ビジネス文書や式典の挨拶でよく耳にする「ご健勝とご多幸」という表現。格式のある美しい言葉として広く使われていますが、正しい意味や使い方を正確に理解しているでしょうか。
「ご健勝とご多幸」は、相手の健康と幸せを願う気持ちを表すビジネスシーンで最も格式高い祝福の言葉のひとつです。手紙の結びや式典の挨拶、乾杯の音頭など、フォーマルな場面で欠かせない表現といえるでしょう。
この記事では、「ご健勝とご多幸」の意味や読み方、「お祈り申し上げます」との組み合わせ方、目上の方への使い方、乾杯の挨拶での活用例まで幅広く解説していきます。格式のある表現を使いこなしたい方は、ぜひ最後までお読みください。
「ご健勝とご多幸」の意味と読み方:結論からわかりやすく解説
それではまず、「ご健勝とご多幸」の基本的な意味と読み方について解説していきます。
「ご健勝とご多幸」は「ごけんしょうとごたこう」と読み、相手が健康で元気に活躍し、かつ幸せであることを願う気持ちを表す格式高い表現です。ビジネス文書や式典の挨拶など、フォーマルな場面で相手への敬意と祝福の気持ちを示す言葉として広く使われています。
「ご健勝とご多幸」とは、相手の健康と幸福の両方を願う最も格式高い祝福表現です。「ご健勝」は「健康で元気に活躍すること」を、「ご多幸」は「たくさんの幸せ」を意味します。この2つを組み合わせることで、相手の人生における幸せ全般を包括的に願う、非常に丁寧で心のこもった表現となります。
「ご健勝」と「ご多幸」それぞれの意味
「ご健勝とご多幸」を構成する2つの言葉の意味を、それぞれ確認しておきましょう。
ご健勝(ごけんしょう) 健康で元気に活躍している状態。「健」は健康、「勝」は優れている・活発という意味。身体的な健康と活力を表す。
ご多幸(ごたこう) たくさんの幸せ。「多」はたくさん、「幸」は幸福という意味。精神的な幸福や人生全般の幸せを表す。
「ご健勝」が身体的な健康と活力を、「ご多幸」が精神的な幸福を表すことで、この2つの組み合わせは相手の人生における幸せを包括的に願う完璧な表現となっています。
「ご健勝とご多幸」が使われる代表的な場面
「ご健勝とご多幸」は主に以下のような格式のある場面で使われます。
| 場面 | 使い方 | 例 |
|---|---|---|
| ビジネスレター | 結びの挨拶として | 末筆ながら、ご健勝とご多幸をお祈り申し上げます |
| 年賀状 | 新年の挨拶として | 本年も皆様のご健勝とご多幸を心よりお祈りいたします |
| 式典・披露宴 | 締めの挨拶として | ご列席の皆様のご健勝とご多幸をお祈りして |
| 乾杯の挨拶 | 音頭の締めとして | 皆様のご健勝とご多幸を祈念して、乾杯 |
「ご健勝とご多幸」はフォーマルな場面での祝福の言葉として、特に締めくくりの表現として非常によく使われます。日常的な会話やカジュアルなメールではあまり使われず、格式のある場面で使うのが基本です。
「ご健勝とご多幸」の語順について
「ご健勝とご多幸」という語順には意味があります。なぜ「ご多幸とご健勝」ではなく「ご健勝とご多幸」の順番なのでしょうか。
一般的に、健康は幸福の基盤となるものと考えられています。まず健康があってこそ、幸せを享受できるという考え方から、「ご健勝」を先に置き、その上で「ご多幸」を願うという語順になっています。
この語順は慣用的に定着しているため、「ご多幸とご健勝」という順番で使うことはほとんどありません。覚えておくとよいでしょう。
「ご健勝とご多幸をお祈り申し上げます」の使い方:例文集
続いては、「ご健勝とご多幸をお祈り申し上げます」という定型表現の具体的な使い方を例文とともに確認していきます。
「お祈り申し上げます」は「ご健勝とご多幸」と最もよく組み合わされる表現です。さまざまな場面での活用例を見ていきましょう。
ビジネスレターでの使い方
ビジネスレターや正式な書面では、結びの挨拶として「ご健勝とご多幸をお祈り申し上げます」を使うことが非常に多いです。
例文1(個人宛ての正式な書面)
末筆ながら、〇〇様のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げます。
例文2(取引先への挨拶状)
貴社のますますのご発展と、皆様のご健勝とご多幸をお祈りいたしまして、ご挨拶とさせていただきます。
例文3(退職の挨拶状)
略儀ながら書中をもちましてご挨拶申し上げます。末筆ながら、皆様のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。
ビジネスレターでは、「末筆ながら」という言葉とセットで使うことが定番です。「末筆ながら」は「最後になりますが」という意味で、結びの言葉を導入する格式高い表現です。
年賀状・挨拶状での使い方
年賀状や季節の挨拶状では、「ご健勝とご多幸」は最も使われる頻度が高い表現のひとつです。
例文1(年賀状)
旧年中は大変お世話になりました。本年も皆様のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
例文2(暑中見舞い)
暑さ厳しき折、皆様のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。
例文3(寒中見舞い)
厳寒の折、皆様のご健勝とご多幸を心よりお祈りいたします。
年賀状では特に「本年も皆様のご健勝とご多幸を」という形が定番表現として広く使われています。新年の挨拶にふさわしい格式と温かみを持つ言葉です。
お礼状・お詫び状での使い方
お礼状やお詫び状などの改まった書面でも、「ご健勝とご多幸」は結びの言葉として活躍します。
例文1(お礼状)
このたびは誠にありがとうございました。末筆ながら、〇〇様のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。
例文2(お詫び状)
このたびはご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございませんでした。末筆ながら、貴社のご発展と皆様のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。
お詫び状のような重い内容の書面であっても、最後は前向きで温かい言葉で締めくくることが、ビジネス文書のマナーとして大切です。
目上の方への「ご健勝とご多幸」の使い方と丁寧度
続いては、目上の方や上司、重要な取引先への「ご健勝とご多幸」の使い方と、丁寧度の調整方法を確認していきます。
「ご健勝とご多幸」は格式高い表現ですが、さらに丁寧さを加えたい場合には後続の言葉を工夫することが大切です。相手や場面に応じた適切な表現を選びましょう。
丁寧度の異なる表現パターン
「ご健勝とご多幸」と組み合わせる後続表現を丁寧度順に整理しておきましょう。
| 表現 | 丁寧度 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| ご健勝とご多幸をお祈りします | 標準 | 一般的なビジネス文書 |
| ご健勝とご多幸をお祈りいたします | 高め | 社外への書面・メール |
| ご健勝とご多幸を心よりお祈りいたします | 非常に高い | 重要な取引先・改まった書面 |
| ご健勝とご多幸をお祈り申し上げます | 非常に高い | 正式な書面・式典の挨拶 |
| ご健勝とご多幸を謹んでお祈り申し上げます | 最高レベル | 最も格式高い場面・VIP顧客 |
「申し上げます」は「いたします」よりもさらに格式が高い謙譲語です。特に重要な方や正式な書面では「お祈り申し上げます」を使うことで、最大限の敬意を示すことができます。
「心より」「謹んで」などの添え言葉の使い方
「ご健勝とご多幸をお祈りいたします」という基本形に、感情や敬意を強調する言葉を加えることで、より丁寧で心のこもった表現になります。
心より 心から、誠心誠意という意味。感情の深さを表す。
「ご健勝とご多幸を心よりお祈りいたします。」
謹んで 謹んで、慎んでという意味。最大限の敬意を表す。
「ご健勝とご多幸を謹んでお祈り申し上げます。」
衷心より 心の底から、誠心誠意という意味。非常に格式が高い。
「ご健勝とご多幸を衷心よりお祈り申し上げます。」
これらの添え言葉は誠意と敬意を強調する効果があります。特に重要な相手や格式高い書面では積極的に使うとよいでしょう。
個人宛てと会社宛ての使い分け
「ご健勝とご多幸」は個人に対して使う表現であるため、会社宛ての文書では使い方に注意が必要です。
会社宛ての文書では、「ご健勝とご多幸」だけを使うのは不適切です。「貴社のますますのご発展と、皆様のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます」というように、会社の繁栄と個人の健康・幸福の両方を願う形にするのが正式なマナーです。会社には「ご発展」「ご繁栄」、個人には「ご健勝とご多幸」という使い分けを意識しましょう。
「貴社のご発展と皆様のご健勝とご多幸」という組み合わせは、ビジネス文書の結びの定番表現として広く使われています。
乾杯の挨拶での「ご健勝とご多幸」の使い方
続いては、披露宴やパーティーなどでの乾杯の挨拶における「ご健勝とご多幸」の使い方を確認していきます。
乾杯の音頭は、参加者全員の幸せを願う大切な役割です。「ご健勝とご多幸」は、そのような祝福の場面で最もふさわしい表現のひとつといえるでしょう。
乾杯の挨拶の基本構成
乾杯の挨拶では、「ご健勝とご多幸」を以下のような流れで使います。
構成1 挨拶と簡単な祝辞 「本日はおめでとうございます」
構成2 祝福の言葉 「新郎新婦の末永い幸せを願い」など
構成3 参加者全体への祝福 「ご列席の皆様のご健勝とご多幸を祈念いたしまして」
構成4 乾杯の音頭 「乾杯!」
乾杯の挨拶では、主役への祝福と参加者全体への祝福の両方を盛り込むことが大切です。
結婚式での乾杯の挨拶例文
結婚式や披露宴での乾杯の挨拶における「ご健勝とご多幸」の使い方を確認しておきましょう。
乾杯の挨拶例文
ただいまご紹介にあずかりました〇〇でございます。僭越ながら、乾杯の音頭を取らせていただきます。
新郎新婦のお二人、本日は誠におめでとうございます。お二人の末永い幸せと、ご列席の皆様のご健勝とご多幸を祈念いたしまして、乾杯!
結婚式では、新郎新婦への祝福と参加者全体への祝福をバランスよく盛り込むことで、場にふさわしい格式と温かみのある挨拶になります。
祝賀会・パーティーでの乾杯の挨拶例文
企業の祝賀会やビジネスパーティーでの乾杯の挨拶でも「ご健勝とご多幸」は活躍します。
祝賀会での乾杯の挨拶例文
本日は〇〇周年記念パーティーにお集まりいただき、誠にありがとうございます。
貴社のますますのご発展と、ご列席の皆様のご健勝とご多幸を祈念いたしまして、乾杯!
ビジネスパーティーでは、会社の発展と個人の幸福の両方を願う形にすることで、バランスの取れた祝辞になります。
まとめ
今回は「ご健勝とご多幸」の意味や読み方、「お祈り申し上げます」との組み合わせ方、目上の方への使い方、乾杯の挨拶での活用例について詳しく解説しました。
「ご健勝とご多幸」は相手の健康と幸福の両方を願う最も格式高い祝福表現であり、ビジネス文書の結びや式典の挨拶、乾杯の音頭など、フォーマルな場面で広く使われています。「ごけんしょうとごたこう」と読み、「お祈り申し上げます」と組み合わせて使うのが基本です。
「心より」「謹んで」などの添え言葉を加えることで丁寧度を調整でき、相手や場面に応じた適切な表現を選ぶことができます。会社宛ての文書では「貴社のご発展と皆様のご健勝とご多幸」という形で、会社と個人の両方への祝福を示すことが大切です。
ぜひ今回ご紹介した表現や例文を参考に、格式のあるビジネスシーンや祝いの場で「ご健勝とご多幸」を自信を持って活用してみてください。