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縦弾性係数の一覧表は?材料別の値を比較!(鋼材:アルミニウム:木材:プラスチック:金属材料など)

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「縦弾性係数(ヤング率)の材料別の値をまとめて確認したい」「設計で使う材料の弾性係数をすぐに調べたい」——そう思ったことはありませんか。

材料選定や構造計算の場面で、様々な材料の縦弾性係数を素早く比較できる一覧表は非常に役立ちます。

本記事では、鋼材・アルミニウム・木材・プラスチック・その他金属材料など幅広い材料の縦弾性係数(E値)を一覧表形式で整理し、各材料の特徴と設計への応用まで詳しく解説していきます。

材料力学・機械設計・建築構造・製品開発に携わる方にとって、実務で即座に活用できる実践的な内容となっているでしょう。

縦弾性係数の材料別一覧——主要材料の値と特徴を一挙に整理する

それではまず、主要な材料の縦弾性係数(E値)を一覧形式で整理し、特徴を解説していきます。

縦弾性係数の値は材料によって桁違いに異なり、その差は材料選定において非常に重要な指標となります。

金属材料の縦弾性係数一覧

金属材料は一般的に縦弾性係数が高く、構造材料として広く使用されています。

金属材料 縦弾性係数E(N/mm²) 縦弾性係数E(GPa) 密度(g/cm³)
タングステン 約411,000 約411 約19.3
炭素鋼・構造用鋼 約206,000 約206 約7.85
ニッケル 約200,000 約200 約8.9
ステンレス鋼(SUS304) 約193,000 約193 約7.93
鋳鉄(ねずみ鋳鉄) 約100,000〜170,000 約100〜170 約7.2
チタン合金(Ti-6Al-4V) 約110,000 約110 約4.43
銅(純銅) 約118,000 約118 約8.96
黄銅(真鍮) 約97,000〜110,000 約97〜110 約8.4〜8.7
アルミニウム合金(2024) 約72,000 約72 約2.78
アルミニウム合金(6061) 約69,000 約69 約2.70
マグネシウム合金 約44,000〜45,000 約44〜45 約1.77

タングステンは金属の中で最も高い縦弾性係数を示し、アルミニウム合金は鋼材の約1/3の値を持ちながら密度も約1/3であるため比剛性は鋼材と同等という特徴があります。

無機材料・セラミックスの縦弾性係数一覧

無機材料・セラミックス 縦弾性係数E(N/mm²) 主な用途
ダイヤモンド 約1,000,000〜1,200,000 切削工具・研磨材
炭化ケイ素(SiC) 約400,000〜450,000 耐熱部品・半導体基板
アルミナ(酸化アルミニウム) 約370,000〜400,000 耐熱・耐摩耗部品
ガラス(ソーダライムガラス) 約68,000〜72,000 建築・光学・容器
普通コンクリート(Fc=24) 約24,000〜25,000 建築・土木構造物
コンクリート(高強度Fc=60) 約33,000〜35,000 高層建築・橋梁

高分子材料・プラスチックの縦弾性係数一覧

プラスチック材料は金属と比べると縦弾性係数が低く、軽量性と加工性に優れる一方で剛性が低いという特徴があります。

プラスチック材料 縦弾性係数E(N/mm²) 特徴・用途
ポリカーボネート(PC) 約2,300〜2,400 光学部品・防弾ガラス代替
ABS樹脂 約1,900〜2,700 家電筐体・自動車内装
ナイロン6(PA6) 約2,000〜3,500 歯車・軸受・コネクタ
ポリエチレン(PE・高密度) 約700〜1,400 容器・配管・フィルム
ポリプロピレン(PP) 約1,100〜1,600 包装材・自動車部品
エポキシ樹脂(硬化後) 約3,000〜4,500 接着剤・CFRP母材
天然ゴム(加硫後) 約0.1〜1 タイヤ・防振材・シール
シリコーンゴム 約0.001〜0.05 電子部品封止・医療機器

木材・複合材料の縦弾性係数——異方性材料の特徴的な値

続いては、木材や複合材料の縦弾性係数について確認していきます。

木材や繊維強化複合材料は方向によって縦弾性係数が大きく異なる「異方性材料」であり、取り扱いに特別な注意が必要です。

木材の縦弾性係数——樹種と方向による違い

木材は繊維(木目)方向と繊維に直角な方向で縦弾性係数が大きく異なります。

樹種 繊維方向のE(N/mm²) 繊維直角方向のE(N/mm²) 主な用途
スギ(杉) 約7,000〜9,000 約300〜500 建築構造材・内装材
ヒノキ(桧) 約9,000〜11,000 約400〜600 建築構造材・高級内装
ベイマツ(ダグラスファー) 約12,000〜14,000 約500〜900 建築構造材・合板
ラワン合板 約6,000〜9,000 約4,000〜7,000 建築下地材・型枠
集成材(構造用) 約9,000〜13,000 大断面木造建築

木材の繊維方向の縦弾性係数は繊維直角方向の約10〜30倍もの大きな値を示すことが多く、木材を構造材として使用する際には必ず荷重に対する繊維の方向を意識した設計が不可欠です。

繊維強化プラスチック(FRP)の縦弾性係数

繊維強化プラスチック(FRP)は、強化繊維の種類・体積分率・積層方向によって縦弾性係数が大きく異なります。

FRP材料 繊維方向のE(N/mm²) 繊維直角方向のE(N/mm²)
炭素繊維/エポキシ(CFRP・UD) 約130,000〜180,000 約8,000〜12,000
ガラス繊維/エポキシ(GFRP・UD) 約40,000〜45,000 約10,000〜13,000
アラミド繊維/エポキシ(KFRP・UD) 約76,000〜80,000 約5,000〜6,000

CFRPは繊維方向において鋼材に匹敵または超える縦弾性係数を持ちながら、密度は鋼材の約1/4〜1/5と非常に軽量であり、比剛性・比強度において鋼材を大きく上回る優れた特性を持つ先端材料です。

生体材料・自然材料の縦弾性係数

医療機器・バイオメカニクス分野では、生体材料の縦弾性係数も重要です。

皮質骨(緻密骨)の縦弾性係数は約15,000〜25,000N/mm²、軟骨は約0.5〜1.0N/mm²、腱・靭帯は約200〜2,000N/mm²程度の値を示します。

インプラントや人工関節の設計では、生体骨の弾性係数に近い材料を選定することで応力シールディング(骨萎縮)を防ぐことができるため、生体材料の弾性係数の理解が非常に重要です。

縦弾性係数による材料比較——比剛性と材料選定への応用

続いては、縦弾性係数を用いた材料比較と選定への応用について確認していきます。

縦弾性係数の絶対値だけでなく、密度との関係から求められる比剛性(比弾性係数)が材料選定において重要な指標となります。

比剛性(比弾性係数)による材料比較

比剛性とは縦弾性係数Eを密度ρで割った値(E/ρ)であり、単位質量あたりの剛性を表します。

構造物の軽量化と剛性の両立が求められる場面では、縦弾性係数の絶対値よりも比剛性が重要な選定基準となります。

材料 E(GPa) 密度(g/cm³) 比剛性E/ρ(GPa・cm³/g)
炭素鋼 206 7.85 約26
アルミ合金(6061) 69 2.70 約26
チタン合金 110 4.43 約25
CFRP(0°積層) 150 1.60 約94
木材(スギ繊維方向) 8 0.38 約21

CFRPの比剛性は鋼材の約3.6倍という圧倒的な値を示しており、軽量高剛性が要求される航空宇宙・スポーツ用品・レーシングカーなどへの採用が急速に拡大している背景には、この比剛性の優位性があります。

縦弾性係数と材料の用途分類

縦弾性係数の値によって、材料の典型的な用途がある程度分類できます。

縦弾性係数による材料の用途分類の目安

E > 200,000 N/mm²:構造用鋼材・タングステン → 主構造部材・高剛性機械部品

E = 60,000〜200,000 N/mm²:アルミ・チタン・銅合金 → 軽量構造・精密機械部品

E = 20,000〜60,000 N/mm²:コンクリート・ガラス → 建築構造材・光学部品

E = 5,000〜20,000 N/mm²:木材・一般エンプラ → 木造建築・機械部品(低荷重)

E = 0.01〜5,000 N/mm²:各種ゴム・軟質樹脂 → シール材・防振材・緩衝材

温度による縦弾性係数の変化と設計への影響

縦弾性係数は温度によって変化するため、使用環境温度を考慮した材料選定が重要です。

一般的に温度上昇とともに縦弾性係数は低下しますが、低下の程度は材料によって大きく異なります。

エンジニアリングプラスチックや高分子材料では、ガラス転移温度(Tg)付近で縦弾性係数が急激に低下する特性があり、使用温度範囲の確認が不可欠です。

縦弾性係数一覧の設計活用——材料選定の判断基準

続いては、縦弾性係数一覧を実際の設計・材料選定にどう活用するかについて確認していきます。

構造部材の材料選定における縦弾性係数の役割

構造部材の材料を選定する際、縦弾性係数は以下の設計要求との関係で評価されます。

剛性要求(変形量の制限)が厳しい場合はEが大きい材料が有利であり、軽量化要求が強い場合は比剛性(E/ρ)で比較することが重要です。

コスト・加工性・耐食性・耐熱性などの要求も総合的に考慮する必要がありますが、縦弾性係数は構造部材の材料選定における最初の絞り込み指標として非常に有効です。

縦弾性係数と強度の関係——剛性と強度は別物

縦弾性係数(剛性)と引張強度(強さ)は別の物性値であることを理解しておく必要があります。

たとえば高強度アルミ合金は縦弾性係数は普通鋼材の約1/3ですが、引張強度は普通鋼材を上回ることがあります。

逆に高強度鋼(高張力鋼)は引張強度は高いものの、縦弾性係数は普通鋼材とほぼ同じ約206,000N/mm²です。

強度要求には高強度材料を選び、剛性要求には縦弾性係数の高い材料を選ぶという、強度と剛性を独立した評価軸として材料選定を行うことが設計の基本といえます。

データシート・規格から縦弾性係数を確認する方法

実務設計では、使用する材料の縦弾性係数をメーカーのデータシートやJIS規格・ISO規格から確認することが重要です。

プラスチック材料では温度・吸湿状態・ひずみ速度によって縦弾性係数が変化するため、使用条件に近い試験条件でのデータを参照することが必要です。

金属材料はJIS規格(JIS G・JIS H・JIS Cなど)に縦弾性係数の参考値が記載されており、設計の根拠として活用することができます。

縦弾性係数一覧——代表的な値のまとめ

・鋼材(構造用):約206,000 N/mm²(206 GPa)

・ステンレス鋼(SUS304):約193,000 N/mm²(193 GPa)

・アルミニウム合金:約69,000〜72,000 N/mm²(69〜72 GPa)

・チタン合金:約110,000 N/mm²(110 GPa)

・CFRP(繊維方向):約130,000〜180,000 N/mm²

・普通コンクリート:約20,000〜30,000 N/mm²

・木材(繊維方向):約7,000〜14,000 N/mm²

・エンジニアリングプラスチック:約1,000〜4,000 N/mm²

・ゴム類:約0.001〜1 N/mm²

まとめ

本記事では、縦弾性係数の材料別一覧を金属材料・無機材料・プラスチック・木材・複合材料にわたって体系的に整理し、比剛性による材料比較と設計への応用まで幅広く解説してきました。

縦弾性係数は材料ごとに桁違いの差があり、鋼材の約206GPaからゴムの0.001GPa以下まで、10億倍以上の範囲に分布していることが分かります。

設計目的に応じて縦弾性係数の絶対値・比剛性・使用温度範囲・コストなどを総合的に評価することで、最適な材料選定が実現できます。

本記事の一覧表と解説を参考に、設計実務や材料選定の判断にぜひ役立てていただければ幸いです。