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ケルビン単位の定義は?SI基本単位としての意味も(国際単位系:熱力学温度:絶対温度:物理学:測定基準など)

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ケルビン(K)はSI単位系の7つの基本単位のひとつですが、その定義は2019年に大きく改定されました。

「どのように定義されているのか」「なぜSI基本単位として重要なのか」を詳しく知りたい方も多いでしょう。

本記事では、ケルビン単位の定義・SI基本単位としての意味・測定基準を物理学的背景とともに解説します。

ケルビンのSI単位としての定義(結論)

それではまず、ケルビンの現行の定義について解説していきます。

2019年のSI単位改定以降、ケルビンは次のように定義されています。

現行のケルビンの定義:ボルツマン定数 k = 1.380649 × 10⁻²³ J÷K を正確に定義することにより決まる熱力学的温度の単位。これにより 1 K は「ボルツマン定数の値が正確に 1.380649 × 10⁻²³ J÷K となる温度」として定義されます。

2019年改定以前の定義

2019年以前のケルビンは「水の三重点の熱力学温度の 1÷273.16」として定義されていました。

水の三重点とは水・氷・水蒸気が共存する特定の温度(約 0.01 ℃・611.657 Pa)のことです。

この定義では水の純度・同位体組成によってわずかに値がばらつく問題がありました。

ボルツマン定数による新定義の意義

新定義では物質に依存しない普遍的な物理定数(ボルツマン定数)を使うため、世界中どこでも同じ基準でケルビンを実現できます。

これにより温度測定の精度と再現性が大幅に向上しました。

ボルツマン定数はエネルギーと温度をつなぐ重要な定数であり、統計力学の基礎方程式にも登場します。

SI基本単位としてのケルビンの役割

続いては、SI基本単位としてのケルビンの役割を確認していきます。

SI7基本単位の一覧

物理量 単位名 記号
長さ メートル m
質量 キログラム kg
時間 s
電流 アンペア A
熱力学温度 ケルビン K
物質量 モル mol
光度 カンデラ cd

熱力学温度としての意義

熱力学では温度を絶対温度(ケルビン)で扱うことが理論上必須です。

エントロピー・自由エネルギー・黒体放射など、熱力学の基本方程式はすべてケルビンを前提としています。

ケルビンを使わないと方程式の次元が合わなくなるため、物理学において代替不可能な単位です。

ケルビンの実現方法と精密測定

続いては、ケルビンの精密測定の実現方法を確認していきます。

音響気体温度測定法

現在の最高精度のケルビン実現方法として音響気体温度測定法(AGT)があります。

希ガス(アルゴンなど)中の音速を精密測定し、気体定数とボルツマン定数の関係から絶対温度を求める方法です。

放射温度計によるケルビン測定

高温域ではプランクの黒体放射則を利用した放射温度計(パイロメータ)が使われます。

物体が放射する電磁波の強度からケルビン単位の温度が計算できます。

低温域でのケルビン実現

極低温(1 K 以下)の精密温度測定には核磁気共鳴(NMR)温度計や白金抵抗温度計が使われます。

現代の技術では数十ナノケルビン(数百万分の1ケルビン)という極低温の実現と測定が可能です。

まとめ

本記事では、ケルビン単位の定義・SI基本単位としての意味・精密測定方法について解説しました。

2019年の改定でケルビンはボルツマン定数に基づく定義に変わり、物質に依存しない普遍的な基準で温度が定義されるようになりました。

熱力学・統計力学・宇宙物理学など幅広い分野でケルビンは欠かせない基本単位として使われています。

ケルビンの定義と物理的な意義を正しく理解して、温度という物理量への理解をさらに深めていきましょう。