金属材料を選定する際、比重や密度は非常に重要な指標のひとつです。
アルミニウムは「軽い金属」として広く知られていますが、実際の数値はどのくらいなのでしょうか。
また、純粋なアルミニウムと合金では密度に違いがあるのかどうか、気になる方も多いはずです。
本記事では、アルミニウムの比重や密度は?kg/m3やg/cm3・kg/mm3の数値一覧も【合金との違いも】というテーマで、単位ごとの具体的な数値や、アルミ合金との比較、さらには他の金属との密度の違いまで幅広く解説していきます。
材料選定の参考として、ぜひ最後までご覧ください。
アルミニウムの比重・密度は約2.7が基本的な結論
それではまず、アルミニウムの比重と密度の基本的な数値について解説していきます。
アルミニウムの密度は、約2.7 g/cm³(2700 kg/m³)が標準的な値として使われています。
これは純アルミニウムの値であり、工業的な材料選定や設計計算においても広く用いられる基準値です。
比重とは、ある物質の密度を水(4℃における密度:1.0 g/cm³)の密度で割った無次元の値のこと。
アルミニウムの比重はおおよそ2.7となり、水の約2.7倍の重さを持つ材料ということになります。
アルミニウムの基本的な密度・比重のまとめ
比重(無次元):約2.7
密度:約2.70 g/cm³ / 約2700 kg/m³ / 約0.00270 kg/mm³
鉄(約7.87 g/cm³)や銅(約8.96 g/cm³)と比べると、アルミニウムの密度がいかに小さいかがよくわかるでしょう。
軽量化が求められる航空機・自動車・電子機器などの分野でアルミニウムが重宝される理由は、まさにこの低い密度にあります。
純アルミニウムの密度は組成がほぼ一定であるため、文献によって若干の差はあるものの、2.699 g/cm³ ≒ 2.70 g/cm³という値が最も信頼性の高い数値として扱われています。
kg/m³・g/cm³・kg/mm³ 単位別のアルミニウム密度数値一覧
続いては、単位を変換した場合のアルミニウムの密度数値を確認していきます。
密度の単位は使用する場面によって異なるため、それぞれの換算値を正確に把握しておくことが重要です。
以下の表に、アルミニウム(純アルミ)の密度を代表的な単位でまとめました。
| 単位 | アルミニウムの密度 |
|---|---|
| g/cm³ | 約 2.70 |
| kg/m³ | 約 2700 |
| kg/mm³ | 約 0.00000270(2.70 × 10⁻⁶) |
| g/mm³ | 約 0.00270(2.70 × 10⁻³) |
| lb/in³(参考) | 約 0.0975 |
単位の換算でよく混乱しやすいのが、kg/m³ と kg/mm³ の桁数の違いです。
単位換算の例
2.70 g/cm³ → 2700 kg/m³(× 1000)
2.70 g/cm³ → 0.00270 g/mm³(÷ 1000)
2.70 g/cm³ → 0.00000270 kg/mm³(÷ 1,000,000)
機械設計やCAD・CAEのシミュレーションでは、単位系をSI単位(mm・N・MPa系)に統一することが多く、その場合はkg/mm³ 単位での入力が求められる場面も少なくありません。
そのような場面では、2.70 × 10⁻⁶ kg/mm³ という値を使うことになるため、しっかり覚えておくと便利です。
また、海外の資料ではヤード・ポンド法の lb/in³ が使われる場合もあるため、換算の知識としてあわせて把握しておくとよいでしょう。
アルミニウム合金の密度一覧と純アルミとの違い
続いては、アルミニウム合金の密度と、純アルミニウムとの違いを確認していきます。
アルミニウム合金とは、純アルミニウムにシリコン・銅・マグネシウム・亜鉛などの元素を添加して性質を改良した材料です。
添加する元素の種類や量によって、密度も若干変化します。
代表的なアルミニウム合金の密度比較
以下の表に、JIS規格でよく使われる代表的なアルミニウム合金の密度をまとめました。
| 合金系・規格 | 主な添加元素 | 密度(g/cm³) |
|---|---|---|
| 純アルミ(1000系) | なし(99%以上Al) | 約 2.70 |
| 2000系(A2017・A2024) | Cu(銅) | 約 2.78〜2.80 |
| 3000系(A3003) | Mn(マンガン) | 約 2.73 |
| 5000系(A5052・A5083) | Mg(マグネシウム) | 約 2.68〜2.66 |
| 6000系(A6061・A6063) | Mg・Si | 約 2.70〜2.71 |
| 7000系(A7075) | Zn(亜鉛) | 約 2.81〜2.83 |
密度が高くなる合金系と低くなる合金系の傾向
添加元素の原子量が大きいほど、合金全体の密度は上がる傾向があります。
たとえば、銅(Cu)や亜鉛(Zn)を多く含む2000系・7000系は、純アルミよりも密度が高くなりやすい傾向です。
一方、マグネシウム(Mg)を含む5000系はマグネシウム自体の密度(約1.74 g/cm³)が低いため、純アルミよりわずかに密度が小さくなる場合があります。
合金の密度は純アルミ(2.70 g/cm³)を基準に、添加元素の種類によって±0.1〜0.15 g/cm³ 程度の変化が生じます。
設計計算では合金種別ごとの正確な密度値を参照することが重要です。
ダイカスト用アルミ合金(ADC12など)の密度
鋳造・ダイカスト用途で広く使われるADC12(Al-Si-Cu系)の密度は、約2.74〜2.75 g/cm³ 程度とされています。
自動車部品やエンジン部品など、複雑な形状の鋳造部品に多く用いられるアルミ合金であり、密度と強度のバランスが優れた材料として知られています。
ダイカスト品を設計する際には、この密度値を用いて重量計算を行うことが一般的です。
アルミニウムと他の金属材料の比重・密度比較
続いては、アルミニウムと他の代表的な金属との比重・密度の比較を確認していきます。
アルミニウムの軽さは、他の金属と比較することでより明確に理解できます。
以下の表に、よく使われる金属材料の密度をまとめました。
代表的な金属の密度一覧
| 金属材料 | 密度(g/cm³) | アルミとの比率 |
|---|---|---|
| マグネシウム(Mg) | 約 1.74 | 約 0.64倍 |
| アルミニウム(Al) | 約 2.70 | 1.00(基準) |
| チタン(Ti) | 約 4.51 | 約 1.67倍 |
| 鉄・鋼(Fe) | 約 7.87 | 約 2.91倍 |
| ニッケル(Ni) | 約 8.91 | 約 3.30倍 |
| 銅(Cu) | 約 8.96 | 約 3.32倍 |
| 鉛(Pb) | 約 11.35 | 約 4.20倍 |
| タングステン(W) | 約 19.25 | 約 7.13倍 |
アルミニウムが軽量材料として選ばれる理由
鉄・銅と比較すると、アルミニウムの密度は約3分の1という非常に軽い金属であることがわかります。
同じ体積のパーツを製作した場合、鉄製に比べてアルミ製は重量が約3分の1に抑えられるということ。
これは輸送コストの削減や燃費向上、操作性の改善など、多くのメリットにつながります。
さらに、アルミニウムは比強度(強度÷密度)も高く、軽さに対して十分な強度を持つため、構造材料としての優秀さも際立っています。
チタンとの比較で見るアルミの位置づけ
チタンはアルミより密度が高い(約4.51 g/cm³)ものの、強度・耐熱性・耐食性でアルミを上回る特性を持っています。
一方、アルミニウムは加工しやすさ・コストの安さ・リサイクル性という点でチタンより優れており、用途に応じた使い分けが重要です。
軽量化と低コストを両立したい場面では、アルミニウムまたはアルミ合金が第一候補になることが多いでしょう。
まとめ
本記事では、アルミニウムの比重・密度について、単位別の数値一覧や合金との違い、他の金属との比較を中心に解説しました。
アルミニウムの密度は約2.70 g/cm³(2700 kg/m³)が基本値であり、比重はおよそ2.7です。
kg/mm³に換算すると2.70 × 10⁻⁶ kg/mm³となり、シミュレーションソフトへの入力時などに活用できます。
アルミ合金では添加元素によって密度が若干変化し、2000系・7000系はやや高め、5000系はやや低めになる傾向があります。
鉄や銅と比べてアルミニウムの密度は約3分の1と非常に軽く、軽量化が求められる設計現場において欠かせない材料です。
材料選定や重量計算を行う際には、今回紹介した数値をぜひ参考にしてみてください。