化学反応

亜鉛と水酸化ナトリウムの反応式を徹底解説!水素発生と両性金属の性質

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高校化学で学ぶ金属の性質の中でも、亜鉛と水酸化ナトリウムの反応は両性金属の特徴を理解する上で非常に重要です。通常、金属は酸に溶けますが、亜鉛は塩基である水酸化ナトリウム水溶液にも溶けるという特殊な性質を持っています。

この反応では、亜鉛が溶けて水素ガスが発生し、溶液は無色透明になります。亜鉛の粒や板を水酸化ナトリウム水溶液に入れると、泡を出しながら溶けていく様子は、両性金属の性質を実感できる印象的な現象でしょう。

この記事では、亜鉛と水酸化ナトリウムの化学反応式について、基本的な反応の仕組みから両性金属の性質、水素発生のメカニズム、反応式の作り方と覚え方、実験時の観察ポイントまで詳しく解説していきます。アルミニウムとの比較も含めて、両性元素の概念を丁寧に説明しますので、ぜひ参考にしてください。

亜鉛と水酸化ナトリウムの反応式の基本

それではまず、反応式の基本について解説していきます。

化学反応式の全体像

亜鉛と水酸化ナトリウム水溶液が反応すると、テトラヒドロキソ亜鉛酸ナトリウムと水素が生成されます。この反応を化学反応式で表すと次のようになるでしょう。

Zn + 2NaOH + 2H₂O → Na₂[Zn(OH)₄] + H₂

この式から、亜鉛(Zn)1原子と水酸化ナトリウム(NaOH)2分子、水(H₂O)2分子が反応して、テトラヒドロキソ亜鉛酸ナトリウム(Na₂[Zn(OH)₄])1分子と水素(H₂)1分子が生成されることが分かります。

テトラヒドロキソ亜鉛酸ナトリウムは、別名を亜鉛酸ナトリウムとも呼ばれ、化学式を簡略化してNa₂ZnO₂と表すこともあります。その場合、反応式は次のようになるのです。

簡略版の反応式
Zn + 2NaOH → Na₂ZnO₂ + H₂

どちらの表記も正しいのですが、より正確な構造を示すには Na₂[Zn(OH)₄] という表記が適しています。この物質は、亜鉛イオンに4つの水酸化物イオンが配位した錯イオンを含んでいるのです。

この反応は、アルミニウムと水酸化ナトリウムの反応と非常によく似ています。どちらも両性金属が塩基に溶ける反応であり、同じパターンで理解することができるでしょう。

反応に関わる物質の性質

この反応に関わる各物質の特徴を整理してみましょう。

物質名 化学式 主な特徴
亜鉛 Zn 青白色の金属、両性金属、イオン化傾向が大きい
水酸化ナトリウム NaOH 白色の固体、強塩基、潮解性あり
H₂O 反応に必要な物質
テトラヒドロキソ亜鉛酸ナトリウム Na₂[Zn(OH)₄] 無色透明の水溶液、錯イオンを含む
水素 H₂ 無色無臭の気体、可燃性

亜鉛は青白色の光沢を持つ金属であり、イオン化傾向が比較的大きいため、酸と反応しやすい性質を持っています。また、両性金属であるため、塩基とも反応できるという特殊な性質があるのです。

亜鉛の表面には通常、酸化亜鉛(ZnO)の薄い被膜ができています。しかし、水酸化ナトリウムのような強塩基の水溶液では、この酸化被膜も溶けてしまい、内部の亜鉛も反応して溶けていくのです。

水酸化ナトリウムは強塩基であり、水溶液中でほぼ完全に解離してナトリウムイオン(Na⁺)と水酸化物イオン(OH⁻)になります。この水酸化物イオンが、亜鉛と反応する主役となります。

生成する水素ガスは非常に軽く、可燃性を持っています。実験では、発生した水素に火をつけるとポンという音を立てて燃えることで、水素であることが確認できるでしょう。

両性金属としての亜鉛

亜鉛が持つ最も特徴的な性質が、「両性」という性質です。

両性金属とは、酸にも塩基にも溶ける金属のことを指します。通常の金属は酸にしか溶けませんが、亜鉛やアルミニウムは特殊な性質を持っているのです。

両性元素の例
・亜鉛(Zn)
・アルミニウム(Al)
・スズ(Sn)
・鉛(Pb)

これらの元素は、酸にも塩基にも反応して溶けるという特殊な性質を持っています。

亜鉛は酸とも反応します。例えば、塩酸と反応すると次のような反応が起こるのです。

酸との反応
Zn + 2HCl → ZnCl₂ + H₂

塩基との反応
Zn + 2NaOH + 2H₂O → Na₂[Zn(OH)₄] + H₂

この2つの反応を比較すると、どちらの場合も水素ガスが発生していることが分かります。酸との反応でも塩基との反応でも、亜鉛が酸化されて水素が還元されるという点は共通しているのです。

両性を示す理由は、亜鉛の酸化物や水酸化物が、酸性物質とも塩基性物質とも反応できる両性化合物だからです。水酸化亜鉛[Zn(OH)₂]は、酸と反応すると亜鉛イオン(Zn²⁺)になり、塩基と反応すると亜鉛酸イオン[Zn(OH)₄]²⁻になります。

この性質は、周期表における位置と関係があります。亜鉛は典型元素ではなく遷移元素ですが、両性を示すという点で特殊な性質を持つ金属なのです。

水素発生の仕組みと酸化還元反応

続いては、水素が発生する仕組みについて確認していきます。

なぜ水素が発生するのか

亜鉛と水酸化ナトリウムの反応で水素が発生する理由を、詳しく見ていきましょう。

この反応では、亜鉛が電子を失って酸化され、水分子の水素イオンが電子を受け取って還元されて水素ガスになります。

実は、純粋な水酸化ナトリウムだけでなく、水の存在が不可欠です。反応式に水(H₂O)が含まれているのは、水が水素の供給源となっているためなのです。

水素発生のメカニズム
1. 亜鉛が電子を放出する
Zn → Zn²⁺ + 2e⁻

2. 水分子が電子を受け取って水素になる
2H₂O + 2e⁻ → H₂ + 2OH⁻

3. 水酸化物イオンが亜鉛イオンと結合
Zn²⁺ + 4OH⁻ → [Zn(OH)₄]²⁻

水酸化ナトリウムの役割は、水酸化物イオンを大量に供給することです。この水酸化物イオンが亜鉛イオンと結合して安定な錯イオンを作るため、反応が進行するのです。

もし水酸化物イオンがなければ、生成した亜鉛イオンが水酸化亜鉛として沈殿してしまい、亜鉛の表面を覆って反応が止まってしまいます。水酸化ナトリウムの存在により、亜鉛イオンは可溶性の錯イオンとして溶液中に存在できるのです。

反応を開始するには、まず亜鉛表面の酸化被膜を除去する必要があります。水酸化ナトリウムは、この酸化被膜も溶かす働きをするため、内部の亜鉛が露出して反応が進むというわけですね。

酸化還元反応としての理解

亜鉛と水酸化ナトリウムの反応は、酸化還元反応に分類されます。

酸化還元反応とは、電子の授受を伴う化学反応のことです。この反応では、亜鉛が電子を失って酸化され、水が電子を受け取って還元されます。

酸化数の変化
亜鉛(Zn):0 → +2 (酸化される、還元剤)
水素(H₂Oの水素):+1 → 0 (還元される、酸化剤)

亜鉛が電子を失って酸化され、水の水素が電子を受け取って還元されます。

半反応式で表すと、電子の移動がより明確に分かります。

半反応式

酸化(亜鉛):
Zn + 4OH⁻ → [Zn(OH)₄]²⁻ + 2e⁻

還元(水):
2H₂O + 2e⁻ → H₂ + 2OH⁻

亜鉛1原子が2個の電子を放出するため、水素分子は1個生成されます。電子の授受の数が一致しているため、反応がバランスよく進行するのです。

物質 役割 酸化数変化
亜鉛(Zn) 還元剤(酸化される) 0 → +2
水(H₂O) 酸化剤(還元される) +1 → 0(水素の酸化数)

この反応は発熱反応でもあります。亜鉛が溶ける際に熱が発生するため、溶液が温かくなることが観察できるでしょう。大量の亜鉛を反応させると、かなりの熱が発生することがあるため注意が必要です。

テトラヒドロキソ亜鉛酸ナトリウムの生成

この反応で生成するテトラヒドロキソ亜鉛酸ナトリウムは、複雑な構造を持つ化合物です。

正式な化学式 Na₂[Zn(OH)₄] は、ナトリウムイオン(Na⁺)とテトラヒドロキソ亜鉛酸イオン[Zn(OH)₄]²⁻からなる塩であることを示しています。

[Zn(OH)₄]²⁻というイオンは、中心の亜鉛イオンに4つの水酸化物イオンが配位した錯イオンです。この構造は正四面体型をしており、亜鉛を中心として4つの水酸化物イオンが対称的に配置されています。

テトラヒドロキソ亜鉛酸イオンの構造
OH⁻
|
OH⁻ – Zn²⁺ – OH⁻
|
OH⁻

中心のZn²⁺に4つのOH⁻が配位
全体の電荷:2+ + (4×1-) = 2-

簡略化した表記である Na₂ZnO₂ は、化学量論的には同じ組成を表していますが、実際の構造を正確に反映していません。溶液中では Na₂[Zn(OH)₄] の形で存在しているのです。

この物質は無色透明の水溶液として存在し、強い塩基性を示します。溶液のpHは13以上になることが多く、非常にアルカリ性が強いため、取り扱いには注意が必要でしょう。

テトラヒドロキソ亜鉛酸ナトリウムの溶液に酸を加えると、水酸化亜鉛の白い沈殿が生成します。これは、錯イオンが分解して亜鉛が沈殿する反応です。

[Zn(OH)₄]²⁻ + 2H⁺ → Zn(OH)₂ + 2H₂O
(白色沈殿)

さらに酸を加えると、水酸化亜鉛も溶けて亜鉛イオンになります。このように、亜鉛化合物は酸性・塩基性の条件によって様々な形態をとるのです。

反応式の作り方と覚え方のコツ

続いては、反応式の作り方と効率的な覚え方について見ていきましょう。

イオン反応式から化学反応式を導く方法

亜鉛と水酸化ナトリウムの反応式を作る際は、半反応式から考える方法が理解しやすいでしょう。

反応式の導出手順

ステップ1:酸化の半反応式を書く
Zn + 4OH⁻ → [Zn(OH)₄]²⁻ + 2e⁻

ステップ2:還元の半反応式を書く
2H₂O + 2e⁻ → H₂ + 2OH⁻

ステップ3:電子が消えるように足し合わせる
Zn + 4OH⁻ + 2H₂O → [Zn(OH)₄]²⁻ + H₂ + 2OH⁻

ステップ4:両辺のOH⁻を整理
Zn + 2OH⁻ + 2H₂O → [Zn(OH)₄]²⁻ + H₂

ステップ5:Na⁺を加えて分子式にする
Zn + 2NaOH + 2H₂O → Na₂[Zn(OH)₄] + H₂

この方法で考えると、なぜ水酸化ナトリウムが2分子、水が2分子必要なのかが明確に分かります。電子の授受の数を合わせることで、自然と正しい係数が導かれるのです。

簡略版の反応式を使う場合は、Na₂[Zn(OH)₄] を Na₂ZnO₂ + 2H₂O と考えることで、次のように変形できます。

Zn + 2NaOH + 2H₂O → Na₂[Zn(OH)₄] + H₂

Zn + 2NaOH + 2H₂O → Na₂ZnO₂ + 2H₂O + H₂
↓ 両辺の水を整理
Zn + 2NaOH → Na₂ZnO₂ + H₂

どちらの表記を使っても正解ですが、試験では問題文の指示に従うことが重要です。

反応式を覚えるポイント

化学反応式を効率よく覚えるには、いくつかのコツがあります。

まず、亜鉛が両性金属であることを理解することが最優先です。「亜鉛は酸にも塩基にも溶ける」という性質を覚えておけば、水酸化ナトリウムとも反応することが予測できるでしょう。

覚え方のポイント
1. 亜鉛は両性金属(酸にも塩基にも溶ける)
2. 塩基との反応でも水素が発生する
3. 生成物は亜鉛酸ナトリウム(錯イオンを含む)
4. Zn:NaOH:H₂Oの係数比は 1:2:2
5. 水が反応に必要(水素の供給源)

アルミニウムの反応と対比して覚えるのも効果的です。

金属 反応式(簡略版) 共通点
亜鉛 Zn + 2NaOH → Na₂ZnO₂ + H₂ 両性金属
アルミニウム 2Al + 2NaOH + 2H₂O → 2NaAlO₂ + 3H₂ 塩基に溶ける

係数を覚える際は、「亜鉛1、水酸化ナトリウム2、水2、水素1」という比率を繰り返し唱えると記憶に残りやすくなります。

実験の様子をイメージしながら覚えることも効果的です。亜鉛が溶けて泡を出す様子、溶液が無色透明になる様子などを思い浮かべると、反応式が記憶に定着しやすくなるでしょう。

よくある間違いと注意点

この反応式を書く際、生徒がよく間違えるポイントがいくつかあります。

最も多い間違いは、水を反応式に含めないことです。水は単なる溶媒ではなく、反応に直接関与する物質であることを忘れないようにしましょう。

よくある間違いパターン
× 水を反応式に書かない
× Zn + NaOH → NaZnO₂ + H₂(係数が合わない)
× Zn + 2NaOH → Na₂ZnO₂ + H₂(水が抜けている)
× 水素の係数を2と書いてしまう(正しくは1)
× 生成物をZnCl₂のような塩と間違える

また、酸との反応と混同して、生成物を間違えるケースもあります。塩酸と反応した場合は塩化亜鉛(ZnCl₂)ができますが、水酸化ナトリウムとの反応では亜鉛酸ナトリウムができるという違いを理解しておくことが重要です。

係数のバランスを間違えるケースも多く見られます。反応式を書いた後は、必ずZn、Na、H、Oの原子数が左辺と右辺で一致しているか確認する習慣をつけましょう。

実験での観察ポイントと応用

続いては、実際の実験における重要事項を確認していきます。

実験時の観察事項と現象

亜鉛と水酸化ナトリウムの反応実験では、いくつかの印象的な現象が観察できます。

亜鉛の粒や板を水酸化ナトリウム水溶液に入れると、すぐに反応が始まります。最初は表面の酸化被膜が溶けるため、反応はやや緩やかですが、すぐに泡を出しながら亜鉛が溶けていく様子が観察できるのです。

観察できる現象
1. 亜鉛を入れると泡が発生
2. 泡は水素ガス(火をつけるとポンと音)
3. 亜鉛が徐々に溶けて小さくなる
4. 溶液が温かくなる(発熱反応)
5. 溶液は無色透明のまま
6. 最終的に亜鉛は完全に溶ける

発生する泡の正体は水素ガスです。この水素に火のついたマッチを近づけると、ポンという音を立てて燃えることで確認できるでしょう。水素は非常に軽い気体なので、泡は素早く上昇していきます。

試験管の外側を触ると、反応によって熱が発生していることが分かります。特に亜鉛の量が多い場合は、かなりの発熱があるため注意が必要です。

溶液の色は、反応前後で変化しません。水酸化ナトリウム水溶液もテトラヒドロキソ亜鉛酸ナトリウム水溶液も無色透明であるため、見た目では違いが分かりにくいのです。

亜鉛が完全に溶けると、泡の発生も止まります。この時点で溶液中には、ナトリウムイオンとテトラヒドロキソ亜鉛酸イオンが存在しているのです。

安全に実験を行うための注意点

この実験は比較的危険性の高い実験であり、安全面での配慮が特に重要です。

水酸化ナトリウムは強塩基であり、皮膚に付着すると化学やけどを起こします。また、反応が激しく、発熱も大きいため、十分な注意を払って実験を行う必要があるのです。

実験時の安全対策
・保護眼鏡、手袋、白衣を必ず着用する
・換気の良い場所で実験を行う
・水酸化ナトリウム水溶液は濃度に注意(10%程度が適切)
・亜鉛は少量ずつ加える
・試験管が熱くなるので直接触らない
・発生した水素に火をつける際は十分に距離を取る
・実験後は大量の水で薄めてから廃棄する

水酸化ナトリウムが皮膚についた場合は、すぐに大量の水で洗い流すことが重要です。ぬるぬるした感触がなくなるまで、十分に洗浄しましょう。

亜鉛を一度に大量に加えると、反応が激しくなりすぎて危険です。少量ずつ加えながら、反応の様子を観察することが推奨されます。

発生する水素ガスは可燃性です。大量に発生させた場合、空気と混合すると爆発する危険性もあるため、換気には特に注意が必要でしょう。

また、実験後の溶液は強いアルカリ性を示します。そのまま廃棄すると環境に悪影響を与えるため、酸で中和してから廃棄する必要があります。

亜鉛の両性を利用した応用例

亜鉛の両性という性質は、実用的にも様々な場面で利用されています。

最も身近な例は、亜鉛めっき製品の表面処理でしょう。トタン板などの亜鉛めっき鋼板は、鉄の表面に亜鉛をめっきしたものですが、この亜鉛層を均一にするための処理で、両性の性質が利用されることがあります。

亜鉛の両性を利用した応用
・亜鉛めっきの表面処理
・亜鉛のリサイクル
・化学研磨(表面を滑らかにする処理)
・廃液処理(亜鉛の除去)
・電池材料(亜鉛-空気電池など)

亜鉛のリサイクルでは、不純物を除去する工程で、酸性溶液や塩基性溶液を使い分けることがあります。亜鉛が両方に溶ける性質を利用して、精製を行うのです。

電池の分野では、亜鉛は負極材料として広く使用されています。マンガン乾電池やアルカリ乾電池では、亜鉛が酸化される反応を利用して電気を取り出しているのです。

また、亜鉛-空気電池という特殊な電池では、亜鉛が空気中の酸素と反応する際に、アルカリ性の電解液中で溶解する性質が利用されています。この電池は高いエネルギー密度を持つため、補聴器などに使われているのです。

工業廃液中の亜鉛を除去する際にも、pH調整によって沈殿させる方法が使われます。アルカリ性では溶解し、中性付近では水酸化亜鉛として沈殿するという性質を利用しているのです。

このように、亜鉛の両性という基礎的な化学的性質が、現代の様々な技術の基盤となっていることが分かるでしょう。

まとめ

亜鉛と水酸化ナトリウムの反応は、両性金属の性質を示す重要な化学反応です。

反応式「Zn + 2NaOH + 2H₂O → Na₂[Zn(OH)₄] + H₂」は、亜鉛が水酸化ナトリウム水溶液に溶けて、テトラヒドロキソ亜鉛酸ナトリウムと水素ガスが生成されることを示しています。簡略版では「Zn + 2NaOH → Na₂ZnO₂ + H₂」と表記することもできるのです。

亜鉛は両性金属であり、酸にも塩基にも溶けるという特殊な性質を持っています。塩基との反応でも水素が発生するという点は、酸との反応と共通していますが、生成する塩の種類が異なるという違いがあるのです。

実験では、亜鉛が泡を出しながら溶けていく様子が観察でき、発熱反応であることも確認できます。水酸化ナトリウムは強塩基であり、取り扱いには十分な注意が必要でしょう。

亜鉛の両性という性質は、表面処理技術やリサイクル、電池材料など、様々な実用的な場面で利用されています。実験を通じて、両性元素の特徴と酸化還元反応の理解を深め、化学への興味をさらに広げていってください。