「Observableとはプログラミングにおいてどのような概念なのか」と疑問を持つ方も多いでしょう。
ObservableはリアクティブプログラミングやObserverパターンの中核をなす概念で、現代のフロントエンド・バックエンド開発において広く活用されています。
この記事では、Observableの意味・仕組み・Observerパターンとの関係・実用例をわかりやすく解説していきます。
Observableの定義と結論
それではまず、Observableの定義と結論から解説していきます。
Observableとは「時間の経過とともに複数の値を非同期に発行できるデータストリーム」のことです。
Subscribe(購読)することで値を受け取り、非同期処理・イベント処理・データの流れを宣言的に記述できます。
Observable=非同期データのストリーム。「時間軸上で次々と値が流れてくる川」のイメージです。Subscribeして値を受け取ります。
Observerパターンの仕組み
続いては、Observerパターンの仕組みを確認していきます。
ObservableはObserverパターン(GoFデザインパターンのひとつ)を実装した概念です。
ObserverパターンのObservable・Observer・Subscribe
Observerパターンには3つの主役があります。
| 要素 | 役割 |
|---|---|
| Observable | データを発行する主体(発行者) |
| Observer | データを受け取り処理する存在(購読者) |
| Subscribe | ObserverをObservableに登録する操作 |
ObservableにObserverがSubscribeすることで、データが発行されるたびにObserverの処理が呼び出される仕組みです。
Observableが発行する3種類の通知
Observableはオブザーバーに対して3種類の通知を発行します。
next():新しい値を発行する(複数回呼ばれる)
error():エラーが発生した際に発行(ストリーム終了)
complete():ストリームの正常終了を通知
この3つの通知を使ったデータの流れの管理がObservableの中心的な仕組みでしょう。
RxJSでのObservableの基本的な使い方
JavaScriptのリアクティブ拡張ライブラリ「RxJS」ではObservableが中核的な役割を担っています。
import { Observable } from ‘rxjs’;
const obs = new Observable(subscriber => {
subscriber.next(1);
subscriber.next(2);
subscriber.complete();
});
obs.subscribe(val => console.log(val));
// 出力:1, 2
このようにObservableを作成しSubscribeすることで非同期・同期を問わずデータストリームを扱えるでしょう。
Observableの実用場面と応用例
続いては、Observableの実用場面と応用例を確認していきます。
Angularでの活用
AngularはObservableを積極的に活用するフレームワークで、HTTP通信・イベント処理・フォームの値変化の監視にRxJSのObservableが使われています。
例えばHTTP GETリクエストはObservableを返すため、Subscribeして結果を受け取るコードが標準的なAngularパターンです。
Angularを学ぶ際にObservableの理解は欠かせないでしょう。
Promiseとの違いと使い分け
JavaScriptのPromiseは「1つの非同期値」を扱うのに対し、Observableは「複数の値を時間をかけて発行するストリーム」を扱います。
HTTP通信のような「1回の要求・1回の応答」にはPromiseが適しており、リアルタイムデータ・ユーザーイベント・WebSocketなど「継続的に値が発生するケース」にはObservableが適しているでしょう。
用途に応じて使い分けることが重要です。
状態管理・データフローでの活用
NgRx(Angularの状態管理ライブラリ)・Akita・RxDB などのライブラリではObservableを使ったリアクティブな状態管理が実現されています。
アプリケーションの状態変化をObservableとして扱うことで、UIの自動更新・デバッグのしやすさ・テスタビリティの向上が期待できるでしょう。
大規模なフロントエンドアプリケーションではObservableを使った設計が特に有効です。
Observableと関連する重要概念
続いては、Observableと関連する重要な概念を確認していきます。
Subject(サブジェクト)とは
SubjectはObservableとObserverの両方の性質を持つ特殊なクラスです。
SubjectはデータをSubscriberに対して「マルチキャスト(複数の購読者に同時配信)」する役割を持ち、コンポーネント間のデータ共有や状態管理に活用されます。
BehaviorSubject・ReplaySubject・AsyncSubjectなどの派生クラスもあり、用途に応じて使い分けるでしょう。
オペレーター(Operators)の役割
RxJSでは「オペレーター」と呼ばれる関数を使ってObservableのデータを変換・フィルタリング・結合できます。
map・filter・mergeMap・switchMap・combineLatestなどのオペレーターを組み合わせることで、複雑なデータフローを宣言的に記述することが可能でしょう。
オペレーターの習得はRxJSを使いこなすうえで重要なステップです。
Unsubscribeの重要性
Observableをsubscribeしたまま不要になった場合、unsubscribeしないとメモリリークの原因になります。
特にAngularコンポーネントのライフサイクルに合わせてsubscriptionをnullにする・AsyncPipeを使う・takeUntilオペレーターを使うなどの対処が重要でしょう。
リアクティブプログラミングにおいてリソース管理は品質に直結する要素です。
まとめ
Observableとは時間軸上で複数の値を非同期に発行できるデータストリームで、リアクティブプログラミングの中核概念です。
Observerパターンに基づき、next・error・completeの3種類の通知でデータの流れを制御します。
AngularやRxJSを使ったWebアプリケーション開発においてObservableの理解は不可欠であり、状態管理・非同期処理・イベント処理の実装に広く活用されているでしょう。
この記事の内容を参考に、Observableの概念と活用方法を深く理解してみてください。