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JIS材料記号の一覧表!SS・SUS・SCM・SKDなどの意味と読み方もわかりやすく解説

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機械設計や製造業の現場では、材料を指定する際に「SS400」「SUS304」「SCM435」などの記号が頻繁に登場します。

しかし、これらの記号がどのような意味を持ち、どう読めばいいのかを正確に把握している方は意外と少ないのではないでしょうか。

JIS材料記号は、日本産業規格(JIS)によって定められた鋼材や金属材料を識別するための重要な記号体系です。

この記事では、JIS材料記号の一覧表とSS・SUS・SCM・SKDなどの意味と読み方をわかりやすく解説していきます。

設計・調達・製造に関わるすべての方にとって、材料記号の知識は業務の基礎となるものです。ぜひ最後までご覧ください。

JIS材料記号とは?各記号が示す材料の種類と特徴

それではまず、JIS材料記号の基本的な構造と、各記号が示す材料の種類・特徴について解説していきます。

JIS材料記号の基本構造

JIS材料記号は、主にアルファベットと数字の組み合わせで構成されています。

一般的な構造としては、「材料の種類を示すアルファベット」+「用途や強度を示す数字・記号」という形になっています。

例)SS400 → SS(一般構造用圧延鋼材)+ 400(最小引張強さ 400N/mm²)

例)SUS304 → SUS(ステンレス鋼)+ 304(鋼種番号)

アルファベット部分は材料の大分類を示し、数字部分は強度・組成・用途などを示すことが多いです。

記号体系を理解することで、記号を見ただけにその材料の性質をある程度推測できるようになるでしょう。

JIS材料記号に使われる主なアルファベットの意味

JIS材料記号の冒頭に使われるアルファベットには、それぞれ決まった意味があります。

主なアルファベットの意味を整理すると、以下のようになります。

アルファベット 意味(英語) 日本語の意味
S Steel
U Use Stainless ステンレス用途
C Chrome / Carbon クロム・炭素
M Molybdenum モリブデン
K Kogu(工具) 工具鋼
D Die ダイス(金型)
F Forging / Flat 鍛造・フラット
P Plate 板材

これらの頭文字を組み合わせることで、「どんな種類の材料か」を短い記号で表現しているわけです。

JIS規格と材料記号の関係性

JIS(日本産業規格)は、日本における工業製品の規格を統一するために定められた国家規格です。

材料記号はJISの鉄鋼規格に基づいて定められており、設計図面や仕様書において材料を指定する際の共通言語として機能しています。

JIS規格は定期的に見直されるため、古い記号と新しい記号が混在するケースも現場では見られます。

常に最新のJIS規格を確認しながら材料を選定することが、品質管理の観点からも重要です。

SS・SM・SPCなど構造用・一般鋼材の記号一覧

続いては、日常的に最もよく使われるSS材をはじめとした、構造用・一般鋼材の記号について確認していきます。

SS材(一般構造用圧延鋼材)の特徴と種類

SS材は「Steel Structure」の略で、一般構造用圧延鋼材を指します。

建築・土木・機械構造など、幅広い用途に使われる最もポピュラーな鋼材のひとつです。

記号 読み方 最小引張強さ 主な用途
SS330 エスエス330 330 N/mm² 一般構造物
SS400 エスエス400 400 N/mm² 最も汎用的な鋼材
SS490 エスエス490 490 N/mm² 橋梁・鉄骨構造
SS540 エスエス540 540 N/mm² 高強度構造部材

SS材の数字部分は最小引張強さ(N/mm²)を示しており、数字が大きいほど強度が高くなります。

中でもSS400は最も流通量が多く、「鉄板といえばSS400」というほど業界では定番の存在です。

SM材・SB材などの圧力容器・溶接構造用鋼材

溶接性や圧力に対する信頼性が求められる用途では、SS材ではなく専用の鋼材が使われます。

記号 読み方 規格名称 特徴
SM400 エスエム400 溶接構造用圧延鋼材 溶接性に優れる
SM490 エスエム490 溶接構造用圧延鋼材 橋梁・大型構造物向け
SB410 エスビー410 ボイラー及び圧力容器用炭素鋼板 高温・高圧環境向け
SPV235 エスピーブイ235 圧力容器用鋼板 化学プラント向け

SM材の「M」は「Marine(船舶)」に由来するという説もあり、もともとは造船分野での溶接用途として開発された経緯があります。

SPC・SPCC・SPHCなど薄鋼板の記号

薄鋼板は自動車のボディや家電製品の外装など、精密な加工が求められる分野で多く使われます。

記号 読み方 名称 用途例
SPCC エスピーシーシー 冷間圧延鋼板(一般用) 家電・自動車部品
SPCD エスピーシーディー 冷間圧延鋼板(絞り用) 深絞り加工品
SPCE エスピーシーイー 冷間圧延鋼板(深絞り用) 複雑形状プレス品
SPHC エスピーエイチシー 熱間圧延鋼板(一般用) 構造部材・容器

SPCCの「C」はCold(冷間)、SPHCの「H」はHot(熱間)を意味しており、製造方法の違いが記号に反映されています。

SUS・SCM・SKDなど特殊鋼・合金鋼の記号一覧

続いては、特殊な性質を持つステンレス鋼・合金鋼・工具鋼などの記号について確認していきます。

SUS材(ステンレス鋼)の種類と読み方

SUSは「Steel Use Stainless」の略で、ステンレス鋼を意味します。

錆びにくく耐食性・耐熱性に優れており、食品機械・医療器具・建築外装など多岐にわたる分野で使用されます。

SUSの主な種類と特徴

SUS304(エスユーエス304)は最もポピュラーなオーステナイト系ステンレスで、耐食性が高く加工性にも優れています。

SUS316(エスユーエス316)は塩化物環境にも強い耐食性を持ち、海水・化学薬品に接触する環境に適しています。

SUS430(エスユーエス430)はフェライト系ステンレスで、磁性を持ち比較的安価なため家電・厨房用品に広く使われます。

記号 読み方 系統 特徴
SUS304 エスユーエス304 オーステナイト系 汎用ステンレス
SUS316 エスユーエス316 オーステナイト系 耐海水・耐薬品性
SUS430 エスユーエス430 フェライト系 磁性あり・安価
SUS410 エスユーエス410 マルテンサイト系 硬化可能・刃物向け
SUS631 エスユーエス631 析出硬化系 高強度・ばね材向け

SCM・SNCM・SNCなど合金鋼の記号

合金鋼は鉄に複数の合金元素を加えることで、強度・靭性・耐摩耗性などを向上させた鋼材です。

機械構造用合金鋼は、歯車・シャフト・ボルトなど高い機械的性質が要求される部品に広く採用されています。

記号 読み方 含有元素 主な用途
SCM415 エスシーエム415 Cr・Mo 浸炭歯車・シャフト
SCM435 エスシーエム435 Cr・Mo 高強度ボルト・軸
SNCM439 エスエンシーエム439 Ni・Cr・Mo 大型軸・クランク
SNC415 エスエンシー415 Ni・Cr 浸炭焼入れ部品
SCr420 エスシーアール420 Cr 歯車・ピニオン

SCMの「C」はChrome(クロム)、「M」はMolybdenum(モリブデン)を意味しており、クロムモリブデン鋼を指します。

SKD・SKH・SKSなど工具鋼の記号

工具鋼は切削・打ち抜き・成形など、他の材料を加工するための工具に使用される鋼材です。

高い硬度と耐摩耗性が求められるため、通常の構造用鋼とは大きく異なる組成を持っています。

記号 読み方 種類 主な用途
SKD11 エスケーディー11 冷間ダイス鋼 プレス金型・抜き型
SKD61 エスケーディー61 熱間ダイス鋼 ダイカスト金型・鍛造型
SKH51 エスケーエイチ51 高速度工具鋼 ドリル・エンドミル
SKS3 エスケーエス3 切削工具鋼 ヤスリ・タップ
SK85 エスケー85 炭素工具鋼 ノミ・ポンチ・刃物

SKDとSKHの違いについて

SKD(Steel Kogu Die)はダイス鋼と呼ばれる金型用の工具鋼で、番号によって冷間用・熱間用が分かれています。

一方、SKH(Steel Kogu High speed)はハイス鋼とも呼ばれる高速度工具鋼で、高速切削でも硬度を維持できる特性を持ちます。

FC・FCD・ADCなど鋳鉄・非鉄金属の記号一覧

続いては、鉄鋼以外の材料である鋳鉄・非鉄金属の記号について確認していきます。

FC・FCD(鋳鉄・ダクタイル鋳鉄)の記号

鋳鉄は溶融した鉄を鋳型に流し込んで成形した材料で、複雑な形状を比較的低コストで製造できる特徴があります。

記号 読み方 名称 特徴・用途
FC200 エフシー200 ねずみ鋳鉄 機械部品・ブレーキドラム
FC250 エフシー250 ねずみ鋳鉄 エンジンブロック・シリンダー
FCD400 エフシーディー400 ダクタイル鋳鉄 配管部品・ポンプケーシング
FCD600 エフシーディー600 ダクタイル鋳鉄 歯車・クランクシャフト

FCDの「D」はDuctile(ダクタイル)を意味し、球状黒鉛を持つことで通常の鋳鉄より靭性・延性に優れています。

ADC・AC・BCなどアルミ・銅合金の記号

非鉄金属の材料記号も、JIS規格によって体系的に定められています。

アルミニウム合金や銅合金は、軽量化・耐食性・導電性などの観点から現代製造業に欠かせない材料です。

記号 読み方 材料種類 主な用途
ADC12 エーディーシー12 アルミダイカスト合金 自動車部品・電子機器筐体
A5052 エーごまるごに アルミニウム合金板 船舶・車両・建材
A2017 エーにまるいちなな アルミニウム合金(ジュラルミン) 航空機・精密部品
BC6 ビーシー6 青銅鋳物 バルブ・軸受
C3604 シーさんろくまるよん 快削黄銅棒 ねじ・精密部品

材料記号を正しく読み取るためのポイント

JIS材料記号を正確に理解するためには、いくつかの読み方のルールを押さえておくことが大切です。

読み方のポイント① アルファベットは頭文字を英語読みするものが多い

例)SCM → S(Steel)C(Chrome)M(Molybdenum)

読み方のポイント② 数字部分は「引張強さ」「炭素量の10倍」「鋼種番号」など意味が異なる

例)SS400 → 引張強さ400N/mm² / SCM415 → 炭素量約0.15%

読み方のポイント③ 末尾のアルファベットは熱処理や品質区分を示す場合がある

例)SPCC-SB → 冷間圧延鋼板の標準調質品

材料記号の数字部分の意味は規格ごとに異なるため、対象の規格に合わせて確認することが大切です。

現場ではベテランが感覚的に覚えていることも多いですが、記号の体系を正しく理解することが設計ミスや材料調達ミスの防止につながります。

まとめ

この記事では、JIS材料記号の一覧表とSS・SUS・SCM・SKDなどの意味と読み方についてわかりやすく解説しました。

JIS材料記号はアルファベットと数字の組み合わせで構成されており、それぞれが材料の種類・強度・組成・用途などを示しています。

SS400のような構造用鋼から、SUS304のステンレス鋼、SCM435のような合金鋼、SKD11のような工具鋼まで、材料記号を理解することで設計・製造・調達の現場における判断力が大きく向上します。

また、FCやADCといった鋳鉄・非鉄金属の記号も合わせて把握しておくと、さらに幅広い材料選定に対応できるでしょう。

材料記号は一度しっかり体系を理解すれば、見慣れない記号でも推測できるようになります。ぜひこの記事を参考に、日々の業務に役立てていただければ幸いです。