文書作成やプログラミングで「ダブルクォーテーション(”)」と「シングルクォーテーション(’)」のどちらを使えばよいか迷う場面は少なくありません。
二つの記号は似ているように見えますが、英語の文章表現・プログラミング・HTMLなど様々な文脈でそれぞれ異なる役割と使い分けのルールが存在します。
本記事では、ダブルクォーテーションとシングルクォーテーションの基本的な違い・英語文法での使い分け・プログラミングでの使い分け・日本語文書での扱いについて詳しく解説していきます。
ダブルクォーテーションとシングルクォーテーションの基本的な違い
それではまず、ダブルクォーテーションとシングルクォーテーションの基本的な違いについて解説していきます。
ダブルクォーテーション(”)は二重引用符、シングルクォーテーション(’)は一重引用符とも呼ばれ、それぞれ異なる用途と優先度を持つ引用符記号です。
記号の形状と文字コード
ダブルクォーテーション:” (半角・ASCII 0x22)、” “(カーリー:Unicode U+201C/U+201D)
シングルクォーテーション:’ (半角・ASCII 0x27)、’ ‘(カーリー:Unicode U+2018/U+2019)
アポストロフィー:’(ASCII 0x27)→ シングルクォーテーションと同じ文字コードを共有する
シングルクォーテーションとアポストロフィー(例:don’t・it’s の「’」)は同じ文字コード(U+0027)を共有しており、コンテキストによって異なる意味を持ちます。
英語文法での基本的な使い分けルール
英語(アメリカ式)の文章では、ダブルクォーテーションとシングルクォーテーションに明確な優先順位があります。
通常の引用・直接話法にはダブルクォーテーションを使い、ダブルクォーテーションの内側でさらに引用が必要な場合(引用の中の引用)にシングルクォーテーションを使うのが標準ルールです。
例:She said, “I heard him say ‘Let’s go’ and left immediately.”
外側の引用(She said)にダブルクォーテーション、内側の引用(Let’s go)にシングルクォーテーションを使用。
イギリス式英語では逆の優先順位(通常引用にシングル、内側の引用にダブル)を使うケースが多く、アメリカ式とイギリス式で使い分けが異なる点に注意が必要です。
アポストロフィーとシングルクォーテーションの違い
シングルクォーテーション(’)とアポストロフィー(’)は見た目が同じですが、用途が大きく異なります。
アポストロフィーは短縮形(don’t・can’t・it’s)や所有格(John’s book)を示すために使われ、引用の目的では使いません。
プロフェッショナルなタイポグラフィでは、引用に使う閉じシングルクォーテーション(’)と数字の右肩に付くアポストロフィー(’)をUnicodeレベルで区別する場合があります。
プログラミングでのダブルクォーテーションとシングルクォーテーションの使い分け
続いては、プログラミングにおけるダブルクォーテーションとシングルクォーテーションの使い分けを確認していきます。
プログラミング言語によって使い分けのルールが異なるため、各言語の規約を正確に把握することが重要です。
言語別の使い分けルール
| 言語 | ダブル(”) | シングル(’) | 備考 |
|---|---|---|---|
| Python | 文字列(どちらでも可) | 文字列(どちらでも可) | 三重引用符(”’・”””)も使用可 |
| JavaScript | 文字列 | 文字列 | テンプレートリテラル(`)も使用可 |
| Java | String型文字列 | char型の1文字 | 明確に区別されている |
| C# | string型文字列 | char型の1文字 | Javaと同様の区別 |
| HTML | 属性値の標準 | 代替として使用可 | ダブルが推奨される |
| CSS | 文字列値 | 文字列値 | 混在は避けるのが推奨 |
JavaやC#では文字列(String)にはダブルクォーテーション、1文字(char)にはシングルクォーテーションという明確な区別があり、混用するとコンパイルエラーが発生するため注意が必要です。
HTML・CSS・JavaScriptの組み合わせでの使い分け
WebフロントエンドではHTML・CSS・JavaScriptの三つを組み合わせて使うため、引用符の使い分けが重要になります。
HTMLの属性値にはダブルクォーテーションを使い(例:class=”container”)、HTML属性のonclick・onerror内のJavaScript文字列にはシングルクォーテーションを使うことで競合を防ぐのが一般的なベストプラクティスです。
どちらを使うかの判断基準
ダブルとシングルのどちらを使うかを迷った場合の基本的な判断基準は「文字列の内部にどちらの引用符が含まれるか」です。
文字列内にシングルクォーテーションを含む場合はダブルクォーテーションで囲み、ダブルクォーテーションを含む場合はシングルクォーテーションで囲むことでエスケープを最小化できます。
日本語文書でのダブルとシングルの使い分け
続いては、日本語文書でのダブルクォーテーションとシングルクォーテーションの使い分けを確認していきます。
日本語文書では英語とは異なる引用符体系が使われているため、使い分けの基準も異なります。
日本語での引用符体系
日本語文書では以下の引用符体系が標準的に使われています。
「」(かぎかっこ):一般的な引用・強調・特定の言葉の提示
『』(二重かぎかっこ):作品名・書名・かぎかっこの中の引用
“ ”(ダブルクォーテーション):英語の直接引用・IT用途
‘ ’(シングルクォーテーション):日本語文書ではほとんど使われない
日本語文書でシングルクォーテーションを使う場面は非常に限られており、プログラミングのコード例を除いて日本語文中にシングルクォーテーションが使われることはまれです。
技術文書での使い分け
技術文書・ITマニュアル・プログラミング解説記事では、コード内の記号を文章中で説明する際にダブルクォーテーションとシングルクォーテーションそれぞれの使われ方を正確に示す必要があります。
インラインコード(`code`)を使ってコード内の文字列を示す方法も広く使われており、どちらの引用符も視覚的に明確に区別して表示できます。
まとめ
本記事では、ダブルクォーテーションとシングルクォーテーションの基本的な違い・英語文法での使い分け・プログラミングでの使い分け・日本語文書での扱いについて解説してきました。
英語ではダブルが通常引用、シングルが引用の中の引用として使われ、プログラミングでは言語によって使い分けルールが大きく異なります。
使用する文脈(英語文書・日本語文書・プログラミング言語の種類)を常に意識し、それぞれのルールに従って適切に使い分けることが、読みやすい文書と正しく動くコードを書くための基本的なスキルとなります。
本記事を参考に、ダブルとシングルクォーテーションの正確な使い分けを実践してみてください。