ビジネスの現場で「KPIを設定して管理していこう」という言葉をよく耳にするようになりました。
しかし「KPIって何の略?」「KGIとどう違うの?」と疑問に思っている方も多いでしょう。
本記事では、KPIの意味・読み方・何の略か・日本語での正式名称・ビジネスでの具体的な使い方をわかりやすく解説していきます。
KPI初学者の方から改めて基礎を整理したいビジネスパーソンの方まで、ぜひ参考にしてみてください。
KPIとは何か?意味と読み方・何の略かを解説
それではまず、KPIの意味・読み方・何の略かについて解説していきます。
KPIとは「Key Performance Indicator」の略で、日本語では「重要業績評価指標」と訳されます。
読み方は「ケーピーアイ」とアルファベットをそのまま読みます。
「Key(重要な)」「Performance(業績・パフォーマンス)」「Indicator(指標)」という三つの英単語から構成されており、組織・チーム・個人が目標(KGI)を達成するために管理すべき重要なプロセス指標のことを指します。
KPIは「目標に向かってどれだけ前進できているか」を示す道標の役割を果たすもので、ビジネスの進捗管理に欠かせない概念です。
KPIの語源と背景
KPIという概念はMBO(Management by Objectives・目標管理制度)の発展とともに広まりました。
ピーター・ドラッカーが提唱したMBOの考え方の中で「組織の目標を数値化して管理する」という発想が生まれ、それがKPIという形で体系化されていきました。
1990年代以降、BSC(バランス・スコアカード)などのフレームワークの普及とともにKPIは広く使われるようになり、現在ではあらゆる業界・業種のビジネスで標準的な目標管理ツールとして定着しています。
KPIと似た言葉との違い:KGI・OKR・KSF
KPIと混同されやすい用語がいくつかあります。
| 用語 | 正式名称 | 意味と役割 |
|---|---|---|
| KPI | Key Performance Indicator | KGI達成のための重要プロセス指標 |
| KGI | Key Goal Indicator | 最終的に達成すべきゴール・目標 |
| OKR | Objectives and Key Results | 野心的な目標と成果指標のセット |
| KSF・CSF | Key Success Factor | 目標達成に必要な成功要因 |
| KPI | Key Performance Indicator | プロセスの進捗を測る定量指標 |
KGIが「最終目的地(ゴール)」であり、KPIは「その目的地に向かうための道標(プロセス指標)」という関係です。
ビジネスでのKPIの使い方:具体的な例
続いては、ビジネスの現場でKPIがどのように使われているかを確認していきます。
KPIはビジネスのあらゆる場面で活用されています。
具体的な例を通じて、KPIがどのように機能するかを理解していきましょう。
営業チームでのKPI活用例
営業チームではKGIとして「今期の売上目標3億円」を設定したとします。
その達成のために「月間新規商談件数50件」「成約率20%」「平均受注単価100万円」というKPIを設定します。
この場合、50件×20%×100万円=10件×100万円=1000万円(月次)×12ヶ月=1億2000万円という計算に基づいて、必要な商談件数から逆算してKPIが設定されます。
KPIを設定することで、営業メンバーは「何件の商談をこなせばいいか」という日々の行動目標が明確になります。
ECサイト運営でのKPI活用例
ECサイトのKGIを「月間売上1000万円」とした場合、以下のようなKPIが設定されます。
ECサイトのKGIとKPIの例
KGI:月間売上1000万円
KPI1:月間セッション数(訪問者数)50,000セッション
KPI2:カート追加率 15%以上
KPI3:購入転換率(CVR)3%以上
KPI4:平均購入単価 6,700円以上
計算:50,000セッション×3%CVR×6,700円=約1,005万円
このようにKGIを分解することでどのKPIを改善すれば売上が上がるかが明確になります。
人事部門でのKPI活用例
人事部門ではKGIとして「今期新卒採用50名」を設定した場合、以下のようなKPIが設定されます。
合同説明会参加エントリー数・書類選考通過率・一次面接通過率・内定承諾率・採用コスト(一人あたり)などのKPIを設定し、各選考ステージの歩留まりを管理します。
採用プロセスの各ステップをKPIとして管理することで、どのステップで候補者が離脱しているかを特定し、的確な改善策を講じることができます。
KPIを設定する際の注意点
続いては、KPIを設定する際の重要な注意点を確認していきます。
KPIを多くしすぎない
KPI管理でよくある失敗が「KPIを多く設定しすぎること」です。
KPIが10個・20個と増えると管理が複雑になり、どれも追いかけられなくなってしまいます。
1チーム・1部門あたりのKPIは3〜5個程度に絞り込むことが、実効性のあるKPI管理の鉄則です。
測定できないKPIを設定しない
「顧客満足度を向上させる」「チームの雰囲気を良くする」というKPIは測定ができないため、管理の対象になりません。
必ず「顧客満足度スコア85点以上」「eNPS(従業員NPS)+20以上」など数値化された指標にすることが重要です。
KPIを正しく機能させるための三つの鉄則です。
一つ目は「KGIから逆算して設定する」こと。KPIはKGIの達成に直結する指標でなければなりません。関係のない指標をKPIにしても意味がありません。
二つ目は「定期的に見直す」こと。ビジネス環境が変わればKPIも見直す必要があります。四半期に一度はKPIの妥当性を確認する機会を設けましょう。
三つ目は「チーム全員が理解・納得している」こと。上司が一方的に設定したKPIより、チームで議論して設定したKPIの方が達成への当事者意識が高まります。
まとめ
本記事では、KPIの意味・読み方・何の略か・日本語での正式名称・KGIとの違い・ビジネスでの具体的な使い方・設定の注意点について解説してきました。
KPIは「Key Performance Indicator(重要業績評価指標)」の略で、最終目標(KGI)に向かう進捗を数値で管理するための重要なビジネスツールです。
KGIから逆算して適切なKPIを設定し、定期的にモニタリングと改善を繰り返すことで、チームの力を目標達成に向けて最大限に発揮できるでしょう。