技術(非IT系)

プランク定数の単位は?次元や値も解説!(J・s:ジュール秒:換算値:物理単位系:SI単位など)

当サイトでは記事内に広告を含みます

プランク定数を学ぶ上で必ず押さえておきたいのが、その「単位」と「次元」です。

プランク定数の単位は「J·s(ジュール秒)」であり、これはエネルギーと時間の積、すなわち「作用」の次元を持つ量です。

本記事では、プランク定数の単位・次元・数値の正確な意味から、SI単位系における定義、換算プランク定数ℏとの違いまで、物理学の初学者にもわかりやすく解説します。

単位の意味を正確に理解することで、量子力学の計算問題や公式の使い方がより深く把握できるでしょう。

プランク定数の単位と次元の基本

それではまず、プランク定数の単位と次元について解説していきます。

プランク定数hの単位は「J·s(ジュール・秒)」です。これは「ジュール秒」と読みます。

プランク定数の単位の内訳:

J(ジュール)= エネルギーの単位 = kg·m²·s⁻²

s(秒)= 時間の単位

したがって、J·s = kg·m²·s⁻¹(SI基本単位で表した場合)

光子エネルギーの公式E = hνを考えると、

E(エネルギー、J)= h(単位:J·s)× ν(振動数、Hz = s⁻¹)

となり、単位が正しく J(ジュール)になることが確認できます。

次元解析でプランク定数を理解する

物理学において「次元(dimension)」とは、物理量がどのような基本量の組み合わせでできているかを示すものです。

SI基本単位系における基本次元はM(質量)・L(長さ)・T(時間)・I(電流)などです。

プランク定数の次元解析:

h の単位:J·s = kg·m²·s⁻²·s = kg·m²·s⁻¹

次元表記:[h] = M L² T⁻¹

→ 質量 × 長さの2乗 × 時間の逆数の次元を持つ

この次元「M L² T⁻¹」は、物理学において「作用(action)」や「角運動量(angular momentum)」と同じ次元です。

プランク定数が「量子作用」と呼ばれる所以はここにあります。

プランク定数の数値

2019年のSI単位系改定により、プランク定数の値は以下のように厳密に定義されています。

表記 単位
h(プランク定数) 6.62607015 × 10⁻³⁴ J·s
ℏ(換算プランク定数) 1.054571817 × 10⁻³⁴ J·s
h(eV換算) 4.135667696 × 10⁻¹⁵ eV·s

単位系によるプランク定数の表記

プランク定数はSI単位系以外でも様々な形で表記されます。

原子物理学や量子化学では、電子ボルト(eV)を単位としてh = 4.136 × 10⁻¹⁵ eV·sという値がよく使われます。

自然単位系(ℏ = c = 1とする単位系)では、プランク定数そのものを1として数値を消去することが多く、素粒子物理学でよく用いられます

換算プランク定数ℏとの比較

続いては、換算プランク定数ℏ(エイチバー)とプランク定数hの比較を確認していきます。

ℏの定義と読み方

換算プランク定数ℏは「エイチバー」と読み、hを2πで割った値として定義されます。

換算プランク定数の定義:

ℏ = h / 2π ≈ 1.0546 × 10⁻³⁴ J·s

読み方:「エイチバー」または「ディラック定数」

単位:hと同じ J·s(次元も同じ M L² T⁻¹)

なぜ2πで割るかというと、角振動数ω = 2πνを使って式を書くとℏが自然に現れ、式がすっきりするためです。

hとℏの使い分け

hは振動数ν(ニュー)を使った式で使われ、ℏは角振動数ω(オメガ)を使った式で使われます。

使い分けの例:

E = hν(振動数νを使う場合)

E = ℏω(角振動数ωを使う場合、ω = 2πν)

※どちらも同じエネルギーを表しており、式の形が異なるだけ

不確定性原理や量子力学の波動方程式(シュレーディンガー方程式)ではℏが使われることが多く、現代の量子力学の教科書ではhよりもℏを用いることが一般的です。

プランク長とプランク時間

プランク定数は重力定数Gと光速cと組み合わせることで、「プランクスケール」と呼ばれる自然界の最小スケールを定義します。

プランク量 値(概算) 意味
プランク長 1.616 × 10⁻³⁵ m 空間の最小スケール
プランク時間 5.391 × 10⁻⁴⁴ s 時間の最小スケール
プランク質量 2.176 × 10⁻⁸ kg 量子重力の基準質量
プランクエネルギー 1.956 × 10⁹ J 量子重力の基準エネルギー

SI単位系再定義におけるプランク定数の役割

続いては、2019年のSI単位系再定義においてプランク定数が果たした役割を確認していきます。

キログラムの新定義

2019年5月20日のSI単位系改定により、質量の単位「キログラム(kg)」の定義が大きく変わりました。

従来のキログラムは「国際キログラム原器(白金イリジウム合金の分銅)」を基準にしていましたが、新定義ではプランク定数の値を6.62607015 × 10⁻³⁴ J·sと厳密に固定することでキログラムを定義しています。

物理定数による単位定義の意義

物理定数による単位定義には、「永久不変の基準」という大きな利点があります。

物質の原器は経年変化・紛失・損傷のリスクがありますが、プランク定数のような自然の定数は宇宙のどこでも・いつでも同じ値を持ちます。

これにより、将来どのような技術が発展しても、単位の定義は科学的基盤の上に揺るぎなく維持されることになります。

プランク定数の測定精度の向上

現代ではキブル天秤(旧ワット天秤)という装置を使ってプランク定数を高精度で測定できます。

測定精度は10⁻⁸(一億分の一)以下の相対不確かさで測定可能となっており、物理定数の中でも非常に精密に知られた値のひとつです。

まとめ

プランク定数hの単位は「J·s(ジュール秒)」であり、次元はM L² T⁻¹(質量×長さ²×時間⁻¹)で、「作用」と同じ次元を持ちます。

SI単位での値はh = 6.62607015 × 10⁻³⁴ J·sで、2019年の改定により厳密な定義値として固定されました。

換算プランク定数ℏ = h/2πは角振動数を使った量子力学の式でよく使われます。

プランク定数はキログラムの新定義にも活用されており、現代の計測科学・量子技術の基盤として今後もその重要性が高まり続けるでしょう。