x³-1の因数分解は、3乗の差の公式を使う代表的な計算です。
一見するとxの3乗と定数の差だけに見えますが、1を1³と捉えることで、公式へ自然に当てはめられます。
因数分解では公式を暗記するだけでなく、どの文字がaでどの数がbになるのか、展開して正しいと確かめる習慣も大切です。
この記事ではx³-1を例に、a³-b³の公式の形と計算手順、よくある間違い、応用問題まで順番に解説します。
x³-1の因数分解の答え

それではまずx³-1の因数分解の結論と、式の見方について解説していきます。
3乗の差として見る考え方
x³-1に含まれる1は、単なる定数ではありません。
因数分解の場面では、1=1³と考えることで、x³-1をx³-1³と書き換えられます。
ここで使うのが、a³-b³を因数分解する公式です。
文字の部分だけに注目するとx³はxを3回掛けたもの、1³は1を3回掛けたものになります。
つまり、x³-1は2つの立方数の差です。
この形を見つけられれば、複雑な計算を始める必要はありません。
公式に沿って、x-1と、もう1つの2次式の積へ分けていきます。
x³-1
=x³-1³
=(x-1)(x²+x+1)
したがって、x³-1の因数分解の答えは(x-1)(x²+x+1)です。
後ろの因数はx²+x+1となり、符号がすべて正になる点が重要です。
公式への代入手順
a³-b³の公式では、aにx、bに1を入れます。
このとき、a-bはx-1となります。
次の部分であるa²+ab+b²は、x²+x×1+1²です。
計算を整理すると、x²+x+1になります。
途中で1を省略して考えても構いませんが、最初は省略せずに書くほうがミスを減らせるでしょう。
特にabの部分はx×1なのでxになります。
真ん中の項を落とさないことが、公式を正しく使うための基本です。
| 公式の要素 | x³-1での対応 | 計算結果 |
|---|---|---|
| a | x | x |
| b | 1 | 1 |
| a-b | x-1 | x-1 |
| a² | x² | x² |
| ab | x×1 | x |
| b² | 1² | 1 |
答えを展開して確かめる方法
因数分解した後は、展開による確認を行うと安心です。
(x-1)(x²+x+1)を分配法則で展開します。
xを掛けるとx³+x²+x、-1を掛けると-x²-x-1になります。
これらを足すと、x²と-x²、xと-xが打ち消し合います。
残るのはx³-1だけです。
この確認によって、途中の符号や項の抜けを見つけやすくなります。
x³-1の因数分解では、1を1³と見直すことが出発点です。
答えは(x-1)(x²+x+1)となり、展開すると元のx³-1へ戻ります。
a³-b³の公式の仕組み
続いてはa³-b³の公式の形と、符号が決まる理由を確認していきます。
3乗の差の基本公式
3乗の差を因数分解する公式は、a³-b³=(a-b)(a²+ab+b²)です。
前半の因数はa-b、後半の因数はa²+ab+b²という組み合わせになります。
平方差の公式a²-b²=(a-b)(a+b)と比べると、後半が2次式になる点が特徴です。
3乗では次数が1つ高くなるため、因数分解後にも2次式が残ります。
この公式は、整数の計算だけでなく、多項式の計算、方程式、不等式でも頻繁に登場します。
a³-b³の後半は正負正と覚えると、符号の確認に役立ちます。
a³-b³=(a-b)(a²+ab+b²)
前半は差の形です。
後半はa²、ab、b²をすべて足す形です。
たとえば8-1は2³-1³と見られます。
公式を使うと、(2-1)(2²+2×1+1²)となり、1×7=7です。
実際に8-1も7なので、数の計算でも公式が成り立つと確認できます。
展開から理解する符号の並び
公式を丸暗記すると、a³-b³とa³+b³の符号が混乱しやすくなります。
そこで、(a-b)(a²+ab+b²)を展開して考えてみましょう。
aを後半全体へ掛けると、a³+a²b+ab²になります。
-bを後半全体へ掛けると、-a²b-ab²-b³です。
中央のa²bとab²は、正負が反対なので消えます。
結果としてa³-b³だけが残る仕組みです。
中間項を消すために、後半の3項がすべて正になっていると考えると理解しやすいでしょう。
和の公式との比較
3乗の和にはa³+b³=(a+b)(a²-ab+b²)という別の公式があります。
差の公式と和の公式では、前半と真ん中の項の符号が変わります。
見た目が似ているため、問題文の演算記号を最初に確認する習慣が欠かせません。
| 式の種類 | 因数分解の公式 | 後半の符号 |
|---|---|---|
| 3乗の差 | a³-b³=(a-b)(a²+ab+b²) | 正 正 正 |
| 3乗の和 | a³+b³=(a+b)(a²-ab+b²) | 正 負 正 |
| 平方差 | a²-b²=(a-b)(a+b) | 2つの1次式 |
x³-1は引き算なので、3乗の差の公式を選びます。
x³+1であれば3乗の和の公式を使い、(x+1)(x²-x+1)となります。
x³-1を計算する手順
続いてはx³-1を迷わず因数分解する計算の流れを確認していきます。
立方数への書き換え
最初に、式の両方が3乗の形になっているかを見ます。
x³はすでにxの3乗です。
定数の1は1³へ書き換えられるため、x³-1³という形になります。
この段階を飛ばしても計算はできますが、書き換えることで使う公式が明確になります。
特にx³-8、x³-27、8x³-1などの問題では、立方数を見抜く力が求められます。
1、8、27、64はよく使う立方数として覚えておくと便利です。
aとbを決める作業
x³-1³をa³-b³と比べると、a=x、b=1です。
文字をaとbへ置き換える作業は、公式を安全に使うための準備になります。
係数がある式でも考え方は同じです。
たとえば8x³-1は、(2x)³-1³と見ます。
aを2x、bを1にすれば、公式へそのまま当てはめられます。
係数の8だけをaと考えるのではなく、立方全体を1つのまとまりとして捉えることがポイントです。
x³-1³であればa=x、b=1です。
(2x)³-1³であればa=2x、b=1です。
(x+2)³-8であればa=x+2、b=2です。
公式の代入と整理
a=x、b=1を公式a³-b³=(a-b)(a²+ab+b²)へ入れます。
すると(x-1)(x²+x×1+1²)となります。
後半を整理すれば、(x-1)(x²+x+1)です。
このとき、x²+x+1はこれ以上因数分解できるかも確認しましょう。
判別式を使うと、x²+x+1の判別式は1-4で-3です。
実数の範囲では因数分解できないため、通常はこの形で完成です。
因数分解は公式へ入れた直後で止めず、各因数をさらに分けられるか確認することが大切です。
x²+x+1は整数係数の1次式どうしには分解できません。
計算例と応用問題
続いては3乗の差の公式を使う計算例と、応用への広げ方を確認していきます。
x³-8の因数分解
x³-8では、8=2³です。
したがって式はx³-2³となります。
a=x、b=2として公式を使うと、(x-2)(x²+2x+4)です。
真ん中の項はabなので、x×2から2xになります。
最後の項はb²なので、2²=4です。
定数の立方根を正しく取ることが、この種類の問題では重要でしょう。
8x³-1の因数分解
8x³-1は、8x³を(2x)³と書き換えます。
すると(2x)³-1³です。
a=2x、b=1を代入すると、(2x-1)((2x)²+2x×1+1²)となります。
後半を整理すると4x²+2x+1です。
答えは(2x-1)(4x²+2x+1)になります。
係数のある問題では、a²の計算で2を掛け忘れないよう注意が必要です。
| 元の式 | 3乗の差への書き換え | 因数分解の結果 |
|---|---|---|
| x³-8 | x³-2³ | (x-2)(x²+2x+4) |
| x³-27 | x³-3³ | (x-3)(x²+3x+9) |
| 8x³-1 | (2x)³-1³ | (2x-1)(4x²+2x+1) |
| 27x³-8 | (3x)³-2³ | (3x-2)(9x²+6x+4) |
文字式を含む応用
3乗の差の公式は、xだけでなく複数の文字を含む式にも使えます。
たとえばa³-8b³は、a³-(2b)³と見られます。
この場合はaをa、bを2bと考えるため、(a-2b)(a²+2ab+4b²)です。
公式の文字aとbは、問題に出てくる文字そのものではなく、立方されているまとまりを表します。
(m+n)³-1のような式でも、m+n全体をaとして扱えます。
答えは(m+n-1)((m+n)²+m+n+1)となり、必要に応じて後半を展開します。
括弧の中を1つの文字のように扱う発想が、応用問題を解く鍵になります。
よくある間違いと確認方法
続いてはx³-1の因数分解で起こりやすい間違いと、見直しの方法を確認していきます。
平方差の公式を使う間違い
x³-1は引き算の形ですが、平方差の公式は使えません。
平方差の公式が使えるのは、両方が2乗になっているa²-b²です。
x³-1に対して(x-1)(x+1)とすると、展開結果はx²-1になってしまいます。
次数が元の式と異なるため、すぐに誤りだと分かります。
因数分解では、最初に最高次数を確認する習慣が効果的です。
3次式を1次式と1次式に分けるだけでは、通常は次数が足りません。
後半の符号を誤る間違い
x³-1の答えを(x-1)(x²-x+1)と書く間違いはよく見られます。
これは3乗の和の公式と3乗の差の公式を混同したケースです。
x²-x+1は、x³+1を因数分解したときの後半に現れます。
符号に迷ったら、短い展開で確認するのが確実です。
(x-1)(x²-x+1)を展開するとx³-2x²+2x-1となり、元の式と一致しません。
迷ったときは展開して戻すという方法なら、暗記の曖昧さを補えます。
因数分解の途中で止まる間違い
x³-1をx³-1³と書き換えただけでは、因数分解は終わっていません。
また、x³-1=x-1とするのも誤りです。
xに2を代入すると、左辺は7ですが右辺は1となり、同じ式ではないと確かめられます。
数値を代入する確認は、時間がないときにも役立つ方法です。
さらに、因数分解した答えの各因数に共通因数が残っていないかも見ます。
式の見た目だけで判断せず、公式、展開、代入という複数の視点で確認すると精度が高まります。
x³-1では、3乗の差の公式を選びます。
後半はx²+x+1であり、x²-x+1ではありません。
展開してx³-1へ戻るか確かめれば、符号のミスを防ぎやすくなります。
公式を覚えるための学習ポイント
続いては3乗の差の公式を定着させるための学習ポイントを確認していきます。
立方数の一覧の活用
3乗の差を見つけるには、よく使う立方数を知っておくと便利です。
1³は1、2³は8、3³は27、4³は64、5³は125です。
これらの数が定数項にあれば、3乗の差や3乗の和を疑うきっかけになります。
たとえばx³-64ならx³-4³、x³+125ならx³+5³です。
定数を立方数へ戻す視点を身につけると、問題の型を素早く判定できます。
公式を対で覚える方法
3乗の差と3乗の和は、対にして覚えると混乱しにくくなります。
差では前半がa-b、後半はa²+ab+b²です。
和では前半がa+b、後半はa²-ab+b²になります。
前半の符号と真ん中の符号が反対になる、と整理しておくと覚えやすいでしょう。
最後のb²はどちらも正です。
この共通点と違いを表で見比べながら、何度か展開して確認すると定着します。
問題演習で身につける順序
練習では、まずx³-1やx³-8のような基本問題から始めます。
次に8x³-1、27x³-8のように係数を含む式へ進むとよいでしょう。
その後、a³-8b³や(x+1)³-27のような複数文字や括弧を含む式へ取り組みます。
答えを見る前に、立方数への書き換え、aとbの設定、公式への代入を紙に書くことが大切です。
計算結果だけでなく、途中の考え方を繰り返すことで、初めて見る式にも対応しやすくなります。
公式の適用条件を見抜く練習が、因数分解全体の力につながります。
まとめ
x³-1は、1を1³と見てx³-1³へ書き換えることで、3乗の差の公式を使えます。
因数分解の結果は、(x-1)(x²+x+1)です。
使う公式はa³-b³=(a-b)(a²+ab+b²)であり、後半の真ん中の項は正のabになる点を押さえましょう。
符号に迷った場合は展開して元の式へ戻るか、具体的な数を代入して確認すると安全です。
x³-8や8x³-1のような式でも、立方数の形を見つければ同じ考え方で解けます。
3乗の差と3乗の和を区別し、立方全体をaとbへ置き換える習慣を身につけることが、因数分解を正確に進める近道です。