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シクロヘキサンの沸点と融点は?比重・密度・分子量・引火点も解説【公的機関のリンク付き】

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化学の世界では、有機溶媒の物性データを正確に把握することが、安全な取り扱いや実験・製造プロセスの設計において非常に重要です。

今回解説するのは、シクロヘキサンの沸点と融点は?比重・密度・分子量・引火点も解説【公的機関のリンク付き】というテーマです。

シクロヘキサンは、石油化学工業や有機合成の分野で広く使用される代表的な脂環式炭化水素であり、ナイロン製造の前駆体としても知られています。

沸点・融点はもちろん、比重・密度・分子量・引火点といった基本物性を理解することで、安全管理や品質管理の精度が大幅に向上するでしょう。

本記事では、各物性値を丁寧に解説するとともに、信頼性の高い公的機関のデータもご紹介していきます。

シクロヘキサンの基本物性まとめ【結論】

それではまず、シクロヘキサンの基本物性について解説していきます。

シクロヘキサンは、分子式 C₆H₁₂ で表される脂環式飽和炭化水素です。

無色透明の液体で、特有のガソリン様の臭気を持ち、水にはほとんど溶けませんが、有機溶媒とはよく混和するという特徴があります。

まずは、主要な物性値を一覧表で確認してみましょう。

物性項目
分子量 84.16 g/mol
沸点 80.7 °C(1気圧)
融点(凝固点) 6.5 °C
密度(20°C) 0.779 g/cm³
比重(20°C/4°C) 約 0.779
引火点 −18 °C
蒸気圧(20°C) 約 10.3 kPa
CAS番号 110-82-7

シクロヘキサンは沸点が約80.7°C、融点が約6.5°C、引火点が−18°Cという非常に引火しやすい危険な溶媒です。

取り扱いには十分な注意と適切な防火対策が不可欠といえます。

それぞれの物性値については、以降の見出しで詳しく解説していきます。

シクロヘキサンの化学的位置づけ

シクロヘキサンは、IUPAC命名法に基づく脂環式炭化水素(シクロアルカン)の一種です。

6つの炭素原子が環状に結合した構造を持ち、すべての炭素がsp³混成軌道を形成しているため、ベンゼンとは異なり芳香族性を持ちません。

その安定した環構造から、有機合成における溶媒や出発原料として非常に広く活用されています。

シクロヘキサンの主な用途

シクロヘキサンの最大の用途は、ナイロン-6やナイロン-6,6の製造原料となることです。

酸化反応によってシクロヘキサノールやシクロヘキサノンが生成され、これらがアジピン酸やカプロラクタムの前駆体となります。

また、塗料・接着剤・ゴム工業などにおける溶媒としても重要な役割を果たしているといえるでしょう。

公的機関における物性データの確認方法

シクロヘキサンの物性データは、複数の信頼性の高い公的機関で確認することができます。

代表的な情報源として、以下が挙げられます。

・国立医薬品食品衛生研究所(NIHS)の化学物質データベース

・製品評価技術基盤機構(NITE)のGHS分類情報(https://www.nite.go.jp/)

・米国国立標準技術研究所(NIST)のWebBook(https://webbook.nist.gov/)

・国際化学物質安全性カード(ICSC)(https://www.ilo.org/)

これらのデータベースを活用することで、根拠のある正確な物性値を確認することができるでしょう。

シクロヘキサンの沸点と融点について詳しく解説

続いては、シクロヘキサンの沸点と融点を詳しく確認していきます。

沸点と融点は、物質の相変化に関わる基本的な熱的性質であり、保管条件や取り扱い温度の管理に直結する重要なパラメータです。

シクロヘキサンの沸点

シクロヘキサンの沸点は、1気圧(101.325 kPa)のもとで約80.7°Cです。

これはエタノール(78.4°C)やベンゼン(80.1°C)と非常に近い値であり、混合物からの分離・精製において注意が必要な点といえます。

特に、シクロヘキサンとベンゼンの沸点が非常に近いため、蒸留による分離が困難なケースもあります。

シクロヘキサンの沸点は約80.7°Cと比較的低く、常温でも蒸発しやすい性質があります。

このため、密閉容器での保管と換気の徹底が安全管理上の基本となります。

蒸気圧が高いため、20°Cという比較的低い温度でもすでに蒸気が発生しており、密閉されていない環境では引火の危険性があることも覚えておきましょう。

シクロヘキサンの融点(凝固点)

シクロヘキサンの融点(固体から液体になる温度)は、約6.5°Cです。

これは室温付近の温度であるため、冬季や冷蔵環境では固体化(凍結)することがある点に注意が必要でしょう。

固体化したシクロヘキサンを取り扱う際には、加温操作が必要となりますが、その際に急激な温度上昇が引火リスクを高める可能性があるため、慎重な操作が求められます。

融点(凝固点) 約6.5°C

→ 6.5°C以下では固体状態で存在する

→ 室温(約20〜25°C)では液体として取り扱われることがほとんど

沸点・融点の温度管理における注意点

シクロヘキサンは沸点・融点ともに比較的低い温度帯にあるため、保管・輸送・使用環境の温度管理が非常に重要です。

保管場所は直射日光や熱源から遠ざけ、換気の良い冷暗所に設置することが基本となります。

また、消防法においてシクロヘキサンは第4類危険物(第1石油類)に分類されており、その取り扱いには法令遵守が必要です。

シクロヘキサンの密度・比重・分子量を詳しく解説

続いては、シクロヘキサンの密度・比重・分子量を確認していきます。

これらの値は、液量から質量への換算や混合比率の計算など、実際の現場で頻繁に利用されるデータです。

シクロヘキサンの分子量

シクロヘキサンの分子式はC₆H₁₂であり、分子量は以下のように計算されます。

C(炭素)の原子量 × 6 = 12.011 × 6 = 72.066

H(水素)の原子量 × 12 = 1.008 × 12 = 12.096

分子量 = 72.066 + 12.096 = 約84.16 g/mol

この分子量は、モル濃度の計算や反応収率の算出など、有機化学の実験・製造において基礎となる数値です。

NISTのWebBookにおいても、分子量84.159 g/molと記載されており、広く参照されています。

シクロヘキサンの密度と比重

シクロヘキサンの密度は、20°Cにおいて約0.779 g/cm³(= 0.779 g/mL)です。

これは水(1.000 g/cm³)より小さいため、シクロヘキサンは水に浮く性質を持ちます。

比重は、基準物質(水、4°C)との密度比であり、シクロヘキサンの比重は約0.779となります。

温度 密度(g/cm³)
15°C 約 0.783
20°C 約 0.779
25°C 約 0.774

温度が上昇するにつれて密度は低下する傾向があります。

実際の現場では、使用温度での密度補正を行うことが正確な計量につながるでしょう。

密度・比重の実務的な活用方法

密度・比重のデータは、体積から質量を求める計算に不可欠です。

例:シクロヘキサン1リットル(1000 mL)の質量は?

質量 = 体積 × 密度

= 1000 mL × 0.779 g/mL

779 g(約779 g)

このように、密度を用いることで体積と質量の相互換算が容易になります。

配合設計や物量管理を行う現場においては、この計算を日常的に行うことになるため、正確な密度値の把握が重要といえるでしょう。

シクロヘキサンの引火点と危険性・法規制について

続いては、シクロヘキサンの引火点と取り扱い上の危険性、および関連する法規制を確認していきます。

引火点は、可燃性物質の安全管理における最も重要な指標の一つであり、適切な知識を持つことが事故防止に直結します。

シクロヘキサンの引火点

シクロヘキサンの引火点は、約−18°Cです。

引火点とは、液体の表面から発生する蒸気が空気と混合し、点火源があれば引火するのに十分な濃度に達する最低温度のことです。

−18°Cという値は非常に低く、冬季の屋外や冷蔵倉庫内であっても引火の危険があることを意味します。

シクロヘキサンの引火点は−18°Cと極めて低く、常温でも引火の危険性があります。

裸火・静電気・電気スパークなどの着火源を徹底的に排除することが、安全管理の最優先事項です。

また、爆発限界(燃焼範囲)は空気中体積濃度で1.3〜8.4%とされており、この濃度範囲内では爆発的燃焼が起こる可能性があります。

消防法・化学物質管理法における分類

シクロヘキサンは日本の消防法において、第4類危険物・第1石油類(非水溶性)に分類されています。

指定数量は200リットルであり、これを超える量を貯蔵・取り扱う場合には、消防署への届出や危険物取扱者の選任が必要となります。

また、化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)における対象物質としても登録されており、年間の排出量や移動量の届出が義務づけられています。

法規制 分類・内容
消防法 第4類危険物・第1石油類(非水溶性)、指定数量200L
労働安全衛生法 有機溶剤中毒予防規則の適用対象(第2種有機溶剤)
PRTR法 第1種指定化学物質(排出・移動量届出義務あり)
化審法 既存化学物質として登録済み

シクロヘキサンの健康影響と取り扱い注意事項

シクロヘキサンの蒸気を吸入すると、頭痛・めまい・倦怠感・意識障害などの症状が現れる可能性があります。

長期・繰り返し暴露によっては、神経系への影響も報告されているため、作業環境における許容濃度の管理が重要です。

日本産業衛生学会の勧告値では、シクロヘキサンの許容濃度は20 ppmと設定されています。

取り扱い時には、耐有機溶剤手袋・保護眼鏡・防毒マスクの着用を徹底し、局所排気装置の設置が推奨されます。

より詳細な安全情報については、NITEが公開しているGHS分類情報(https://www.nite.go.jp/)やSDS(安全データシート)をご確認ください。

まとめ

本記事では、シクロヘキサンの沸点と融点は?比重・密度・分子量・引火点も解説【公的機関のリンク付き】というテーマのもと、各物性値と安全情報を詳しく解説してきました。

シクロヘキサンは沸点約80.7°C、融点約6.5°C、密度約0.779 g/cm³、分子量84.16 g/mol、引火点−18°Cという特徴的な物性を持つ有機溶媒です。

特に引火点が−18°Cと非常に低いことから、取り扱い時の防火・防爆対策は最重要事項といえます。

消防法・労働安全衛生法・PRTR法など、複数の法令が適用されるため、関連法規の正確な理解と遵守が欠かせません。

物性データの確認には、NIST WebBook・NITE・国際化学物質安全性カード(ICSC)などの公的機関のデータベースを積極的に活用することをおすすめします。

正確な物性値の把握と適切な安全管理を徹底することで、シクロヘキサンを安全かつ効果的に活用できるでしょう。