水酸化銅は、銅と水酸化物イオンからなる難溶性の塩基であり、化学式はCu(OH)₂と表されます。
化学の学習において、化学式・組成式・分子量(式量)の正確な理解は、試験対策の基礎として欠かせません。
また、電子式・構造式・イオン式・示性式といった多様な表記方法も、しっかり押さえておきたいポイントです。
さらに、青白色沈殿としての外観・加熱による酸化銅生成・アンモニア水による錯イオン形成なども、試験で頻出のテーマのひとつ。
この記事では、水酸化銅に関する基礎知識を、わかりやすく丁寧に解説していきます。
水酸化銅の化学式はCu(OH)₂!組成式・分子量の基本まとめ
それではまず、水酸化銅の化学式・組成式・分子量について解説していきます。
水酸化銅の化学式はCu(OH)₂です。
これは、銅イオンCu²⁺が1個と、水酸化物イオンOH⁻が2個で構成されていることを示しています。
電荷のバランスを確認すると、Cu²⁺=+2、OH⁻×2=−2となり、過不足なく釣り合っているのがわかるでしょう。
組成式は化学式と同様にCu(OH)₂と書くのが一般的です。
イオン結晶では化学式と組成式が一致することが多く、水酸化銅もその典型例に当てはまります。
示性式についても、特別な官能基を強調する必要がないため、通常はCu(OH)₂として表記されます。
分子量(式量)の計算方法
水酸化銅の分子量(正確には式量)を計算してみましょう。
各元素の原子量は、Cu=64、O=16、H=1を使用します。
Cu:64×1=64
O:16×2=32
H:1×2=2
合計:64+32+2=98
したがって、水酸化銅の式量は98となります。
OH⁻が2個あるため、O×2とH×2を正確に計算することがポイントです。
「Cu(OH)₂=式量98」とセットで覚えておきましょう。
覚え方のコツ
化学式Cu(OH)₂の覚え方としては、Cu²⁺とOH⁻のたすき掛けが便利です。
Cu²⁺の価数2とOH⁻の価数1をたすき掛けすると、CuにはOHが2個つき、Cu(OH)₂が導けます。
「Cu²⁺に対してOH⁻が2個→Cu(OH)₂」という流れで確認しておきましょう。
外観・色・物理的性質
水酸化銅は青白色(淡青色)の沈殿として観察されます。
Cu²⁺イオンを含む水溶液にNaOH水溶液などの塩基を加えると、この青白色の沈殿が生じるのです。
水への溶解度は非常に小さく、難溶性の塩基として分類されます。
水酸化銅の電子式・構造式・イオン式を解説
続いては、水酸化銅の電子式・構造式・イオン式について確認していきます。
電子式の書き方
水酸化銅はイオン結晶であるため、構成イオンであるCu²⁺とOH⁻のそれぞれの電子式を理解することが基本となります。
OH⁻(水酸化物イオン)の電子式では、OとHが共有結合し、O原子に非共有電子対が3組存在する構造として記述します。
Cu²⁺については、銅原子が電子を2個失ったイオンとして表記するのがポイントです。
構造式のポイント
水酸化銅の構造式は、Cu²⁺を中心に2つのOH⁻がイオン結合でつながった形として表されます。
実際には層状構造を持つ固体として存在しており、高校化学レベルでは上記のシンプルな表記で理解しておくと整理しやすいです。
イオン式・生成反応
水酸化銅の生成反応式は以下のとおりです。
Cu²⁺イオンを含む水溶液(硫酸銅水溶液など)にNaOH水溶液を加えると、この反応により青白色の沈殿が生じます。
↓は沈殿生成を示す記号であり、反応式に添えて書くのが正式な表記です。
水酸化銅の加熱による酸化銅生成・色の変化
続いては、水酸化銅を加熱したときの変化と酸化銅生成について確認していきましょう。
加熱による分解反応
水酸化銅を加熱すると、水が脱離して黒色の酸化銅(CuO)が生成します。
青白色のCu(OH)₂が加熱によって黒色のCuOに変化するこの色の変化は、試験でも頻出の重要な反応です。
約80℃以上で脱水が始まり、比較的低温で分解が完了する点も特徴のひとつでしょう。
酸化銅(CuO)の性質
生成した酸化銅(CuO)は黒色の粉末状固体であり、塩基性酸化物として酸と反応します。
また、CuOは水素や炭素などの還元剤によって銅(Cu)に還元されます。
CuO+H₂→Cu+H₂Oという反応は、金属酸化物の還元の代表例として入試頻出です。
銅化合物の色の変化まとめ
| 化合物 | 化学式 | 色 |
|---|---|---|
| 銅イオン水溶液 | Cu²⁺(aq) | 青色 |
| 水酸化銅 | Cu(OH)₂ | 青白色(淡青色) |
| 酸化銅(Ⅱ) | CuO | 黒色 |
| 酸化銅(Ⅰ) | Cu₂O | 赤色 |
| 銅(金属) | Cu | 赤褐色 |
銅の化合物は状態・酸化数によって色が大きく異なるため、色の変化を一覧で覚えておくと識別問題で役立つでしょう。
水酸化銅とアンモニア水・錯イオンの形成
続いては、水酸化銅にアンモニア水を加えたときに起こる錯イオン形成について確認していきましょう。
アンモニア水との反応
Cu(OH)₂の青白色沈殿にアンモニア水を少量加えても溶解しませんが、過剰のアンモニア水を加えると沈殿が溶解して深青色(濃青色)の溶液が得られます。
生成したテトラアンミン銅(Ⅱ)イオン([Cu(NH₃)₄]²⁺)は深青色の錯イオンであり、銅の錯体化学の代表例として非常に重要です。
この深青色溶液はシュバイツァー試薬とも呼ばれ、セルロース(木綿・綿)を溶解する性質を持つため繊維分析にも利用されます。
錯イオンの構造
[Cu(NH₃)₄]²⁺では、Cu²⁺イオンを中心に4つのNH₃分子が配位結合した平面四角形の構造を持ちます。
NH₃のN原子が持つ非共有電子対がCu²⁺に配位することで錯イオンが形成されます。
配位結合による錯イオン形成は、遷移金属の化学の重要テーマとして試験でも頻出でしょう。
Cu²⁺の検出反応まとめ
・NaOH水溶液を加える→青白色沈殿(Cu(OH)₂)が生成
・過剰のアンモニア水を加える→深青色溶液([Cu(NH₃)₄]²⁺)が生成
・フェロシアン化カリウムを加える→赤褐色沈殿が生成
これらの反応はCu²⁺の存在を確認するための定性分析に利用されます。
まとめ
この記事では、水酸化銅の化学式・組成式・分子量(式量)を中心に、電子式・構造式・イオン式・示性式、青白色沈殿の特徴、加熱による酸化銅(黒色)生成、アンモニア水による深青色錯イオン([Cu(NH₃)₄]²⁺)形成まで幅広く解説しました。
化学式Cu(OH)₂、式量98、生成反応(Cu²⁺+2OH⁻→Cu(OH)₂↓)という基本データを確実に押さえておきましょう。
加熱による青白色→黒色への色変化・過剰アンモニア水による深青色錯イオン形成は試験頻出のテーマです。
銅化合物の色の変化(青色・青白色・黒色・赤色・赤褐色)を一覧で覚えておくことで、銅の化学に関する問題を幅広くカバーできるでしょう。