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良品率とは?意味や計算方法をわかりやすく解説!(品質管理:製造業:不良率との違い:KPI:歩留まり率など)

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製造業や品質管理の現場では、製品の品質水準を数値で把握するために様々な指標が使われています。

その中でも「良品率」は最も基本的かつ重要な品質管理指標のひとつです。

「良品率ってどう計算するの?」「不良率や歩留まり率とどう違うの?」と疑問に感じている方のために、本記事では良品率の意味・計算方法・不良率との違い・改善方法まで詳しく解説していきます。

良品率とは生産した製品のうち規格を満たした製品の割合を示す品質指標である

それではまず、良品率の基本的な定義と意味について解説していきます。

良品率とは、ある生産ロットや生産期間において、検査・評価の結果として規格・品質基準を満たしていると判断された製品(良品)の割合のことです。

英語では「Good Product Rate」や「First Pass Yield(FPY)」と表現されることもあります。

良品率は製造ラインの品質レベル・工程能力・設備状態を反映した指標であり、品質管理においてKPI(重要業績評価指標)として広く活用されています。

良品率は高いほど品質が良好であることを示します。

一般的に良品率99.9%以上を目指す工場も多く、自動車部品や半導体などの精密製品分野では99.99%以上(4シグマ以上)の高品質基準が求められることもあります。

良品率の計算式と求め方

続いては、良品率の具体的な計算式と求め方を確認していきます。

良品率の基本計算式

良品率(%)=(良品数 ÷ 生産総数)× 100

例:1000個生産して980個が良品だった場合

良品率 = (980 ÷ 1000)× 100 = 98.0%

計算式は非常にシンプルですが、「良品数」と「生産総数」の定義を現場で統一しておくことが重要です。

再検査や手直しで良品になった製品を含めるかどうかによって良品率の値が変わるため、測定基準の明確化が欠かせません。

ファーストパスイールド(FPY)とは

「ファーストパスイールド(First Pass Yield)」は、手直しや再加工なしに最初の検査で合格した製品の割合を示します。

通常の良品率が手直し後の最終良品率を示すのに対して、FPYは工程の本来の能力を測る指標として品質管理上より重視される場合があります。

FPY(%)=(一次検査での合格数 ÷ 投入数)× 100

例:1000個投入して一次検査で950個合格した場合

FPY = (950 ÷ 1000)× 100 = 95.0%

多工程における良品率の計算

複数の工程を経て製品が完成する場合、全体の良品率は各工程の良品率の積として計算されます。

全体良品率 = 工程1の良品率 × 工程2の良品率 × 工程3の良品率 × …

例:工程1が98%、工程2が99%、工程3が97%の場合

全体良品率 = 0.98 × 0.99 × 0.97 ≒ 0.941 = 94.1%

各工程の良品率が少し低くても、工程数が増えるにつれて全体良品率は大幅に低下することがわかります。

個々の工程の品質改善が全体の良品率向上に直結する理由がここにあります。

良品率と不良率・歩留まり率の違い

続いては、良品率と関連する用語である不良率・歩留まり率との違いを確認していきます。

良品率と不良率の関係

良品率と不良率は表裏一体の関係にあります。

不良率(%)= 100 − 良品率(%)

または

不良率(%)=(不良品数 ÷ 生産総数)× 100

良品率が98%であれば、不良率は2%です。

不良率はPPM(Parts Per Million:百万分の一)で表現されることもあります。

良品率と歩留まり率の違い

良品率と歩留まり率(Yield Rate)は混同されることがありますが、厳密には異なる概念です。

指標 定義 主な用途
良品率 生産総数に対する良品の割合 品質管理・不良分析
歩留まり率 投入材料に対して有効活用できた割合 材料効率・コスト管理
不良率 生産総数に対する不良品の割合 品質改善・ロス分析

歩留まり率は素材・材料の無駄なく利用できた割合を示すのに対し、良品率は製品の品質合格率を示す点で意味合いが異なります。

日常的な会話では両者が混用されることも多いですが、品質管理の専門領域では区別して使うことが重要です。

良品率の向上・改善方法

続いては、良品率を向上させるための具体的な改善手法を確認していきます。

不良の原因分析(4M分析)

良品率向上の第一歩は、不良品が発生する原因を正確に特定することです。

品質管理で広く使われる4M分析(Man:人、Machine:設備、Material:材料、Method:方法)は、不良原因を体系的に洗い出すためのフレームワークです。

特性要因図(フィッシュボーン図)と組み合わせることで、根本原因の特定がより効率的に行えます。

統計的プロセス制御(SPC)の活用

統計的プロセス制御(SPC:Statistical Process Control)は、製造プロセスの変動をリアルタイムで監視し、異常の早期検知と予防に役立てる手法です。

管理図(X-R管理図など)を活用することで、不良品が大量に発生する前に工程の異常を検知・対処できます。

Six Sigma(シックスシグマ)によるアプローチ

Six Sigmaは、統計的手法を用いて製造プロセスのばらつきを極限まで低減し、不良率を百万分の3.4以下(良品率99.99966%以上)にすることを目標とした品質改善手法です。

DMAIC(Define・Measure・Analyze・Improve・Control)のサイクルで継続的な改善を進めます。

予防保全(PM)による設備管理

設備の定期的なメンテナンスと予防保全(Preventive Maintenance)によって、設備起因の不良を未然に防ぐことが良品率向上に直結します。

TPM(Total Productive Maintenance:全員参加の生産保全)活動の推進も、製造業における良品率向上の定番アプローチです。

まとめ

本記事では、良品率の意味・計算方法・不良率との違い・改善方法について解説しました。

良品率は生産した製品のうち品質基準を満たした製品の割合を示す重要な品質管理指標です。

良品率(%)=(良品数÷生産総数)×100という基本計算式を押さえたうえで、FPYや多工程での計算方法も理解しておくことが重要です。

不良率との関係・歩留まり率との違いを正確に把握し、4M分析やSPCなどのQC手法を活用して継続的な品質改善を推進することが、製造業における競争力向上の基盤となります。