有理化の計算において、分母に3つのルート(または3つの項)が含まれるケースは、通常の二項式の有理化よりも一段階複雑な計算が必要となります。
たとえば「√2+√3+√5」のような3項の式が分母にある場合、どのように有理化すればよいのでしょうか。
本記事では、分母に3つのルートが含まれる場合の有理化の方法を、具体的な例を使って順を追って解説していきます。
2ステップで有理化を行う考え方や計算の注意点まで丁寧に説明しますので、ぜひ参考にしてみてください。
3つのルートがある場合の有理化:2段階有理化の基本的な考え方
それではまず、分母に3つのルートがある場合の有理化の基本的なアプローチについて解説していきます。
分母に3項のルートがある場合は、2回に分けて有理化を行う「2段階有理化」がポイントです。
たとえば 1/(√2+√3+√5) のような分数を有理化する場合、一度に全てのルートを消すことは難しいため、まず2項をまとめて扱い、段階的に有理化を進めます。
3つのルートの有理化の手順:まず「(√2+√3)+√5」のように2項+1項に分け、最初の2項をAとおき、(A+√5)(A−√5) = A²−5 で1段階目の有理化を行います。その後 A²−5 を展開して残ったルートを2段階目で有理化します。
この考え方により、複雑に見える3項の有理化も段階を追って整理することができます。
2段階有理化のステップ詳細
具体的な手順を以下にまとめます。
ステップ1として、分母の3項のうち2項を一つのかたまりA(例:√2+√3)とみなします。
ステップ2として、分母を (A+√5) とみなし、共役な式 (A−√5) を分母・分子にかけます。
ステップ3として、(A+√5)(A−√5)=A²−5 を計算し、A を展開します。
ステップ4として、残ったルートに対して再度有理化を行います。
ステップ5として、約分を確認して最終的な答えを整理します。
3項有理化の具体的な計算例(√2+√3+√5)
問題:1/(√2+√3+√5) を有理化する
ステップ1:A = √2+√3 とおく。
ステップ2:共役な式 (A−√5) をかける。
分母:(A+√5)(A−√5) = A²−5
A² = (√2+√3)² = 2+2√6+3 = 5+2√6
よって A²−5 = 5+2√6−5 = 2√6
ステップ3:式全体は (√2+√3−√5)/(2√6) となる。
ステップ4:分母 2√6 に√6をかけて有理化。
= (√2+√3−√5)×√6 / (2√6×√6)
= (√12+√18−√30)/12
= (2√3+3√2−√30)/12
答え:(2√3+3√2−√30)/12
計算が非常に多くなりますが、段階を踏んで丁寧に進めることで必ず答えが出ます。
途中で計算を整理しながら進めることが、ミスを防ぐ最大のポイントです。
3つのルートの有理化でよくあるパターンと解法
続いては、3つのルートの有理化でよく出題されるパターンと解法を確認していきます。
パターン1:√a+√b+√c の形
最も標準的な3項ルートの有理化パターンです。
A=√a+√b とおき、(A+√c)(A−√c) = A²−c を利用して1段階目の有理化を行い、その後 A²−c に残るルートを2段階目で有理化します。
例:1/(1+√2+√3) を有理化する
A = 1+√2 とおく。
分母に (A−√3) をかける:A²−3 = (1+√2)²−3 = 1+2√2+2−3 = 2√2
式は (1+√2−√3)/(2√2) となる。
さらに√2で有理化:= √2(1+√2−√3)/(2√2×√2) = (√2+2−√6)/4
答え:(√2+2−√6)/4
計算結果を整理すると、意外とシンプルな形になることもあります。
パターン2:整数+2つのルートの形
分母が「a+√b+√c」(aは整数)の場合も、考え方は同じです。
まず整数とルートの一方をまとめてAとおき、段階的に有理化を進めます。
整数部分が含まれることで、2乗の計算がシンプルになるケースもあります。
計算ミスを防ぐためのチェックポイント
3項の有理化では計算量が多くなるため、以下のポイントを意識してミスを防ぎましょう。
| チェックポイント | 内容 |
|---|---|
| A²の展開 | (√a+√b)²の展開を丁寧に行う |
| 符号の確認 | 共役な式の符号を正確に設定する |
| ルートの整理 | √12→2√3のように根号内を整理する |
| 約分の確認 | 最終答えで約分できないか確認する |
特にA²の展開計算でミスが多いため、(a+b)²=a²+2ab+b² の公式を確認しながら進めましょう。
まとめ
本記事では、分母に3つのルートがある場合の有理化の方法について解説しました。
3項のルートがある場合は、2項をAとまとめて2段階の有理化を行うのが基本的なアプローチです。
1段階目で (A+√c)(A−√c)=A²−c を利用して分母を整理し、2段階目で残ったルートを有理化します。
計算量が多くなりますが、段階を踏んで丁寧に進めることで必ず正解にたどり着けます。
3項有理化の問題は出題頻度は高くありませんが、解き方を知っておくことで対応力が大きく上がるでしょう。