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hpaフィルターとhepaフィルターの違いは?性能と用途をわかりやすく解説(高性能フィルター:エアフィルター:除塵効率:清浄機能など)

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空気清浄機や掃除機を選ぶとき、「HEPAフィルター」という言葉はよく見かけますが、「HPAフィルター」という表記を見て「どう違うの?」と思った方もいるのではないでしょうか。

HPAフィルターとHEPAフィルターは名前が似ているものの、性能・規格・用途に違いがあり、正確に理解することが適切な製品選びにつながります。

本記事では、HPAフィルターとHEPAフィルターの定義・性能の違い・除塵効率・適切な用途・製品選びのポイントまで、わかりやすく詳しく解説していきます。

空気清浄機・業務用換気設備・医療施設向け空調など、フィルター選定に関わる方にとって役立つ内容となっているでしょう。

HPAフィルターとHEPAフィルターの違い:規格と除塵効率が最大のポイント

それではまず、HPAフィルターとHEPAフィルターの基本的な違いについて解説していきます。

HEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルターとは、0.3μm(マイクロメートル)の粒子を99.97%以上捕集できるという厳格な国際規格(ISO・JIS規格等)に基づいた高性能フィルターの名称です。

一方、HPA(High Performance Air)フィルターは主に米国のHoneywell社が自社製品に使用するブランド名であり、国際標準規格に基づいた正式な規格名称ではありません。

両者の最大の違いは「HEPAは国際的な規格・試験基準に準拠した性能保証名称」であるのに対し、「HPAはメーカー独自のブランド名称」という点にあります。

HPAフィルターとHEPAフィルターの主な違い

HEPAフィルター:0.3μm粒子を99.97%以上捕集する国際規格準拠の名称

HPAフィルター:Honeywell社が使用するブランド名称(規格名ではない)

HoneywellのHPAフィルター製品の多くはHEPA相当の性能を持つ

→ HPA ≒ HEPAレベルの性能を主張するが、規格の厳密さに注意が必要

消費者が製品を選ぶ際には、「HEPAフィルター使用」と明記されているか、または「HEPA規格に相当(HEPA-type)」なのかを確認することが重要です。

「HEPA-type」や「HEPA相当」と表示された製品は、厳密なHEPA規格の試験・認証を受けていない場合があり、本規格品より除塵効率が低い可能性があります。

用途に応じて正式なHEPA規格品を選ぶか、コストを抑えたHEPA相当品で十分かを判断することが賢い製品選択の基本といえるでしょう。

HEPAフィルターの規格定義と試験方法

HEPAフィルターは国際的な規格によって性能が厳格に定義されています。

欧州規格(EN 1822)では、HEPAフィルターは「もっとも透過しやすい粒子径(MPPS:Most Penetrating Particle Size)に対して99.95%以上の捕集効率(H14クラス以上は99.995%)」という基準で分類されます。

日本工業規格(JIS B 9908)でも同様にHEPAフィルターの性能基準が定められており、製造・試験方法も規定されています。

0.3μmという粒子径が基準として使われる理由は、この粒子径がフィルターの繊維に捕集されにくい「最も透過しやすいサイズ」であるためです。

この最難関のサイズで99.97%以上をクリアできれば、それより大きな粒子・小さな粒子はさらに高い確率で捕集されます。

HEPAフィルターの性能クラス分類

HEPAフィルターは性能によっていくつかのクラスに分類されています。

クラス 捕集効率(総合効率) 透過率 主な用途
E10 ≧85% ≦15% 一般換気フィルター
E11 ≧95% ≦5% 産業用換気
E12 ≧99.5% ≦0.5% 精密工業・一般医療
H13 ≧99.95% ≦0.05% 医療施設・クリーンルーム
H14 ≧99.995% ≦0.005% 半導体製造・高度医療

一般的に「HEPAフィルター」と呼ばれるとき、H13クラス以上(99.95%捕集)を指すことが多く、家庭用空気清浄機にはH13相当の製品が採用されていることが多いです。

半導体製造・無菌室・手術室などではH14以上のULPA(Ultra Low Penetration Air)フィルターが使われることもあります。

HPAフィルター(Honeywell)の実際の性能

HoneywellのHPAフィルターを搭載した空気清浄機は米国市場で広く普及しており、その性能は一般的に「True HEPA」または「HEPA相当」と説明されています。

Honeywell社の公式情報では、多くのHPA製品が「0.3μmの粒子を99.97%以上捕集」という、HEPAフィルターと同等の捕集性能を持つと主張しています。

ただし、製品によっては「HEPA-type」として販売されているものもあり、この場合は正規のHEPA規格試験を受けていない可能性があります。

購入前には製品仕様書・公式ページで捕集効率の具体的な数値と試験方法を確認することが、性能を正確に把握するための最善策です。

HEPAフィルターの仕組みと捕集メカニズム

続いては、HEPAフィルターがどのような仕組みで微細な粒子を捕集するかを確認していきます。

HEPAフィルターの捕集メカニズムを理解することで、性能の限界や適切な使い方が見えてきます。

HEPAフィルターの4つの捕集メカニズム

HEPAフィルターは単純な「ふるい」とは異なり、複数の物理的メカニズムを組み合わせて微細粒子を捕集します。

HEPAフィルターの4つの捕集メカニズム

①慣性衝突(Inertial Impaction):大きな粒子が慣性で繊維に衝突・付着

②遮り(Interception):繊維近くを通る中程度の粒子が繊維に接触・捕集

③拡散(Diffusion):ブラウン運動する超微細粒子が繊維に衝突・付着

④静電気引力(Electrostatic Attraction):帯電した繊維が粒子を引き寄せる

非常に大きな粒子は①慣性衝突で捕集され、中程度の粒子は②遮りで捕集されます。

非常に小さな粒子(0.1μm以下)はブラウン運動(③拡散)によってランダムに動き、繊維に触れて捕集されます。

「もっとも捕集しにくいサイズ」である0.3μm付近の粒子は①〜③のいずれのメカニズムも最も効きにくいため、HEPAの基準粒子径として採用されています。

フィルター素材とガラス繊維の役割

HEPAフィルターの主要素材はガラス繊維(ボロシリケートガラス)からなる不織布で、繊維の直径は0.5〜2μm程度の極細繊維が密に絡み合った構造です。

この繊維の密度と配置が捕集効率と通気抵抗のバランスを決定し、高性能フィルターほど設計・製造精度が重要になります。

一部の製品では静電気効果を高めるためにエレクトレット処理(永続的な電荷付与)を施した繊維を使用しており、これにより通気抵抗を増やさずに捕集効率を向上させています。

ガラス繊維フィルターは耐熱性・耐薬品性に優れており、高温環境での使用や化学的な汚染が懸念される産業用途にも対応できます。

フィルターの目詰まりと交換時期の目安

HEPAフィルターは使用とともに捕集した粒子で目詰まりが進み、通気抵抗が増加して清浄性能が低下します。

一般的な家庭用空気清浄機のHEPAフィルターの交換目安は1〜3年程度とされていますが、使用環境(煙・ほこりの多さ)によって大きく変わります。

業務用・医療用では定期的な性能試験(リーク検査・効率測定)を行い、規定の性能を下回った場合に交換することが義務付けられているケースもあります。

フィルターを洗浄して再使用しようとすると繊維構造が破壊されて性能が大幅に低下するため、基本的には使い捨て(交換式)として扱うことが重要です。

HPAフィルター・HEPAフィルターの主な用途と選び方

続いては、HPAフィルター・HEPAフィルターの主な用途と選び方のポイントを確認していきます。

用途の要件(清浄度・風量・コスト・スペース)に応じた適切なフィルター選定が空気清浄システムの性能を最大化します。

家庭用空気清浄機でのフィルター選び

家庭用空気清浄機にHEPAフィルターを選ぶ場合、まず「True HEPA(本規格HEPA)」か「HEPA-type(HEPA相当)」かを確認することが重要です。

花粉症・アレルギー・喘息への対策として使用する場合は、0.3μm粒子を99.97%以上捕集するTrue HEPAフィルター搭載機種を選ぶことが推奨されます。

コストを抑えたい場合や比較的清浄度の要求が低い用途(一般的なほこり除去・ペットの臭い対策など)にはHEPA-typeで十分な場合もあります。

フィルターの交換コスト(年間・複数年のランニングコスト)も含めて製品を比較することが、長期的なコストパフォーマンスの判断に役立つでしょう。

業務用・産業用フィルターの選定基準

クリーンルーム・病院・製造ラインなどの業務用途では、ISO規格・JIS規格に準拠したHEPAフィルターの性能クラスを明確に指定して調達することが必要です。

半導体製造・バイオテクノロジー・精密機器の製造では、H14以上のULPAフィルターが使われることも多く、より高い清浄度要件に対応します。

業務用フィルターの選定には、設計風量・圧力損失・フレームサイズ・耐熱・耐薬品性などの仕様も合わせて確認することが必要です。

定期的なフィルター性能検査(DOP試験・PAO試験)を実施することで、フィルターの劣化・リークを早期に発見できます。

医療施設・感染予防でのHEPAフィルター活用

医療施設の手術室・ICU・陰圧隔離室ではHEPAフィルターが空調システムに組み込まれており、院内感染防止に重要な役割を果たしています。

結核菌(0.3〜0.6μm)・新型コロナウイルスを含むエアロゾル粒子などに対してHEPAフィルターが有効であることが複数の研究で示されています。

ポータブル空気清浄機(HEPAフィルター搭載)を病室や待合室に設置することで、空気中の病原体を低減する補助的な感染対策としても活用されています。

医療用途では単にHEPAフィルターを設置するだけでなく、換気回数・気流方向・室内陰圧・外気導入量なども含めた総合的な空調設計が感染予防効果を左右します。

フィルター性能に関連するその他の重要指標

続いては、HEPAフィルターの捕集効率以外の重要な性能指標を確認していきます。

圧力損失・CADR・ACHなどの指標を理解することで、フィルターや空気清浄機の総合的な性能評価が可能になります。

圧力損失(初期圧力損失)の重要性

フィルターの圧力損失(通気抵抗)とは、空気がフィルターを通過する際の抵抗の大きさを示す値です。

捕集効率が高いフィルターほど繊維が密で圧力損失が大きくなる傾向があり、圧力損失が大きいと空調設備のファンへの負荷が増え、電力消費が増加します。

HEPAフィルターの初期圧力損失は一般的に100〜250Pa程度ですが、製品によって大きく異なります。

捕集効率と圧力損失のバランスを示す指標として「フィルター品質係数(QF値)」があり、この値が高いほど効率よく清浄できるフィルターといえます。

CADRと空気清浄機の実効性能

CADR(Clean Air Delivery Rate:清潔空気供給率)は空気清浄機の実際の清浄能力を示す指標で、単位時間あたりにどれだけの量の清浄空気を供給できるかを表します。

CADRは米国家電協会(AHAM)が定めた規格で、タバコ煙・花粉・ほこりの三種類の粒子に対して別々に測定されます。

CADRが高いほど同じ時間でより大きな部屋を効率よく清浄できるため、使用する部屋の広さに合ったCADRの製品を選ぶことが推奨されます。

一般的に適用床面積の目安として「CADR(㎥/時)÷ 部屋の高さ(m)÷ 1.5」で目安の床面積(㎡)が計算できます。

ACH(1時間あたりの換気回数)の目安

ACH(Air Changes per Hour)は空気清浄機や換気システムが1時間に部屋の空気を何回入れ替えられるかを示す指標です。

ACHの計算方法

ACH = 空気清浄機の風量(m³/時) ÷ 部屋の容積(m³)

例:風量300m³/時・部屋の容積50m³の場合

ACH = 300 ÷ 50 = 6回/時

推奨ACH:一般居室4〜6回、病院8〜12回、クリーンルーム20〜60回以上

ACHが高いほど部屋の空気がより頻繁に浄化され、より清浄な環境が維持されます。

感染予防を目的とした空気清浄では、ACH 6以上を確保することが望ましいとされています。

フィルターの捕集効率(HEPA vs HEPA-type)に加えてCADRやACHも確認することで、空気清浄機の実際の清浄能力をより正確に評価できます。

まとめ

本記事では、HPAフィルターとHEPAフィルターの違いについて、定義・捕集メカニズム・性能クラス・用途・選び方まで詳しく解説しました。

HEPAフィルターは0.3μm粒子を99.97%以上捕集する国際規格に基づいた名称であり、HPAフィルターはHoneywellの商品ブランド名で規格名称ではありません。

製品選びでは「True HEPA(本規格)」か「HEPA-type(相当品)」かを確認し、用途の清浄度要件に合ったクラスを選ぶことが重要です。

捕集効率だけでなく、圧力損失・CADR・ACHなども含めた総合的な性能評価を行うことで、自分の用途に最適なフィルター・空気清浄機を選べるでしょう。

本記事がHPAフィルターとHEPAフィルターの理解と適切な製品選びの参考となれば幸いです。