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1/coshxの積分の公式ややり方は?双曲線関数との関係も解説!

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1/coshxの積分は、双曲線関数を扱う数学の中でも興味深いテーマのひとつです。

通常の三角関数の積分とは異なり、逆双曲線関数であるarctan(tanhx)や別の形で答えが表されます。

この記事では、1/coshxの積分の公式からやり方、双曲線関数との関係、不定積分・定積分の例題まで丁寧に解説していきます。

双曲線関数が苦手な方でもわかりやすいようステップごとに説明していますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

1/coshxの積分の公式と結論

それではまず、1/coshxの積分の公式と結論を確認していきます。

1/coshxの不定積分の公式は次のとおりです。

∫1/coshx dx = 2arctan(e^x) + C

または

∫1/coshx dx = 2arctan(tanhx/2) + C

(Cは積分定数)

coshxの定義式を使って変形することで、この結果が導けます。

sechxの積分としてarctan(sinhx) + Cという形で表現されることもあります。

1/coshxの積分はarctan(sinhx) + C(= 2arctan(e^x) + C)です。双曲線関数の定義を使った変形が導出のポイントになります。

双曲線関数の基本定義

双曲線関数の基本定義を確認しておきましょう。

sinhx = (e^x – e^(-x))/2

coshx = (e^x + e^(-x))/2

tanhx = sinhx/coshx = (e^x – e^(-x))/(e^x + e^(-x))

coshxはxの偶関数で常に正の値を取るため、1/coshxは定義域全体で積分可能です。

この性質が通常の1/cosxとは大きく異なる点でしょう。

sechxとの関係

1/coshxはsechxとも表記されます。

sechx = 1/coshxという定義から、∫sechx dx = arctan(sinhx) + C が成り立ちます。

大学の教科書や問題ではsechxという表記が使われることも多いため、両方の表記に慣れておくとよいでしょう。

いずれの表記でも積分結果は同じになります。

cosh²x – sinh²x = 1との関係

双曲線関数には次の重要な恒等式があります。

cosh²x – sinh²x = 1

これは三角関数のsin²x + cos²x = 1に対応する恒等式です。

この恒等式は1/coshxの積分の導出過程でも活用されるため、必ず覚えておくべき基本公式のひとつです。

符号がプラスではなくマイナスになる点が三角関数との大きな違いです。

1/coshxの積分の導出方法

続いては、1/coshxの積分の導出方法を確認していきます。

coshxの定義式を使った変形が導出の核心となります。

e^xを使った変形による導出

coshx = (e^x + e^(-x))/2 を利用して変形します。

∫1/coshx dx = ∫2/(e^x + e^(-x)) dx

分子分母にe^xを掛けると、

= ∫2e^x/(e^(2x) + 1) dx

t = e^x と置くとdt = e^x dx

= ∫2/(t^2 + 1) dt

= 2arctan(t) + C

tを戻して → 2arctan(e^x) + C

∫1/(t^2 + 1) dt = arctan(t) + C という逆正接関数の積分公式を使うのがポイントです。

この導出の流れを一度自分の手で書いてみると、公式の意味が深く理解できるでしょう。

arctan(sinhx) + Cとの一致の確認

2arctan(e^x) + C と arctan(sinhx) + C が同じ関数であることを確認しておきましょう。

微分してd/dx[arctan(sinhx)] = 1/(1 + sinh²x)・coshx = coshx/cosh²x = 1/coshx となります。

cosh²x – sinh²x = 1 より 1 + sinh²x = cosh²x を使う点が変形のポイントです。

どちらの表現も正しい答えであり、問題の文脈に応じて使い分けるとよいでしょう。

導出でよくあるミスと注意点

この導出で最も多いミスは、t = e^xと置いたときのdtの変換を忘れることです。

dt = e^x dx であるため、分子にe^xが残っていることを確認してからdtに変換します。

置換前に分子にe^xを作るという操作が変換のための準備として必要です。

手順を丁寧に追うことで、ミスなく導出できるようになるでしょう。

1/coshxの積分の応用と例題

続いては、1/coshxの積分の応用と具体的な例題を確認していきます。

定積分への応用や類似する双曲線関数の積分との比較を通じて、理解をさらに深めていきましょう。

定積分の例題

【例題】∫₀¹1/coshx dx を求めよ。

[2arctan(e^x)]₀¹

= 2arctan(e^1) – 2arctan(e^0)

= 2arctan(e) – 2arctan(1)

= 2arctan(e) – 2・(π/4)

= 2arctan(e) – π/2

arctan(1) = π/4 であることに注意すれば、計算はスムーズに進みます。

答えは2arctan(e) – π/2となります。

類似する双曲線関数の積分との比較

1/coshxと関連する双曲線関数の積分公式をまとめて確認しておきましょう。

積分の形 積分結果
∫coshx dx sinhx + C
∫sinhx dx coshx + C
∫1/coshx dx 2arctan(e^x) + C
∫1/sinhx dx log|tanh(x/2)| + C

coshxとsinhxの積分は三角関数のcosx・sinxの積分と対応する形になっています。

一方1/coshxや1/sinhxの積分は逆三角関数や対数関数が登場するため、別途覚えておく必要があります。

1/cosh²xの積分との違い

1/coshxと似た形の1/cosh²xの積分も確認しておきましょう。

∫1/cosh²x dx = tanhx + C

これはd/dx[tanhx] = 1/cosh²x という微分公式の逆の関係から導かれます。

1/coshxの積分がarctan(sinhx) + Cになるのに対し、1/cosh²xの積分はtanhx + Cというシンプルな形になる点を区別して覚えておきましょう。

まとめ

1/coshxの積分は2arctan(e^x) + C(= arctan(sinhx) + C)であり、coshxの定義式を使ってe^xの形に変形してから置換積分で導けます。

導出の核心はt = e^xと置いて∫2/(t^2 + 1) dtの形に変換し、arctan(t) + Cの公式を適用することです。

双曲線関数の恒等式cosh²x – sinh²x = 1は導出の途中で活用される重要な公式であり、必ず覚えておきましょう。

1/cosh²xの積分がtanhx + Cになる点と混同しないよう、両者をしっかり区別して理解してみてください。