粗利率はビジネスの収益性を評価するうえで欠かせない基本指標です。
「粗利率をエクセルで計算したい」「計算式はわかったけど実務での使い方が知りたい」という方も多いのではないでしょうか。
この記事では、粗利率の計算方法・計算式・求め方をエクセルでの出し方、目安・改善方法まで含めて詳しく解説します。
前の記事で基本を学んだ方も、より実践的な活用方法を確認していきましょう。
粗利率の基本と計算式をおさらい
それではまず、粗利率の基本と計算式をおさらいしていきます。
粗利率の計算式(おさらい)
粗利率(%)=(売上高 − 売上原価)÷ 売上高 × 100
または
粗利率(%)= 粗利益 ÷ 売上高 × 100
粗利率は「売上の何%が粗利(総利益)として残るか」を示す指標であり、事業の基本的な収益構造を把握するために使います。
粗利率が高いほど原価比率が低く、より効率よく利益を生み出している状態といえます。
粗利率の計算例(複数商品)
複数の商品を扱っている場合の粗利率計算も確認しましょう。
| 商品名 | 売上高 | 売上原価 | 粗利益 | 粗利率 |
|---|---|---|---|---|
| 商品A | 200万円 | 120万円 | 80万円 | 40% |
| 商品B | 300万円 | 210万円 | 90万円 | 30% |
| 商品C | 100万円 | 40万円 | 60万円 | 60% |
| 合計 | 600万円 | 370万円 | 230万円 | 38.3% |
合計の粗利率は各商品の粗利率の単純平均ではなく、合計粗利益÷合計売上高で計算することが正確な求め方です。
原価率との関係と使い分け
粗利率と原価率は合計が100%になる補完的な関係にあります。
「原価率を下げること=粗利率を上げること」であるため、コスト管理の指標として原価率を使い、収益性の評価指標として粗利率を使うという使い分けが実務では一般的でしょう。
エクセルで粗利率を計算する方法
続いては、エクセルを使って粗利率を効率よく計算する方法を確認していきます。
基本的なエクセル数式
A1:売上高、B1:売上原価が入力されている場合
粗利益:=A1−B1
粗利率(%):=(A1−B1)/A1*100
または書式をパーセンテージに設定して:=(A1−B1)/A1
小数第1位まで表示:=ROUND((A1−B1)/A1*100,1)
エクセルでは「粗利率」の列を追加して数式をオートフィルでコピーするだけで、大量の商品データを一括計算できます。
グラフで粗利率を可視化する方法
エクセルでは計算した粗利率を折れ線グラフや棒グラフで可視化することで、月次推移や商品別比較がわかりやすくなります。
縦棒グラフで売上高と粗利益を並べ、折れ線グラフで粗利率の推移を重ねる「複合グラフ」が実務でよく使われる表現方法です。
グラフを使うことで、会議資料や経営レポートの説得力が大幅にアップするでしょう。
条件付き書式で粗利率を色分けする方法
エクセルの条件付き書式を使えば、粗利率の高低を自動的に色分けして表示することができます。
たとえば「粗利率50%以上は緑・30〜50%は黄・30%未満は赤」というルールを設定することで、一覧表の中から低収益商品を素早く発見できます。
粗利率の改善方法と実践的な戦略
続いては、粗利率の具体的な改善方法と実践的な戦略を確認していきます。
値上げによる粗利率改善
最も直接的な粗利率改善方法は販売価格の引き上げです。
値上げの際は価値の訴求(品質向上・ブランディング・顧客体験の改善)を同時に行うことで、顧客離れを最小限に抑えることができます。
競合他社の価格動向を調査したうえで、適切な値上げ幅を設定することが重要でしょう。
仕入れコスト削減による粗利率改善
仕入れ価格・製造原価の削減も粗利率を高める有効な手段です。
仕入れ先の見直し・大量仕入れによる単価交渉・内製化(外注から自社製造への切り替え)などのアプローチが考えられます。
ただし、コスト削減によって品質が低下すると顧客満足度・ブランド価値が下がるリスクがあるため、品質維持とのバランスが重要です。
高粗利商品へのシフト
商品ラインナップを見直し、粗利率の高い商品・サービスの販売比率を高めることも有効な戦略です。
商品別の粗利率を定期的に分析し、低粗利商品の取り扱いを減らして高粗利商品にリソースを集中させることで、全体の粗利率改善が期待できます。
まとめ
この記事では、粗利率の計算方法・エクセルでの出し方・目安・改善方法について解説しました。
粗利率は「(売上高−売上原価)÷売上高×100」で計算でき、エクセルではシンプルな数式で一括計算が可能です。
業種別の目安と比較しながら自社の粗利率の水準を正確に把握することが第一歩となります。
粗利率改善には値上げ・原価削減・高粗利商品へのシフトの3アプローチが基本です。
粗利率の計算と分析を習慣化することで、事業の収益性向上につなげていきましょう。