エネループをはじめとする充電式電池の主流として広く普及しているのがNi-MH(ニッケル水素電池)です。
本記事では、Ni-MHの電気化学的仕組み・特性・リチウムイオン電池との比較・用途を解説していきます。
Ni-MH(ニッケル水素電池)とは「水素吸蔵合金を負極に使った充電可能な二次電池」である
それではまず、Ni-MHの基本的な仕組みを解説していきます。
Ni-MH電池(Nickel-Metal Hydride Battery)は、正極に水酸化ニッケル(NiOOH/Ni(OH)₂)・負極に水素吸蔵合金(MH:Metal Hydride)・電解液にアルカリ水溶液(KOH)を使った二次電池です。
Ni-MH電池の基本反応:放電時:正極:NiOOH + H₂O + e⁻ → Ni(OH)₂ + OH⁻・負極:MH + OH⁻ → M + H₂O + e⁻・公称電圧:1.2V(単3・単4形の場合)・エネルギー密度:60〜120 Wh/kg・充電サイクル:500〜1000回以上(エネループは最大2100回)。
Ni-MHとニカド(Ni-Cd)電池の違い
Ni-MHの前世代がニカド(Ni-Cd:ニッケルカドミウム)電池です。
Ni-MHはNi-Cdに比べてエネルギー密度が約2倍・メモリー効果が少ない・カドミウムという有害物質を含まないという優位性を持ちます。
現在ではRoHS規制等によりNi-Cdの使用が制限され、Ni-MHが充電式単3・単4電池の主流となっています。
リチウムイオン電池との比較
| 特性 | Ni-MH | リチウムイオン(Li-ion) |
|---|---|---|
| 公称電圧 | 1.2V | 3.6〜3.7V |
| エネルギー密度 | 60〜120 Wh/kg | 150〜250 Wh/kg |
| 充電サイクル | 500〜2100回 | 500〜1000回(一般的) |
| 安全性 | 比較的高い | 過充電・過放電に注意 |
| 主な用途 | 単3・単4形充電池・HV車 | スマートフォン・PC・EV |
ハイブリッド車(HV)での活用
トヨタのプリウスをはじめとするハイブリッド車(HV)の駆動バッテリーとしてNi-MHが長年使われてきました。
低温特性・過充放電への耐性・大電流対応という特性がHVバッテリーに適しており、現在もリチウムイオンとNi-MHが共存して使われています。
まとめ
本記事では、Ni-MH電池の仕組み・基本反応・Ni-Cdとの違い・リチウムイオン電池との比較・HVへの応用を解説してきました。
Ni-MHは安全性・耐久性・環境適合性のバランスが取れた充電池として、家庭用充電池からハイブリッド車まで幅広く使われているベテランの二次電池です。