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カーボンナノチューブの作り方は?製造方法と合成技術を解説!(CVD法・アーク放電法・レーザー蒸発法・触媒技術)

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カーボンナノチューブの実用化において、高品質な材料を効率よく製造することは最重要課題のひとつです。

「どうやってCNTを作るの?」「CVD法ってどういう方法?」という疑問に答えるべく、本記事ではCNTの主要な製造方法とそれぞれの特徴・用途を詳しく解説していきます。

カーボンナノチューブの製造方法は「CVD法・アーク放電法・レーザー蒸発法」の3つが主流

それではまず、CNT製造の主要な3つの手法の概要を解説していきます。

CNT主要製造法の比較:①CVD法(化学気相成長法):低コスト・大量生産向き・品質制御しやすい→現在の主流②アーク放電法:高品質MWCNT生成・エネルギー消費大・収率低め→研究用途多い③レーザー蒸発法:高品質SWCNT生成・コスト高・量産困難→高品質SWCNT製造に使用

CVD法(化学気相成長法)の詳細

CVD法(Chemical Vapor Deposition)は現在最も広く使われているCNT製造方法です。

触媒金属(鉄・コバルト・ニッケルなど)を基板またはナノ粒子として用意し、炭化水素ガス(メタン・エチレン・アセチレンなど)を高温(500〜1100℃)で分解してCNTを成長させます。

基板上での垂直配向CNT(バーティカルアレイ)の合成・フロート触媒CVDによる連続的な大量製造など、様々なバリエーションがあります。

日本ではAGCや産業技術総合研究所などが大量合成技術の開発をリードしています。

アーク放電法

アーク放電法は、ヘリウムガス雰囲気中で2本のグラファイト電極間に高電流アークを発生させてCNTを生成する方法です。

飯島澄男がCNTを発見した際もアーク放電法で生成されたサンプルが使われました。

電極に触媒金属を混合することでSWCNTも合成できます。

高結晶性で欠陥の少ないMWCNTが得られますが、消費電力が大きく大量生産には向きません。

レーザー蒸発法

レーザー蒸発法(レーザーアブレーション法)は、高出力パルスレーザーを触媒金属入りグラファイトターゲットに照射し、蒸発した炭素・触媒から高品質なSWCNTを生成する方法です。

欠陥が少なく均一な直径分布を持つSWCNTが得られますが、高コスト・低生産量のため研究用・特殊用途向けが中心です。

触媒設計の重要性

CVD法での触媒の設計はCNTの直径・カイラリティ・品質を左右する非常に重要な要素です。

触媒ナノ粒子のサイズがCNTの直径にほぼ対応するため、粒子サイズを精密に制御することで目的の直径のCNTを選択的に合成できます。

特定のカイラリティのみを選択的に合成するキラル選択的CVDの研究が活発であり、半導体型SWCNTの選択合成に向けた進展が報告されています。

まとめ

本記事では、カーボンナノチューブの主要製造方法(CVD法・アーク放電法・レーザー蒸発法)とそれぞれの特徴・触媒設計の重要性を解説してきました。

CVD法が現在の主流であり、大量生産・コスト削減・カイラリティ制御の向上に向けた研究が世界中で続いています。

製造技術のブレークスルーがCNTの広範な実用化を大きく前進させるでしょう。