技術(非IT系)

ケルビンとは?温度の単位をわかりやすく解説(絶対温度:摂氏との違い:物理:熱力学:SI単位系など)

当サイトでは記事内に広告を含みます

物理や化学の教科書で「ケルビン(K)」という温度の単位を見かけたことがあるでしょう。

普段使っている摂氏(℃)とは何が違うのか、なぜ科学の世界で使われるのか疑問に感じる方も多いと思います。

本記事では、ケルビンの意味・定義・摂氏との違い・熱力学との関係をわかりやすく解説します。

ケルビンとは何か(結論)

それではまず、ケルビンの基本的な意味と定義について解説していきます。

ケルビン(K)とは、熱力学的温度(絶対温度)を表すSI基本単位です。

絶対温度とは、物理的に意味のある最低温度(絶対零度)を0として定めた温度スケールのことです。

絶対零度は −273.15 ℃ に相当し、これが 0 K となります。

ケルビンの最大の特徴は「負の値が存在しない」ことです。絶対零度(0 K)が理論上の最低温度であり、それ以下の温度は物理的に存在しません。

ケルビンの名称の由来

ケルビンという名称は、熱力学の発展に大きく貢献したイギリスの物理学者ウィリアム・トムソン(後のケルビン卿)に由来しています。

彼は絶対温度の概念を確立し、熱力学の基礎を築いた功績から、温度の単位に名前が付けられました。

ケルビンとSI単位系

ケルビンは国際単位系(SI)の7つの基本単位のひとつです。

長さ(メートル)・質量(キログラム)・時間(秒)・電流(アンペア)・物質量(モル)・光度(カンデラ)と並ぶ基本単位として位置づけられています。

摂氏温度とケルビンの違い

続いては、摂氏温度とケルビンの違いについて確認していきます。

温度スケールの比較

項目 摂氏(℃) ケルビン(K)
0の基準 水の融点(0 ℃) 絶対零度(−273.15 ℃)
最低温度 理論上−273.15 ℃ 0 K(負の値なし)
1度の大きさ 1 ℃ 1 K(同じ大きさ)
主な用途 日常生活・気象 物理・化学・工学

1度の大きさは同じ

摂氏とケルビンでは「1度の大きさ(温度の間隔)」は全く同じです。

違いは「ゼロ点の基準」だけであり、摂氏に 273.15 を加えるとケルビンが得られます。

たとえば 20 ℃ は 20 + 273.15 = 293.15 K となります。

華氏(°F)との比較

アメリカなどで使われる華氏(°F)は摂氏・ケルビンとは1度の大きさも基準点も異なります。

℃ から °F への変換は °F = ℃ × 9÷5 + 32 という公式で行います。

絶対零度は −459.67 °F に相当します。

ケルビンが使われる理由と物理的意義

続いては、なぜ科学の世界でケルビンが使われるのかを確認していきます。

熱力学での絶対温度の重要性

熱力学では温度を絶対温度(ケルビン)で表すことが必要不可欠です。

理想気体の状態方程式 PV = nRT において、T は必ずケルビンで表す必要があります。

摂氏温度を使うと式が正しく成り立たないため、物理・化学の計算では常にケルビンが使われます。

絶対零度の物理的意味

絶対零度(0 K)は分子・原子の熱運動が理論上完全に停止する温度です。

実際には量子力学的な零点振動が残るため完全な静止は起きませんが、エネルギーが最小になる状態です。

現代技術では絶対零度に非常に近い温度(ナノケルビン台)を実験室で実現できています。

宇宙の温度もケルビンで表す

宇宙空間の背景放射温度は約 2.725 K であり、これが宇宙の「最低気温」ともいえる値です。

星の表面温度や超新星爆発の温度など、宇宙物理学でもケルビンが標準的に使われています。

まとめ

本記事では、ケルビンの定義・摂氏との違い・熱力学での重要性・物理的意義について解説しました。

ケルビン(K)は絶対零度を0とした熱力学的温度の単位であり、SI基本単位のひとつです。

摂氏に 273.15 を加えるとケルビンに変換でき、1度の大きさは同じです。

物理・化学・宇宙科学など幅広い分野でケルビンが使われる理由を理解し、科学的な温度の概念をしっかり身につけましょう。