化学式等の物性

水酸化ナトリウム水溶液は何性か?アルカリ性の理由を解説!(pH・液性・強塩基・電離・水酸化物イオン・中性・酸性との違い・電離度・水溶液の性質)

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水酸化ナトリウム水溶液は強いアルカリ性を示す代表的な塩基性水溶液であり、学校の実験や試験で最もよく登場する化合物のひとつです。

なぜアルカリ性を示すのか・pHはどのくらいか・酸性や中性との違いは何かを正確に理解することは、酸と塩基の分野を攻略するうえで非常に重要です。

電離度・水酸化物イオン・強塩基としての性質など、関連する概念をセットで押さえておくことで、幅広い問題に対応できるようになるでしょう。

この記事では、水酸化ナトリウム水溶液がアルカリ性を示す理由と関連する基礎知識を、わかりやすく丁寧に解説していきます。

水酸化ナトリウム水溶液はアルカリ性!液性と基本的な性質

それではまず、水酸化ナトリウム水溶液の液性と基本的な性質について解説していきます。

水酸化ナトリウム(NaOH)を水に溶かすと、強いアルカリ性(塩基性)の水溶液が得られます。

アルカリ性とは、水溶液中に水酸化物イオン(OH⁻)が水素イオン(H⁺)よりも多く存在する状態のことです。

NaOHは水に溶けると完全に電離してNa⁺とOH⁻を生じるため、溶液中のOH⁻濃度が高くなりアルカリ性を示すのです。

液性は以下の3種類に分類されます。

酸性:H⁺濃度>OH⁻濃度、pH<7
中性:H⁺濃度=OH⁻濃度、pH=7
アルカリ性(塩基性):H⁺濃度<OH⁻濃度、pH>7
→ NaOH水溶液はアルカリ性(pH>7)

水酸化ナトリウム水溶液はpHが7より大きく、濃度が高くなるほどpHは高くなります。

pHは0〜14の範囲で表され、14に近いほど強いアルカリ性を示します。

リトマス試験紙・指示薬による確認

水酸化ナトリウム水溶液のアルカリ性は、各種指示薬によって確認できます。

指示薬・試験紙 酸性での色 中性での色 アルカリ性での色
リトマス試験紙(赤) 赤のまま 変化なし 青に変わる
リトマス試験紙(青) 赤に変わる 変化なし 青のまま
BTB溶液 黄色 緑色 青色
フェノールフタレイン 無色 無色 赤紫色

NaOH水溶液にフェノールフタレインを加えると赤紫色に変化することは、アルカリ性の確認として非常に重要な反応です。

水酸化ナトリウム水溶液がアルカリ性を示す理由・電離の仕組み

続いては、NaOH水溶液がアルカリ性を示す理由と電離の仕組みについて確認していきましょう。

電離反応の詳細

水酸化ナトリウムが水に溶けると、以下の電離反応が起こります。

NaOH → Na⁺ + OH⁻(水中で完全電離)

NaOHはイオン結晶であり、水に溶けるとNa⁺とOH⁻に完全に解離します。

生成したOH⁻(水酸化物イオン)が水溶液をアルカリ性にする原因です。

NaOHは1分子から1個のOH⁻を放出するため、一価の塩基として分類されます。

水酸化物イオン(OH⁻)の役割

アルカリ性の本質は水酸化物イオン(OH⁻)の濃度が水素イオン(H⁺)の濃度を上回ることにあります。

25℃の純水では[H⁺]=[OH⁻]=1×10⁻⁷ mol/Lであり、中性(pH=7)です。

NaOHを溶解するとOH⁻濃度が増加し、水のイオン積(Kw=[H⁺][OH⁻]=1×10⁻¹⁴)を保つために[H⁺]が減少するため、pHが7を超えます。

電離度と強塩基

電離度とは、溶解した電解質のうち電離した割合を示す指標です。

NaOHは水溶液中でほぼ100%電離するため、電離度≒1として扱います。

強塩基・弱塩基の電離度の違い
・強塩基(NaOH・KOH・Ba(OH)₂など):電離度≒1、ほぼ完全電離
・弱塩基(NH₃・Mg(OH)₂・Cu(OH)₂など):電離度<<1、部分的にしか電離しない
電離度が大きいほど同じ濃度でも多くのOH⁻が生成し、強いアルカリ性を示します。

水酸化ナトリウム水溶液のpHの計算方法

続いては、水酸化ナトリウム水溶液のpHの計算方法について確認していきましょう。

pHの定義と計算式

pHは水素イオン濃度[H⁺]を用いて以下のように定義されます。

pH=−log₁₀[H⁺]
また、pOH=−log₁₀[OH⁻]とすると
pH+pOH=14(25℃)

NaOH水溶液ではOH⁻濃度から計算する方が効率的です。

pOHを求めてからpH=14−pOHという関係式を使う手順が、計算問題での定石となります。

具体的な計算例

0.01 mol/LのNaOH水溶液のpHを求めてみましょう。

①NaOHは完全電離するので[OH⁻]=0.01 mol/L=1×10⁻² mol/L
②pOH=−log₁₀(1×10⁻²)=2
③pH=14−pOH=14−2=12

0.01 mol/LのNaOH水溶液のpHは12となります。

NaOHの濃度が10倍になるとpHは1増加し、1/10になるとpHは1減少するという関係を覚えておくと素早く計算できるでしょう。

濃度とpHの対応表

NaOH濃度(mol/L) [OH⁻](mol/L) pOH pH
1 1×10⁻¹(1) 0 14
0.1 1×10⁻¹ 1 13
0.01 1×10⁻² 2 12
0.001 1×10⁻³ 3 11

NaOH濃度が1桁下がるごとにpHが1ずつ下がる規則性を確認しておきましょう。

酸性・中性・アルカリ性の違い・NaOHと酸の比較

続いては、酸性・中性・アルカリ性の違いと、NaOHと代表的な酸の比較について確認していきましょう。

酸性・中性・アルカリ性の本質的な違い

酸性・中性・アルカリ性の違いは、水溶液中のH⁺とOH⁻の濃度バランスによって決まります。

酸性:[H⁺]>[OH⁻] 例:HCl・H₂SO₄・酢酸水溶液
中性:[H⁺]=[OH⁻] 例:純水・NaCl水溶液
アルカリ性:[H⁺]<[OH⁻] 例:NaOH・KOH・Na₂CO₃水溶液

注意すべき点は、中性の水溶液でもH⁺とOH⁻は存在していることです。

純水でも[H⁺]=[OH⁻]=1×10⁻⁷ mol/Lで等しく存在しており、どちらかが完全にゼロになるわけではありません。

NaOHと代表的な酸の液性比較

化合物 液性 強弱 pH(0.1 mol/L)の目安
NaOH アルカリ性 強塩基 約13
NH₃水 アルカリ性 弱塩基 約11
NaCl水 中性 約7
酢酸 酸性 弱酸 約3
HCl 酸性 強酸 約1

NaOH水溶液の中和反応

NaOH水溶液は酸と反応して中和が起こり、塩と水が生成します。

NaOH + HCl → NaCl + H₂O(塩酸との中和)
2NaOH + H₂SO₄ → Na₂SO₄ + 2H₂O(硫酸との中和)
NaOH + CH₃COOH → CH₃COONa + H₂O(酢酸との中和)

中和反応ではH⁺とOH⁻が1対1で反応してH₂Oが生成します。

NaOHは一価の塩基であるため、一価の酸(HCl)とは1対1のモル比で中和されるのです。

まとめ

この記事では、水酸化ナトリウム水溶液がアルカリ性を示す理由・電離の仕組み・pHの計算方法・酸性・中性との違いまで幅広く解説しました。

NaOHは水中で完全電離(NaOH→Na⁺+OH⁻)して強いアルカリ性を示す強塩基であり、電離度はほぼ1です。

pHの計算では[OH⁻]→pOH→pH=14−pOHという手順を使い、0.01 mol/LのNaOH水溶液ではpH=12となることを確認しておきましょう。

酸性・中性・アルカリ性の本質的な違い(H⁺とOH⁻の濃度バランス)・フェノールフタレインによる赤紫色への変色・中和反応の係数も含めて、NaOH水溶液の化学をしっかり理解しておくことが得点アップへの近道でしょう。