ネットワークを学ぶうえで、サブネットマスクは避けて通れない重要な概念です。
IPアドレスの仕組みを理解するためには、ネットワークアドレスやホストアドレスの意味、そしてその求め方をしっかり押さえておく必要があります。
「サブネットマスクって何?」「ネットワークアドレスはどうやって計算するの?」と疑問を感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、サブネットマスクのネットワークアドレスとは何かをわかりやすく解説し、範囲・ホストアドレス・計算方法まで丁寧に説明していきます。
ネットワーク初心者の方にも理解しやすいよう、具体的な数値例や表を交えながら進めていきますので、ぜひ最後までお読みください。
サブネットマスクのネットワークアドレスとは?意味と求め方を解説!(範囲・ホストアドレス・計算など)
それではまず、サブネットマスクとネットワークアドレスの基本的な意味について解説していきます。
ネットワークアドレスとは、IPアドレスの中でネットワーク部分を表すアドレスのことです。
IPアドレスは「ネットワーク部」と「ホスト部」に分かれており、ネットワークアドレスはそのネットワーク全体を識別するために使われます。
たとえば、会社の住所で言えば「〇〇市〇〇町」にあたる部分がネットワークアドレスで、「〇〇番地」にあたる部分がホストアドレスというイメージです。
ネットワークアドレスは、そのネットワークに属するすべての機器が共通して持つアドレスです。
ホスト部のビットがすべて「0」になっているアドレスがネットワークアドレスを指します。
サブネットマスクは、このネットワーク部とホスト部の境界線を示すための値です。
たとえば「255.255.255.0」というサブネットマスクであれば、上位24ビットがネットワーク部、下位8ビットがホスト部となります。
サブネットマスクを使うことで、どこまでがネットワークアドレスでどこからがホストアドレスなのかを明確に区別できるのです。
サブネットマスクとIPアドレスの関係を理解しよう
続いては、サブネットマスクとIPアドレスの関係について確認していきます。
IPアドレスは32ビットの数値で表され、通常は8ビットごとに区切って10進数で表示されます。
たとえば「192.168.1.10」というIPアドレスを例に考えてみましょう。
IPアドレスの構造とクラス
IPアドレスにはクラスという概念があり、クラスA・クラスB・クラスCという分類があります。
それぞれのクラスによって、ネットワーク部とホスト部の長さが異なります。
| クラス | 先頭ビット | ネットワーク部 | ホスト部 | デフォルトサブネットマスク |
|---|---|---|---|---|
| クラスA | 0 | 8ビット | 24ビット | 255.0.0.0 |
| クラスB | 10 | 16ビット | 16ビット | 255.255.0.0 |
| クラスC | 110 | 24ビット | 8ビット | 255.255.255.0 |
クラスによってサブネットマスクの既定値が異なるため、まずどのクラスに属しているかを確認することが大切です。
サブネットマスクの2進数表現
サブネットマスクは2進数で表すと非常にわかりやすくなります。
たとえば「255.255.255.0」を2進数に変換すると以下のようになります。
255.255.255.0(10進数)
↓ 2進数に変換
11111111.11111111.11111111.00000000
「1」の部分がネットワーク部、「0」の部分がホスト部を示します。
このように、サブネットマスクの「1」が連続している部分がネットワークアドレスを表す範囲です。
2進数で理解することで、どのビットがネットワーク部に属するのかが一目瞭然になるでしょう。
CIDR表記(プレフィックス長)とは
サブネットマスクはCIDR(Classless Inter-Domain Routing)表記で表されることもあります。
CIDR表記では「192.168.1.0/24」のように、IPアドレスの後ろにスラッシュとネットワーク部のビット数を記載します。
「/24」であれば上位24ビットがネットワーク部であり、サブネットマスクは「255.255.255.0」と同じ意味です。
CIDR表記はシンプルで使いやすく、現在のネットワーク設計では広く使用されています。
ネットワークアドレスの求め方と計算方法
続いては、ネットワークアドレスの具体的な求め方と計算方法を確認していきます。
ネットワークアドレスを求めるには、IPアドレスとサブネットマスクの論理積(AND演算)を行います。
AND演算とは、2つのビットが両方とも「1」のときだけ「1」になる演算です。
AND演算によるネットワークアドレスの計算手順
実際に「192.168.1.10」というIPアドレスと「255.255.255.0」というサブネットマスクでネットワークアドレスを求めてみましょう。
IPアドレス :11000000.10101000.00000001.00001010
サブネットマスク:11111111.11111111.11111111.00000000
AND演算結果 :11000000.10101000.00000001.00000000
↓ 10進数に変換
ネットワークアドレス:192.168.1.0
このように、IPアドレスとサブネットマスクをAND演算することで、ネットワークアドレス「192.168.1.0」が導き出されます。
ホスト部のビットがすべて「0」になっている点が、ネットワークアドレスの大きな特徴です。
ブロードキャストアドレスの求め方
ネットワークアドレスを求めたら、合わせてブロードキャストアドレスも確認しておきましょう。
ブロードキャストアドレスとは、そのネットワーク内のすべての機器に同時にデータを送信するためのアドレスです。
ネットワークアドレスのホスト部のビットをすべて「1」にしたものがブロードキャストアドレスになります。
ネットワークアドレス:192.168.1.0
↓ ホスト部をすべて「1」に変換
ブロードキャストアドレス:192.168.1.255
つまり「192.168.1.0/24」のネットワークでは、192.168.1.0がネットワークアドレス、192.168.1.255がブロードキャストアドレスとなります。
使用可能なホストアドレスの範囲と台数
ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスがわかると、使用可能なホストアドレスの範囲も自然と確定します。
ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスはホストには割り当てられないため、実際に機器に割り当てられるアドレスはその間の範囲です。
ネットワーク :192.168.1.0/24
ネットワークアドレス :192.168.1.0(使用不可)
使用可能なホストアドレス:192.168.1.1 ~ 192.168.1.254
ブロードキャストアドレス:192.168.1.255(使用不可)
使用可能なホスト台数:254台
使用可能なホスト台数は「2のホスト部ビット数乗 − 2」で求められます。
/24の場合はホスト部が8ビットなので「2の8乗 − 2 = 256 − 2 = 254台」となります。
ホスト台数の計算式:2のn乗 − 2(nはホスト部のビット数)
「−2」はネットワークアドレスとブロードキャストアドレスの2つを除くためです。
サブネット分割とネットワークアドレスの活用
続いては、サブネット分割とネットワークアドレスの活用について確認していきます。
現実のネットワーク設計では、1つの大きなネットワークをいくつかの小さなネットワークに分割する「サブネット分割」がよく行われます。
サブネット分割を行うことで、セキュリティの向上・ネットワークトラフィックの最適化・アドレスの有効活用が実現できるのです。
サブネット分割の具体例
たとえば「192.168.1.0/24」のネットワークを4つのサブネットに分割する場合を考えてみましょう。
4つに分割するにはホスト部から2ビット借りる必要があり、サブネットマスクは「/26」(255.255.255.192)になります。
| サブネット番号 | ネットワークアドレス | 使用可能ホスト範囲 | ブロードキャストアドレス | ホスト台数 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 192.168.1.0 | 192.168.1.1 ~ 192.168.1.62 | 192.168.1.63 | 62台 |
| 2 | 192.168.1.64 | 192.168.1.65 ~ 192.168.1.126 | 192.168.1.127 | 62台 |
| 3 | 192.168.1.128 | 192.168.1.129 ~ 192.168.1.190 | 192.168.1.191 | 62台 |
| 4 | 192.168.1.192 | 192.168.1.193 ~ 192.168.1.254 | 192.168.1.255 | 62台 |
このようにサブネット分割することで、1つのネットワークを用途に応じて効率よく管理することができます。
ネットワークアドレスの確認が必要な場面
ネットワークアドレスの確認が必要になる場面はさまざまです。
たとえば、ルータの設定・ファイアウォールのルール作成・IPアドレスの管理台帳作成など、ネットワーク運用の現場では欠かせない知識です。
また、ネットワーク関連の資格試験(CCNAや基本情報技術者試験など)でも頻出のテーマであるため、しっかり理解しておくと役立つでしょう。
特にルータはネットワークアドレスを元にして経路を決定するため、正確なネットワークアドレスの把握は通信の安定にも直結します。
よくある計算ミスとその対策
サブネットマスクの計算でよくあるミスのひとつが、ネットワークアドレスとホストアドレスの混同です。
ネットワークアドレスはホスト部がすべて「0」、ブロードキャストアドレスはホスト部がすべて「1」という点を必ず確認するようにしましょう。
また、CIDR表記のビット数を間違えると、ネットワーク範囲全体がずれてしまうので注意が必要です。
計算の際は2進数に変換してから確認するクセをつけることが、ミスを防ぐ最も効果的な対策といえるでしょう。
まとめ
この記事では、サブネットマスクのネットワークアドレスとは何か、その意味と求め方を中心に解説してきました。
ネットワークアドレスとは、IPアドレスのネットワーク部を表すものであり、IPアドレスとサブネットマスクのAND演算によって求めることができます。
ホスト部のビットがすべて「0」になったものがネットワークアドレスで、すべて「1」になったものがブロードキャストアドレスです。
使用可能なホストアドレスはその間の範囲であり、台数は「2のn乗 − 2」で計算できます。
サブネット分割の考え方も合わせて理解しておくと、より実践的なネットワーク知識が身につくでしょう。
ネットワークの学習を進める際は、ぜひ今回の内容を参考にしながら、実際に計算を繰り返して理解を深めてみてください。