ネットワークを学ぶ中で「プロキシ」と「DNS」という言葉に出会い、「この二つって何が違うの?」と疑問に思う方も多いでしょう。
どちらもインターネット通信に関わる技術ですが、その役割は全く異なります。
本記事では、プロキシとDNSそれぞれの意味・役割・仕組み・違いをわかりやすく解説していきます。
プロキシとDNSの違いとは?まず役割の違いを理解しよう
それではまず、プロキシとDNSの役割の違いについて解説していきます。
プロキシ(Proxy Server)とは、クライアントとインターネットの間に立って通信を中継するサーバーです。
DNS(Domain Name System)とは、ドメイン名(www.example.comなど)をIPアドレスに変換する「名前解決」を行うシステムです。
一言でいえば、プロキシは「通信の中継」を行い、DNSは「名前の翻訳」を行うという役割の違いがあります。
DNSの仕組み:名前解決のプロセス
私たちがブラウザに「www.example.com」と入力したとき、コンピューターはまずそのドメイン名に対応するIPアドレスをDNSに問い合わせます。
DNSによる名前解決のプロセス
1. ブラウザが「www.example.comのIPアドレスは?」とリゾルバー(DNSクライアント)に問い合わせる
2. リゾルバーがキャッシュにない場合、再帰的DNSサーバー(ISPなどが提供)に問い合わせる
3. 再帰的サーバーがルートネームサーバー→TLDネームサーバー(.com担当)→権威ネームサーバーと順番に問い合わせる
4. 権威ネームサーバーがwww.example.comのIPアドレス(例:203.0.113.1)を返す
5. ブラウザが203.0.113.1に対してHTTPリクエストを送りWebページを取得する
プロキシとDNSの比較表
| 比較項目 | プロキシ | DNS |
|---|---|---|
| 主な役割 | 通信の中継・フィルタリング・キャッシュ | ドメイン名→IPアドレスの変換 |
| OSI層 | L4〜L7(アプリ層) | L7(アプリケーション層) |
| 処理するもの | HTTPリクエスト・レスポンス | DNS問い合わせ・応答 |
| 通信データ | WebページのHTMLなど | ドメイン名とIPの対応情報 |
| 主な使用場面 | Webアクセス・フィルタリング・負荷分散 | すべてのインターネット通信の前段 |
DNSとプロキシが連携する場面
続いては、DNSとプロキシが連携する場面について確認していきます。
プロキシとDNSは独立した技術ですが、実際のネットワーク通信では連携して動作しています。
プロキシ使用時のDNS解決の違い
プロキシを使わない場合、クライアント自身がDNSを使ってドメイン名を解決してからWebサーバーに接続します。
プロキシを使う場合は、クライアントはプロキシサーバーにドメイン名を含めたリクエストを送り、DNS解決はプロキシサーバーが代わりに行うことが多いです。
これにより、クライアントのDNSクエリがローカルのDNSサーバーに漏れにくくなり、プライバシー保護の観点からメリットがあります。
DNSフィルタリングとプロキシフィルタリングの違い
企業やISPでは、DNSレベルでのフィルタリングとプロキシレベルでのフィルタリングを組み合わせることがあります。
DNSフィルタリングは特定のドメインへのDNS解決を拒否することでアクセスをブロックする方法です。
プロキシフィルタリングはHTTPレベルでリクエストを検査してブロックする方法です。
DNSフィルタリングはシンプルだが回避されやすく、プロキシフィルタリングはより細かい制御が可能だが設定が複雑という特性があります。
DNS over HTTPS(DoH)とプロキシの関係
近年、DNS over HTTPS(DoH)という技術が普及しています。
DoHはDNSの問い合わせをHTTPS経由で行うことで、ISPや中間者によるDNSトラフィックの盗聴・改ざんを防ぐ技術です。
DoHが普及すると、企業内のプロキシサーバーやDNSフィルタリングが機能しにくくなるケースがあるため、企業ネットワークでのDoH対応は重要な管理課題となっています。
まとめ
本記事では、プロキシとDNSの意味・役割の違い・仕組み・連携の場面・DNSフィルタリングとの比較について解説してきました。
プロキシは通信を中継してフィルタリング・キャッシュ・セキュリティ強化を行い、DNSはドメイン名をIPアドレスに変換する名前解決システムという、それぞれ独立した役割を持っています。
両者が連携して動作することでインターネット通信が成立しており、ネットワーク設計・セキュリティ対策においてはどちらの理解も欠かせません。