせたフォーマルな髪型として西洋から伝わりました。

現代では和装の訪問着・留袖・振袖にも合わせられるスタイルとして、着物のヘアアレンジで人気があります。

夜会巻きはシンプルながらも品格があり、和装にも洋装にも対応できる万能なまとめ髪として多くの女性に愛されているスタイルです。

シニヨンとお団子ヘアの和洋折衷的な魅力

「シニヨン(chignon)」と「お団子ヘア」は、和洋双方の文化に親しまれているまとめ髪スタイルです。

シニヨンはフランス語に由来するまとめ髪の総称であり、後頭部や首元で髪をまとめてまとめたスタイルを指します。

日本のお団子ヘアはシニヨンの一形式であり、高い位置にまとめた「高めお団子」から低い位置の「ローお団子」まで、様々なバリエーションがあります。

和装では低めのシニヨン・お団子スタイルが着物の衿(えり)のデザインを引き立てるため、特に浴衣・小紋・訪問着のヘアアレンジとして広く選ばれています。

現代における束髪・まとめ髪の活用

続いては、現代における束髪・まとめ髪の多様な活用シーンと技術を確認していきます。

現代のまとめ髪スタイルの種類

現代では「まとめ髪」という形で束髪の概念が幅広く受け継がれています。

まとめ髪スタイル 特徴・場面
ポニーテール 最もシンプルなまとめ髪。カジュアル・スポーツ場面に最適
夜会巻き 後頭部でねじり上げたエレガントなスタイル。フォーマル・和装に最適
シニヨン・お団子 髪をまとめてねじりまとめたスタイル。和洋どちらにも対応
ハーフアップ 上半分の髪をまとめ、下半分を下ろすスタイル。柔らかい印象
三つ編みまとめ 三つ編みを組み合わせたまとめ髪。ボヘミアン・ナチュラルな印象
ギブソンタック 毛先を内側に折り込んでまとめるスタイル。大人っぽくエレガント

これらのスタイルはいずれも「束髪」の概念を現代的に発展させたものであり、日本の近代化の中で育まれた「髪をまとめる文化」の現代的な継承といえます。

和装ヘアアレンジとしての束髪の実践

着物・浴衣などの和装に合わせるヘアアレンジとして、まとめ髪(束髪)を実践する際のポイントを確認しておきましょう。

和装ヘアアレンジのポイント:
①着物の格(フォーマル度)に合わせた髪型を選ぶ
②訪問着・留袖などフォーマルな着物には日本髪または格調ある夜会巻き
③浴衣・小紋などカジュアルな和装にはお団子・ハーフアップなど
のシンプルなまとめ髪
④衿(えり)元・うなじ(首後ろ)が美しく見えるよう、首元をすっきりさせる
⑤かんざし・髪飾りは着物の色・柄・季節に合わせたものを選ぶ
⑥ルーズすぎるまとめ方は和装の格式に合わない場合があるため場面を選ぶ

和装ヘアアレンジでは、うなじ(首の後ろ)をきれいに見せることが重要なポイントです。

着物の衣紋(えもん)の抜き具合と連動して、うなじが美しく見えるまとめ髪のスタイルが和装ヘアの基本です。

束髪の歴史から学ぶ日本の美意識

束髪の歴史を振り返ることで、日本の美意識と時代の変化の関係を深く理解することができます。

江戸時代の複雑な日本髪には「身分・礼儀・美の秩序」という価値観が込められており、明治の束髪には「近代化・個人の解放・西洋との融合」という時代精神が反映されていました。

現代のまとめ髪・束髪スタイルは、そのどちらの価値観も受け継ぎながら、個人の個性・シーン・文化的背景に合わせて自由に選べる豊かさをもっています。

「髪型」というものが単なる外見の問題ではなく、時代・文化・社会の変化を映す鏡であることが、束髪の歴史から見えてくるでしょう。

束髪(そくはつ)は明治時代に西洋の影響を受けて普及した近代的なまとめ髪スタイルです。江戸時代の油を使った日本髪に対し、手軽にまとめられる束髪は女性の解放・社会参加の象徴でもありました。束髪(つかがみ)という読みでは日本の伝統的なまとめ髪全般を指す場合があります。夜会巻き・シニヨン・お団子など現代のまとめ髪スタイルは束髪文化の現代的な継承です。

まとめ

この記事では、束髪の意味・読み方・歴史・種類・和装との関係・現代でのまとめ髪スタイルまで幅広く解説しました。

束髪(そくはつ)とは明治時代に西洋の影響を受けて広まった近代的なまとめ髪スタイルであり、当時の女性の解放・社会参加・近代化と深く結びついた文化的な変化でした。

束髪(つかがみ)という読みでは日本の伝統的なまとめ髪全般を指す場合もあり、夜会巻き・シニヨン・お団子ヘアなど現代のまとめ髪スタイルとして受け継がれています。

和装ヘアアレンジでは着物の格・場面に合わせたまとめ髪を選び、うなじを美しく見せることが基本です。

束髪の歴史を通じて、日本の美意識・時代の変化・文化の融合という豊かなテーマが見えてきます。

束髪への理解を深めることで、日本の歴史・文化・ファッションへの興味がさらに広がっていくでしょう。