対数の大小比較は、単純に数値を比べるだけでなく底の違いに注意が必要な問題です。
底によって単調性が変わるため、正しい判定方法を理解しておくことが重要です。
本記事では、対数の大小比較の方法を、底による違い・単調性・不等式への応用まで含めてわかりやすく解説します。
対数の大小比較の基本(結論)
それではまず、対数の大小比較の基本的な考え方について解説していきます。
対数の大小比較では、底が1より大きいか小さいかによって不等号の向きが変わるという点が最重要です。
底 a>1 のとき:log_a(p)>log_a(q) ⟺ p>q(単調増加なので不等号の向きは変わらない)
底 0<a<1 のとき:log_a(p)>log_a(q) ⟺ p<q(単調減少なので不等号の向きが逆になる)
単調性から理解する大小比較
底 a>1 の対数関数 y = log_a(x) は単調増加関数です。
xが大きくなるほどyも大きくなるため、真数が大きければ対数も大きくなります。
一方、0<a<1 の場合は単調減少関数なので、真数が大きくなるほど対数は小さくなります。
この単調性の違いを常に意識することが対数の大小比較の鍵です。
底が異なる場合の大小比較
底が異なる対数を比較するときは、底の変換公式を使って同じ底に揃えることが必要です。
たとえば log_2(5) と log_3(7) を比較する場合、両方を常用対数に変換します。
log_2(5) = log(5)÷log(2) ≒ 0.699÷0.301 ≒ 2.32 となります。
log_3(7) = log(7)÷log(3) ≒ 0.845÷0.477 ≒ 1.77 となります。
したがって log_2(5) > log_3(7) と比較できます。
具体的な大小比較の手順と例題
続いては、対数の大小比較の具体的な手順と例題を確認していきます。
同じ底での比較
まず底が同じ場合を確認します。
log_2(3) と log_2(5) の大小を比べると、底が2(>1)で単調増加なので真数の大小がそのまま対数の大小になります。
3<5 なので log_2(3) < log_2(5) とすぐに判定できます。
1との比較
対数の大小比較では、対数の値が1より大きいか小さいかを判定するケースもよく出題されます。
底 a>1 のとき:
log_a(x) > 1 ⟺ x > a
log_a(x) < 1 ⟺ 0 < x < a
底 0<a<1 のとき:
log_a(x) > 1 ⟺ 0 < x < a
log_a(x) < 1 ⟺ x > a
0との比較(真数が1かどうか)
log_a(x) = 0 は常に x = 1 のときに成り立ちます。
底 a>1 のとき、x>1 ならば log_a(x) > 0 であり、0<x<1 ならば log_a(x) < 0 です。
対数の大小比較と不等式
続いては、対数不等式の解き方と大小比較の関係を確認していきます。
対数不等式の解法手順
①真数条件(真数>0)を確認する
②底を確認し、底>1か0<底<1かを判断する
③底を揃えて真数の不等式に変換する
④底>1なら不等号そのまま、0<底<1なら不等号を逆向きにする
⑤解を求め、真数条件で絞り込む
具体的な不等式の例題
log_(1÷2)(x) > −3 を解く場合、底は 1÷2(0<底<1)なので単調減少です。
−3 = log_(1÷2)(8) と変換し、単調減少より x < 8 が得られます。
真数条件 x>0 と合わせると、解は 0 < x < 8 となります。
数値計算による大小比較
電卓や表計算ソフトを使う場合は、底の変換公式で共通の底に変換してから数値計算すると確実です。
複数の対数を比較するときは表にまとめると視覚的に判断しやすくなります。
まとめ
本記事では、対数の大小比較の基本・具体的な計算手順・不等式への応用について解説しました。
底が1より大きければ単調増加(真数の大小がそのまま対数の大小)、底が0と1の間なら単調減少(真数の大小と対数の大小が逆)という点が最重要です。
底が異なる対数の比較には底の変換公式を活用し、すべての対数を共通の底に揃えてから判定しましょう。
真数条件の確認も忘れずに、対数の大小比較を確実にマスターしていきましょう。