ネットワーク管理・セキュリティ調査・トラフィック分析などの場面で、特定のIPアドレスやAS番号の情報を素早く調べる能力は非常に実用的なスキルです。
AS番号の検索にはWHOISをはじめとするさまざまなツールと手順があり、目的に応じた適切な方法を選ぶことで効率的に情報を取得できます。
本記事ではAS番号の具体的な検索方法・ツール・確認手順について詳しく解説していきます。
AS番号の検索方法:基本的な手順の結論
それではまず、AS番号を調べるための基本的な手順と主要な検索方法について解説していきます。
AS番号を検索するアプローチには大きく3つがあります。
第1に「AS番号から組織・プレフィックス情報を調べる」方法、第2に「IPアドレスからそのIPが属するAS番号を調べる方法」、第3に「組織名・ドメインからAS番号を調べる方法」です。
| 調べたい情報 | 検索方法 | 代表的なツール |
|---|---|---|
| AS番号 → 組織・プレフィックス | WHOIS / BGPツール | APNIC WHOIS・bgp.he.net |
| IPアドレス → AS番号 | WHOIS / IP検索 | APNIC WHOIS・ipinfo.io |
| 組織名 → AS番号 | RIRデータベース検索 | RIPE NCC・ARIN検索 |
| BGP経路情報の確認 | BGP Looking Glass | bgp.he.net・Route Views |
WHOISコマンドによる基本的な検索
最も基本的なAS番号の検索方法がWHOISコマンドです。
LinuxやmacOSのターミナルで「whois AS2497」のように入力することで、AS2497(IIJ:インターネットイニシアティブジャパン)の登録情報を確認できます。
WHOISコマンドの基本的な使い方
AS番号を検索する場合:whois AS番号(例:whois AS2497)
IPアドレスからAS番号を調べる場合:whois IPアドレス(例:whois 210.130.0.1)
特定のRIRデータベースを指定する場合:whois -h whois.apnic.net AS番号
WHOISの結果には組織名・住所・連絡先・管理するIPプレフィックス・関連するAS番号などが含まれており、ネットワーク管理やセキュリティ調査に欠かせない基本情報を素早く取得できます。
Windowsでのwhoisコマンドの使い方
WindowsではデフォルトではWHOISコマンドが利用できませんが、MicrosoftのSysinternalsツールセットにwhoilsユーティリティが含まれており、ダウンロードして使用できます。
またWindows Subsystem for Linux(WSL)を使用することで、LinuxのWHOISコマンドをWindows環境からも利用できます。
PowerShellからはInvoke-WebRequestを使ってRIRのAPI経由でWHOIS情報を取得することも可能でしょう。
Webツールを使ったAS番号検索の方法
続いては、コマンドラインを使わずにWebブラウザから手軽にAS番号を検索する方法を確認していきます。
Hurricane Electric BGP Toolkitの活用
AS番号の詳細情報を調べる際に特に有用なツールが、Hurricane Electric(HE)が提供するBGP Toolkit(bgp.he.net)です。
AS番号を入力すると、そのASが管理するIPv4・IPv6プレフィックス一覧・BGPピア関係・経路数・地域情報などを視覚的にわかりやすく確認できます。
無料で使えるWebツールでありながら非常に詳細なBGP情報を提供しており、ネットワークエンジニアに広く活用されています。
ipinfo.ioによるIPアドレスからの検索
特定のIPアドレスがどのASに属しているかを素早く確認するツールとしてipinfo.ioが便利です。
ブラウザで「ipinfo.io/IPアドレス」にアクセスするか、APIを使って検索することで、IPアドレスのAS番号・組織名・地理情報・ホスト名などを即座に確認できます。
開発者向けにAPIも提供されており、プログラムから自動的にAS番号を取得するシステムの構築にも活用できます。
RIRの公式Webポータルでの検索
アジア太平洋地域のAS番号はAPNICのWebポータル(search.apnic.net)で、欧州・中東はRIPE NCCのデータベース(apps.db.ripe.net)で詳細検索ができます。
これらの公式ポータルでは組織名による検索も可能であり、特定の企業・ISPが保有するAS番号を組織名から調べる際に特に有用です。
AS番号検索の実用的な活用場面
続いては、AS番号検索が実際に役立つ具体的な場面を確認していきます。
セキュリティ調査でのAS番号活用
不審なIPアドレスからのアクセスがあった際、そのIPアドレスのAS番号と組織情報を確認することで、アクセス元の組織・国・ISPを特定できます。
特定のASからのトラフィックをブロックするACL(アクセスコントロールリスト)の設定や、インシデント対応のための証拠収集にAS番号情報は非常に実用的です。
ネットワーク障害時のトラブルシューティング
ネットワーク障害時に特定のIPアドレス範囲への到達性が失われた場合、そのIPが属するASを確認することで障害のスコープと影響範囲を素早く把握できます。
BGP Looking Glassツールを使って問題のASへの経路が正常にアナウンスされているかを確認することで、BGPの問題なのか自社ネットワークの問題なのかを切り分けることができるでしょう。
| 活用場面 | 調べる情報 | 適したツール |
|---|---|---|
| セキュリティ調査 | 不審IPのAS・組織情報 | ipinfo.io・WHOIS |
| 障害調査 | ASへの到達経路・BGP状態 | bgp.he.net・Route Views |
| ネットワーク設計 | AS間ピア関係・プレフィックス | bgp.he.net・CAIDA |
| コンプライアンス調査 | 組織・国の確認 | WHOIS・RIRポータル |
まとめ
本記事では、AS番号の検索方法・代表的なツール・具体的な活用場面について解説しました。
AS番号の検索にはWHOISコマンド・bgp.he.net・ipinfo.io・RIRの公式Webポータルなどさまざまなツールがあり、目的に応じた使い分けが効率的な情報収集の鍵となります。
セキュリティ調査・ネットワーク障害対応・ルーティング設計など多様な場面で活用できるAS番号検索のスキルを身につけることで、ネットワーク管理とトラブルシューティングの実践的な能力が大きく向上します。
紹介したツールを実際に使って検索練習を積み、業務に役立てていきましょう。