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ラダー図の読み方は?回路図の見方と解釈方法も!(接点の動作:信号の流れ:論理演算:条件分岐:実行順序など)

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ラダー図を初めて見たとき、「どこから読み始めればよいのか」「記号が何を意味しているのか」「どのような論理で動くのか」がわからなくて戸惑う方も多いでしょう。

ラダー図の読み方には一定のルールがあり、そのルールを理解すれば複雑に見える回路でも系統的に解読できるようになります。

基本となるのは「左から右へ信号の流れを追う」「上から下へ実行順序を把握する」「接点の状態とコイルの動作の関係を論理で理解する」という3つの視点です。

この記事ではラダー図の読み方について、信号の流れの基本から接点の動作解釈・AND/OR論理の読み取り・条件分岐・実行順序・実務でよく使われる回路パターンの読み方まで、体系的にわかりやすく解説していきます。

ラダー図の読み方を根本から理解したい方はぜひ最後までお読みください。

ラダー図の読み方の基本は「左から右へ信号の流れを追い、上から下へ実行順序を確認すること」である!

それではまず、ラダー図を読むための最も根本的なルールと視点について解説していきます。

ラダー図を読む前に理解すべき基礎知識

ラダー図を正確に読み解くためには、まず以下の基礎的な概念を明確に理解しておくことが必要です。

第一に「ラング(Rung)」の概念です。

ラダー図は複数の「ラング」から構成されており、各ラングは左母線から右母線まで伸びる横方向の1行の回路を表しています。

ラングは独立した1つの制御単位であり、「この条件が成立したらこの出力がONになる」という1つのロジックを表現しています。

第二に「デバイス(アドレス)」の概念です。

各接点やコイルには「X000」「Y000」「M000」などのデバイスアドレスが割り当てられており、PLCの内部メモリ上のビットデータに対応しています。

第三に「スキャンサイクル」の概念です。

PLCはラダー図を第1ラングから最終ラングまで上から順番に繰り返し実行(スキャン)しており、この実行の繰り返しによってリアルタイムの制御が実現されています。

信号の流れ(左母線から右母線へ)の基本的な読み方

ラダー図を読む際の最も重要な原則が「左から右への信号(電流)の流れを追う」ことです。

ラダー図では左母線から「エネルギーフロー(信号の流れ)」が発生し、各接点を通過できるかどうかによって右端のコイルに信号が届くかが決まります。

信号の流れを追う基本的な読み方手順

ステップ1:最も左の接点(左母線の隣)の状態を確認する

 A接点であれば対応デバイスがONかどうかを確認

 B接点であれば対応デバイスがOFFかどうかを確認

ステップ2:接点が閉じていれば信号が通過できる(次の接点へ)

 接点が開いていれば信号はブロックされる(コイルはOFFになる)

ステップ3:すべての直列接点を同様に確認し、信号が右端まで到達できるか判定する

ステップ4:信号が到達した場合(すべての接点が閉じていた場合)、右端のコイルがONになる

信号が到達しなかった場合(いずれかの接点が開いていた場合)、コイルはOFFになる

この「左から右への信号の通過可否の判定」がラダー図を読む際の基本的な思考プロセスです。

上から下への実行順序の理解

ラダー図の複数のラングは「上から下へ」という順序でPLCに実行されます。

第1ラングが実行されて出力が更新されると、次に第2ラングが実行されます。

ただし重要な注意点として「同一スキャン内では前のラングで出力したコイルの変化は、後続のラングには直接反映されない」という動作特性があります。

たとえば第1ラングでM000コイルをONにしたとしても、第2ラングでM000のA接点を読む際には前のスキャンで読み込んだM000の値(まだOFF)が使われます。

M000がONになったことが第2ラングのM000 A接点に反映されるのは次のスキャンからです。

ただしこの動作は「入力更新のタイミング」に依存しており、PLCのメーカーや設定によって挙動が異なる場合もあります。

接点の動作と信号の読み方の詳細

続いては、ラダー図の接点の動作を正確に読み取るための詳細な方法について確認していきます。

A接点の動作を正確に読み取る方法

A接点(ノーマルオープン接点)の動作を読み取る際の基本的な手順を説明します。

まず接点に表示されているデバイスアドレス(例:X000・M001・T0など)を確認します。

次にそのデバイスの「現在の状態(ONかOFFか)」を確認します。

A接点は「対応デバイスがONのとき閉じる(電流が通過できる)」ので、デバイスがONであれば「接点が閉じている」と解釈して信号を通過させます。

デバイスがOFFであれば「接点が開いている」と解釈して信号をブロックします。

デバイスの状態 A接点の状態 信号の通過
ON(1) 閉じている(Closed) 通過できる(電流が流れる)
OFF(0) 開いている(Open) 通過できない(電流がブロックされる)

A接点の使い方として代表的なのが「センサーや押しボタンの入力信号(Xデバイス)」「前段の処理で出力されたコイルの状態(Mデバイス・Yデバイス)」「タイマーの出力接点(Tデバイス)」「カウンターの出力接点(Cデバイス)」の読み取りです。

B接点の動作を正確に読み取る方法

B接点(ノーマルクローズ接点)の動作はA接点と正反対であり、読み取りの際に混乱しやすいポイントです。

B接点は「対応デバイスがOFFのとき閉じる(電流が通過できる)」という動作をします。

デバイスの状態 B接点の状態 信号の通過
ON(1) 開いている(Open) 通過できない(デバイスONで接点が開く)
OFF(0) 閉じている(Closed) 通過できる(デバイスOFFで接点が閉じている)

B接点を読むときのコツは「デバイスがOFFのときが通常(閉)の状態」と意識することです。

非常停止ボタンのB接点は「非常停止ボタンが押されていない(デバイスOFF)」ときに閉じており、ボタンが押された瞬間(デバイスON)に開放されて回路を遮断します。

これが安全回路において非常停止にB接点を使う理由であり、配線断線時も同様に回路が遮断される「フェールセーフ」の概念を体現しています。

接点の直列・並列の読み方

ラダー図では複数の接点が「直列(AND)」または「並列(OR)」に接続されるため、その組み合わせを正確に読み取ることが重要です。

直列接続(AND)は接点が左から右へ一列に並んでいる配置です。

「左から右へ順番に接点を確認し、ひとつでも開いている接点があれば信号はブロックされる」という読み方をします。

並列接続(OR)は複数の接点が上下に並んで同じ位置に配置されている場合です。

「いずれかひとつのルートでも信号が通過できれば、合流後の信号は通過している」という読み方をします。

論理演算の読み方を体系的に理解する

続いては、ラダー図における論理演算をどのように読み取るかを確認していきます。

AND(直列)回路の論理の読み取り方

AND回路を読む際は「すべての条件が同時に成立しているかどうか」に着目します。

ラングの左から右へ一列に並んだ接点をひとつずつ確認し、すべての接点が閉じているときのみコイルがONになります。

AND回路の読み取り例

ラング:─┤X000├─┤X001├─┤/X002├─(Y000)─

解釈

X000(A接点):X000がONのとき閉じる

X001(A接点):X001がONのとき閉じる

X002(B接点):X002がOFFのとき閉じる

Y000がONになる条件

X000=ON かつ X001=ON かつ X002=OFF の3条件が同時に成立したとき

Y000 = X000 AND X001 AND NOT(X002)

AND回路の読み取りで重要なのは「B接点はNOT論理を含む」ということです。

B接点のデバイスがOFFの場合に接点が閉じるため、B接点を読む際は「そのデバイスがOFFであることを条件としている」と解釈します。

OR(並列)回路の論理の読み取り方

OR回路を読む際は「並列に並んでいる複数のルートのいずれかを信号が通過できるかどうか」に着目します。

OR回路の読み取り例

ラング(テキスト表現)

─┬─┤X000├─┬─(Y000)─

 └─┤X001├─┘

解釈

X000(上の並列回路):X000がONのとき閉じる

X001(下の並列回路):X001がONのとき閉じる

Y000がONになる条件

X000=ON または X001=ON のいずれかが成立したとき(または両方)

Y000 = X000 OR X001

並列接続のルートはいくつでも追加でき、3ルート以上の並列(3条件OR・4条件ORなど)も同様に読み取れます。

複合論理回路の読み方

実際のラダー図では直列(AND)と並列(OR)が組み合わさった複合論理回路が頻繁に登場します。

複合論理回路を読む際は「大きな構造から小さな構造へ分解して読む」アプローチが効果的です。

まずラング全体を見て「大きな直列・並列の骨格」を把握します。

次にそれぞれのグループの中の詳細な論理を確認します。

最後に各グループの論理を統合してラング全体の動作条件を整理します。

複合論理の読み取りは「カッコを使った論理式」に変換することで整理しやすくなります。

たとえば「(X000 OR X001) AND X002 AND NOT(X003)」という形で表現すると、ラング全体の条件が一目でわかります。

条件分岐と実行順序の読み方

続いては、自己保持・タイマー・カウンターを使った回路の実行順序の読み方を確認していきます。

自己保持回路の読み方と動作解釈

自己保持回路はラダー図の中で最もよく登場する基本回路のひとつです。

読み方の手順を具体的に説明します。

自己保持回路の読み取り手順

ラング(テキスト表現)

─┤/X001├─┬─┤X000├─┬─(Y000)─

      └─┤Y000├─┘

読み取り手順

ステップ1:X001のB接点を確認。X001がOFFのとき(非常停止が押されていないとき)このB接点は閉じている

ステップ2:X001 B接点の先に並列接続がある。X000(A接点)とY000(A接点)が並列

ステップ3:X000のA接点を確認。X000がONのとき(起動ボタンが押されたとき)閉じる

ステップ4:Y000のA接点を確認。Y000がONのとき(すでに出力がONのとき)閉じる

ステップ5:X001のB接点が閉 かつ(X000がON または Y000がON)のとき → Y000がON

読み取り結果

起動:X000を押す(X000=ON)と Y000=ON → Y000のA接点が閉じて保持

保持:X000を離してもY000のA接点で継続 → Y000=ON保持

停止:X001を押す(X001=ON)とB接点開 → Y000=OFF → Y000のA接点も開

タイマー回路の読み方と動作解釈

タイマーを使ったラダー回路を読む際は「タイマーのカウント開始条件」と「タイマー接点が使われている場所」の2点に着目します。

タイマーコイル(T000など)が配置されているラングを見つけて、そのラングの入力条件を確認することで「いつタイマーが起動するか」がわかります。

次にそのタイマーデバイスのA接点が使われているラングを探して、「タイマーがタイムアップしたときにどの出力がONになるか」を確認します。

オンディレイタイマーの場合は「入力条件がONになってから設定時間後にT接点がONになる」という時間的な遅れの関係を意識しながら読むことがポイントです。

カウンター回路の読み方と動作解釈

カウンター回路の読み方の手順を説明します。

まずカウンターコイル(C000など)が配置されているラングを見つけ、カウントのトリガー(入力)となっている接点を確認します。

次にカウンターのリセット条件が別のラングで定義されている場合はそれも確認します。

最後にカウンターのA接点が使われているラングを探して、設定値に達したときに何が起きるかを読み取ります。

カウンターは「同一スキャン内での多重カウントを防ぐ」仕組みが内蔵されており、入力条件が連続してONであってもスキャンごとに1回しかカウントしません(立ち上がり検出)。

実際のラダー図を読む際の実践的なポイント

続いては、実務でラダー図を読む際に役立つ実践的なポイントについて確認していきます。

コメントとタグ名を活用した読み方

実務のラダープログラムでは各デバイスにコメントやタグ名(シンボル名)が付けられており、これを活用することで回路の意味を格段に理解しやすくなります。

たとえば「X000」というデバイスアドレスだけでは何の入力かわかりませんが、「X000:起動押しボタン(PB1)」というコメントが付いていれば即座に意味が理解できます。

プログラムを読む際はまず「変数コメント一覧(I/Oリスト)」を参照してデバイスの意味を把握することが重要です。

良質なラダープログラムでは各ラングにも「モーター正転自己保持回路」「ゲートオープン条件確認」などの説明コメントが付けられており、プログラムの可読性を大幅に向上させます。

複雑な回路を系統的に読む手順

大規模で複雑なラダープログラムを読み解く際は、以下の系統的なアプローチが効果的です。

複雑なラダープログラムを読む系統的な手順

ステップ1:プログラム全体の「目的」を把握する。何を制御するためのプログラムかを理解する

ステップ2:入力デバイス(Xデバイス)と出力デバイス(Yデバイス)の一覧を確認し、各デバイスの物理的な意味を把握する

ステップ3:プログラムを「機能ブロック単位(起動停止・タイマー制御・カウンター制御・インターロックなど)」に分けて理解する

ステップ4:各機能ブロックを上から順番に読み、論理の流れを追う

ステップ5:全体の動作フローを整理して、仕様書やタイムチャートと照合する

一度に全部理解しようとせず、機能単位で少しずつ理解を積み重ねることが複雑なラダー図の読解のコツです

実務でよく使われる回路パターンの読み方

実務のラダープログラムには繰り返し登場する定番の回路パターンがあります。

これらのパターンを認識できるようになると、ラダー図の読み取り速度が大幅に向上します。

自己保持(起動・停止回路)は「並列のA接点自己保持接点+直列のB接点停止条件+コイル」の組み合わせで見分けられます。

タイムアップ後の動作(遅延起動)は「タイマーコイル駆動ラング」と「タイマーA接点で出力するラング」の2ラング構成で識別できます。

インターロック回路は「自己の出力コイルのB接点が相手の回路に直列に入っている」という相互抑制の構造を見つけることで識別できます。

フリッカー(点滅)回路は「タイマーAとBが互いの出力で相手をリセットする」フィードバック構造が特徴的です。

これらの定番パターンを視覚的に認識できるようになるまで繰り返し読む練習をすることが、ラダー図読解力向上の最善の方法です。

まとめ

ラダー図の読み方の基本原則は「左から右へ信号の流れを追い、上から下への実行順序を意識すること」の2点に集約されます。

A接点はデバイスがONのとき閉じて信号を通過させ、B接点はデバイスがOFFのとき閉じて信号を通過させるという動作の違いを正確に理解することが読み取りの土台となります。

AND(直列)回路はすべての接点が閉じているときにのみコイルがONになり、OR(並列)回路はいずれかひとつの接点が閉じていればコイルがONになるという論理の違いを意識して読むことが重要です。

自己保持・タイマー・カウンターといった定番回路のパターンを認識できるようになることで、複雑なラダー図も格段に早く読み解けるようになります。

実務では変数コメントやI/Oリストを活用し、機能ブロック単位での分解読みを行うことで大規模プログラムにも系統的に対応できます。

ラダー図の読み方をしっかりとマスターすることが、PLC制御システムの保守・設計・トラブルシューティングのあらゆる場面で活きる実践的な技術力につながるでしょう。