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応力度の単位は?換算・変換も(PaやN/mm2やkgf/cm2やMPa等)読み方や一覧は?

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構造計算や材料力学の分野で欠かせない概念のひとつが「応力度」です。

応力度とは、単位面積あたりにかかる力の大きさを表す物理量であり、建築・土木・機械設計など幅広い分野で使われています。

しかし、応力度にはPa(パスカル)、N/mm²(ニュートン毎平方ミリメートル)、kgf/cm²(キログラム重毎平方センチメートル)、MPa(メガパスカル)など、さまざまな単位が存在し、それぞれの換算・変換に戸惑う方も多いのではないでしょうか。

この記事では、応力度の単位の読み方や一覧、そして単位同士の換算・変換方法をわかりやすく解説していきます。

設計実務や試験勉強など、さまざまな場面でお役立ていただける内容となっています。

応力度の単位はPa・N/mm²・MPa・kgf/cm²などで表される

それではまず、応力度の単位と読み方について解説していきます。

応力度の単位は、使用する単位系によっていくつかの種類があります。

現代の国際単位系(SI単位系)では「Pa(パスカル)」が基本単位として採用されており、工学分野ではその派生単位であるN/mm²やMPaが頻繁に使われています。

一方、古くから日本の建築・土木分野で使われてきた重力単位系では「kgf/cm²(キログラム重毎平方センチメートル)」が用いられてきました。

以下に、応力度でよく使われる単位の一覧と読み方をまとめます。

単位記号 読み方 単位系 主な使用分野
Pa パスカル SI単位系 物理・気象・圧力全般
kPa キロパスカル SI単位系 地盤工学・気圧
MPa メガパスカル SI単位系 建築・機械・コンクリート強度
GPa ギガパスカル SI単位系 弾性係数・超高強度材料
N/mm² ニュートン毎平方ミリメートル SI単位系 建築構造・鋼材強度
N/m² ニュートン毎平方メートル SI単位系 Paと同義
kgf/cm² キログラム重毎平方センチメートル 重力単位系 旧建築基準・土木
kgf/m² キログラム重毎平方メートル 重力単位系 旧土木・地盤
tf/m² トン重毎平方メートル 重力単位系 旧地盤工学
psi ポンド毎平方インチ ヤード・ポンド法 米国の建築・機械

このように、応力度の単位は単位系や使用する分野によって多様であることがわかります。

日本では2000年代以降、建築基準法の改正にともないSI単位系への移行が進み、現在はN/mm²やMPaが主流となっています。

Pa(パスカル)とは

Pa(パスカル)は、SI単位系における圧力・応力度の基本単位です。

「1Paとは、1m²の面積に1Nの力がかかるときの応力度」を意味します。

フランスの数学者・物理学者ブレーズ・パスカルにちなんで命名された単位であり、気象の気圧表示にも使われる身近な単位のひとつです。

ただし、Pa単体では建築・構造分野で扱う応力度としては非常に小さい値になるため、実務ではkPa(キロパスカル)やMPa(メガパスカル)が多用されます。

N/mm²(ニュートン毎平方ミリメートル)とは

N/mm²は、建築構造や機械設計でよく用いられる応力度の単位です。

「1mm²の面積に1Nの力がかかるときの応力度」を表しており、鋼材の降伏応力度や引張強度などを表す際に広く使われます。

N/mm²はMPaと数値上まったく同じ大きさであるため、実務では混在して使われることも多い単位です。

後ほど換算の箇所で詳しく説明しますが、この点は非常に重要なポイントといえるでしょう。

kgf/cm²(キログラム重毎平方センチメートル)とは

kgf/cm²は、重力単位系における応力度の代表的な単位です。

「1cm²の面積に1kgfの力がかかるときの応力度」を意味し、かつての日本の建築基準法や土木基準で広く採用されていました。

SI単位系への移行後も、古い設計図書や参考書ではkgf/cm²が使われているケースが多く、換算の知識は今でも欠かせません。

なお「kgf」は「キログラム重(キログラムフォース)」と読み、重力加速度を考慮した力の単位であることを覚えておきましょう。

応力度の単位換算・変換の方法を理解しよう

続いては、応力度の単位換算・変換の方法を確認していきます。

応力度の単位換算は、設計実務や試験問題でも頻出のテーマです。

基本的な換算係数を正しく理解しておくことで、異なる単位系が混在する場面でも迷わずに対応できるようになります。

応力度の単位換算で最も重要な関係は以下の3つです。

1N/mm² = 1MPa

1MPa = 1,000,000Pa(10⁶Pa)

1kgf/cm² ≒ 0.0981MPa ≒ 0.1MPa(概算)

Pa・kPa・MPa・GPaの換算

まず、SI単位系の中でのパスカル系単位同士の換算を確認しましょう。

1kPa = 1,000Pa(10³Pa)

1MPa = 1,000,000Pa(10⁶Pa)

1GPa = 1,000,000,000Pa(10⁹Pa)

1MPa = 1,000kPa

1GPa = 1,000MPa

接頭語の「k(キロ)=10³」「M(メガ)=10⁶」「G(ギガ)=10⁹」を覚えておくと、スムーズに換算できます。

桁数が大きくなるため、指数表記に慣れておくことが重要です。

N/mm²とPa・MPaの換算

N/mm²とPaの換算は、面積の単位変換から導くことができます。

1m = 1,000mm なので、1m² = 1,000,000mm²(10⁶mm²)

よって、1N/m² = 1N ÷ 1,000,000mm² = 10⁻⁶ N/mm²

逆に、1N/mm² = 1,000,000N/m² = 10⁶Pa = 1MPa

この計算から、1N/mm² = 1MPa という等価関係が成り立つことがわかります。

建築構造の実務でN/mm²とMPaが混用されるのは、この等価性によるものです。

どちらで書かれていても、数値は変わらないと覚えておきましょう。

kgf/cm²とN/mm²・MPaの換算

重力単位系から SI単位系への換算には、重力加速度g ≒ 9.80665m/s²を使います。

1kgf = 9.80665N(≒ 9.81N)

1cm = 10mm なので、1cm² = 100mm²

1kgf/cm² = 9.80665N ÷ 100mm² = 0.0980665N/mm² ≒ 0.0981MPa

逆に、1N/mm² = 1MPa ≒ 10.197kgf/cm² ≒ 10.2kgf/cm²

実務や概算では「1kgf/cm² ≒ 0.1MPa」「1MPa ≒ 10kgf/cm²」と覚えておくと便利です。

ただし、厳密な計算が必要な場合は重力加速度(9.80665m/s²)を使った正確な換算を行いましょう。

応力度の単位換算一覧表でまとめて確認

続いては、応力度の単位換算をまとめた一覧表を確認していきます。

これまで説明してきた換算関係を、一目でわかるよう表にまとめました。

実務や学習の際に参照できるよう、ぜひ活用してください。

変換元 Pa kPa MPa(=N/mm²) GPa kgf/cm²
1Pa 1 0.001 0.000001 0.000000001 約0.0000102
1kPa 1,000 1 0.001 0.000001 約0.0102
1MPa(=1N/mm²) 1,000,000 1,000 1 0.001 約10.2
1GPa 1,000,000,000 1,000,000 1,000 1 約10,197
1kgf/cm² 約98,066.5 約98.07 約0.0981 約0.0000981 1

この表を見ると、単位の大きさが桁違いに異なることが一目でわかります。

特にPaとGPaでは10⁹(10億倍)もの差があるため、単位の読み間違いには十分注意が必要です。

N/mm²とkN/m²の換算

建築構造の荷重計算では、kN/m²(キロニュートン毎平方メートル)という単位もよく登場します。

1kN = 1,000N

1m² = 1,000,000mm²(10⁶mm²)

1kN/m² = 1,000N ÷ 1,000,000mm² = 0.001N/mm² = 0.001MPa = 1kPa

よって、1N/mm² = 1,000kN/m²

荷重の単位として使われるkN/m²と、応力度の単位N/mm²を混同しないよう注意しましょう。

数値としては1N/mm² = 1,000kN/m²という関係がありますが、荷重と応力度では概念が異なる点も覚えておきましょう。

psi(ポンド毎平方インチ)との換算

米国規格や海外製品の仕様書などでは、psi(pounds per square inch)という単位が使われることがあります。

1psi ≒ 6,894.76Pa ≒ 0.006895MPa

1MPa ≒ 145.04psi

例:コンクリートの圧縮強度 4,000psi ≒ 27.6MPa

psiはヤード・ポンド法の単位であり、日本の実務ではあまり使いませんが、輸入材料や海外規格品を扱う際には換算知識が役立つでしょう。

tf/m²(トン重毎平方メートル)との換算

旧来の地盤工学などではtf/m²(トン重毎平方メートル)という単位も使われていました。

1tf = 1,000kgf

1tf/m² = 1,000kgf/m²

1kgf/m² = 9.80665Pa ≒ 9.81Pa

1tf/m² = 9,806.65Pa ≒ 9.807kPa ≒ 0.009807MPa

古い地盤調査報告書や設計図書を参照する際に登場する単位であるため、頭に入れておくと安心です。

応力度とは何か?基本的な定義と共起語も確認

続いては、応力度そのものの基本的な定義と、関連する重要語句を確認していきます。

単位の理解をより深めるためにも、応力度の概念と周辺知識をおさえておきましょう。

応力度の定義と応力との違い

応力度とは、物体の断面に生じる内力(応力)を、その断面の単位面積で割った値のことです。

数式で表すと以下のようになります。

応力度(σ) = 力(N) ÷ 断面積(mm²)

単位:N/mm²(MPa)

例:断面積100mm²の鋼材に10,000Nの引張力がかかるとき

応力度 = 10,000N ÷ 100mm² = 100N/mm² = 100MPa

「応力」と「応力度」は混同されがちですが、応力は力(N)、応力度は単位面積あたりの力(N/mm²など)という違いがあります。

英語では応力度をstress(ストレス)と呼ぶことが多く、σ(シグマ)の記号で表されることが一般的です。

応力度の種類(引張・圧縮・せん断)

応力度はその作用の向きや性質によっていくつかの種類に分類されます。

種類 記号 内容 単位
引張応力度 σₜ 断面を引き伸ばす方向の応力度 N/mm²、MPa
圧縮応力度 σc 断面を圧縮する方向の応力度 N/mm²、MPa
せん断応力度 τ(タウ) 断面に平行に作用する応力度 N/mm²、MPa
曲げ応力度 σb 曲げモーメントによる応力度 N/mm²、MPa
支圧応力度 σbs 接触面に垂直に作用する応力度 N/mm²、MPa

これらはいずれもN/mm²やMPaといったSI単位系で表されるのが現代の建築・構造設計の標準です。

設計基準強度や許容応力度もこれらの単位で示されているため、単位の理解は構造設計の基礎といえます。

許容応力度・設計基準強度との関係

建築構造設計では、応力度が一定の上限値(許容応力度・設計基準強度)を超えないことを確認します。

例えば、コンクリートの設計基準強度(Fc)は一般的に18〜36N/mm²(MPa)程度で設定されます。

設計基準強度の例

普通コンクリート Fc = 21N/mm²(21MPa)

高強度コンクリート Fc = 60N/mm²(60MPa)以上

SS400鋼材の降伏応力度 fy = 235N/mm²(235MPa)

(板厚16mm以下の場合)

旧来の表記ではkgf/cm²で示されていたため、古い資料を参照する際には換算が必要となります。

Fc = 210kgf/cm² ≒ 21N/mm²という関係を覚えておくと、旧規格の設計図書を読む際にも役立つでしょう。

まとめ

この記事では、「応力度の単位は?換算・変換も(PaやN/mm²やkgf/cm²やMPa等)読み方や一覧は?」というテーマで詳しく解説してきました。

応力度の単位には、SI単位系のPa・kPa・MPa・GPa・N/mm²、重力単位系のkgf/cm²・tf/m²、ヤード・ポンド法のpsiなど多様な種類があります。

現代の日本の建築・構造設計ではN/mm²(=MPa)がメインの単位として使われていますが、古い設計図書や地盤調査資料ではkgf/cm²も登場します。

換算の基本として「1N/mm² = 1MPa」「1kgf/cm² ≒ 0.1MPa」という関係はしっかり押さえておきましょう。

応力度の単位と換算をしっかり理解することで、構造計算や設計実務・試験対策において大きな助けになるはずです。

ぜひこの記事の一覧表や換算式を活用して、日々の学習や実務にお役立てください。