ネットワークを学ぶうえで、サブネットマスクの計算は避けて通れない重要なテーマです。
「計算式が難しそう」「ネットワークアドレスとホスト数の求め方がわからない」と感じている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、サブネットマスクの計算方法をわかりやすく解説します。
計算式の基本から、ネットワークアドレス・ブロードキャストアドレス・ホスト数の求め方まで、順を追って丁寧に説明していきます。
IPアドレスの仕組みやCIDR表記との関係も合わせてご確認いただけますので、ぜひ最後までお読みください。
サブネットマスクの計算方法とは?まず結論からわかりやすく解説!
それではまず、サブネットマスクの計算方法について結論からわかりやすく解説していきます。
サブネットマスクの計算とは、IPアドレスとサブネットマスクをAND演算することで、ネットワークアドレスやホスト数を求める作業のことです。
難しく聞こえるかもしれませんが、仕組みを理解すれば手順はシンプルです。
サブネットマスク計算の3つの基本ステップ
① IPアドレスとサブネットマスクを2進数(ビット)に変換する
② AND演算を行い、ネットワークアドレスを求める
③ ホスト部のビット数からホスト数・ブロードキャストアドレスを算出する
たとえば、IPアドレスが「192.168.1.10」、サブネットマスクが「255.255.255.0」の場合、AND演算を行うと「192.168.1.0」がネットワークアドレスになります。
このようにして、どのIPアドレスがどのネットワークに属するかを判断することが可能です。
ホスト数は「2のホストビット数乗 − 2」で計算されます。
「255.255.255.0」の場合、ホストビットは8ビットなので、2の8乗(256)から2を引いた「254台」が使用可能なホスト数です。
これがサブネットマスク計算の基本的な考え方となります。
サブネットマスクの基本知識|IPアドレス・CIDR表記との関係
続いては、サブネットマスクの基本知識についてIPアドレスやCIDR表記との関係を確認していきます。
IPアドレスとサブネットマスクの役割とは
IPアドレスは、ネットワーク上の機器を識別するための「住所」のような存在です。
IPv4では「192.168.1.1」のように、4つの数字をドット(.)で区切った32ビットの数値で表現されます。
そして、そのIPアドレスを「ネットワーク部」と「ホスト部」に分けるために使用されるのがサブネットマスクです。
サブネットマスクの「1」のビット部分がネットワーク部、「0」のビット部分がホスト部を示しています。
この分割によって、同じネットワーク内の機器を管理したり、異なるネットワーク間の通信を制御することが可能になります。
CIDR表記(プレフィックス長)との関係
CIDR(Classless Inter-Domain Routing)表記とは、サブネットマスクを「/24」のようなプレフィックス長で表す書き方です。
「/24」は、32ビットのうち先頭24ビットがネットワーク部であることを意味し、「255.255.255.0」と同じ内容を示します。
CIDR表記はサブネットマスクを簡潔に表現できるため、現在のネットワーク設計で広く使われています。
| CIDR表記 | サブネットマスク | ネットワーク部ビット数 | ホスト部ビット数 |
|---|---|---|---|
| /8 | 255.0.0.0 | 8ビット | 24ビット |
| /16 | 255.255.0.0 | 16ビット | 16ビット |
| /24 | 255.255.255.0 | 24ビット | 8ビット |
| /25 | 255.255.255.128 | 25ビット | 7ビット |
| /26 | 255.255.255.192 | 26ビット | 6ビット |
| /28 | 255.255.255.240 | 28ビット | 4ビット |
クラスフルとクラスレスの違い
かつてのIPアドレス管理では、クラスA・クラスB・クラスCという「クラスフル」な区分が使われていました。
クラスAは「/8」、クラスBは「/16」、クラスCは「/24」と固定されており、柔軟性に欠けていました。
現在主流のクラスレスアドレッシング(CIDR)では、任意のプレフィックス長でサブネットを設計できます。
これにより、IPアドレスを無駄なく効率的に割り当てることができるようになりました。
サブネットマスクの計算式|ネットワークアドレス・ブロードキャストアドレスの求め方
続いては、具体的な計算式を使ってネットワークアドレスとブロードキャストアドレスの求め方を確認していきます。
ネットワークアドレスの計算方法
ネットワークアドレスは、IPアドレスとサブネットマスクをビットごとにAND演算することで求められます。
AND演算とは、両方のビットが「1」のときだけ「1」になる論理演算です。
例)IPアドレス「192.168.1.10」、サブネットマスク「255.255.255.0」の場合
IPアドレス(2進数) :11000000.10101000.00000001.00001010
サブネットマスク(2進数):11111111.11111111.11111111.00000000
AND演算結果 :11000000.10101000.00000001.00000000
ネットワークアドレス(10進数):192.168.1.0
このように、ホスト部のビットがすべて「0」になった値がネットワークアドレスです。
ネットワークアドレスは、そのネットワーク自体を識別するためのアドレスであり、ホスト(機器)には割り当てられない特別なアドレスです。
ブロードキャストアドレスの計算方法
ブロードキャストアドレスは、ネットワーク内のすべての機器に一斉送信するためのアドレスです。
計算方法は、ネットワークアドレスのホスト部のビットをすべて「1」に変換すれば求められます。
例)ネットワークアドレス「192.168.1.0」、サブネットマスク「255.255.255.0」の場合
ネットワークアドレス(2進数):11000000.10101000.00000001.00000000
ホスト部を全て1に変換 :11000000.10101000.00000001.11111111
ブロードキャストアドレス :192.168.1.255
ブロードキャストアドレスもネットワークアドレスと同様に、ホストに直接割り当てることはできないアドレスです。
使用可能なホストアドレスの範囲
ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスを除いた残りのアドレスが、実際に機器へ割り当て可能なホストアドレスとなります。
例)192.168.1.0/24 の場合
ネットワークアドレス:192.168.1.0(使用不可)
使用可能なホスト範囲:192.168.1.1 ~ 192.168.1.254
ブロードキャストアドレス:192.168.1.255(使用不可)
使用可能なホスト数:254台
このように、1つのサブネット内で実際に使えるアドレス数は「2のホストビット数乗 − 2」で算出できます。
ホスト数・サブネット数の計算方法|サブネット分割の実例
続いては、ホスト数とサブネット数の計算方法、およびサブネット分割の具体的な実例を確認していきます。
ホスト数の計算式
ホスト数の計算式は非常にシンプルです。
使用可能なホスト数の計算式
ホスト数 = 2のホストビット数乗 − 2
(「−2」はネットワークアドレスとブロードキャストアドレスの分)
たとえば、/26(ホストビット6ビット)の場合、2の6乗は64なので、64 − 2 = 62台が使用可能なホスト数です。
以下の表に主要なプレフィックス長ごとのホスト数をまとめました。
| プレフィックス長 | サブネットマスク | ホストビット数 | 使用可能なホスト数 |
|---|---|---|---|
| /24 | 255.255.255.0 | 8ビット | 254台 |
| /25 | 255.255.255.128 | 7ビット | 126台 |
| /26 | 255.255.255.192 | 6ビット | 62台 |
| /27 | 255.255.255.224 | 5ビット | 30台 |
| /28 | 255.255.255.240 | 4ビット | 14台 |
| /30 | 255.255.255.252 | 2ビット | 2台 |
サブネット数の計算式
1つのネットワークを複数のサブネットに分割する場合、サブネット数は「2のサブネットビット数乗」で求めます。
例)192.168.1.0/24 を /26 に分割する場合
サブネットビット数 = 26 − 24 = 2ビット
サブネット数 = 2の2乗 = 4サブネット
各サブネットのホスト数 = 62台
この計算により、1つの/24ネットワークを4つの/26サブネットに分割できることがわかります。
サブネット分割の実例
「192.168.1.0/24」を「/26」で分割した場合の各サブネットの範囲を確認してみましょう。
| サブネット番号 | ネットワークアドレス | 使用可能ホスト範囲 | ブロードキャストアドレス |
|---|---|---|---|
| 1番目 | 192.168.1.0 | 192.168.1.1 ~ 192.168.1.62 | 192.168.1.63 |
| 2番目 | 192.168.1.64 | 192.168.1.65 ~ 192.168.1.126 | 192.168.1.127 |
| 3番目 | 192.168.1.128 | 192.168.1.129 ~ 192.168.1.190 | 192.168.1.191 |
| 4番目 | 192.168.1.192 | 192.168.1.193 ~ 192.168.1.254 | 192.168.1.255 |
このように、ネットワークを適切に分割することで、セグメントごとにIPアドレスを効率よく管理できます。
サブネット分割はネットワーク設計における基本的かつ重要なスキルです。
まとめ
本記事では「サブネットマスクの計算方法は?わかりやすく解説!(計算式・ネットワークアドレス・ホスト数など)」というテーマでお伝えしました。
サブネットマスクの計算は、最初は難しく感じるかもしれませんが、2進数への変換とAND演算の仕組みを理解すれば、手順はシンプルです。
ネットワークアドレスはIPアドレスとサブネットマスクのAND演算で求め、ブロードキャストアドレスはホスト部を全て「1」にすることで算出できます。
使用可能なホスト数は「2のホストビット数乗 − 2」、サブネット数は「2のサブネットビット数乗」という公式で計算できます。
CIDR表記(プレフィックス長)との関係やサブネット分割の実例も合わせて把握しておくと、ネットワーク設計や資格試験(CCNAなど)の勉強にも大いに役立つでしょう。
ぜひ本記事を参考に、サブネットマスクの計算をマスターしてみてください。