化学式等の物性

塩化カルシウムのsds(融点や沸点や密度や比重)を整理!厚生労働省へのリンクも

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化学物質を安全に取り扱うためには、SDS(安全データシート)の情報を正しく理解することが不可欠です。特に塩化カルシウムは、工業用途から家庭用除湿剤まで幅広く使用されているため、その物性データを把握しておくことが重要となっています。

SDSには融点、沸点、密度、比重など、物質の基本的な物理化学的性質が詳細に記載されているんですね。

しかし、これらのデータが実際にどのような意味を持ち、どう活用すべきかまで理解している方は多くないかもしれません。また、公的機関が提供する信頼性の高い情報源を知っておくことも、安全管理の観点から重要です。

本記事では、塩化カルシウムのSDSに記載される主要な物性データについて詳しく解説し、融点、沸点、密度、比重などの具体的な数値とその意味を整理していきます。さらに、厚生労働省をはじめとする公的機関へのリンクもご紹介します。それではまず、SDSの基本的な内容から確認していきましょう。

SDS(安全データシート)とは

SDSは化学物質を安全に取り扱うための重要な情報源であり、すべての化学物質取扱者が理解しておくべき文書です。

SDSの定義と目的

SDS(Safety Data Sheet)は、化学物質の安全な取扱いに必要な情報をまとめた文書のことを指します。

以前はMSDS(Material Safety Data Sheet)と呼ばれていましたが、GHS(化学品の分類および表示に関する世界調和システム)の導入に伴い、SDSという名称に統一されました。

SDSの主な目的は、化学物質による労働災害や環境汚染を防止することです。作業者が化学物質の危険性を理解し、適切な保護措置を講じられるよう、必要な情報が体系的に整理されているんですね。

労働安全衛生法では、一定の危険有害性のある化学物質について、SDSの作成と提供が義務付けられています。

塩化カルシウムも対象物質に含まれており、製造者や輸入業者はSDSを作成し、譲渡・提供する相手方に交付する義務があるんです。

SDSに記載される16項目

SDSには国際的に統一された16の項目が記載されており、それぞれ重要な情報を提供しています。

項目番号 項目名 主な内容
1 化学品及び会社情報 製品名、供給者情報
2 危険有害性の要約 GHS分類、絵表示、注意喚起語
3 組成及び成分情報 化学名、濃度、CAS番号
4 応急措置 ばく露経路別の応急措置
5 火災時の措置 消火方法、特有の危険性
6 漏出時の措置 封じ込め、除去方法
7 取扱い及び保管上の注意 安全な取扱い、保管条件
8 ばく露防止及び保護措置 管理濃度、保護具
9 物理的及び化学的性質 外観、融点、沸点、密度など

項目9の「物理的及び化学的性質」に、融点、沸点、密度、比重といった物性データが記載されています。

残りの項目10~16には、安定性、有害性、環境影響、廃棄、輸送、法規制などの情報が含まれているんですね。

塩化カルシウムのSDSを入手する方法

塩化カルシウムのSDSは、複数の方法で入手できます。

まず、製品を購入した製造者や販売業者から提供されるのが基本です。法律により、化学物質を譲渡・提供する際にはSDSの交付が義務付けられています。

また、厚生労働省の職場のあんぜんサイトでも、多くの化学物質のSDSや関連情報が公開されています。

SDSの入手方法

・製造者・販売業者からの提供(法定義務)

・厚生労働省 職場のあんぜんサイト

・独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE)

・各化学メーカーのウェブサイト

インターネットで「塩化カルシウム SDS」と検索すると、複数のメーカーが公開しているSDSにアクセスできるでしょう。

塩化カルシウムの物理的性質(融点・沸点)

続いては、塩化カルシウムの代表的な物理的性質である融点と沸点について詳しく確認していきましょう。

塩化カルシウムの融点

塩化カルシウム(無水物)の融点は約772℃とされています。

融点とは、固体が液体に変化する温度のことで、物質固有の値です。塩化カルシウムの場合、この温度まで加熱すると白色の固体から無色透明の液体へと状態変化するんですね。

この高い融点は、イオン結合による結晶構造が非常に強固であることを示しています。カルシウムイオン(Ca²⁺)と塩化物イオン(Cl⁻)の間の静電気的引力が強いため、これを切り離すには高いエネルギーが必要なんです。

ただし、水和物の場合は異なる融点を示します。

塩化カルシウムの融点

・無水物(CaCl₂):772℃

・二水和物(CaCl₂·2H₂O):約176℃(分解)

・六水和物(CaCl₂·6H₂O):約30℃(融解)

水和物は融点に達する前に結晶水を放出して分解するため、厳密な意味での融点とは異なる挙動を示すことに注意が必要でしょう。

塩化カルシウムの沸点

塩化カルシウムの沸点は、約1935℃以上とされています。

沸点とは、液体が気体に変化する温度のことで、大気圧下で測定されます。塩化カルシウムの沸点は非常に高く、通常の実験室環境で気体状態を観察することはほとんどありません。

物性 温度 備考
融点 772℃ 固体→液体
沸点 1935℃以上 液体→気体
分解温度 約1000℃ 高温で一部分解

実際には、沸点に達する前に高温下で一部が分解する可能性もあるため、正確な沸点の測定は困難なんです。

融点・沸点データの実用的意義

これらの温度データは、塩化カルシウムの取扱いにおいて重要な意味を持っています。

まず、常温では固体として安定であることが分かります。融点が772℃と高いため、日常的な使用環境(-20℃~50℃程度)では固体状態が保たれるんですね。

このため、除湿剤や融雪剤として使用する際、温度変化による物理的状態の変化を心配する必要はありません。

ただし、水和物の場合は状況が異なります。六水和物の融点は約30℃と低いため、夏季の高温環境では結晶水を放出して液状化する可能性があります。

実用上の注意点

・無水物は常温で安定な固体

・水和物は温度により状態変化の可能性

・火災時も融解しにくい(高融点)

・加熱による危険性は低い

また、高い沸点から、蒸気として吸入するリスクは通常の使用条件下では極めて低いと判断できるでしょう。

塩化カルシウムの密度と比重

物質の密度と比重は、取扱量の計算や輸送時の重量管理などに重要なデータとなります。

塩化カルシウムの密度

塩化カルシウム(無水物)の密度は約2.15 g/cm³です。

密度とは、単位体積あたりの質量のことで、g/cm³またはkg/m³で表されます。塩化カルシウムの密度2.15 g/cm³は、同じ体積の水(1.0 g/cm³)の約2.15倍の重さがあることを意味しているんですね。

この比較的高い密度は、イオン結晶特有の緻密な構造を反映しています。カルシウムイオンと塩化物イオンが規則正しく配列し、空間を効率的に充填しているため、単位体積あたりの質量が大きくなるんです。

水和物の場合は、結晶水を含むため密度が変化します。

各形態の密度

・無水物(CaCl₂):2.15 g/cm³

・二水和物(CaCl₂·2H₂O):約1.85 g/cm³

・六水和物(CaCl₂·6H₂O):約1.71 g/cm³

結晶水が多いほど密度は低くなる傾向があり、これは水分子が結晶構造内で比較的大きな空間を占めるためです。

比重の意味と数値

比重は、ある物質の密度を基準物質(通常は水)の密度で割った値で、無次元の数値として表されます。

塩化カルシウムの比重は約2.15で、これは密度の数値と同じになります。これは、水の密度が1.0 g/cm³であるためなんですね。

形態 密度(g/cm³) 比重
無水物 2.15 2.15
二水和物 1.85 1.85
六水和物 1.71 1.71
水溶液(飽和) 約1.4 1.4

比重は特に、液体や水溶液の場合に重要な指標となります。塩化カルシウム水溶液の比重は濃度によって変化し、高濃度になるほど比重が大きくなるでしょう。

密度・比重データの活用方法

密度と比重のデータは、実務において様々な場面で活用されます。

まず、容積から重量を計算する際に使用します。例えば、1リットル(1000 cm³)の無水塩化カルシウムの重量は、2.15 g/cm³ × 1000 cm³ = 2150 g = 2.15 kgと計算できるんです。

実務での活用例

・輸送時の重量計算

・保管スペースの見積もり

・溶液濃度の管理

・混合物の組成分析

また、水溶液の濃度管理においても重要です。塩化カルシウム水溶液の比重を測定することで、溶解している塩化カルシウムの濃度を推定できます。

工業プロセスでは、比重計を使って連続的に溶液濃度をモニタリングし、品質管理に役立てているんですね。

さらに、沈降や分離のプロセスでも密度差が重要な役割を果たします。塩化カルシウムは水より密度が大きいため、水溶液から結晶を析出させた場合、結晶は沈降することになるでしょう。

その他の重要な物性データ

融点、沸点、密度、比重以外にも、SDSには多くの有用な物性データが記載されています。

溶解度と溶解性

塩化カルシウムは水に非常によく溶ける性質を持っています。

20℃の水100gに対して約74.5gの塩化カルシウム(無水物)が溶解し、これは極めて高い溶解度です。温度が上昇するとさらに溶解度は増加します。

溶解時には強い発熱を伴い、溶解熱は約-81.3 kJ/molに達します。この性質により、水に溶かすと溶液の温度が大きく上昇するため、取扱いには注意が必要なんですね。

一方、エタノールには中程度に溶け、アセトンにはわずかに溶けます。有機溶媒への溶解性は一般に低い傾向があるでしょう。

pH値と反応性

塩化カルシウム水溶液は、ほぼ中性のpHを示します。

一般的な水溶液のpH範囲は6.5~8.0程度で、強酸と強塩基から生成する正塩であるため、加水分解をほとんど起こさないんです。

性質 データ 備考
pH(10%水溶液) 7.0~8.0 ほぼ中性
吸湿性 非常に強い 潮解性あり
溶解熱 -81.3 kJ/mol 発熱反応
引火点 不燃性 燃焼しない

反応性については、塩化カルシウムは比較的安定な物質ですが、強酸化剤や強還元剤とは激しく反応する可能性があります。

安全性に関する情報

SDSには、健康への影響や環境への影響に関する情報も記載されています。

塩化カルシウムは、皮膚や目に接触すると刺激性を示します。特に粉末状の製品や高濃度の水溶液は、取扱いに注意が必要です。

主な有害性情報

・眼刺激性:カテゴリー2(GHS分類)

・皮膚刺激性:軽度~中程度

・経口毒性:比較的低毒性

・環境影響:水生生物への毒性は低い

大量に摂取した場合は、消化器系への刺激や電解質バランスの乱れを引き起こす可能性があるため、食品添加物として使用される際は適切な量が規定されています。

作業時には、保護手袋、保護眼鏡、防塵マスクなどの個人用保護具の着用が推奨されるでしょう。

厚生労働省等の公的情報源

最後に、塩化カルシウムに関する信頼性の高い公的情報源を紹介していきましょう。

厚生労働省 職場のあんぜんサイト

厚生労働省が運営する「職場のあんぜんサイト」は、化学物質の安全情報を提供する代表的なサイトです。

このサイトでは、GHS対応のモデルSDSや化学物質の危険有害性情報が公開されており、塩化カルシウムについても詳細な情報が入手できます。

職場のあんぜんサイトでは、化学物質名やCAS番号で検索することで、該当物質のSDS見本、GHS分類結果、法規制情報などを閲覧できます。定期的に更新されているため、最新の情報を確認できるのが特徴なんですね。

URL: https://anzeninfo.mhlw.go.jp/

サイト内の「GHS対応モデルラベル・モデルSDS情報」のページから、塩化カルシウムの情報にアクセスできるでしょう。

製品評価技術基盤機構(NITE)

独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)も、化学物質の安全性情報を提供しています。

NITEの化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP)では、国内外の法規制情報や有害性情報を検索できます。

情報源 提供情報 URL
職場のあんぜんサイト SDS、GHS分類、法規制 https://anzeninfo.mhlw.go.jp/
NITE-CHRIP 化学物質情報、法規制 https://www.nite.go.jp/chem/chrip/
化学物質審査規制法 法規制情報 https://www.env.go.jp/chemi/kagaku/

これらの公的情報源を活用することで、信頼性の高い最新情報を入手できます。

SDSの定期的な確認と更新

化学物質の情報は、新しい研究成果や法規制の改正により更新されることがあります。

そのため、SDSは定期的に最新版を確認することが重要です。特に、GHS分類や法規制情報は変更される可能性があるため、年に1回程度は情報を更新することが推奨されます。

SDS管理のポイント

・最新版のSDSを入手・保管

・作業者がいつでも閲覧できる場所に掲示

・定期的な教育訓練での活用

・緊急時の対応手順の確認

また、複数のメーカーから購入している場合、メーカーごとにSDSの内容が若干異なる場合があるため、使用している製品に対応したSDSを確認することが大切でしょう。

まとめ

塩化カルシウムのSDS(安全データシート)に記載される主要な物性データについて、詳しく解説してきました。

融点は約772℃、沸点は約1935℃以上と、いずれも高い値を示し、常温では安定な固体として存在することが確認できました。密度は約2.15 g/cm³、比重も2.15で、水の約2倍の重さがあることが分かります。

これらの物性データは、塩化カルシウムの安全な取扱いや適切な保管、輸送時の重量計算などに不可欠な情報です。特に、高い溶解度と発熱性は、実際の使用において重要な特性となっているんですね。

厚生労働省の職場のあんぜんサイトやNITEなどの公的機関では、信頼性の高いSDSや化学物質情報が提供されています。これらの情報源を活用し、常に最新のデータを確認することで、より安全な化学物質管理が実現できるでしょう。

化学物質を扱う際は、SDSを必ず確認し、適切な保護措置を講じることが、労働災害の防止につながります。