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REACH規則の対象物質は?SVHCや認可対象物質も解説(高懸念物質:候補リスト:制限物質リストなど)

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化学物質を含む製品を欧州へ輸出する事業者にとって、REACH規則への対応は避けて通れないテーマです。

特に「REACH規則の対象物質は?SVHCや認可対象物質も解説(高懸念物質:候補リスト:制限物質リストなど)」というタイトルの通り、どの物質が規制対象になるのかを正確に把握することが最初の一歩となります。

REACH規則にはSVHCと呼ばれる高懸念物質、候補リスト、認可対象物質、そして制限物質リストといった複数の分類が存在します。

これらの用語は似ているようで役割がまったく異なるため、混同してしまうと社内対応や取引先への説明で誤りが生じかねません。

この記事では、REACH規則における対象物質の全体像から、SVHCや認可対象物質、制限物質リストそれぞれの特徴、さらに実務での対応方法まで幅広く解説していきます。

化学物質管理の担当者だけでなく、調達や品質保証、輸出業務に携わる方にも役立つ内容を目指しました。

ぜひ最後までご覧ください。

結論、REACH規則の対象物質はSVHC候補リスト、認可対象物質、制限物質リストの3層で押さえましょう

それではまずREACH規則の対象物質についての結論から解説していきます。

REACH規則における対象物質は、大きく分けてSVHC候補リスト認可対象物質制限物質リストの3つの枠組みで整理すると理解しやすくなります。

SVHCは高懸念物質と呼ばれ、発がん性や生殖毒性などの深刻な有害性を持つとして特定された物質です。

候補リストに掲載された段階では、直ちに使用が禁止されるわけではありません。

ただし製品に一定濃度以上含まれる場合は、情報提供義務や届出義務が発生します。

認可対象物質はSVHCの中でもさらに規制が強化された物質群で、原則として使用そのものに欧州化学品庁からの認可が必要になります。

制限物質リストは、SVHCとは別の枠組みで特定の用途や濃度における使用が制限される物質をまとめたものです。

この3つの分類を下記の表にまとめました。

分類 該当する主な条文 規制の性質 主な義務
SVHC候補リスト REACH規則第59条 将来的に規制強化される可能性がある物質を特定 0.1パーセント以上含有時の情報伝達、SCIP届出
認可対象物質 REACH規則附属書14 使用そのものに認可が必要 認可申請、サンセットデート後の使用禁止
制限物質リスト REACH規則附属書17 特定用途や濃度での使用を制限 濃度基準の遵守、上市禁止への対応

REACH規則の対象物質を把握する際は、SVHC候補リストに載っているかどうかだけでなく、認可対象物質や制限物質リストにも該当していないかを合わせて確認することが重要です。

候補リストの段階を見落とすと、いつの間にか認可対象物質へ格上げされていたというケースも珍しくありません。

SVHCと認可対象物質と制限物質の関係性

続いてはSVHCと認可対象物質、制限物質リストの関係性を確認していきます。

SVHCは候補リストという入り口にまず掲載されます。

そこから欧州化学品庁の優先度評価を経て、一部の物質が認可対象物質として附属書14に追加される流れです。

つまり認可対象物質は、SVHCの中でも特に優先度が高いと判断された物質と考えるとわかりやすいでしょう。

一方で制限物質リストは、SVHCの選定プロセスとは別に、リスク評価の結果として独自に追加される物質も多く含まれます。

そのため制限物質リストにはSVHCに該当しない物質も数多く存在します。

対象物質が増え続けている背景

次に対象物質が年々増加している背景を見ていきます。

欧州では化学物質による健康被害や環境汚染への懸念が高まっており、規制対象は毎年拡大傾向にあります。

候補リストは半年に一度のペースで更新されることが多く、新たな物質が追加され続けています。

特にPFASと呼ばれる有機フッ素化合物のグループは、まとめて規制対象になる動きが進んでいます。

こうした動向を踏まえると、一度確認した対象物質のリストをそのままにしておくのは危険といえるでしょう。

まず確認すべき情報源

最後にこの見出しでは、対象物質を確認するための情報源を紹介します。

最も信頼できる情報源は、欧州化学品庁が公開している公式のSVHC候補リストと附属書のデータベースです。

日本語での解説サイトも数多くありますが、更新のタイムラグが生じることがあるため注意が必要です。

可能であれば公式データベースを定期的に確認する体制を整えておくと安心です。

続いてはREACH規則とはどのような規制か基本を確認していきます

それでは続いてREACH規則そのものの仕組みについて解説していきます。

REACH規則とは、欧州連合が定める化学物質の登録、評価、認可、制限に関する規則の総称です。

英語表記の頭文字を取ってREACHと呼ばれており、化学物質による人の健康や環境へのリスクを管理することを目的としています。

この規則は化学物質そのものだけでなく、化学物質を含む成形品にも適用される点が特徴です。

対象は化学品メーカーに限らず、輸入業者や欧州域内の販売代理人にまで及びます。

REACH規則が生まれた目的

それではまずREACH規則が生まれた目的について確認していきます。

従来のEUにおける化学物質規制は法律が乱立しており、管理が非常に複雑でした。

そこで既存の規制を一本化し、化学物質の安全性情報を事業者自らが証明する仕組みへと転換したのがREACH規則です。

この考え方は「情報がなければ市場に出せない」という原則に基づいています。

安全性が確認できない物質は、そもそも上市自体が認められないという厳しい姿勢が根底にあるといえるでしょう。

登録、評価、認可、制限という4つの仕組み

続いては登録、評価、認可、制限という4つの仕組みを確認していきます。

登録とは、一定量以上の化学物質を製造または輸入する事業者が、その物質の安全性情報を欧州化学品庁へ提出する手続きです。

評価は、登録された情報をもとに欧州化学品庁や加盟国が物質のリスクを検証する段階を指します。

認可は、高い有害性を持つと判断された物質について、使用ごとに許可を得る必要がある仕組みです。

制限は、特定の物質について用途や濃度に応じた使用制限を設ける仕組みで、これら4つが組み合わさってREACH規則全体を構成しています。

登録の対象となる目安は、年間1トン以上製造または輸入される化学物質です。

取扱量が少ない物質であっても、成形品からの意図的放出がある場合は登録義務が生じることがあります。

対象となる企業や事業者の範囲

この見出しの最後に、REACH規則の対象となる事業者の範囲を見ていきます。

直接欧州に拠点を持たない日本企業であっても、製品を欧州へ輸出している場合は実質的に対応が求められます。

多くの場合、欧州側の輸入代理店やバイヤーから含有物質の情報提供を求められる形で対応が必要になります。

自動車、電機電子、化粧品、玩具など幅広い業種が影響を受けるため、業種を問わず注意が必要でしょう。

続いてはSVHC高懸念物質とは何かを確認していきます

それでは続いてSVHC、いわゆる高懸念物質について詳しく解説していきます。

SVHCとはSubstances of Very High Concernの略称で、日本語では高懸念物質と訳されます。

発がん性、変異原性、生殖毒性を持つ物質、また環境や生体内で分解されにくく蓄積しやすい物質などが該当します。

これらは候補リストという形でリストアップされ、段階的に規制が強化されていく流れです。

SVHCの定義と選定基準

それではまずSVHCの定義と選定基準について確認していきます。

REACH規則第57条では、SVHCに該当する物質の要件が定められています。

具体的には発がん性、変異原性、生殖毒性を持つカテゴリー1もしくは2の物質が対象です。

加えて、難分解性、生体蓄積性、毒性を併せ持つPBT物質や、非常に難分解性かつ非常に生体蓄積性の高いvPvB物質も含まれます。

さらに内分泌かく乱作用など、同等の懸念があると科学的に判断された物質も同様に扱われることがあります。

SVHC候補リストの現状と更新の傾向

続いてはSVHC候補リストの現状と更新の傾向を確認していきます。

候補リストに掲載される物質数は年々増加しており、現在では200種類を超える物質が名を連ねています。

更新は年に2回程度のペースで行われることが多く、新規物質の追加だけでなく、既存物質の該当理由が追記される場合もあります。

下記の表に、候補リストに含まれる代表的な物質の例を示します。

物質名 主な用途 該当理由
フタル酸ジ2-エチルヘキシル プラスチック可塑剤 生殖毒性
ホウ酸 ガラス、難燃剤 生殖毒性
短鎖塩素化パラフィン 金属加工油、難燃剤 難分解性、生体蓄積性、毒性
ノニルフェノール 界面活性剤原料 内分泌かく乱作用の懸念

この表はあくまで一例であり、実際に自社製品に関係する物質を確認する際は必ず最新の公式リストを参照してください。

SVHCに該当する製品に生じる義務

この見出しの最後にSVHCに該当する製品に生じる義務を確認していきます。

成形品中にSVHCが重量比で0.1パーセントを超えて含まれる場合、川下の事業者や消費者に対して安全な使用に関する情報を提供する義務が発生します。

消費者から問い合わせがあった場合は、45日以内に回答する義務がある点も見落とせません。

加えて、一定条件を満たす場合はSCIPデータベースへの届出も必要になります。

この0.1パーセントという基準値は成形品ごとに判定されるため、部品単位での確認が欠かせません。

続いては認可対象物質、附属書14について確認していきます

それでは続いて認可対象物質について解説していきます。

認可対象物質とは、SVHCの中でも特に有害性が高く優先的に対処すべきと判断され、REACH規則附属書14に掲載された物質です。

候補リストの段階と異なり、認可対象物質になると使用そのものに欧州化学品庁からの認可が必要になります。

認可対象物質としての位置づけ

それではまず認可対象物質としての位置づけを確認していきます。

認可対象物質は、候補リストの中から優先度評価を経て段階的に選定される仕組みです。

すべてのSVHCが認可対象物質になるわけではなく、実際に附属書14に掲載されるのは候補リストのごく一部にとどまります。

それでも一度認可対象物質に指定されると、使用継続には個別の認可申請が求められるため、事業への影響は非常に大きいといえるでしょう。

認可対象物質の具体例

続いては認可対象物質の具体例を確認していきます。

下記の表に代表的な認可対象物質をまとめました。

物質名 主な用途 備考
六価クロム化合物 金属表面処理、めっき 発がん性が理由で認可対象化
フタル酸ジブチル 可塑剤 生殖毒性が理由
トリクロロエチレン 金属脱脂洗浄剤 発がん性が理由
四臭化ビスフェノールA 難燃剤 環境残留性が懸念

実際にはさらに多くの物質が附属書14に掲載されているため、自社が扱う物質を個別に照合する必要があります。

サンセットデートと申請期限という重要なキーワード

この見出しの最後にサンセットデートと申請期限について確認していきます。

認可対象物質にはサンセットデートと呼ばれる、原則として使用が禁止される日付が設定されます。

サンセットデートより前に定められた最終申請日までに認可申請を行えば、審査結果が出るまで使用を継続できる場合があります。

逆に申請期限を過ぎてしまうと、サンセットデート以降は原則として使用も上市も認められません。

認可対象物質に該当する物質を使用している場合、サンセットデートと最終申請日を混同しないよう注意してください。

申請期限を過ぎてから慌てて対応しようとしても、間に合わないケースが多く発生しています。

続いては制限物質リスト、附属書17について確認していきます

それでは続いて制限物質リストについて解説していきます。

制限物質リストは、REACH規則附属書17に定められており、特定の物質について用途や濃度の面から使用そのものを制限する枠組みです。

SVHCや認可対象物質とは異なる独立した仕組みである点が大きな特徴といえるでしょう。

制限物質リストの特徴

それではまず制限物質リストの特徴を確認していきます。

制限物質リストに掲載された物質は、特定の製品カテゴリーや濃度基準を超える場合に上市や使用が禁止されます。

候補リストや認可対象物質のような段階的なプロセスを経ず、リスク評価の結果によって直接制限が課される場合が多い点も特徴です。

そのため、SVHCに一度も掲載されたことがない物質であっても、いきなり制限物質リストに追加されることがあります。

代表的な制限物質と規制内容

続いては代表的な制限物質と規制内容を確認していきます。

下記の表に、なじみ深い制限物質の例をまとめました。

物質名 制限内容 対象製品の例
カドミウムおよびその化合物 特定用途での使用禁止、濃度基準あり プラスチック製品、宝飾品
ニッケル 皮膚と長時間接触する製品での放出量制限 ピアス、腕時計、ボタン
特定のアゾ染料 皮膚や口腔に接触する繊維製品での使用禁止 衣類、革製品
特定のフタル酸エステル類 玩具や育児用品での濃度制限 玩具、ベビー用品

これらはあくまで一例であり、業種によって注意すべき制限物質は大きく異なります。

SVHCおよび認可対象物質との違いを整理

この見出しの最後に、制限物質リストとSVHC、認可対象物質との違いを整理していきます。

SVHCは情報提供義務が中心であるのに対し、認可対象物質は使用そのものへの認可が必要になる点が異なります。

そして制限物質リストは、そもそも一定の条件下での上市や使用自体が禁止されるという、より直接的な規制です。

言い換えると、規制の強さは候補リストから認可対象物質、そして制限物質リストに向かうにつれて段階的に強まっていくとイメージするとわかりやすいでしょう。

3つの枠組みを混同せず、それぞれの意味を正確に理解しておくことが実務上とても大切です。

続いては対象物質に該当した場合の実務対応を確認していきます

それでは続いて、実際に対象物質が見つかった場合の実務対応について解説していきます。

REACH規則への対応は、単に物質を特定するだけでは終わりません。

サプライチェーン全体での情報連携が求められる点が、この規制の難しさともいえるでしょう。

サプライチェーンでの情報伝達

それではまずサプライチェーンでの情報伝達について確認していきます。

自社が最終製品メーカーでない場合、部品や原材料の供給元から含有物質の情報を正確に取得する必要があります。

取引先ごとにフォーマットが異なる場合は、社内で統一した含有物質調査票を用意しておくと効率的です。

情報が川下まで正しく伝わっていないと、意図せず違反状態になってしまう恐れがあります。

含有調査とSDSへの対応

続いては含有調査とSDS、安全データシートへの対応を確認していきます。

SVHCが0.1パーセントを超えて含まれる場合、SDSへの記載や別途の情報提供が必要になることがあります。

製品を構成する部品ごとに含有量を把握し、記録として残しておくことが後々のトラブル防止につながるでしょう。

調査結果はデータベース化しておくと、リストが更新された際にも迅速に照合できます。

最新情報の継続的な確認と社内体制

この見出しの最後に、最新情報を継続的に確認するための社内体制について確認していきます。

候補リストは半年に一度程度更新されるため、担当者を明確に決めて定期的にチェックする仕組みが欠かせません。

可能であれば化学物質管理システムを導入し、リストの更新を自動的に検知できるようにしておくと安心です。

担当者任せにせず、部門をまたいだ確認体制を構築しておくことが望ましいでしょう。

まとめ

今回はREACH規則の対象物質は?SVHCや認可対象物質も解説(高懸念物質:候補リスト:制限物質リストなど)というテーマで解説してきました。

REACH規則における対象物質は、SVHC候補リスト、認可対象物質、制限物質リストという3つの枠組みで整理すると理解しやすくなります。

SVHCは情報提供義務が中心の入り口段階であり、認可対象物質はさらに規制が強化され使用そのものに認可が必要になる仕組みでした。

制限物質リストはこれらとは独立した枠組みで、特定の用途や濃度における使用を直接制限するものです。

いずれのリストも定期的に更新されるため、一度確認して終わりにせず、継続的なモニタリング体制を整えることが重要でしょう。

自社の製品や部品にどの物質が含まれているのかを把握し、サプライチェーン全体で情報を共有できる仕組みを構築しておくことが、REACH規則への適切な対応につながります。

ぜひ本記事を参考に、自社の化学物質管理体制を見直してみてください。