化学の授業や実験で必ず登場する「質量パーセント濃度」。
「なんとなく計算できるけど、意味をきちんと説明できない」という方も多いのではないでしょうか。
本記事では、質量パーセント濃度の意味・求め方・計算式・練習問題まで、ひとつひとつわかりやすく解説します。
基本をしっかり押さえることで、濃度に関するさまざまな問題にも自信を持って対応できるようになるでしょう。
質量パーセント濃度とは?溶質が溶液全体に占める割合を示す指標
それではまず、質量パーセント濃度の基本的な意味から解説していきます。
質量パーセント濃度とは、溶液全体の質量に対して溶質の質量が何パーセントを占めるかを表した濃度のことです。
溶液とは溶質(とかされているもの)と溶媒(とかすもの)が混ざり合ったものを指し、食塩水であれば食塩が溶質、水が溶媒にあたります。
日常生活でも料理や薬品の濃度表示などに広く使われている、身近な概念です。
質量パーセント濃度は「溶質の質量 ÷ 溶液の質量 × 100」で求められます。
溶液の質量は「溶質の質量 + 溶媒の質量」であることを忘れないようにしましょう。
たとえば、水90gに食塩10gを溶かした食塩水の質量パーセント濃度は10%になります。
溶質の質量を溶液全体の質量(溶質+溶媒)で割るという点が、計算ミスを防ぐ上で最も重要なポイントです。
溶質・溶媒・溶液の関係
質量パーセント濃度を正しく理解するには、まず溶質・溶媒・溶液の関係を把握しておくことが大切です。
| 用語 | 意味 | 食塩水での例 |
|---|---|---|
| 溶質 | 溶かされているもの | 食塩 |
| 溶媒 | 溶かすもの | 水 |
| 溶液 | 溶質+溶媒の混合物 | 食塩水 |
「溶液=溶質+溶媒」という関係式は、質量パーセント濃度の計算において非常に重要です。
溶液の質量を溶媒の質量と混同しないように意識しましょう。
質量パーセント濃度が使われる場面
質量パーセント濃度は、化学の実験や医薬品・食品の成分表示など、幅広い場面で使われています。
たとえば「エタノール消毒液70%」や「生理食塩水0.9%」などの表記はすべて質量パーセント濃度で表されたものです。
身近な製品の濃度表示を意識して見てみると、理解がより深まるでしょう。
他の濃度表現との違い
濃度の表し方には質量パーセント濃度のほかに、モル濃度・体積パーセント濃度・質量体積パーセント濃度などがあります。
質量パーセント濃度は質量のみを使って計算できるため、温度変化の影響を受けにくく扱いやすい点が特徴です。
それぞれの濃度の定義と使い分けを理解しておくと、化学全般の学習がスムーズになります。
質量パーセント濃度の計算式と求め方
続いては、質量パーセント濃度の計算式と具体的な求め方を確認していきます。
計算式そのものはシンプルですが、何を「溶質」「溶液」とするかを正確に把握することが正解への近道です。
【質量パーセント濃度の計算式】
質量パーセント濃度(%)= 溶質の質量(g)÷ 溶液の質量(g)× 100
溶液の質量(g)= 溶質の質量(g)+ 溶媒の質量(g)
この2つの式を組み合わせることで、ほとんどの質量パーセント濃度の問題に対応できます。
まず溶液の質量を求めてから濃度を計算するという手順を意識しましょう。
計算式の導き方
質量パーセント濃度の計算式は、「全体に対する部分の割合をパーセントで表す」という割合の基本から導くことができます。
溶質が「部分」、溶液が「全体」にあたり、これを100倍することでパーセント表記になります。
割合の考え方と紐づけて覚えると、忘れにくくなるでしょう。
溶質の質量を求める逆算
濃度と溶液の質量がわかっているときに溶質の質量を求める場合は、計算式を逆算します。
【溶質の質量を求める式】
溶質の質量(g)= 溶液の質量(g)× 質量パーセント濃度(%)÷ 100
例:200gの10%食塩水に含まれる食塩の質量
= 200 × 10 ÷ 100 = 20g
逆算のパターンも合わせて練習しておくことで、応用問題にも対応しやすくなります。
溶媒の質量から溶液の質量を求める注意点
問題文に「溶媒(水)の質量」が与えられている場合、そのままでは溶液の質量ではありません。
溶媒の質量に溶質の質量を足して溶液の質量を求める手順を忘れずに行うことが、正確な計算のポイントです。
この点が最も多い計算ミスの原因となるため、特に注意しましょう。
質量パーセント濃度の練習問題と解き方
続いては、質量パーセント濃度の練習問題を実際に解きながら確認していきます。
問題を解く際は、まず「溶質・溶媒・溶液の質量」を整理してから計算に入ることを心がけましょう。
基本問題①:食塩水の濃度を求める
【問題】水180gに食塩20gを溶かした食塩水の質量パーセント濃度を求めなさい。
【解き方】
溶質の質量:20g(食塩)
溶液の質量:180g+20g=200g
質量パーセント濃度:20 ÷ 200 × 100 = 10%
【答え】10%
溶液の質量を「水の質量+食塩の質量」で求めている点がポイントです。
基本問題②:溶質の質量を求める
【問題】15%の食塩水300gに含まれる食塩の質量を求めなさい。
【解き方】
溶質の質量:300 × 15 ÷ 100 = 45g
【答え】45g
濃度と溶液の質量から溶質を求める逆算パターンです。
公式を変形して使えるように練習しておきましょう。
応用問題:2つの溶液を混ぜたときの濃度
【問題】10%の食塩水200gと20%の食塩水300gを混ぜたときの質量パーセント濃度を求めなさい。
【解き方】
10%食塩水200gに含まれる食塩:200 × 10 ÷ 100 = 20g
20%食塩水300gに含まれる食塩:300 × 20 ÷ 100 = 60g
混合後の溶質の合計:20g+60g=80g
混合後の溶液の合計:200g+300g=500g
質量パーセント濃度:80 ÷ 500 × 100 = 16%
【答え】16%
混合問題では、それぞれの溶液から溶質の質量を個別に求めてから合計する手順が重要です。
この考え方を習得することで、より複雑な問題にも対応できるようになります。
まとめ
本記事では、質量パーセント濃度の意味・計算式・求め方・練習問題について解説しました。
質量パーセント濃度は「溶質の質量 ÷ 溶液の質量 × 100」という計算式で求められます。
溶液の質量は溶質と溶媒の合計であることを忘れずに、計算の手順を丁寧に踏むことが正確な答えへの近道です。
練習問題を繰り返し解くことで、どんなパターンの問題にも対応できる力が身につくでしょう。
ぜひ本記事を参考に、質量パーセント濃度をしっかりマスターしてみてください。