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アルミナの結晶構造とは?コランダム型構造を解説!(α型・六方晶系・原子配列・格子定数・物性との関係など)

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アルミナの卓越した物性の根源はその結晶構造にあります。

本記事では、α-アルミナのコランダム型結晶構造・六方晶系の特徴・各種物性との関係を詳しく解説していきます。

アルミナの結晶構造は「コランダム型(三方晶系)でO²⁻の六方最密充填にAl³⁺が規則配置された構造」である

それではまず、α-アルミナの結晶構造の詳細を解説していきます。

最も安定なα-アルミナの結晶構造はコランダム型(Corundum structure)と呼ばれ、三方晶系(六方晶系の部分集合)に分類されます。

コランダム構造の詳細:O²⁻イオンがABABAB型の六方最密充填(hcp)で積層配置される。Al³⁺イオンはO²⁻の形成する八面体空隙のうち2/3に規則的に配置(残りの1/3は空き)。この規則的な空き位置配置がコランダム構造の特徴であり、構造の安定性と物性の異方性を生み出す。空間群:R-3c(菱面体晶系)。

格子定数

α-Al₂O₃(コランダム)の格子定数:

六方晶表記:a = 0.4758 nm、c = 1.2991 nm

c/a 比 = 2.730(理想hcpの2.449より大きい)

単位格子中の式単位数:6(つまり12個のAl³⁺と18個のO²⁻)

理論密度:3.987 g/cm³(格子定数から計算)

γ-アルミナとδ-アルミナなど他の多形

アルミナには熱処理温度によって複数の結晶多形(転移型)が存在します。

γ-Al₂O₃はスピネル型構造に近い準安定相で、比表面積が大きく(100〜300 m²/g)触媒担体・吸着剤に使われます。

δ・θなどの遷移型アルミナを経て1100〜1200℃以上でα-Al₂O₃(コランダム)に不可逆的に転移します。

転移時に大きな体積収縮が起き焼結に利用できます。

結晶構造と物性の関係

コランダム構造のAl-O結合の強さ(結合エネルギー約300 kJ/mol)がアルミナの高融点・高硬度・化学安定性の直接的な原因です。

八面体配位のAl³⁺周囲の局所対称性の低さが屈折率の異方性(複屈折)を生み出し、サファイア・ルビーの光学特性にも寄与しています。

不純物(Cr³⁺→ルビー・Fe/Ti→サファイア)が格子に置換してさまざまな色を呈するのもコランダム構造ならではの特徴です。

まとめ

本記事では、α-アルミナのコランダム型結晶構造・格子定数・他の多形との違い・結晶構造と物性の関係を解説してきました。

O²⁻の六方最密充填とAl³⁺の2/3規則配置というコランダム構造の精緻な原子配列が、アルミナの卓越した高硬度・高融点・化学安定性の根源であることが理解できたでしょう。