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積和の公式とは?三角関数の積→和への変換方法や覚え方・証明をわかりやすく解説!

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三角関数の計算を進めていくと、「積を和に変換したい」という場面が必ず出てきます。

そのときに活用するのが「積和の公式」です。

積和の公式は、sinやcosの積の形を和・差の形に変換するための公式で、積分計算や三角関数の方程式・不等式を解く際に欠かせません。

しかし、「公式が多くて覚えられない」「どうやって証明するのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。

この記事では、積和の公式の意味・一覧・証明・覚え方・使い方をわかりやすく解説します。

積和の公式とは何か?意味と定義をわかりやすく解説

それではまず、積和の公式の意味と定義について解説していきます。

積和の公式とは、三角関数(sinやcos)の積の形を、和・差の形に変換するための公式のことです。

英語では「Product-to-Sum formula」と呼ばれ、高校数学・大学数学・物理・工学など幅広い場面で活用されます。

積の形のままでは計算が複雑になる場面でも、和・差の形に変換することでシンプルに計算できるようになるでしょう。

積和の公式が使われる場面

積和の公式は特に次のような場面で威力を発揮します。

三角関数の積分計算では、sin A cos Bのような積の形を和の形に変換することで、各項を個別に積分できるようになります。

三角関数の方程式や不等式の解法でも、積の形を和に変換することで因数分解や解析がしやすくなります。

物理・音響では、異なる周波数の波の重ね合わせを解析する際に積和の公式が活用されるでしょう。

積和の公式の導出元

積和の公式は加法定理から導くことができます。

加法定理のsin(A+B)・sin(A−B)・cos(A+B)・cos(A−B)の4式を組み合わせることで、4つの積和の公式がすべて導かれます。

積和の公式は「暗記する」よりも「加法定理から導ける」という感覚を持っておくと、試験中に公式を忘れても安心です。

積和の公式一覧と証明をわかりやすく解説

続いては、積和の公式の一覧と証明を確認していきます。

積和の公式(一覧)

sinA cosB = (1/2)[sin(A+B) + sin(A−B)]

cosA sinB = (1/2)[sin(A+B) − sin(A−B)]

cosA cosB = (1/2)[cos(A+B) + cos(A−B)]

sinA sinB = −(1/2)[cos(A+B) − cos(A−B)]

sinA cosB の証明

加法定理から次の2式を書きます。

sin(A+B) = sinA cosB + cosA sinB …①

sin(A−B) = sinA cosB − cosA sinB …②

①+②より:sin(A+B) + sin(A−B) = 2sinA cosB

両辺を2で割る:sinA cosB = (1/2)[sin(A+B) + sin(A−B)]

このように、加法定理の足し算・引き算だけで積和の公式が導出できます。

cosA cosB の証明

cos(A+B) = cosA cosB − sinA sinB …③

cos(A−B) = cosA cosB + sinA sinB …④

③+④より:cos(A+B) + cos(A−B) = 2cosA cosB

両辺を2で割る:cosA cosB = (1/2)[cos(A+B) + cos(A−B)]

sinA sinB の公式も同様に③−④から導くことができます。

sinA sinB の証明

③−④より:cos(A+B) − cos(A−B) = −2sinA sinB

両辺を−2で割る:sinA sinB = −(1/2)[cos(A+B) − cos(A−B)]

sinA sinB だけマイナス符号が付く点が特徴的であり、符号ミスをしやすいので注意が必要です。

積和の公式の覚え方と使い方のコツ

続いては、積和の公式の覚え方と使い方のコツを確認していきます。

積和の公式の覚え方

積和の公式を覚えるための有効な方法として「加法定理の足し引きで導く」というアプローチがあります。

具体的には「sin同士の足し引きからsinの積が出る」「cos同士の足し引きからcosの積が出る」という大まかなパターンを把握しておくだけで、本番でも素早く導出できます。

また、4式の左辺の組み合わせと右辺の符号パターン(プラスかマイナスか)だけを表にまとめて覚えるという方法も効果的でしょう。

積の形 変換結果 符号のポイント
sinA cosB (1/2)[sin(A+B)+sin(A−B)] 両方プラス
cosA sinB (1/2)[sin(A+B)−sin(A−B)] マイナスに注意
cosA cosB (1/2)[cos(A+B)+cos(A−B)] 両方プラス
sinA sinB −(1/2)[cos(A+B)−cos(A−B)] 頭にマイナス

積和の公式を使った計算例

sin75° cos15° を積和の公式で計算してみましょう。

sin75° cos15° = (1/2)[sin(75°+15°) + sin(75°−15°)]

= (1/2)[sin90° + sin60°]

= (1/2)

= (1/2) × (2+√3)/2

= (2+√3)/4

積のままでは計算しにくい値も、積和の公式を使えばきれいに計算できることがわかります。

積和の公式と和積の公式の違い

積和の公式と対になる公式として「和積の公式」があります。

和積の公式は逆に「和・差の形を積の形に変換する」公式であり、積和の公式とは変換の方向が逆になります。

問題の形に応じて「積→和」が必要なら積和の公式、「和→積」が必要なら和積の公式を選ぶという使い分けが基本でしょう。

まとめ

この記事では、積和の公式の意味・一覧・証明・覚え方・使い方について解説しました。

積和の公式は加法定理の足し引きから導けるため、公式を忘れても自力で復元できる力を身につけることが重要です。

特にsinA sinBの公式だけ頭にマイナスが付く点は要注意のポイントです。

積和の公式と和積の公式をセットで覚えておくと、三角関数の計算問題の幅が大きく広がるでしょう。