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プランク定数の単位は?換算・変換も(J・sやeV・sやJ/HzやSI単位等)読み方は?

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物理学の世界において、プランク定数は量子力学の根幹をなす最も重要な物理定数の一つです。

「プランク定数の単位は何?」「J・sとeV・sはどう違うの?」「換算や変換はどうすればいい?」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

本記事では、プランク定数の単位は?換算・変換も(J・sやeV・sやJ/HzやSI単位等)読み方は?というテーマで、プランク定数の基本から単位の換算・変換、読み方まで徹底的に解説していきます。

量子力学や物理化学を学ぶ方にとって必須の知識ですので、ぜひ最後までご覧ください。

プランク定数の単位はJ・s(ジュール秒)がSI単位系での基本表記

それではまず、プランク定数の単位と基本的な値について解説していきます。

プランク定数(Planck constant)は、量子力学において光子のエネルギーと振動数の比を表す物理定数であり、記号には「h」が使われます。

SI単位系(国際単位系)における正式な単位は、J・s(ジュール秒)です。

2019年のSI改定により、プランク定数の値は厳密に定義されています。

プランク定数 h の定義値(2019年SI改定以降)

h = 6.62607015 × 10⁻³⁴ J・s(厳密値)

この値は現在「定義定数」として扱われており、不確かさのない厳密な数値として固定されています。

また、量子力学の計算ではしばしば「ディラック定数(換算プランク定数)」と呼ばれるħ(エイチバー)も登場します。

ħ(換算プランク定数)の定義と値

ħ = h / (2π) = 1.054571817 × 10⁻³⁴ J・s

角振動数ωを用いるときに便利な形で、E = ħω という式が成り立ちます。

プランク定数はドイツの物理学者マックス・プランクが1900年に黒体輻射の問題を解くために導入したもので、量子論の誕生に深くかかわる歴史的定数でもあります。

J・s(ジュール秒)という単位の意味

J・sという単位は、エネルギー(J=ジュール)と時間(s=秒)の積を表します。

これは「作用(action)」の次元を持ち、量子力学において最小の作用量子を意味します。

E = hν(エネルギー=プランク定数×振動数)という式を見ると、エネルギー(J)を振動数(Hz=s⁻¹)で割るとJ・sになることがわかります。

読み方について

プランク定数の読み方はそのまま「プランクていすう」です。

英語では「Planck constant」または「Planck’s constant」と表記し、「プランクス・コンスタント」と読まれることもあります。

記号「h」は単に「エイチ」と読み、換算プランク定数「ħ」は「エイチバー」あるいは「ディラック定数」と呼ばれます。

SI単位系における位置づけ

2019年のSI改定以降、プランク定数は7つの定義定数の一つとして採用されました。

キログラム(kg)の定義もこのプランク定数によって支えられており、質量の国際的な基準として機能しています。

これにより、プランク定数は単なる物理定数ではなく、現代の計量学における礎石的な役割を担っているといえるでしょう。

プランク定数の単位換算・変換(eV・s、J/Hz、kg・m²/sなど)

続いては、プランク定数のさまざまな単位への換算・変換を確認していきます。

物理学や化学の分野によって使い勝手のよい単位が異なるため、複数の表現を知っておくことが重要です。

特にeV・s(エレクトロンボルト秒)は、原子・分子スケールの計算で頻繁に登場します。

主な単位換算一覧

以下の表に、プランク定数hの主な単位換算をまとめました。

単位表記 数値 主な用途
J・s(ジュール秒) 6.62607015 × 10⁻³⁴ SI標準・一般物理
eV・s(エレクトロンボルト秒) 4.135667696 × 10⁻¹⁵ 原子物理・光物理
J/Hz(ジュール毎ヘルツ) 6.62607015 × 10⁻³⁴ J・sと数値同一
kg・m²/s(キログラム平方メートル毎秒) 6.62607015 × 10⁻³⁴ 力学的作用量の表現
erg・s(エルグ秒、CGS単位) 6.62607015 × 10⁻²⁷ 旧CGS単位系

eV・sへの換算方法

eV(エレクトロンボルト)はエネルギーの単位で、1 eV = 1.602176634 × 10⁻¹⁹ J です。

J・sからeV・sへの換算は、プランク定数の値をこの変換係数で割ることで求められます。

eV・sへの換算計算

h = 6.62607015 × 10⁻³⁴ J・s ÷ 1.602176634 × 10⁻¹⁹ J/eV

= 4.135667696 × 10⁻¹⁵ eV・s

また、ħ = h/2π = 6.582119569 × 10⁻¹⁶ eV・s

光のエネルギーをeVで表したいときなど、原子・分子スケールの現象を扱う場面でこの換算が役立ちます。

J/HzとJ・sが同一になる理由

J/Hz(ジュール毎ヘルツ)という表現は、Hz = s⁻¹ であることから、J/Hz = J・s となります。

つまりJ/HzとJ・sは次元的に完全に同一であり、数値も変わりません。

E = hν(νは振動数、単位Hz)という関係式で、hをE/νとして考えると自然にJ/Hzという単位が現れるため、表記のバリエーションとして知っておくと便利でしょう。

プランク定数が登場する主な物理式と関連する物理定数

続いては、プランク定数が実際にどのような物理式で活躍するのかを確認していきます。

プランク定数は量子力学のいたるところに顔を出し、他の重要な物理定数とも密接に関連しています。

光子のエネルギーと振動数の関係

最もよく知られたプランク定数の登場する式が、E = hνです。

この式はアインシュタインが光電効果を説明するために用いたもので、光子一個のエネルギーEが振動数νに比例することを示します。

光子エネルギーの計算例

可視光(緑色、ν ≒ 5.5 × 10¹⁴ Hz)の光子1個のエネルギーは?

E = hν = 6.626 × 10⁻³⁴ × 5.5 × 10¹⁴ ≒ 3.6 × 10⁻¹⁹ J ≒ 2.3 eV

この関係式は、光の粒子性を示す量子力学の出発点ともいえる重要な式です。

ド・ブロイ波長とハイゼンベルクの不確定性原理

ド・ブロイ波長はλ = h/p(pは運動量)で表され、物質の波動性を示します。

また、ハイゼンベルクの不確定性原理はΔx・Δp ≧ ħ/2 と表され、位置と運動量を同時に正確には決められないことを示します。

いずれの式においても、プランク定数(またはħ)が量子的ゆらぎの大きさを規定する役割を担っています。

プランク定数と関連する主な物理定数

プランク定数は他の物理定数とも深く結びついており、以下の表に関連定数をまとめます。

物理定数 記号 関係
光速 c hc = 1.986 × 10⁻²⁵ J・m(光子エネルギーと波長の積)
ボルツマン定数 k_B h/k_B はプランク則に登場
電気素量 e h/e = 磁束量子の2倍(ジョセフソン定数)
アボガドロ定数 N_A SI単位系の定義定数として共存
微細構造定数 α α = e²/(4πε₀ħc)(無次元定数)

これらの定数が互いにつながり合うことで、物理学の体系が美しく構築されているといえるでしょう。

プランク定数の歴史・背景と量子力学における意義

続いては、プランク定数の歴史的な背景と、量子力学における意義を確認していきます。

単に数値と単位を覚えるだけでなく、その背景を知ることで理解がより深まります。

マックス・プランクによる発見

マックス・プランク(Max Planck)は1900年、当時未解決だった「黒体輻射スペクトル」の問題に取り組みました。

古典物理学では説明できなかったこの現象を解くために、プランクはエネルギーが連続的な値ではなく、hνという離散的な量子(quantum)の整数倍しか取れないと仮定しました。

この大胆な仮説がまさに量子論の始まりであり、プランク定数はその中心に置かれた定数です。

量子力学における普遍的役割

プランク定数は量子力学において「どのくらい量子的か」を示すスケールを与えます。

hが非常に小さい値(約6.6 × 10⁻³⁴ J・s)であるため、日常スケールの物体では量子効果が無視できますが、原子・電子スケールではこの値が決定的な影響を持ちます。

もしhがゼロに近づけば量子効果は消え去り、古典物理学の世界に戻ることになります。

プランク定数が量子力学のスケールを決める

h の値が大きいほど量子効果は顕著になり、h → 0 の極限が古典力学に対応します。

これを「古典極限」と呼び、量子力学と古典力学の橋渡しとなる重要な概念です。

現代科学・技術への応用

プランク定数は現代テクノロジーにも直結しています。

半導体・レーザー・MRI・原子時計・量子コンピュータなど、数多くの先端技術の理論基盤にプランク定数が組み込まれています。

さらに2019年のSI改定によってキログラムの定義にも採用されたことで、プランク定数の精密測定が国際的な計量標準そのものを支える存在となりました。

まとめ

本記事では、プランク定数の単位は?換算・変換も(J・sやeV・sやJ/HzやSI単位等)読み方は?というテーマで解説してきました。

プランク定数のSI単位はJ・s(ジュール秒)であり、その値は h = 6.62607015 × 10⁻³⁴ J・s と厳密に定義されています。

単位の換算では、eV・sへは約4.136 × 10⁻¹⁵ eV・s、J/HzはJ・sと数値・次元ともに同一、CGS単位系ではerg・sで表すことができます。

読み方は「プランクていすう」で、記号hは「エイチ」、換算プランク定数ħは「エイチバー」と読みます。

E = hν を始めとする物理式、ド・ブロイ波長、不確定性原理など、量子力学の根幹を成す多くの式にプランク定数が登場します。

歴史的にはマックス・プランクが1900年に黒体輻射の問題から導入し、その後アインシュタインらによって量子論の発展とともに普遍的な定数として確立されました。

プランク定数の理解は、量子力学・物理化学・材料科学など幅広い分野の学習において欠かせない第一歩です。

ぜひ本記事の内容を活用して、量子の世界をより深く探求してみてください。