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ボルツマン定数の求め方は?導出と計算手順も!

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ボルツマン定数は物理学の基本定数のひとつですが、「どのようにして求められるのか」「理想気体・分子運動論・アボガドロ数との関係はどうなっているのか」という疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

この記事では、ボルツマン定数の求め方・理想気体からの導出・分子運動論との関係・アボガドロ数・気体定数との関係・実験的な測定法まで、詳しく解説していきます。

ボルツマン定数の求め方の基本とは?まず押さえる結論

それではまず、ボルツマン定数の求め方の基本と、押さえるべき結論から解説していきます。

ボルツマン定数kBを求める最も基本的なアプローチは、「気体定数R(マクロな測定値)をアボガドロ数NA(1モルの粒子数)で割る」という計算です。

ボルツマン定数の導出の核心:kB = R/NA、R(気体定数)= 8.314462 J/(mol·K)、NA(アボガドロ定数)= 6.02214076×10²³ /mol。kB = 8.314462/6.02214076×10²³ ≈ 1.38×10⁻²³ J/K。気体定数RはマクロなN mol単位の定数、ボルツマン定数kBはミクロな粒子1個あたりの定数です。

この関係kB = R/NAは、ボルツマン定数の「定義」ではなく「マクロとミクロをつなぐ関係式」として理解することが重要です。

2019年のSI改訂後は、kBが定義値となり逆にアボガドロ数がkBとRから導かれる形になっていますが、物理的な意味としては「R=NAkB」という関係が本質です。

理想気体の状態方程式からのボルツマン定数の導出

続いては、理想気体の状態方程式を使ったボルツマン定数の導出を確認していきます。

マクロな状態方程式とミクロな状態方程式

理想気体の状態方程式の2つの表現:

マクロ表現(モル数N_mol使用):PV = N_mol × R × T

ミクロ表現(粒子数N使用):PV = N × kB × T

N_mol mol中の粒子数N = N_mol × NA なので:

PV = N_mol × NA × kB × T = N_mol × R × T

この両辺を比較するとR = NA × kB → kB = R/NA が導かれる

圧力の分子運動論的解釈

分子運動論では、理想気体の圧力PはP = NmkBT/(3V)(m:分子質量・v²の平均:3kBT/m)という形で、温度を分子の運動エネルギーと結びつけます。

1個の分子の平均運動エネルギーは (3/2)kBTであり、「温度は分子の平均運動エネルギーのスケール」という解釈がボルツマン定数を通じて実現されます。

分子運動論とボルツマン定数の関係

続いては、分子運動論においてボルツマン定数がどのように登場するかを確認していきます。

平均運動エネルギーとkBの関係

理想気体の分子1個あたりの各方向の平均並進運動エネルギーは(1/2)kBTです。

3次元の並進運動では合計 (3/2)kBT、さらに回転・振動の自由度を加えると「エネルギー等分配の法則」により各自由度に (1/2)kBTのエネルギーが分配されます。

この「1自由度あたり (1/2)kBT」というエネルギー等分配則が、熱容量・音速・熱伝導率など多くの熱物性の理論的計算の基礎となっています。

マクスウェル-ボルツマン速度分布

気体分子の速度分布はマクスウェル-ボルツマン分布に従い、その分布関数の形状はkBTというパラメータで決まります。

kBTが大きい(高温)ほど分布は広くなり(高速の分子が増える)、kBTが小さい(低温)ほど分布は狭くなります。

ボルツマン定数の実験的な測定方法

続いては、ボルツマン定数を実験的に測定するための方法を確認していきます。

ジョンソンノイズを使った測定

電気抵抗の熱雑音(ジョンソン-ナイキストノイズ)の大きさはV² = 4kBTRΔf(R:抵抗、Δf:測定帯域幅)で表されます。

精密な電圧測定により熱雑音を測定し、温度・抵抗値から kBを算出する方法は、高精度なボルツマン定数の測定に使用されています。

音速測定によるkBの算出

理想気体の音速c = √(γkBT/m)(γ:比熱比、m:分子質量)という関係式から、音速の精密測定によりkBを求めることができます。

アルゴン(単原子気体、γ=5/3)を使った音速測定は、BIPM(国際度量衡局)のkB精密測定に使用された主要な方法のひとつです。

まとめ

この記事では、ボルツマン定数の求め方(kB=R/NA)・理想気体からの導出・分子運動論との関係(平均運動エネルギー・等分配則)・実験的な測定方法(ジョンソンノイズ・音速測定)について詳しく解説しました。

ボルツマン定数の導出の核心は、「気体定数R(マクロ)とアボガドロ数NA(ミクロ)からkB=R/NAで導く」というマクロとミクロをつなぐ関係にあります。

分子運動論における「1自由度あたり(1/2)kBT」というエネルギー等分配則を理解することで、ボルツマン定数が熱物理学のあらゆる場面でどのように機能するかが見えてくるでしょう。

ぜひこの記事でボルツマン定数の導出と計算手順を理解し、統計力学・熱力学の学習に活かしていただければ幸いです。