正負の数の計算方法は?ルールや計算問題も!(正負の計算:分数:割り算:乗法など)
正の数と負の数の計算は、中学校の数学で最初につまずきやすい単元の一つです。
しかし、符号の決まりを分けて考えれば、足し算、引き算、乗法、除法、分数を使う計算まで順序よく解けるようになります。
この記事では、数直線の考え方、符号のルール、計算問題の解き方、よくあるミスの防ぎ方をわかりやすく紹介します。
正負の数の計算における基本ルール

それではまず、正負の数の計算で最初に押さえたい結論と基本ルールについて解説していきます。
符号を確認してから数の大きさを計算する流れを習慣にすると、複雑に見える問題も整理しやすくなります。
正の数と負の数の意味
正の数は、基準となる数より大きいことを表す数です。
たとえば気温がプラス5度、残高がプラス3000円、海抜プラス20メートルなどが正の数にあたります。
一方で、負の数は基準より小さいことや反対側にあることを表す数です。
気温がマイナス3度、借金がマイナス5000円、地下マイナス10メートルといった表し方が代表例でしょう。
数の前に何も符号がない場合は、通常は正の数として扱います。
たとえば5はプラス5と同じ意味であり、必要に応じて+5と書くこともあります。
正負の数では、数字だけを見るのではなく、最初に+と-を一組として確認することが重要です。
計算の答えにも符号が必要かどうかを最後に見直すと、ケアレスミスを減らせます。
数直線による大小関係
正負の数は、数直線で位置を考えると理解しやすくなります。
数直線では右へ行くほど数が大きくなり、左へ行くほど数が小さくなります。
そのため、プラス3はマイナス2より大きく、マイナス2はマイナス7より大きい数です。
負の数では、数字の絶対値が大きいほうが小さくなる点に注意が必要です。
マイナス9とマイナス4を比べる場合、マイナス9のほうが左側にあるため小さい数となります。
負の数どうしを比べるときは、数直線の左側ほど小さいと覚えると混乱しにくいでしょう。
絶対値と符号の役割
絶対値とは、数直線上で0からどれだけ離れているかを表す数です。
プラス6の絶対値もマイナス6の絶対値も、どちらも6になります。
絶対値は、足し算や引き算で数の大きさを比べるときに役立ちます。
たとえばマイナス8とプラス3を足す場合、絶対値が大きいのは8です。
そのため答えの符号はマイナスになり、8から3を引いたマイナス5が答えになります。
符号は向き、絶対値は大きさと考えると、計算の手順が見通しやすくなります。
正負の数の足し算と引き算
続いては、正負の数で特に出題されやすい足し算と引き算を確認していきます。
加法と減法では、符号が同じか異なるかを見分けることが出発点です。
同じ符号どうしの足し算
同じ符号の数を足すときは、絶対値を足して、共通する符号を答えにつけます。
プラス4とプラス7なら、4と7を足してプラス11です。
マイナス4とマイナス7なら、4と7を足してマイナス11になります。
負の数の足し算であっても、数字の部分は足し算になる点がポイントです。
(+4)+(+7)=+11
(-4)+(-7)=-11
同符号の加法では、絶対値を加え、共通の符号を残します。
かっこが多い問題では、先に各数の符号を読み取るとよいでしょう。
マイナスの数を足すことは、数直線で左へさらに進むことと考えられます。
同じ符号なら足すという短いルールを軸にしてください。
異なる符号どうしの足し算
符号が異なる数を足すときは、絶対値の大きい数から小さい数を引きます。
そして、絶対値が大きかった数の符号を答えにつけます。
プラス9とマイナス4なら、9から4を引いて5となり、プラス9のほうが大きいため答えはプラス5です。
反対に、マイナス9とプラス4なら、絶対値が大きいのはマイナス9なので答えはマイナス5になります。
| 計算 | 絶対値の比較 | 答え |
|---|---|---|
| (+9)+(-4) | 9から4を引く | +5 |
| (-9)+(+4) | 9から4を引く | -5 |
| (+6)+(-6) | 大きさが同じ | 0 |
| (-12)+(+3) | 12から3を引く | -9 |
絶対値が等しく、符号が異なる場合は0になります。
打ち消し合う関係を意識すると、答えを予想しやすくなるでしょう。
引き算を足し算へ直す方法
正負の数の引き算は、引く数の符号を変えて足し算に直すことが基本です。
たとえばプラス5からマイナス3を引く計算は、プラス5にプラス3を足す計算へ変わります。
マイナス2からプラス6を引く場合は、マイナス2にマイナス6を足します。
引き算を見たら、後ろの数の符号を反対にして加法へ変えると決めておくと便利です。
(+5)-(-3)=(+5)+(+3)=+8
(-2)-(+6)=(-2)+(-6)=-8
減法を加法へ直した後は、足し算のルールを使います。
引き算のまま数字だけを計算すると、符号を誤りやすくなります。
まず式を書き換え、その後に同符号か異符号かを判定する二段階の進め方がおすすめです。
正負の数の乗法と除法
続いては、掛け算と割り算に共通する符号の決まりを確認していきます。
乗法と除法では、足し算や引き算とは異なり、符号の組み合わせだけで答えの符号を判断できます。
乗法における符号の組み合わせ
正の数どうしを掛けると答えは正になります。
負の数どうしを掛けた場合も、答えは正です。
一方で、正の数と負の数を掛ける場合は答えが負になります。
つまり、符号が同じなら正、異なれば負という考え方です。
| 符号の組み合わせ | 答えの符号 | 例 |
|---|---|---|
| +と+ | + | (+3)×(+4)=+12 |
| +と- | - | (+3)×(-4)=-12 |
| -と+ | - | (-3)×(+4)=-12 |
| -と- | + | (-3)×(-4)=+12 |
掛け算では、数字の計算と符号の判定を別々に行うと正確です。
たとえばマイナス7にマイナス5を掛けるなら、7掛ける5で35を求め、同符号なのでプラス35とします。
除法における符号の組み合わせ
割り算の符号の決まりは、掛け算と同じです。
符号が同じなら答えは正、符号が異なるなら答えは負になります。
マイナス20をマイナス4で割ると、20割る4は5であり、符号が同じなのでプラス5です。
プラス20をマイナス4で割る場合は、符号が異なるためマイナス5になります。
(-20)÷(-4)=+5
(+20)÷(-4)=-5
除法でも、絶対値を計算してから符号の組み合わせを判断します。
割る数が0になる計算はできません。
たとえば8を0で割る式は答えを決められないため、計算問題では特に注意が必要です。
複数の数を掛け合わせる計算
3つ以上の数を掛ける場合は、マイナスの数が何個あるかに注目します。
マイナスの数が偶数個なら答えは正になり、奇数個なら答えは負になります。
たとえばマイナス2、マイナス3、プラス4を掛けると、負の数が2個なので答えは正です。
絶対値を掛けると24となるため、答えはプラス24です。
マイナスが3個ある場合は、最終的な答えが負になります。
負の数の個数が偶数か奇数かを確認する方法は、長い式でも有効でしょう。
分数を含む正負の数の計算
続いては、分数を含む正負の数の計算方法を確認していきます。
分数でも符号のルールは整数と変わらず、分数の計算手順と組み合わせて考えることが大切です。
正負の分数における表し方
負の分数は、分数全体の前、分子、分母のいずれか一か所にマイナスをつけて表せます。
マイナス3分の2、3分のマイナス2、マイナス3分のマイナス2では意味が異なります。
分数全体の前にマイナスがある形と、分子だけにマイナスがある形は同じ負の数です。
分子と分母の両方にマイナスがある場合は、マイナスどうしが打ち消されて正の数になります。
計算途中では、符号を分数の前にそろえると見やすくなります。
負の分数は、符号をできるだけ分数全体の前にまとめると、通分や約分の途中で符号を見失いにくくなります。
分子と分母の両方が負なら、正の分数として書き直してください。
分数の足し算と引き算
分数の足し算と引き算では、まず分母をそろえる通分を行います。
通分した後は、分子の部分を正負の数として計算します。
たとえばプラス4分の1とマイナス6分の1を足す場合、分母はすでに同じです。
分子の1とマイナス1を計算するため、答えはマイナス12分の1ではなくマイナス12分の1という誤解を避ける必要があります。
正しくは4分の1を12分の3、6分の1を12分の2にそろえ、3から2を引いてプラス12分の1となります。
通分の後に符号まで含めて分子を計算することが重要です。
分母が異なる場合ほど、途中式を省略しないほうが安全でしょう。
分母はそろえ、分子は符号つきの数として扱うことが分数加減の基本です。
分数の掛け算と割り算
分数の掛け算では、分子どうし、分母どうしを掛けます。
符号は整数の乗法と同様に、同じなら正、異なれば負です。
約分できる場合は、先に約分すると計算が簡単になります。
割り算では、割る数を逆数にして掛け算へ直します。
逆数にするのは分数の上下を入れ替える操作であり、符号はそのまま保持します。
(-3分の2)×(+5分の9)=-15分の18=-5分の6
(-3分の2)÷(-5分の4)=(-3分の2)×(-4分の5)=+10分の3
割り算では、逆数を掛ける形にしてから符号を判断します。
割る数が負の分数でも、逆数にした後の符号は変えません。
符号を勝手に消さないことが、分数の除法での大切な注意点です。
計算問題で迷わないための手順
続いては、正負の数の計算問題を安定して解くための手順を確認していきます。
暗算だけに頼らず、式の形を整えることで正答率を高められます。
かっこと符号を最初に整理する方法
正負の数の問題では、かっこの前にある符号に注意してください。
特に、マイナスの後ろに負の数が続く形は間違えやすい部分です。
マイナスのマイナスはプラスに変わるため、引き算を足し算に直す考え方を使います。
たとえばマイナス8からマイナス5を引く式は、マイナス8にプラス5を足す式です。
答えはマイナス3となります。
二つ並ぶ符号を見たら、後ろの数に注目すると読み違いを防げます。
四則混合計算における順序
足し算、引き算、掛け算、割り算が混ざる問題では、計算する順序が決まっています。
最初にかっこの中を計算し、次に掛け算と割り算、最後に足し算と引き算を行います。
掛け算と割り算は左から順に進め、足し算と引き算も左から順に処理します。
符号の処理と計算順序を同時に急ぐと、途中で混乱しやすくなります。
一行ずつ式を変形し、どの部分を計算したか分かる形を保つのがよいでしょう。
四則混合計算では、かっこ、掛け算と割り算、足し算と引き算の順に計算します。
正負の数では各段階で符号を確かめ、途中式を一気に省略しないことが正確さにつながります。
代表的な計算問題と考え方
次のような問題で、手順を確認してみましょう。
(-6)+(+14)-(-3)では、最初に引き算を足し算へ直します。
するとマイナス6、プラス14、プラス3の加法になり、答えはプラス11です。
(-4)×(+3)+(-18)÷(-6)では、先に乗法と除法を計算します。
マイナス4掛ける3はマイナス12、マイナス18割るマイナス6はプラス3です。
最後にマイナス12とプラス3を足すため、答えはマイナス9になります。
途中で答えの符号だけを小さく書き残す方法も、見直しに役立つでしょう。
正負の数の計算で起こりやすい間違い
続いては、正負の数の計算で起こりやすい間違いと対策を確認していきます。
誤答の理由を知っておくと、テストや宿題で同じミスを繰り返しにくくなります。
引き算の符号を変え忘れる間違い
最も多い間違いは、引き算を足し算へ直すときに後ろの数の符号を変え忘れることです。
プラス7からマイナス2を引く式を、プラス7にマイナス2を足す式としてしまうと答えが逆になります。
正しくは、プラス7にプラス2を足すため、答えはプラス9です。
減法の記号だけを消すのではなく、引かれる数の符号を反対にする必要があります。
引く数の符号を反対にするという言葉をそのまま書きながら練習すると定着しやすいでしょう。
負の数の大小を逆に考える間違い
マイナス10とマイナス3を比べて、10のほうが大きいからマイナス10も大きいと考えるのは誤りです。
負の数では、0から遠いほど小さい位置になります。
温度計を想像すると、マイナス10度のほうがマイナス3度より低いことを理解しやすいでしょう。
計算後の答えが正か負か迷った場合も、数直線の位置を思い浮かべると確認できます。
符号つきの数として大小を判断する習慣が重要です。
分数の約分と符号を混同する間違い
分数の計算では、約分の途中でマイナス記号を消してしまうケースがあります。
約分は分子と分母を同じ数で割る操作であり、符号の決まりとは別の作業です。
マイナス12分の8を約分すると、マイナス3分の2になります。
分子と分母の片方だけにあるマイナスは、約分しても負のまま残ります。
一方、分子と分母の両方にマイナスがあるときだけ、正の分数になります。
約分の前後で答えの正負が変わっていないかを確認してください。
正負の数の計算方法のまとめ
正負の数の計算では、符号と絶対値を分けて考えることが基本です。
足し算では同符号なら絶対値を足し、異符号なら大きいほうから小さいほうを引きます。
引き算は後ろの数の符号を変えて足し算に直すと、同じルールで処理できます。
乗法と除法では、符号が同じなら正、異なれば負です。
分数を含む場合も符号の決まりは変わらず、通分、約分、逆数の操作を落ち着いて行うことが大切でしょう。
符号の確認、式の整理、途中式の記録を意識すれば、正負の数の計算問題は着実に解けるようになります。