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ひずみの単位は?換算・変換も(無次元やμεやmm/mmや%等)読み方や一覧は?

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材料や構造物の変形を数値で表す「ひずみ」は、工学・材料力学・地盤工学など幅広い分野で欠かせない概念です。

しかし、いざ学ぼうとすると「単位は何?」「無次元ってどういうこと?」「μεやmm/mm、%はどう使い分けるの?」と疑問が次々と浮かんでくる方も多いのではないでしょうか。

本記事では、ひずみの単位は?換算・変換も(無次元やμεやmm/mmや%等)読み方や一覧は?というテーマのもと、ひずみの基本的な定義から単位の読み方・換算方法・一覧まで、わかりやすく丁寧に解説していきます。

「ひずみ」を正確に理解することで、材料試験や設計計算の精度がぐっと高まるはずです。ぜひ最後までご覧ください。

ひずみの単位は「無次元量」が基本、μεや%で表現されることも多い

それではまず、ひずみの単位の本質と、よく使われる表現方法について解説していきます。

ひずみとは何か?定義をおさらい

ひずみ(英語ではstrain)とは、物体が力を受けたときの変形量を、元の長さで割った比率のことを指します。

たとえば、長さ100mmの棒が1mm伸びた場合、ひずみは1÷100=0.01となります。

この計算式を式で表すと次のようになります。

ひずみ(ε)= 変形量(ΔL)÷ 元の長さ(L)

例)ΔL=1mm、L=100mmの場合

ε = 1 ÷ 100 = 0.01

この「変形量÷元の長さ」という計算において、分子と分母がどちらも長さの単位(mmやm)を持つため、単位同士が打ち消されます。

その結果、ひずみは単位を持たない「無次元量(dimensionless quantity)」となるのです。

これがひずみの単位に関する最も根本的なポイントといえるでしょう。

無次元なのになぜ「単位」があるように見えるのか

「無次元なら単位がないはずでは?」と思われる方もいるかもしれません。

実際には、ひずみの値はとても小さくなることが多く、0.000001(100万分の1)のような極小の数値を扱う場面が頻繁にあります。

そこで実務や工学の現場では、扱いやすくするために「μ(マイクロ)」などの接頭辞を付けた表現が使われるようになりました。

さらに、「mm/mm」や「m/m」のように単位を明示的に記す書き方も慣用的に用いられており、これが「単位があるように見える」原因です。

あくまで本質は無次元量である、という点を忘れないようにしたいところです。

ひずみのシンボルと読み方

ひずみを表すシンボルとして最も一般的に使われるのは、ギリシャ文字の「ε(イプシロン)」です。

せん断ひずみの場合は「γ(ガンマ)」が使われることもあります。

また「μ(マイクロ)」は10⁻⁶を意味する接頭辞であり、「με(マイクロイプシロン、またはマイクロストレイン)」と読みます。

読み方を整理しておくと、以下のようになります。

表記 読み方 意味・備考
ε イプシロン(epsilon) 一般的なひずみのシンボル
γ ガンマ(gamma) せん断ひずみのシンボル
με マイクロストレイン 10⁻⁶のひずみを表す単位表現
μm/m マイクロメートル毎メートル με と同じ意味で使われることが多い

ひずみの主な単位表現の種類と意味

続いては、ひずみを表す主な単位表現の種類とそれぞれの意味を確認していきます。

無次元(dimensionless)としてのひずみ

最も基本的なひずみの表現は、純粋な無次元の小数として表すものです。

先ほどの例でいえば、ε=0.01というシンプルな数値がこれにあたります。

材料力学や弾性論の教科書では、この無次元の形で記述されることがほとんどです。

単位を「−(ハイフン)」や「無次元」と明記することで、他の物理量との混同を防ぐことができます。

mm/mm・m/m・in/inなどの分数表記

「mm/mm」は「ミリメートル毎ミリメートル」と読み、変形量と元の長さを同じ単位で表した分数表記です。

数値的には無次元と全く同じであり、単位を明示することで「これはひずみの数値だ」とひと目でわかるというメリットがあります。

同様に、m/m(メートル毎メートル)やin/in(インチ毎インチ)も同じ概念で使われます。

どの表記を使っても数値は変わりませんが、資料や報告書の読み間違いを防ぐうえで有用な書き方といえるでしょう。

mm/mm・m/m・in/in はすべて「無次元」と数値的に等価です。

単位の違いによって数値が変わることはありません。

ただし、μεや%に換算するときは係数が変わるため、注意が必要です。

%(パーセント)表記のひずみ

%(パーセント)は、無次元のひずみ値を100倍した表現です。

たとえば、ε=0.01(無次元)は、%表記では1%(パーセント)となります。

%表記は、引張試験における「破断伸び」や「全伸び」などを表す際によく使われます。

日常的にも馴染み深い表現であるため、直感的に大きさをつかみやすいという特徴があります。

ひずみの換算・変換方法と一覧表

続いては、ひずみの各単位表現の換算・変換方法と、わかりやすい一覧表を確認していきます。

με(マイクロストレイン)の換算

με(マイクロストレイン)は、1με=1×10⁻⁶(無次元)と定義されます。

金属材料の弾性変形域では、ひずみが数百~数千μεといった非常に小さい値になるため、この表記が実務でよく使われます。

1με = 0.000001(無次元)

1000με = 0.001(無次元)= 0.1%

10000με = 0.01(無次元)= 1%

ひずみゲージを使った計測では、結果がμεで表示されることが多く、この換算をマスターしておくと実務に役立つでしょう。

各単位の相互換算表

ひずみの単位表現は複数あるため、以下の換算一覧表で整理しておくことをおすすめします。

無次元(ε) mm/mm % με(マイクロストレイン)
0.000001 0.000001 0.0001% 1με
0.0001 0.0001 0.01% 100με
0.001 0.001 0.1% 1000με
0.01 0.01 1% 10000με
0.1 0.1 10% 100000με
1.0 1.0 100% 1000000με

この表を見ると、%はε(無次元)の100倍、μεはε(無次元)の1,000,000倍という関係がわかります。

換算の際に混乱しやすい部分ですので、ぜひ手元に置いておきたいところです。

換算時の計算例

実際にどのように計算するかを、具体的な例で確認しましょう。

例1)500μεを無次元に変換する場合

500με × 10⁻⁶ = 0.0005(無次元)

例2)0.0005(無次元)を%に変換する場合

0.0005 × 100 = 0.05%

例3)2%を μεに変換する場合

2 ÷ 100 = 0.02(無次元)

0.02 × 1,000,000 = 20,000με

計算の流れとしては、まず無次元の値に変換し、そこから目的の単位へ換算するという手順が最もミスが少ない方法です。

ひずみに関連する重要な概念と補足事項

続いては、ひずみを正確に理解するための関連概念や補足事項を確認していきます。

引張ひずみ・圧縮ひずみ・せん断ひずみの違い

ひずみにはいくつかの種類があり、それぞれ異なる変形モードに対応しています。

種類 英語 記号 内容
引張ひずみ Tensile strain ε(正の値) 引っ張られて伸びる変形
圧縮ひずみ Compressive strain ε(負の値) 押されて縮む変形
せん断ひずみ Shear strain γ(ガンマ) ずれ方向の変形
体積ひずみ Volumetric strain εv 体積変化の比率

引張ひずみはプラス(正)、圧縮ひずみはマイナス(負)として符号で区別されます。

せん断ひずみは角度変化を表すため、単位はラジアン(rad)で表されることもありますが、ラジアン自体も無次元量です。

ひずみゲージとひずみの実測

実際の現場でひずみを計測する際には、ひずみゲージ(strain gauge)が広く使われています。

ひずみゲージは、試験体や構造物に貼り付けた金属箔の電気抵抗変化からひずみを算出する計測器具です。

出力はほとんどの場合「με(マイクロストレイン)」で表示されるため、μεの換算方法を理解しておくことが実務では特に重要です。

ひずみゲージの出力単位はμε(マイクロストレイン)が一般的です。

計測値をそのまま使う場合は「με」のまま、応力に変換する場合は「無次元のε」に戻してからヤング率をかけるという手順が基本となります。

応力(σ)= ヤング率(E)× ひずみ(ε)(フックの法則)

体積ひずみ・真ひずみとの違い

工学ひずみ(公称ひずみ)に対して、真ひずみ(対数ひずみ)と呼ばれる概念も存在します。

真ひずみは大変形を扱う場合に用いられ、次のように定義されます。

真ひずみ(εtrue)= ln(L ÷ L₀)

lnは自然対数、L₀は元の長さ、Lは変形後の長さを表します。

小変形の場合は工学ひずみと真ひずみの差は無視できますが、大変形域では両者に大きな差が生じます。

また、体積ひずみ(εv)は3方向の主ひずみの和として表されるもので、土質力学や岩盤力学の分野でよく登場する概念です。

用途や分野によって使用するひずみの種類が異なる点にも注意が必要でしょう。

まとめ

本記事では「ひずみの単位は?換算・変換も(無次元やμεやmm/mmや%等)読み方や一覧は?」というテーマで、ひずみの基本から換算方法まで幅広く解説しました。

ひずみの本質は「変形量÷元の長さ」で求められる無次元量です。

しかし実務や教育の現場では、με・mm/mm・%といった慣用的な表現が混在しているため、換算方法をしっかりと押さえておくことが大切です。

換算のポイントをまとめると、1με=10⁻⁶(無次元)、1%=0.01(無次元)という関係が基本となります。

計算の際はまず無次元に統一してから目的の単位へ変換する習慣をつけると、ミスを大幅に減らせるでしょう。

引張・圧縮・せん断・体積ひずみなど、種類の違いも理解しておくと、材料力学や構造解析の学習がよりスムーズに進むはずです。

ひずみの単位と換算に関する理解が深まることで、材料試験・設計計算・構造物の安全評価など、あらゆる工学的な場面での判断力が向上するでしょう。

ぜひ本記事を参考に、ひずみの概念をしっかりと身につけていただければ幸いです。