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熱伝導率の単位は?換算・変換も(W/m・KやW/m・℃やkcal/h・m・℃等)読み方や一覧は?

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熱伝導率は、材料の熱の伝わりやすさを表す重要な物理量です。

しかし、その単位にはW/m・K、W/m・℃、kcal/h・m・℃など複数の表記が存在し、「どう読むのか」「どう換算するのか」と戸惑う方も多いのではないでしょうか。

建築・断熱材・工業製品の設計など、熱伝導率を扱う場面は非常に幅広く、単位の意味や換算方法を正確に理解しておくことはとても大切です。

この記事では、熱伝導率の単位の読み方や意味、主要な単位の一覧、そして換算・変換の方法まで、わかりやすく解説していきます。

熱伝導率の単位はW/m・KやW/m・℃などで表され、換算も可能

それではまず、熱伝導率の単位の基本と結論についてご説明していきます。

熱伝導率の主な単位はW/m・K(ワット毎メートル毎ケルビン)であり、SI単位系における標準的な表記です。

また、温度差を摂氏で表したW/m・℃(ワット毎メートル毎摂氏)も実務では広く使われています。

さらに工学系の文献や古い資料では、kcal/h・m・℃(キロカロリー毎時毎メートル毎摂氏)という単位も登場します。

これらはそれぞれ異なる単位系に属していますが、一定の換算係数を使うことで相互に変換が可能です。

熱伝導率の単位まとめ(代表的なもの)

W/m・K = SI単位系の標準単位

W/m・℃ = 温度をケルビンでなく摂氏で表したもの(数値は同じ)

kcal/h・m・℃ = 工学単位系(旧来の表記)

1 W/m・K と 1 W/m・℃ は温度差1Kと温度差1℃が同じ大きさであるため、数値上は等しくなります。

一方、kcal/h・m・℃ との換算には注意が必要で、後述する換算式を使う必要があります。

熱伝導率の単位の読み方と意味を理解しよう

続いては、熱伝導率の各単位の読み方と、その物理的な意味を確認していきます。

熱伝導率とは、「厚さ1mの材料の両端に1Kの温度差があるとき、1m²の面積を通して1秒間に伝わる熱量」を表す物理量です。

この定義をもとに、各単位の読み方と意味を整理してみましょう。

W/m・K(ワット毎メートル毎ケルビン)

W/m・K は「ワット毎メートル毎ケルビン」と読みます。

W(ワット)は電力・仕事率の単位で、ここでは熱流量(単位時間あたりの熱量)を表しています。

m(メートル)は材料の厚さ方向の距離、K(ケルビン)は温度差を表しています。

SI単位系の公式な表記であり、科学・工学の国際的な文書ではこの表記が標準となっています。

W/m・℃(ワット毎メートル毎摂氏)

W/m・℃ は「ワット毎メートル毎摂氏」または「ワット毎メートル毎度」と読みます。

ケルビンの代わりに摂氏(℃)を用いた表記ですが、温度差1Kと温度差1℃は同じ大きさのため、W/m・K と W/m・℃ の数値は完全に一致します。

日本の建築・断熱材分野ではこちらの表記が使われることも多く、カタログや規格書でよく見かける単位です。

kcal/h・m・℃(キロカロリー毎時毎メートル毎摂氏)

kcal/h・m・℃ は「キロカロリー毎時毎メートル毎摂氏」と読みます。

SI単位系が普及する以前の工学単位系で使われていた表記であり、古い文献や産業設備の仕様書などで今でも見かけることがあります。

熱量をカロリー、時間を時(h)で表している点がW/m・Kとの大きな違いです。

熱伝導率の単位換算・変換の方法

続いては、熱伝導率の単位換算・変換の方法を確認していきます。

異なる単位系の数値を比較・利用するためには、正確な換算係数を把握しておくことが重要です。

W/m・K と kcal/h・m・℃ の換算式

最もよく使われる換算は、W/m・K と kcal/h・m・℃ の間の変換です。

換算式

1 W/m・K = 0.8598 kcal/h・m・℃

1 kcal/h・m・℃ = 1.163 W/m・K

たとえば、ある断熱材の熱伝導率が 0.04 W/m・K と記載されていた場合、kcal/h・m・℃ に換算すると以下のようになります。

計算例

0.04 W/m・K × 0.8598 = 0.03439 kcal/h・m・℃

逆に、kcal/h・m・℃ の値をW/m・K に換算したい場合は、1.163 を乗じれば求められます。

W/m・K と W/m・℃ の関係

先述のとおり、W/m・K と W/m・℃ は数値が等しいため換算は不要です。

どちらの単位で表記されていても、数値はそのまま使用できます。

ただし、混在している場合に誤読しないよう、単位の確認は必ず行うようにしましょう。

その他の単位(BTU系)との換算

英米圏の資料では、BTU(英国熱量単位)を用いた熱伝導率の単位が登場することもあります。

BTU系との換算式

1 W/m・K = 0.5779 BTU/(h・ft・°F)

1 BTU/(h・ft・°F) = 1.731 W/m・K

海外製品のデータシートや国際規格を参照する際には、この換算も役立ちます。

熱伝導率の単位一覧と主な材料の値

続いては、熱伝導率の単位一覧と代表的な材料の熱伝導率の値を確認していきます。

熱伝導率の値は材料によって大きく異なり、金属・非金属・断熱材・液体・気体でそれぞれ特徴があります。

熱伝導率の単位換算一覧表

主な熱伝導率の単位とその換算係数をまとめた表を以下に示します。

単位 読み方 W/m・K との関係
W/m・K ワット毎メートル毎ケルビン 基準(1倍)
W/m・℃ ワット毎メートル毎摂氏 数値は同じ(1倍)
kcal/h・m・℃ キロカロリー毎時毎メートル毎摂氏 × 0.8598(W/m・K → kcal)
BTU/(h・ft・°F) ビーティーユー毎時毎フィート毎華氏 × 0.5779(W/m・K → BTU系)
cal/s・cm・℃ カロリー毎秒毎センチメートル毎摂氏 × 0.002389(W/m・K → cal系)

代表的な材料の熱伝導率

材料ごとの熱伝導率の代表値を以下の表に示します。

数値はあくまでも目安であり、温度や製品によって変化する場合があります。

材料 熱伝導率 [W/m・K] 熱伝導率 [kcal/h・m・℃]
銅(Cu) 約 390 約 335
アルミニウム(Al) 約 200 約 172
鉄(Fe) 約 80 約 69
コンクリート 約 1.6 約 1.38
ガラス 約 1.0 約 0.86
木材 約 0.15 約 0.13
グラスウール(断熱材) 約 0.04 約 0.034
空気(静止状態) 約 0.026 約 0.022

金属は熱伝導率が高く、断熱材や気体は非常に低いことが一目でわかります。

熱伝導率と熱抵抗の関係

熱伝導率と関連する指標として「熱抵抗」があります。

熱抵抗はR値とも呼ばれ、材料の厚さを熱伝導率で割ることで求められます。

熱抵抗の計算式

R = d ÷ λ

R:熱抵抗 [m²・K/W]

d:材料の厚さ [m]

λ:熱伝導率 [W/m・K]

熱伝導率が低いほど熱抵抗が大きくなり、断熱性能が高い材料であることを示しています。

建築の省エネ設計などでは、この熱抵抗の概念も非常に重要です。

まとめ

今回は「熱伝導率の単位は?換算・変換も(W/m・KやW/m・℃やkcal/h・m・℃等)読み方や一覧は?」というテーマで解説してきました。

熱伝導率の主な単位はW/m・K、W/m・℃、kcal/h・m・℃の3種類が代表的であり、それぞれ異なる単位系に属しています。

W/m・K と W/m・℃ は数値が等しく、換算の必要がありません。

一方、kcal/h・m・℃ への換算には係数0.8598、逆換算には係数1.163を使用します。

重要ポイントまとめ

W/m・K = W/m・℃(数値は同じ)

1 W/m・K = 0.8598 kcal/h・m・℃

1 kcal/h・m・℃ = 1.163 W/m・K

1 W/m・K = 0.5779 BTU/(h・ft・°F)

材料の熱伝導率は、金属では数百W/m・K、断熱材では0.04 W/m・K前後と大きな差があります。

単位の読み方・意味・換算方法を正しく理解することで、設計や材料選定の精度が向上するでしょう。

ぜひこの記事を参考に、熱伝導率の単位について理解を深めていただければ幸いです。