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シリコーンオイルの粘度は?温度による変化とcStや動粘度の意味も解説

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シリコーンオイルの粘度は、工業製品や化粧品、医療機器など幅広い分野で製品の性能を左右する重要な指標です。

「cStってどんな単位?」「温度が変わったときに粘度はどう変化するの?」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

本記事では、シリコーンオイルの粘度の基礎知識から、温度による変化の特性、動粘度やcStの意味まで、わかりやすく解説していきます。

シリコーンオイルを選定・活用する際の参考として、ぜひお役立てください。

シリコーンオイルの粘度は幅広い範囲で選択でき、温度安定性に優れている

それではまず、シリコーンオイルの粘度の全体像と、その特徴について解説していきます。

シリコーンオイルの粘度は、1cStから数百万cStという非常に広い範囲にわたります。

これは鉱物油や植物油と比べても格段に広いレンジであり、用途に応じて細かく選択できる点が大きな魅力です。

さらに、シリコーンオイル最大の特徴のひとつが、温度が変わっても粘度の変化が小さいという点です。

一般的な油脂は温度が上がると急激に粘度が下がりますが、シリコーンオイルはその変化が緩やかなため、幅広い温度環境での使用に適しています。

シリコーンオイルは、低粘度から超高粘度まで幅広いラインナップがあり、温度変化に対する粘度の安定性が非常に高いという点で、他の油類と大きく差別化されます。

この特性から、自動車・電子機器・化粧品・医薬品など多岐にわたる産業で採用されているのです。

シリコーンオイルの粘度の単位「cSt」と「動粘度」の意味

続いては、シリコーンオイルの粘度を表す単位である「cSt」と「動粘度」の意味を確認していきます。

粘度には大きく分けて「粘度(動力粘度・絶対粘度)」と「動粘度(運動粘度)」の2種類があります。

シリコーンオイルのカタログや規格表でよく使われるのは、主に動粘度(Kinematic Viscosity)です。

動粘度とは何か

動粘度とは、流体の粘度をその流体の密度で割った値のことを指します。

流体が重力などの力によって流れるときの「流れやすさ」を表す指標として使われます。

動粘度(ν)= 粘度(μ)÷ 密度(ρ)

単位は m²/s(SI単位系)または St(ストークス)、cSt(センチストークス)が使われます。

シリコーンオイルでは、密度がほぼ一定(約0.96〜0.98 g/cm³)のため、動粘度と粘度はほぼ比例関係にあると考えてよいでしょう。

cSt(センチストークス)とは

cSt(センチストークス)は、動粘度の実用的な単位です。

1 St(ストークス)= 1 cm²/s であり、1 cSt はその100分の1にあたります。

1 St = 1 cm²/s

1 cSt = 0.01 cm²/s = 1 mm²/s

例として、水の動粘度は25℃でおよそ1 cSt です。

シリコーンオイルは、この「cSt」を用いて粘度グレードを表示することが一般的です。

例えば「10cSt」「100cSt」「1000cSt」などの表記が製品カタログで見られます。

粘度(絶対粘度・動力粘度)との違い

動粘度と混同しやすいのが、絶対粘度(動力粘度)です。

絶対粘度の単位はPa・s(パスカル秒)またはmPa・s(ミリパスカル秒)であり、旧単位ではcP(センチポアズ)が使われることもあります。

絶対粘度(μ)の単位は Pa・s または mPa・s

1 mPa・s = 1 cP(センチポアズ)

動粘度(cSt)= 絶対粘度(cP)÷ 密度(g/cm³)

シリコーンオイルの密度は約1 g/cm³に近いため、cSt の数値と cP の数値はほぼ等しくなることが多いです。

カタログを確認する際は、どちらの単位が使われているかを必ず確認するようにしましょう。

シリコーンオイルの粘度グレード別の特性と用途

続いては、代表的な粘度グレードごとの特性と、それぞれに適した用途を確認していきます。

シリコーンオイルは粘度によって性状や取り扱い感が大きく異なるため、用途に合ったグレード選びが非常に重要です。

低粘度グレード(1〜100 cSt)

低粘度のシリコーンオイルは、サラサラとした流動性の高い液体です。

皮膜形成能力や浸透性に優れており、化粧品(スキンケア・ヘアケア)への配合に多く使われます。

また、精密機器の潤滑剤や絶縁油としても活用されています。

中粘度グレード(100〜10,000 cSt)

中粘度グレードは、オイル状からグリース状に近い質感を持ちます。

工業用潤滑剤・消泡剤・離型剤として幅広い産業で使用されています。

汎用性が高く、最もよく使われる粘度帯といえるでしょう。

高粘度グレード(10,000 cSt以上)

高粘度グレードになると、トロトロとした粘りのある液体になります。

ダンパー(振動吸収)や封止剤、電気絶縁材料として使われることが多く、流れにくい性質を活かした用途に向いています。

さらに粘度が高くなると、ゲル状・ガム状となり、コーキング材や特殊グリースとしての応用も可能です。

以下の表に、代表的な粘度グレードと用途をまとめます。

粘度グレード 質感・外観 主な用途
1〜10 cSt 水のようにサラサラ 化粧品、浸透剤、絶縁油
50〜100 cSt 軽いオイル状 スキンケア、潤滑剤
500〜1,000 cSt オイル状 消泡剤、離型剤、工業潤滑
10,000〜100,000 cSt 粘りのある液体 ダンパー、封止剤、電気絶縁
100万 cSt以上 ゲル・ガム状 特殊グリース、コーキング

シリコーンオイルの粘度は温度によってどのように変化するか

続いては、温度変化によるシリコーンオイルの粘度への影響を確認していきます。

粘度と温度の関係は、シリコーンオイルを使用する上で特に重要なポイントです。

温度上昇による粘度低下の特性

一般的に、液体は温度が上がると粘度が下がります。

シリコーンオイルも同様ですが、その変化の割合が他の油と比べて非常に小さいのが特徴です。

この特性を「粘度温度係数が小さい」と表現することがあります。

例えば鉱物油は温度が上がると粘度が大幅に低下しますが、シリコーンオイルは比較的粘度を維持するため、高温環境での安定した性能発揮が期待できます。

粘度指数(VI)とシリコーンオイルの優位性

温度による粘度変化の度合いを示す指標として「粘度指数(Viscosity Index / VI)」があります。

粘度指数が高いほど、温度が変化しても粘度が安定していることを意味します。

シリコーンオイルの粘度指数(VI)は100〜300以上に達するものもあり、鉱物油(VI:80〜120程度)と比較して格段に温度安定性が高いです。

これが、シリコーンオイルが幅広い温度範囲で使用される大きな理由のひとつです。

低温・高温域でのシリコーンオイルの挙動

シリコーンオイルは、-60℃〜200℃以上という広い温度域で液体状態を維持できるという優れた特性を持ちます。

低温では粘度が上昇しますが、他の油類ほど急激には固化しません。

高温では粘度が低下しますが、引火点が高く熱安定性にも優れているため、過酷な環境下でも安定して使用できます。

以下の表に、代表的なシリコーンオイル(100 cSt・25℃)の温度別粘度変化の目安を示します。

温度 動粘度の目安
-40℃ 約1,000〜2,000 cSt
0℃ 約200〜300 cSt
25℃ 100 cSt(基準)
100℃ 約30〜40 cSt
200℃ 約10〜20 cSt

(上記はジメチルシリコーンオイルの一般的な目安値です。実際の数値はメーカーや製品によって異なります。)

このように、温度が変化しても他の油類と比べて粘度の変化幅が小さいことが、シリコーンオイルの大きな強みといえるでしょう。

まとめ

本記事では、「シリコーンオイルの粘度は?温度による変化とcStや動粘度の意味も解説」というテーマで、シリコーンオイルの粘度に関する基礎知識を詳しく紹介しました。

シリコーンオイルの粘度は、1cStから数百万cStという広範囲にわたり、温度変化に対して安定した性能を発揮するのが最大の特徴です。

cSt(センチストークス)は動粘度の単位であり、シリコーンオイルのグレード選びや性能評価において欠かせない基本的な指標といえます。

また、粘度グレードによって質感・性状・用途が大きく異なるため、使用目的に応じた適切なグレード選定が重要です。

温度変化による粘度の安定性という観点でも、シリコーンオイルは他の油類と比較して優れた特性を持っており、幅広い産業・用途での活用が期待されています。

シリコーンオイルの導入や選定を検討されている方は、ぜひ本記事の内容を参考に、最適なグレードを見つけてみてください。