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iSCSIとは?意味や仕組みをわかりやすく解説!(ストレージ接続・NASとの違い・FC・プロトコルなど)

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「iSCSI」という言葉はサーバー構築やストレージ管理の学習で登場する重要な技術のひとつです。

NASとの違いやファイバーチャネル(FC)との比較がわかりにくいと感じる方も多いかもしれません。

本記事では、iSCSIの意味と仕組みを、ストレージ接続の方法・NASとの違い・ファイバーチャネルとの比較・プロトコルの特性を交えてわかりやすく解説します。

サーバーインフラを学んでいる方やSAN構築に取り組んでいる方にもきっと役立つ内容でしょう。

iSCSIを正しく理解することで、エンタープライズストレージの設計と運用への理解が大きく深まります。

iSCSIとは「SCSIコマンドをTCP/IPネットワーク上で伝送するストレージプロトコル」のこと

それではまず、iSCSIの基本的な意味と仕組みについて解説していきます。

iSCSI(Internet SCSI:アイスカジー)とは、SCSIコマンドをTCP/IPパケットにカプセル化してIPネットワーク上で伝送することで、ネットワーク経由でブロックレベルのストレージアクセスを実現するプロトコルです。

読み方は「アイスカジー」または「アイスカジ」が一般的で、RFC 3720として標準化されています。

従来のSCSIインターフェイスは物理的なケーブルで直接接続するのに対し、iSCSIはIPネットワークを使って遠隔地のストレージに接続できる点が革新的でしょう。

高価なファイバーチャネル(FC)インフラを必要とせず安価なIPネットワークでSAN(Storage Area Network)を構築できるため、中小企業にも普及しやすいストレージ接続技術として広く使われています。

iSCSIの「i」はInternet(TCP/IP)を意味し、既存のイーサネット/IPネットワークインフラを流用できる点がファイバーチャネルとの大きな違いです。専用のFC HBAや専用スイッチが不要なため、導入コストを大幅に削減できます。

iSCSIの基本的な仕組み

iSCSIがどのようにストレージ通信を実現するかを確認しましょう。

【iSCSIの通信の仕組み】

① ホスト(イニシエータ)がブロックI/Oリクエストを生成

② SCSIコマンドをiSCSIPDU(Protocol Data Unit)にカプセル化

③ TCP/IPパケットとしてネットワーク経由で送信

④ ターゲット(ストレージ)がTCPパケットを受信

⑤ iSCSIPDUからSCSIコマンドを取り出して処理

⑥ データをSCSIレスポンスとしてiSCSIPDUにカプセル化して返信

⑦ ホストがデータを受信してOSに渡す

この仕組みによってOS・アプリケーションからは通常のSCSIディスクと同様に扱えるでしょう。

iSCSIの主な特性

特性 内容
アクセス方式 ブロックレベルアクセス(セクター単位でデータを読み書き)
使用ネットワーク 標準的なイーサネット(TCP/IP)
デフォルトポート TCP 3260
認証 CHAP(Challenge-Handshake Authentication Protocol)
暗号化 IPSec(オプション)
標準化 RFC 3720(2004年)

ブロックレベルアクセスであることがiSCSIをNASと区別する重要な特性でしょう。

iSCSIとNAS・ファイバーチャネルの違い

続いては、iSCSIとNAS(Network Attached Storage)・ファイバーチャネル(FC)との違いを確認していきます。

それぞれの特性の違いを理解することで、用途に応じた適切なストレージ技術の選択ができるでしょう。

iSCSIとNASの違い

iSCSIとNASはどちらもネットワーク経由でストレージにアクセスする技術ですが、アクセス方式が根本的に異なります。

NASはファイルレベルアクセス(NFS・SMB/CIFSプロトコルでファイル・フォルダ単位のアクセス)を提供するのに対し、iSCSIはブロックレベルアクセス(セクター単位の生のディスクアクセス)を提供するでしょう。

項目 iSCSI NAS
アクセス方式 ブロックレベル ファイルレベル
プロトコル iSCSI(TCP/IP) NFS・SMB/CIFS
OSからの見え方 ローカルディスクと同様 ネットワークドライブとして表示
ファイルシステム ホスト側で管理(NTFS・ext4など) NAS側で管理
主な用途 DB・仮想マシンストレージ・ブートドライブ ファイル共有・バックアップ

データベースや仮想マシンのストレージなどパフォーマンスが求められる用途にはiSCSIが・ファイル共有や一般的なデータ保存にはNASが適しているでしょう。

iSCSIとファイバーチャネルの違い

エンタープライズ環境では従来ファイバーチャネル(FC)がSANの主流技術でしたが、iSCSIが安価な代替として普及してきました。

項目 iSCSI ファイバーチャネル(FC)
使用ネットワーク 標準イーサネット(既存インフラ流用可) 専用FCネットワーク(FC HBA・FCスイッチが必要)
導入コスト 低い 高い(専用機器が高価)
パフォーマンス 良好(10GbE・25GbEで高速化) 非常に高速・低遅延
管理の複雑さ 低い(IP管理者で対応可能) 高い(FC専門知識が必要)
信頼性・安定性 高い(改善されている) 非常に高い(ミッションクリティカル向け)

コスト重視の中小規模環境ではiSCSIが・超高速・低遅延・高信頼性が求められるミッションクリティカルな環境ではFCが選ばれる傾向があるでしょう。

iSCSIの活用シーンと設計のポイント

続いては、iSCSIが実際にどのような場面で活用されているかと設計のポイントを確認していきます。

活用シーンと設計の考え方を理解することで、実際のインフラ構築に役立てられるでしょう。

iSCSIの主な活用シーン

活用シーン 内容
仮想化環境のストレージ VMware vSphere・Hyper-Vの仮想マシン用データストア
データベースサーバー SQL Server・OracleのデータファイルをiSCSIディスクに配置
バックアップターゲット バックアップソフトのバックアップ先としてiSCSIストレージを使用
ブートSAN OSのブートドライブをiSCSIストレージに配置して集中管理
クラスター共有ボリューム Windows Server フェールオーバークラスターの共有ストレージ

仮想化環境の共有ストレージとしてのiSCSI活用は特に普及しており、VMwareやHyper-Vと組み合わせたインフラ構築で広く使われているでしょう。

iSCSI設計のポイント

【iSCSI設計の重要ポイント】

・専用ネットワークの分離:iSCSIトラフィックを通常のLANと分離した専用VLANで構成

・ジャンボフレームの活用:MTUを9000バイトに設定してスループットを向上

・マルチパスI/Oの設定:複数のネットワークパスで冗長化して高可用性を確保

・CHAP認証の実装:不正アクセス防止のためCHAP認証を必ず設定する

・10GbE以上のNIC:高負荷な用途には10GbE以上の高速NICを使用する

iSCSIを本番環境で使用する際はストレージ専用の独立したネットワークと冗長化設計が特に重要でしょう。

まとめ

本記事では、iSCSIの意味と仕組みについて、ストレージ接続の方法・NASとの違い・ファイバーチャネルとの比較・活用シーンを交えながら解説しました。

iSCSIとはSCSIコマンドをTCP/IPネットワーク上で伝送するストレージプロトコルで、安価な既存IPネットワークインフラを使ってブロックレベルのSANを構築できる技術です。

NASがファイルレベルアクセスを提供するのに対しiSCSIはブロックレベルアクセスを提供し・FCと比べて低コストで導入できるという特性を持つでしょう。

仮想化環境・データベース・クラスター共有ストレージなど高パフォーマンスが求められる用途での活用が広まっており、専用ネットワーク分離・CHAP認証・マルチパスI/Oが設計の基本となります。

本記事がiSCSIへの理解を深め、サーバーインフラ構築やストレージ管理の実践に役立てば幸いです。