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ドデカンの沸点は?融点・密度・比重・分子量・引火点も解説【公的機関のリンク付き】

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化学物質の物性データを正確に把握することは、製造・研究・安全管理など幅広い場面で欠かせません。

今回取り上げるのは、炭素数12の直鎖アルカンであるドデカン(Dodecane)です。

ドデカンは石油系溶剤やジェット燃料の成分として知られており、その物性値は実務的な観点からも非常に重要な意味を持ちます。

本記事では「ドデカンの沸点は?融点・密度・比重・分子量・引火点も解説」というテーマのもと、沸点をはじめとした各種物性データをわかりやすく整理してご紹介します。

公的機関のデータベースへのリンクも合わせて掲載していますので、信頼性の高い情報源としてもぜひご活用ください。

ドデカンの沸点・融点・密度・引火点などの物性値まとめ

それではまず、ドデカンの主要な物性値について解説していきます。

ドデカンは化学式 C₁₂H₂₆ で表される直鎖飽和炭化水素(n-アルカン)であり、常温では無色透明の液体として存在します。

分子内に12個の炭素原子が連なった構造を持つため、炭素数の少ないアルカンと比較して沸点・融点ともに高い傾向にあります。

ドデカンの主な物性値は以下の通りです。これらの数値は産業利用・安全管理・研究目的のいずれにおいても基準となる重要なデータです。

物性項目
分子式 C₁₂H₂₆
分子量 170.33 g/mol
沸点 約 216.3 ℃
融点 約 −9.6 ℃
密度(20℃) 約 0.749 g/cm³
比重(対水) 約 0.749
引火点 約 71 ℃
CAS番号 112-40-3

上記の値はNISTやSigma-Aldrichなどの信頼性の高いデータソースに基づいています。

各物性値の詳細については、以降の各見出しで順を追って確認していきましょう。

ドデカンの沸点と融点を詳しく確認する

続いては、ドデカンの沸点と融点を詳しく確認していきます。

沸点について

ドデカンの沸点は約216.3℃(1気圧条件下)とされています。

これは炭素数10のデカン(沸点約174℃)や炭素数11のウンデカン(沸点約196℃)と比較すると、炭素数が増えるにつれて沸点が高くなるアルカン系化合物の傾向を如実に示しています。

沸点が高い理由は、分子量が大きくなるほど分子間のファンデルワールス力が強くなり、液体状態を維持しやすくなるためです。

産業用途では、ドデカンの高沸点という特性が溶剤としての利用価値を高める要因ともなっています。

融点について

ドデカンの融点は約−9.6℃です。

融点がマイナス域にあるということは、常温(約20〜25℃)では液体状態で存在することを意味します。

冬季の低温環境であっても、−9.6℃を下回らない限りは液体のままであるため、寒冷地での取り扱いにおいても比較的安定した使用が可能です。

なお、アルカン系化合物の融点は炭素数が偶数か奇数かによって微妙に異なる「偶奇効果」が知られており、ドデカンは偶数炭素であることから同族体の中でも融点がやや高めに出る傾向があります。

沸点・融点のデータ参照先

沸点・融点の信頼できる参照先として、米国国立標準技術研究所(NIST)が公開するWebBook(Chemistry WebBook)が広く利用されています。

NIST Chemistry WebBook(ドデカン)の公式ページはこちらからご確認いただけます。

https://webbook.nist.gov/cgi/cbook.cgi?ID=112-40-3

このページではCAS番号「112-40-3」でドデカンを検索することが可能で、沸点・融点以外にもスペクトルデータや熱力学的データなど幅広い物性情報が掲載されています。

ドデカンの密度・比重・分子量を解説する

続いては、ドデカンの密度・比重・分子量を確認していきます。

密度と比重

ドデカンの密度は20℃において約0.749 g/cm³と報告されています。

比重は基準物質(通常は水:1.000 g/cm³)との相対的な比であるため、ドデカンの比重は約0.749となります。

比重が1未満であることから、ドデカンは水よりも軽く、水面に浮く性質を持ちます。

この特性は、万が一ドデカンが水系環境に流出した場合の挙動予測や、消火・回収時の対応策を検討する上で重要な情報です。

比重の計算式(例)

比重 = 物質の密度 ÷ 水の密度(4℃)

ドデカンの場合:0.749 g/cm³ ÷ 1.000 g/cm³ = 0.749

なお、密度は温度に依存するため、測定条件を明記することが重要です。

温度が上昇すると分子間距離が広がり密度は低下するため、高温環境での使用時は注意が必要です。

分子量

ドデカンの分子量は170.33 g/molです。

これは炭素原子12個(C:12.011 × 12 = 144.132)と水素原子26個(H:1.008 × 26 = 26.208)の合計から算出されます。

分子量の計算(確認用)

C₁₂H₂₆ = (12.011 × 12)+(1.008 × 26)

= 144.132 + 26.208 = 170.340 ≒ 170.33 g/mol

分子量は物質量(モル)の計算や、各種化学反応の量論計算において基本となる値です。

混合溶剤を調製する際や、希釈率の計算を行う場面でも活用されます。

密度・比重・分子量の参照先

これらの物性データは、国際的な化学品データベースであるPubChem(米国国立衛生研究所:NIH管轄)でも確認が可能です。

PubChemのドデカン情報ページはこちらです。

https://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/compound/Dodecane

PubChemでは分子量・密度・沸点・融点に加え、毒性データや規制情報なども一括して確認できます。

研究・安全管理の両面から利便性の高い公的データベースと言えるでしょう。

ドデカンの引火点と安全性・取り扱い上の注意点

続いては、ドデカンの引火点と取り扱い上の注意点について確認していきます。

引火点について

ドデカンの引火点は約71℃とされています。

引火点とは、可燃性液体の蒸気が空気と混合し、点火源があった場合に引火する最低温度のことです。

71℃という引火点は、常温(約20〜25℃)よりも高いため、通常の室温環境では引火のリスクは比較的低いと言えます。

ただし、加熱した状態での取り扱いや、高温の機器・熱源の近くで使用する場合には、引火点を超える可能性があるため十分な注意が必要です。

引火点が71℃以上の液体は、日本の消防法では「第4類危険物・第4石油類」に分類される場合があります。ドデカンを取り扱う施設では、消防法上の規制を確認することが重要です。

爆発限界と燃焼範囲

ドデカンの爆発下限界(LEL)は約0.6 vol%、爆発上限界(UEL)は約7.7 vol%程度とされています。

これは蒸気濃度がこの範囲内に入った場合、点火源があれば爆発的な燃焼が生じる可能性があることを意味します。

密閉空間での使用・貯蔵時には換気を徹底し、蒸気が滞留しないよう注意することが大切です。

また、静電気による着火リスクも考慮し、アース(接地)対策を適切に実施することが推奨されます。

安全データシート(SDS)の確認先

ドデカンを取り扱う際には、安全データシート(SDS:Safety Data Sheet)の内容を必ず事前に確認することが重要です。

SDSには引火点・爆発限界・応急処置・廃棄方法など、安全取り扱いに関するすべての情報が網羅されています。

日本国内の公的機関として、製品評価技術基盤機構(NITE)が運営する「化学物質総合情報提供システム(CHRIP)」でも関連情報を参照できます。

https://www.nite.go.jp/chem/chrip/chrip_search/systemTop

また、国際的な規格であるGHS(化学品の分類および表示に関する世界調和システム)に基づく分類情報も合わせて確認しておくとよいでしょう。

ドデカンの用途と関連する産業・研究分野

続いては、ドデカンの主な用途と関連する産業・研究分野について確認していきます。

燃料・溶剤としての利用

ドデカンはジェット燃料(ケロシン)の主要成分の一つとして知られており、航空宇宙産業においても重要な役割を担っています。

また、炭化水素系溶剤としてコーティング剤・洗浄剤・潤滑剤などの製造にも広く利用されています。

高沸点・低揮発性という特性から、蒸発速度を抑えたい用途に適した溶剤として選定されることが多い物質です。

標準物質・研究用途

ドデカンはガスクロマトグラフィー(GC)の標準物質(リテンションインデックスの基準)としても使用されています。

コバッツ保持指数(Kováts Retention Index)において、n-アルカン系列のリファレンス物質として活用されており、分析化学分野での重要性は非常に高いと言えるでしょう。

また、燃焼研究や熱力学研究における代替燃料モデルとしても活用される機会があります。

環境・毒性に関する情報

ドデカンは一般的に毒性が低いとされていますが、皮膚への長時間暴露や蒸気の吸入には注意が必要です。

水生生物への影響については、ECHA(欧州化学物質庁)などの機関が分類情報を公開しており、環境への放出を避けることが推奨されています。

ECHAのドデカンに関する情報は以下から確認できます。

https://echa.europa.eu/substance-information/-/substanceinfo/100.003.607

廃棄の際は産業廃棄物として適切に処理し、下水や河川への直接放流は避けるよう徹底することが求められます。

まとめ

本記事では「ドデカンの沸点は?融点・密度・比重・分子量・引火点も解説」というテーマで、ドデカンの各種物性値と安全性・用途について詳しく解説しました。

ドデカン(C₁₂H₂₆)の主な物性値を改めて整理すると、沸点は約216.3℃、融点は約−9.6℃、密度は約0.749 g/cm³、分子量は170.33 g/mol、引火点は約71℃となります。

これらのデータはNISTのChemistry WebBook、NIHのPubChem、NITEのCHRIP、ECHAなど公的機関のデータベースで確認できるため、実務・研究の場面でぜひ活用してください。

ドデカンは燃料・溶剤・分析標準物質など幅広い分野で使用される重要な化学物質であり、その物性を正しく理解することが安全かつ効率的な利用につながります。

引火点や爆発限界などの安全情報もしっかり把握した上で、適切な管理と取り扱いを心がけていただければ幸いです。