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水の動粘度は?m2/sやcStの数値と温度による変化・粘度との関係も解説

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水の動粘度について調べていると、「m²/sって何?」「cStとはどう違うの?」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

動粘度は流体力学や配管設計、機械工学など幅広い分野で活用される重要な物性値です。

特に水は最も身近な流体であり、その動粘度の数値や温度による変化を正しく理解することは、実務や学習において非常に役立ちます。

この記事では、水の動粘度はm²/sやcStでどのくらいの数値なのか、また温度との関係や粘度(動粘度・動力学的粘度)との違いについてわかりやすく解説していきます。

水の動粘度はm²/sで約1×10⁻⁶、cStで約1という数値が基準

それではまず、水の動粘度の具体的な数値について解説していきます。

水の動粘度は、温度20℃の条件下において約1.004×10⁻⁶ m²/s(SI単位系)、または約1.004 cSt(センチストークス)という数値として知られています。

この「約1 cSt」という数値は、動粘度の基準として非常によく参照される値です。

動粘度(kinematic viscosity)は、流体の粘りけが流体の密度に対してどの程度であるかを表す指標であり、流体の「流れやすさ」を評価するうえで欠かせない物性値といえるでしょう。

水の動粘度の基準値(20℃)

SI単位:約1.004×10⁻⁶ m²/s

cSt単位:約1.004 cSt

この数値は流体力学の計算や工業設計の場面で広く用いられています。

単位の関係を整理すると、1 cSt(センチストークス)=1×10⁻⁶ m²/sという変換関係が成立します。

つまり、cStとm²/sは10⁻⁶倍の関係にあるため、どちらの単位で表現されても数値の意味を正しく読み取ることが重要です。

また、動粘度の旧単位としてSt(ストークス)もあり、1 St=100 cSt=1×10⁻⁴ m²/sの関係になっています。

現在の工業・学術分野ではSI単位であるm²/sまたはcStが主に使われているため、これらの単位に慣れておくことが実用上のポイントです。

動粘度と粘度(粘性係数)の違いと関係式

続いては、動粘度と粘度(粘性係数・動力学的粘度)の違いと関係式を確認していきます。

「動粘度」と「粘度」は混同されやすい用語ですが、それぞれ異なる物性値です。

正確に理解するためには、両者の定義と関係式を把握しておく必要があるでしょう。

粘度(絶対粘度・動力学的粘度)とは

粘度とは、一般に絶対粘度(粘性係数)とも呼ばれ、流体がせん断力(ずり応力)に対してどのくらい抵抗するかを示す指標です。

SI単位はPa·s(パスカル秒)であり、旧単位はP(ポアズ)またはcP(センチポアズ)が使われることもあります。

水の粘度(絶対粘度)は20℃において約1.002×10⁻³ Pa·s(約1.002 cP)という数値です。

粘度は流体そのものの「粘り」を表すものであり、密度の影響を含まない指標として扱われています。

動粘度の定義と計算式

動粘度とは、絶対粘度を流体の密度で割った値として定義されます。

動粘度(ν)の計算式

ν(m²/s)= μ(Pa·s)÷ ρ(kg/m³)

ν:動粘度、μ:絶対粘度(粘性係数)、ρ:密度

水の場合、20℃における密度は約998 kg/m³、絶対粘度は約1.002×10⁻³ Pa·sであるため、動粘度は1.002×10⁻³ ÷ 998 ≒ 1.004×10⁻⁶ m²/sと計算されます。

つまり、動粘度は流体の「流れやすさ」を密度も含めて評価したものといえるでしょう。

配管内の流体挙動やレイノルズ数の計算では、絶対粘度よりも動粘度を使用するケースが多いのが特徴です。

粘度と動粘度の単位まとめ

以下に、粘度と動粘度の主な単位と変換関係を表にまとめました。

物性値 SI単位 CGS単位(旧単位) 変換関係
絶対粘度(粘性係数) Pa·s P(ポアズ)、cP(センチポアズ) 1 Pa·s = 10 P = 1000 cP
動粘度 m²/s St(ストークス)、cSt(センチストークス) 1 m²/s = 10⁴ St = 10⁶ cSt

この表を参考にすると、単位換算の際に混乱することなく数値を正しく扱えるでしょう。

実務では、動粘度の単位としてcSt(センチストークス)が非常によく使われているため、m²/sとの変換を身につけておくことが大切です。

水の動粘度は温度によってどのように変化するか

続いては、水の動粘度が温度によってどのように変化するかを確認していきます。

動粘度は温度に大きく依存する物性値であり、温度が上昇するほど水の動粘度は小さくなるという傾向があります。

これは、温度が上がると水分子の熱運動が活発になり、分子間の結合力が弱まるため、流体としての抵抗が小さくなることが原因です。

温度別の水の動粘度一覧

以下に、主要な温度における水の動粘度の数値をまとめた表を示します。

温度(℃) 動粘度(×10⁻⁶ m²/s) 動粘度(cSt)
0 1.787 1.787
10 1.307 1.307
20 1.004 1.004
30 0.801 0.801
40 0.658 0.658
60 0.474 0.474
80 0.365 0.365
100 0.295 0.295

この表からもわかるように、0℃の水の動粘度は約1.787 cStであるのに対し、100℃では約0.295 cStまで低下しています。

つまり、温度が0℃から100℃に上昇するにつれて、動粘度は約1/6にまで小さくなることがわかります。

気体との違い・温度依存性の方向性

興味深いのは、気体の粘度は温度が上がると大きくなるのに対して、液体(水を含む)の粘度・動粘度は温度が上がると小さくなるという点です。

この違いは、分子間力の影響が液体と気体では正反対の方向に働くためです。

気体では分子間力よりも分子運動量の移動が粘性を支配するのに対して、液体では分子間力(水素結合など)による抵抗が支配的であるため、温度上昇とともに抵抗が弱まり粘度が低下するのです。

実務における温度補正の重要性

配管設計や熱交換器の設計においては、流体の動粘度を使ってレイノルズ数や流量計算を行うことが一般的です。

このとき、使用する温度条件に合った動粘度の値を用いることが正確な計算の前提となります。

たとえば、冷水(5℃前後)と温水(60℃前後)では動粘度に約3倍の差があるため、同じ配管径でも流れの特性が大きく変わることを念頭に置いておくべきでしょう。

温度による動粘度の変化は実務計算において非常に重要です。

特に熱交換器・配管設計・流量計測では、使用温度での正確な動粘度数値を参照することが設計精度に直結します。

水の動粘度が使われる代表的な計算場面

続いては、水の動粘度が実際の計算でどのような場面に登場するかを確認していきます。

動粘度という物性値は、単独で使われるよりも他の物理量と組み合わせて使われることが多く、流体力学の各種無次元数の計算に欠かせません。

レイノルズ数(Re)の計算

最も代表的な使用場面として、レイノルズ数(Reynolds number)の計算があげられます。

レイノルズ数は、流体の流れが層流か乱流かを判定するための無次元数であり、配管設計において非常に重要な指標です。

レイノルズ数の計算式

Re = v × L ÷ ν

v:流速(m/s)、L:代表長さ(m)、ν:動粘度(m²/s)

Reが2300以下で層流、4000以上で乱流と判断されるのが一般的です。

この計算式では動粘度ν(m²/s)が分母に入るため、動粘度が小さいほどレイノルズ数が大きくなり、乱流になりやすいことがわかります。

温度が高い水は動粘度が小さいため、同じ流速でも低温の水より乱流になりやすいといえるでしょう。

プラントル数(Pr)と熱伝達計算

熱交換器の設計でよく使われるプラントル数(Prandtl number)にも、動粘度が関係しています。

プラントル数の計算式

Pr = ν ÷ α

ν:動粘度(m²/s)、α:熱拡散率(m²/s)

水のプラントル数は温度によって約1.7〜13程度の範囲で変化します。

プラントル数は流体の粘性と熱伝達の比を示す無次元数であり、熱境界層と速度境界層の比率を表します。

水は熱伝達特性が優れているため、冷却水や熱媒体として多くの工業プロセスで活用されています。

ストークスの法則と微粒子沈降

動粘度はストークスの法則にも登場し、液体中の微粒子の沈降速度計算にも使われます。

環境工学や化学工学の分野では、汚濁物質の沈降や粒子分離のプロセス設計において水の動粘度が基準値として用いられることがあります。

温度による動粘度の変化が沈降速度に影響するため、処理温度の管理も重要な設計要素といえるでしょう。

まとめ

この記事では、水の動粘度はm²/sやcStの数値と温度による変化・粘度との関係について詳しく解説しました。

水の動粘度は20℃において約1.004×10⁻⁶ m²/s(約1.004 cSt)が基準値であり、この数値は流体力学の計算や工業設計で広く参照されています。

動粘度と絶対粘度(粘性係数)は混同されやすいですが、動粘度は絶対粘度を密度で割ったものであり、両者の関係を正しく理解することが大切です。

また、水の動粘度は温度が上昇するにつれて小さくなる性質があり、0℃では約1.787 cSt、100℃では約0.295 cStまで低下します。

この温度依存性はレイノルズ数やプラントル数などの流体計算に直接影響するため、使用温度に合った動粘度の値を参照することが実務での正確な設計につながるでしょう。

水の動粘度に関する基本的な知識をしっかり身につけることで、流体に関わる計算や設計の精度をより高めることができます。