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フェノールフォームの熱伝導率は?W/m・Kの数値と他断熱材との比較・用途も解説

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断熱材を選ぶ際、熱伝導率は非常に重要な指標のひとつです。

数ある断熱材の中でも、フェノールフォームは特に優れた断熱性能を持つ素材として注目を集めています。

しかし、「熱伝導率の数値が実際どれくらいなのか」「他の断熱材と比べてどう違うのか」といった点が気になる方も多いのではないでしょうか。

本記事では、フェノールフォームの熱伝導率はW/m・Kの数値と他断熱材との比較・用途も解説というテーマで、具体的な数値やほかの断熱材との違い、さらに実際の活用シーンまでをわかりやすくご紹介します。

断熱材選びの参考に、ぜひ最後までお読みください。

フェノールフォームの熱伝導率は業界トップクラスの断熱性能を誇る

それではまず、フェノールフォームの熱伝導率と、その性能の高さについて解説していきます。

フェノールフォームの熱伝導率は、一般的に0.020〜0.022 W/m・K程度とされています。

この数値は、現在流通している断熱材の中でもトップクラスに低い値であり、「熱を伝えにくい=断熱性が高い」ことを意味しています。

熱伝導率とは、1メートルの厚さの材料を通じて、1秒間に1平方メートルあたり何ワット(W)の熱が伝わるかを示す数値です。

熱伝導率の単位はW/m・K(ワット毎メートル毎ケルビン)で表されます。

数値が小さいほど熱を伝えにくく、断熱性能が高いことを示します。

例えば、フェノールフォームの熱伝導率0.020 W/m・Kは、同じ厚みのグラスウール(0.038 W/m・K前後)と比較すると、約2倍近い断熱性能を持つことになります。

フェノールフォームはフェノール樹脂を発泡・硬化させたボード状の断熱材で、独立気泡構造によって優れた断熱性能を実現しています。

この独立気泡とは、気泡がそれぞれ独立して閉じている構造のことを指し、熱の移動を最小限に抑えられる点が大きな特徴です。

また、フェノールフォームは難燃性・耐熱性にも優れており、火に強い断熱材としても知られています。

断熱性能と安全性を両立している点が、建築や産業の幅広い分野で支持される理由のひとつといえるでしょう。

フェノールフォームの熱伝導率は0.020〜0.022 W/m・K程度で、現在市場に流通する断熱材の中でも最高水準の断熱性能を持ちます。

厚みを抑えながら高い断熱効果を得られるため、スペースに制約がある場所でも効果的に活用できます。

他の断熱材と熱伝導率を比較してみると違いは一目瞭然

続いては、フェノールフォームと他の主要な断熱材の熱伝導率を比較して確認していきます。

断熱材にはさまざまな種類があり、それぞれ熱伝導率や特性が異なります。

以下の表で主要な断熱材の熱伝導率を一覧でまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。

断熱材の種類 熱伝導率(W/m・K) 主な特徴
フェノールフォーム 0.020〜0.022 最高水準の断熱性・難燃性に優れる
硬質ウレタンフォーム 0.022〜0.024 高断熱・施工性が高い
押出法ポリスチレンフォーム(XPS) 0.028〜0.040 耐水性が高く床断熱に多用
ビーズ法ポリスチレンフォーム(EPS) 0.034〜0.043 軽量でコストパフォーマンスが良い
グラスウール(高性能品) 0.030〜0.038 コスト低・施工実績豊富
ロックウール 0.036〜0.040 耐火性・吸音性に優れる
セルロースファイバー 0.040〜0.050 調湿性・防音性に優れた自然素材系

表からも分かるように、フェノールフォームは他の断熱材と比べて最も低い熱伝導率を持つ断熱材のひとつです。

次いで硬質ウレタンフォームも高性能ですが、フェノールフォームはそれをも上回る断熱性能を示します。

グラスウールとの比較

グラスウールは国内で最も普及している断熱材で、熱伝導率は高性能品で0.030〜0.038 W/m・K程度です。

フェノールフォームと比べると約1.5〜2倍ほど熱を伝えやすいため、同じ断熱性能を得るためにはより厚い施工が必要になります。

コストが低く施工実績が豊富な点はグラスウールの強みですが、薄くても高性能を求めるならフェノールフォームに軍配が上がるでしょう。

硬質ウレタンフォームとの比較

硬質ウレタンフォームの熱伝導率は0.022〜0.024 W/m・K程度で、フェノールフォームと非常に近い値です。

現場発泡での施工が可能であるため、複雑な形状の部位にも対応しやすいというメリットがあります。

ただし、火に対する耐性という観点では、フェノールフォームの方が難燃性・低発煙性に優れているとされています。

押出法ポリスチレンフォーム(XPS)との比較

押出法ポリスチレンフォームは、熱伝導率が0.028〜0.040 W/m・K程度で、床下や基礎断熱に広く使われています。

耐水性・耐圧性に優れており、水分の多い環境での使用に向いている点が特徴です。

一方で断熱性能そのものではフェノールフォームが上回るため、スペースが限られた箇所には特にフェノールフォームの優位性が際立ちます。

フェノールフォームが選ばれる主な用途とその理由

続いては、フェノールフォームが実際にどのような場所で使われているのか、主な用途と採用される理由を確認していきます。

フェノールフォームは、その優れた断熱性能と難燃性から、さまざまな建築・産業の現場で幅広く活用されています。

住宅・建築物の外断熱・内断熱

住宅や建築物においては、外断熱工法や内断熱工法の両方でフェノールフォームが使用されています。

薄い厚みでも高い断熱効果を発揮するため、壁や屋根の断熱スペースが限られている場合に特に重宝されます。

特に省エネ基準が厳しくなっている近年の建築市場において、高断熱住宅を実現するための素材として注目度が高まっています。

ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)対応住宅にも積極的に採用されている断熱材のひとつです。

配管・設備の保温材としての活用

フェノールフォームは、建築用途にとどまらず、配管や空調設備の保温材としても広く使われています。

熱を逃がしにくい性質により、冷媒管や蒸気管の保温効率を高め、エネルギーロスの低減に貢献します。

また、耐熱温度も比較的高く設定されているため、高温環境下での使用にも対応できる場合があります。

工場や大型商業施設の設備工事においても信頼性の高い素材として採用実績があります。

冷凍・冷蔵倉庫や低温設備への応用

冷凍・冷蔵倉庫など、低温を維持する必要がある施設でも、フェノールフォームの断熱性能は大きな効果を発揮します。

外部からの熱の侵入を極力防ぐことが求められる冷凍設備において、0.020 W/m・K台の熱伝導率は非常に有利です。

薄い断熱層でも高い保冷効果を維持できるため、倉庫内の有効スペースを広く確保しながら断熱性能を最大化できます。

フェノールフォームを選ぶ際に知っておきたいポイント

続いては、フェノールフォームを実際に選ぶ際に意識しておきたい注意点や確認ポイントを見ていきます。

性能が優れているからといって、あらゆる状況で最適とは限りません。

用途や条件に合わせた適切な選択が重要です。

熱伝導率の等級(グレード)を確認する

フェノールフォームにはいくつかの断熱等級・グレードが存在し、熱伝導率もそれによって異なります。

一般的に「フォームライトSL」「ネオマフォーム」などの製品名で流通しており、製品ごとに0.020 W/m・K〜0.022 W/m・Kの間で若干の差があります。

建築物の省エネ計算に使用する際には、製品の公式な熱伝導率の数値を正確に確認することが大切です。

フェノールフォームを選ぶ際には、メーカー公表の熱伝導率の値と、JIS規格に基づく品質区分を必ず確認しましょう。

同じ「フェノールフォーム」でも製品によって数値に差があるため、設計・施工において正確な数値を把握することが重要です。

コストと性能のバランスを考える

フェノールフォームは高い断熱性能を持つ一方で、グラスウールやビーズ法ポリスチレンフォームなどと比べると材料費が高めです。

そのため、予算とのバランスを考慮しながら選定することが求められます。

ただし、高い断熱性能によって長期的なエネルギーコストの削減が見込まれるため、ライフサイクルコストで考えると費用対効果は高いといえるでしょう。

初期コストと運用コストの両面で総合的に判断することが賢明です。

施工時の注意点と取り扱い

フェノールフォームはボード状の断熱材のため、現場での加工・カットが必要になるケースも多くあります。

隙間なく施工することが断熱性能を最大限に引き出すポイントであり、特に継ぎ目部分の処理に注意が必要です。

また、難燃性に優れているとはいえ、長期間の紫外線暴露には弱い面もあるため、仕上げ材で適切に保護することが推奨されます。

施工精度が断熱性能を左右するため、信頼できる施工業者への依頼も重要なポイントのひとつです。

まとめ

本記事では、フェノールフォームの熱伝導率はW/m・Kの数値と他断熱材との比較・用途も解説というテーマで詳しくご紹介しました。

フェノールフォームの熱伝導率は0.020〜0.022 W/m・Kと、現在市場に流通する断熱材の中でも最高水準の性能を誇ります。

グラスウールや押出法ポリスチレンフォームなどと比べても断然低い熱伝導率を持ち、薄い厚みで高い断熱効果を実現できる点が大きな強みです。

住宅の外断熱・内断熱はもちろん、配管の保温や冷凍設備など幅広い用途で活躍しており、近年の省エネ建築・ZEH住宅においても重要な役割を担っています。

一方で、コストや施工方法、製品グレードによる性能差など、選ぶ際には複数の観点から慎重に検討することが大切です。

断熱材選びにお悩みの方は、ぜひ本記事を参考にフェノールフォームの採用を検討してみてください。