技術(非IT系)

圧力損失の単位は?換算・変換も(PaやkPaやmmH2OやmmAq等)読み方や一覧は?

当サイトでは記事内に広告を含みます

配管設計や空調・換気システムなどを扱う現場では、「圧力損失」という概念が頻繁に登場します。

しかし、圧力損失の単位はPa(パスカル)やkPa(キロパスカル)、mmH2O(ミリメートル水柱)、mmAq(ミリアクア)など複数の種類があり、「それぞれどう読むの?」「換算・変換はどうすればいい?」と疑問に感じる方も多いのではないでしょうか。

本記事では、圧力損失の単位は?換算・変換も(PaやkPaやmmH2OやmmAq等)読み方や一覧は?というテーマのもと、各単位の意味・読み方から換算方法まで、わかりやすく解説していきます。

現場での実務に役立てていただける内容ですので、ぜひ最後までご覧ください。

圧力損失の単位はPa・kPa・mmH2O・mmAqなどが主に使われる

それではまず、圧力損失の単位として代表的なものを確認していきましょう。

圧力損失とは、流体(空気・水・ガスなど)が配管やダクトの中を流れる際に生じる圧力の低下量のことを指します。

この圧力損失を表すために用いられる単位は1つではなく、業界や用途によっていくつかの単位が使い分けられています。

圧力損失の主な単位は、Pa(パスカル)・kPa(キロパスカル)・mmH2O(ミリメートル水柱)・mmAq(ミリアクア)・mmHg(ミリメートル水銀柱)・mbar(ミリバール)などです。

特に空調・換気・配管分野では、PaとmmH2O(mmAq)が頻繁に登場します。

Pa(パスカル)とは

Pa(パスカル)は、SI単位系(国際単位系)における圧力の基本単位です。

読み方は「パスカル」で、1Paは1N(ニュートン)の力が1㎡の面積に作用するときの圧力を表しています。

圧力損失の計算や、空調・換気システムの設計図面では最も標準的に使われる単位と言えるでしょう。

日常的には小さな圧力差を表す場面に向いており、たとえばダクトの圧力損失計算などで「〇〇Pa」と表記されることが一般的です。

kPa(キロパスカル)とは

kPa(キロパスカル)は、1kPa=1,000Paの関係にある単位です。

読み方は「キロパスカル」で、給水・給湯設備や流体の高圧力域を扱う場合に多く登場します。

Paよりも大きな圧力を扱う際に数値をシンプルに表現できるため、ポンプの揚程や配管の圧力設計などの分野で活用されています。

mmH2O・mmAq(ミリメートル水柱・ミリアクア)とは

mmH2O(ミリメートル水柱)とmmAq(ミリアクア)は、実質的に同じ単位です。

読み方はmmH2Oが「ミリメートル水柱」または「ミリエイチツーオー」、mmAqが「ミリアクア」と呼ばれます。

水柱1mmが示す圧力を基準にした単位で、空調・換気・送風機などの分野では昔から親しまれてきた単位です。

現在はSI単位系へ移行が進んでいますが、古い資料や現場ではまだmmH2O・mmAqの表記が見られることもあるでしょう。

圧力損失の単位の読み方一覧と意味まとめ

続いては、圧力損失に関係する各単位の読み方と意味を一覧で確認していきます。

単位の表記が異なっていても、実は同じ意味を持つものもあるため、しっかり整理しておくことが大切です。

以下の表に、圧力損失で使われる主な単位の読み方・意味・主な用途をまとめました。

単位記号 読み方 意味・特徴 主な用途
Pa パスカル SI基本単位。1N/㎡に相当 空調・換気・配管全般
kPa キロパスカル 1kPa=1,000Pa 給水・給湯・高圧配管
MPa メガパスカル 1MPa=1,000,000Pa 高圧配管・蒸気配管
mmH2O ミリメートル水柱 水柱1mmの圧力。mmAqと同義 換気・送風機・空調
mmAq ミリアクア mmH2Oと同じ単位 換気・送風機・空調
mmHg ミリメートル水銀柱 水銀柱1mmの圧力 医療・真空装置など
mbar ミリバール 1mbar=100Pa 気象・一部の産業機器
atm アトム(気圧) 標準大気圧=101,325Pa 化学・一般参照値

mmH2OとmmAqの違いはある?

mmH2OとmmAqはよく混同されますが、実質的には同じ単位です。

mmH2Oは「水柱ミリメートル」を英語表記したもの、mmAqは「Aqua(水)」のラテン語由来の略記で、どちらも水柱1mmが示す圧力を意味します。

古い図面や仕様書ではmmAqが使われている場合もありますが、換算比率は同一のため、混乱しないよう覚えておきましょう。

mbar(ミリバール)はどんな場面で使う?

mbar(ミリバール)は、1mbar=100Paの関係にある単位です。

気象分野では「ヘクトパスカル(hPa)」が標準となっており、1hPa=1mbarであることも覚えておくと便利でしょう。

産業用ガス機器や一部の計測機器では今もmbarが使われている場面があります。

mmHg(ミリメートル水銀柱)の特徴

mmHg(ミリメートル水銀柱)は、水銀柱1mmが示す圧力を基準にした単位です。

読み方は「ミリメートル水銀柱」または「ミリエイチジー」とも呼ばれます。

主に医療(血圧測定)や真空装置、化学分野で使われており、一般的な換気・空調の圧力損失ではあまり登場しません。

ただし、単位換算の知識として知っておくと、幅広い分野で対応できるでしょう。

圧力損失の単位換算・変換方法(Pa・kPa・mmH2O・mmAq等)

続いては、圧力損失の単位換算・変換の具体的な方法を確認していきます。

現場では異なる単位で表記された数値を比較したり、計算に統一したりする必要があるため、換算の知識は非常に重要です。

Pa・kPa・MPaの換算

まずはSI単位系内での換算から確認しましょう。

1 kPa = 1,000 Pa

1 MPa = 1,000,000 Pa = 1,000 kPa

例:5 kPa を Pa に変換すると → 5 × 1,000 = 5,000 Pa

例:500,000 Pa を MPa に変換すると → 500,000 ÷ 1,000,000 = 0.5 MPa

これらはあくまでも10の累乗(べき乗)の関係ですので、単位を上げる場合は割り算、下げる場合は掛け算で対応できます。

PaとmmH2O(mmAq)の換算

空調・換気の現場で最もよく求められる換算が、PaとmmH2O(mmAq)の変換です。

1 mmH2O(mmAq)≒ 9.80665 Pa(約9.81 Pa)

1 Pa ≒ 0.10197 mmH2O(mmAq)

例:100 mmH2O を Pa に変換すると → 100 × 9.80665 ≒ 980.7 Pa

例:500 Pa を mmH2O に変換すると → 500 × 0.10197 ≒ 51.0 mmH2O

実務では「1 mmH2O ≒ 9.81 Pa」と覚えておくと計算がしやすいでしょう。

逆に「1 Pa ≒ 0.102 mmH2O」と覚えておくと、Paからmmへの変換もスムーズです。

その他の単位換算一覧(mmHg・mbar・atm)

参考として、その他の単位との換算値も以下の表にまとめました。

変換元 変換先 換算値
1 mmHg Pa ≒ 133.322 Pa
1 mbar Pa = 100 Pa
1 atm Pa = 101,325 Pa
1 atm kPa ≒ 101.325 kPa
1 kPa mmH2O ≒ 101.97 mmH2O
1 mmH2O mmHg ≒ 0.07356 mmHg

これらの換算値は覚えるというよりも、必要なときに参照できる一覧として活用するのがおすすめです。

圧力損失の計算と単位の実務での使い方

続いては、圧力損失の計算式と、実際の現場での単位の使い方について確認していきます。

単位の知識は、実際の計算に活かしてこそ意味を持つものです。

圧力損失の基本的な計算式

圧力損失の計算には、流体の種類・流速・管径・管長・摩擦係数などが関係します。

代表的なダルシー・ワイスバッハの式を以下に示します。

ΔP = λ × (L / D) × (ρ × v² / 2)

ΔP:圧力損失(Pa)

λ:摩擦係数(無次元)

L:管長(m)

D:管の内径(m)

ρ:流体の密度(kg/m³)

v:流速(m/s)

この計算式から得られる結果の単位はPa(パスカル)となるため、計算後に必要に応じてkPaやmmH2Oに換算して使用します。

空調・換気での圧力損失単位の使い分け

空調・換気の分野では、ダクトや送風機の設計で圧力損失の管理が求められます。

送風機の能力を示すカタログではPaまたはmmH2Oが記載されていることが多く、設計図面ではPa、現場資料では古くからのmmH2Oが混在するケースもあります。

どちらの単位で記載されていても正確に換算できるよう、前章の換算値を押さえておくことが重要でしょう。

空調・換気システムでは、ダクトの圧力損失を抑えることがエネルギー効率の向上につながります。

単位の換算を正確に行い、設計段階から適切な圧力損失の管理を心がけることが大切です。

給水・給湯・配管での単位の使い方

給水・給湯設備の配管では、圧力損失の単位としてkPaが多く用いられます。

ポンプの揚程(揚程水頭)はm(メートル水頭)で表されることもあり、1m水頭 ≒ 9.81 kPaの関係で換算できます。

1 m水頭 ≒ 9,810 Pa ≒ 9.81 kPa

例:ポンプ揚程10mは、圧力換算すると約98.1 kPa(≒0.0981 MPa)に相当

給水設備の設計では、水圧の最低・最高保証値もkPaで管理されることが多いため、kPaとm水頭の換算をセットで覚えておくと便利です。

まとめ

今回は、圧力損失の単位はPa(パスカル)・kPa(キロパスカル)・mmH2O(ミリメートル水柱)・mmAq(ミリアクア)などが代表的であること、その読み方・意味・換算方法について解説しました。

単位が多くて複雑に感じるかもしれませんが、最低限「1 mmH2O ≒ 9.81 Pa」「1 kPa = 1,000 Pa」の2つの換算比率を押さえておけば、現場での多くの場面に対応できるでしょう。

mmH2OとmmAqは同じ単位であること、古い図面では異なる表記が混在することも頭に入れておくと、現場での混乱を防ぎやすくなります。

空調・換気・配管設計などの実務で圧力損失の計算や単位換算が必要になった際には、ぜひ本記事の一覧表や換算値を参考にしてみてください。

正確な単位換算と適切な圧力損失管理が、より良い設備設計・運用につながるはずです。