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亜鉛の比重や密度は?kg/m3やg/cm3の数値一覧も【合金との違いも】

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亜鉛(Zinc)は、私たちの身の回りで幅広く活用されている非鉄金属のひとつです。

めっき加工や合金素材として産業界で欠かせない存在であり、その物理的性質を正確に把握することは、設計や製造の現場において非常に重要な意味を持ちます。

今回は「亜鉛の比重や密度は?kg/m3やg/cm3の数値一覧も【合金との違いも】」というテーマで、亜鉛の比重・密度の具体的な数値から、代表的な合金との違いまでを詳しく解説していきます。

単位の換算方法や数値の読み取り方も丁寧にまとめていますので、ぜひ最後までご覧ください。

亜鉛の比重・密度は約7.13g/cm3・7130kg/m3が基本数値

それではまず、亜鉛の比重と密度における基本的な数値について解説していきます。

亜鉛(純亜鉛)の密度は、常温(約20℃)において約7.13g/cm3、あるいは7130kg/m3が標準的な値として広く使われています。

比重とは、ある物質の密度を水の密度(1g/cm3)で割った無次元の値であるため、亜鉛の比重は数値としておよそ「7.13」と表されます。

g/cm3とkg/m3は単位が異なりますが、1g/cm3=1000kg/m3という関係があるため、7.13g/cm3は7130kg/m3と等しくなります。

【単位換算の基本】

1 g/cm3 = 1000 kg/m3

亜鉛の密度:7.13 g/cm3 = 7130 kg/m3

亜鉛の比重:約7.13(水を1とした場合)

鉄(約7.87g/cm3)や銅(約8.96g/cm3)と比べると、亜鉛はやや軽めの金属に分類されます。

一方でアルミニウム(約2.70g/cm3)よりは明らかに重く、重量設計や材料選定において「中程度の重さを持つ金属」という位置づけになるでしょう。

以下の表に、亜鉛の基本的な物性値をまとめましたので参考にしてください。

項目 数値
密度(g/cm3) 約7.13
密度(kg/m3) 約7130
比重(無次元) 約7.13
融点 約419.5℃
沸点 約907℃
原子番号 30
元素記号 Zn

融点が約419.5℃と比較的低いため、ダイカスト(金型鋳造)加工に適した金属としても知られています。

この低融点という特性が、亜鉛を大量生産に向いた素材として産業界に広める大きな要因となっています。

亜鉛の密度は約7.13g/cm3(7130kg/m3)、比重は約7.13です。

鉄や銅より軽く、アルミより重い「中程度の重さの金属」として材料選定の基準になります。

亜鉛と他の金属の密度・比重を一覧で比較

続いては、亜鉛と他の代表的な金属の密度・比重を比較しながら確認していきます。

材料を選ぶ際には、亜鉛単体の数値だけでなく、他の金属との相対的な重さを把握しておくことが大切です。

以下の表に、主要な金属の密度と比重をまとめました。

金属名 密度(g/cm3) 密度(kg/m3) 比重
亜鉛(Zn) 約7.13 約7130 約7.13
鉄(Fe) 約7.87 約7870 約7.87
銅(Cu) 約8.96 約8960 約8.96
アルミニウム(Al) 約2.70 約2700 約2.70
鉛(Pb) 約11.34 約11340 約11.34
ニッケル(Ni) 約8.91 約8910 約8.91
チタン(Ti) 約4.51 約4510 約4.51
マグネシウム(Mg) 約1.74 約1740 約1.74

この表を見ると、亜鉛は金属のなかでは「中程度の密度」に位置する素材であることがよくわかります。

鉛のような重金属と比べると約1.6倍も軽く、アルミニウムと比べると約2.6倍重いという特徴があります。

設計の現場では、部品の重量を計算する際に密度の数値が直接影響してくるため、正確な値を把握しておくことが求められます。

たとえば、体積が100cm3の亜鉛製部品の重さは次のように計算できます。

【亜鉛部品の重量計算例】

密度:7.13 g/cm3

体積:100 cm3

質量 = 密度 × 体積 = 7.13 × 100 = 713 g(約0.713 kg)

このように、密度の数値を知っておくだけで、体積から重量を簡単に求めることができます。

製造業や建設業に携わる方にとって、亜鉛の密度7.13g/cm3という数字は実務に直結する重要な基準値といえるでしょう。

亜鉛合金の比重・密度と純亜鉛との違い

続いては、亜鉛合金の密度や比重と、純亜鉛との違いを確認していきます。

実際の製品や部品には、純亜鉛よりも亜鉛合金が使われることが多く、合金の種類によって密度が変化する点を理解しておくことが重要です。

ザマック(亜鉛ダイカスト合金)の密度

ザマック(Zamak)とは、亜鉛をベースにアルミニウム・銅・マグネシウムを添加した合金の総称です。

ダイカスト製品に最も広く使われる亜鉛合金のひとつであり、ザマックの密度は種類によって異なりますが、おおむね6.6〜6.7g/cm3程度とされています。

純亜鉛(7.13g/cm3)よりも密度がやや低い理由は、アルミニウムなどの軽金属が含まれているためです。

ザマック種類 主な添加元素 密度(g/cm3)
ザマック2 Al・Cu・Mg 約6.6
ザマック3 Al・Mg 約6.6
ザマック5 Al・Cu・Mg 約6.6

黄銅(真鍮)の密度との比較

黄銅(真鍮)は銅と亜鉛の合金であり、亜鉛の含有比率によって密度が変化します。

一般的な黄銅の密度は約8.4〜8.7g/cm3とされており、純亜鉛よりも密度が高くなります。

これは、銅(約8.96g/cm3)という高密度の金属が主成分として含まれているためです。

亜鉛比率が高い黄銅ほど密度は低くなり、銅比率が高い黄銅ほど密度は高くなるという傾向があります。

亜鉛めっき鋼板への影響

亜鉛は鉄鋼材料の表面処理(めっき)にも広く使われています。

亜鉛めっき鋼板の場合、鋼板そのものの密度(約7.87g/cm3)に対して、表面の亜鉛層(約7.13g/cm3)が加わる形になります。

めっき層の厚みは非常に薄いため、全体の密度への影響は軽微ですが、正確な重量計算が必要な場合にはめっき層の存在も考慮する必要があるでしょう。

以下に、純亜鉛と代表的な亜鉛合金の密度を比較した表を掲載します。

材料 密度(g/cm3) 密度(kg/m3) 比重
純亜鉛 約7.13 約7130 約7.13
ザマック3 約6.60 約6600 約6.60
黄銅(真鍮) 約8.4〜8.7 約8400〜8700 約8.4〜8.7
亜鉛めっき鋼板(鋼板部分) 約7.87 約7870 約7.87

亜鉛合金の密度は、添加する金属の種類によって大きく変わります。

ザマックは純亜鉛より軽く(約6.6g/cm3)、黄銅は純亜鉛より重い(約8.4〜8.7g/cm3)という点を押さえておきましょう。

亜鉛の比重・密度に影響する要素と注意点

続いては、亜鉛の比重や密度に影響を与える要素と、数値を扱う際の注意点を確認していきます。

密度は一定の値に見えますが、実際にはさまざまな条件によって変化することがあります。

温度変化による密度への影響

金属は温度が上昇すると熱膨張により体積が増加し、それに伴って密度はわずかに低下します。

亜鉛の場合も例外ではなく、温度が高くなるほど密度はわずかに小さくなる傾向があります。

通常の工業用途では常温(20℃前後)での数値を基準とするため、7.13g/cm3を使用するのが一般的です。

ただし、高温環境下での設計や溶融状態の亜鉛を扱う場合は、温度に応じた補正値を用いることが望ましいでしょう。

純度による密度の違い

工業用の亜鉛には純度によってグレードが設けられており、純度が高いほど純亜鉛の密度値(7.13g/cm3)に近づきます。

一方、不純物や添加元素が含まれると、それらの物質の密度に応じて全体の密度が変化します。

JIS規格で規定されている亜鉛地金は純度99.99%(4N)や99.9%(3N)など複数のグレードがあり、用途に応じて使い分けられています。

精密部品や電子部品向けには高純度品が使われるのに対して、めっきや鋳造用途では工業用純度品が広く採用されています。

測定方法と数値のばらつき

密度の測定には、アルキメデス法(水中重量法)や精密天秤を用いた方法などが使われます。

測定方法や試料の状態(鋳造品・圧延品・粉末など)によって、得られる数値に多少のばらつきが生じることがあります。

文献や資料によって7.10〜7.15g/cm3の範囲で記載されている場合もあるため、使用する数値の出典と条件を確認することが正確な設計につながるでしょう。

以下に、条件別の亜鉛密度の目安をまとめました。

条件 密度の目安(g/cm3)
常温(20℃)・純亜鉛 約7.13
高温(200℃) 約7.00〜7.05(参考値)
溶融状態(420℃以上) 約6.57(参考値)
亜鉛粉末 実測値により異なる

亜鉛の密度は温度・純度・測定方法によって変化します。

設計や計算に使用する場合は、常温・純亜鉛の基準値7.13g/cm3を基本としつつ、条件に応じた補正を行うことが大切です。

まとめ

今回は「亜鉛の比重や密度は?kg/m3やg/cm3の数値一覧も【合金との違いも】」というテーマで解説しました。

亜鉛の密度は常温において約7.13g/cm3・7130kg/m3、比重は約7.13が基本となる数値です。

鉄や銅よりやや軽く、アルミより重いという位置づけであり、産業用素材として幅広い場面で活用されています。

また、亜鉛合金ではザマックのように密度が6.6g/cm3程度に下がるものもあれば、黄銅のように8.4g/cm3以上になるものもあり、合金の種類によって密度は大きく異なります。

温度・純度・測定方法によっても数値は変化するため、設計や計算の際には条件を明確にしたうえで適切な数値を使用することが重要です。

亜鉛の物性を正しく理解することで、材料選定や重量計算の精度が向上し、より確かな設計・製造につながるでしょう。