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全単射の証明方法は?書き方や手順も解説!(単射性の証明・全射性の証明・証明問題・具体例など)

全単射の証明方法
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全単射の証明は、集合と写像を学ぶうえで避けて通れない重要なテーマです。

定義を暗記していても、証明問題になると何から書けばよいのか迷う方は少なくありません。

ポイントは、全単射を一度に証明しようとせず、単射性と全射性を順番に確認することです。

この記事では、答案として通用する書き方、論理の組み立て方、関数の具体例、よくある失敗までを分かりやすく解説します。

全単射の証明方法

全単射の証明方法

それではまず全単射の証明方法について解説していきます。

全単射を示すための基本手順

写像 f が集合 A から集合 B への全単射であることを示すには、単射性と全射性の両方を証明します。

単射性は、異なる入力が同じ出力にならない性質です。

全射性は、終域 B のどの要素も、A のある要素を入力した結果として得られる性質を指します。

つまり、全単射の答案では単射性の証明と全射性の証明を明確に分けると、論理の流れが伝わりやすくなります。

全単射の証明では、単射性だけを示して終わりにしないことが大切です。

全射性だけを確認した場合も不十分なので、二つの条件をそろえて書きましょう。

確認する性質 証明で行うこと 注目する対象
単射性 f(x) と f(y) が等しいと仮定し、x と y が等しいと導く 定義域の二つの任意の要素
全射性 終域の任意の要素を取り、その原像を構成する 終域の任意の要素
全単射 単射性と全射性をそれぞれ証明する 写像全体の対応関係

問題文に「全単射であることを示せ」とあれば、最初にこの二条件を意識するだけで答案の骨組みが決まります。

逆に、定義域と終域を曖昧にしたまま計算を始めると、全射性の判断でつまずきやすくなるでしょう。

答案に使いやすい書き方

証明問題では、短くても必要な論理が抜けていない文章を作ることが重要です。

単射性では、定義域の任意の x、y を取ると宣言し、f(x) = f(y) を仮定します。

その式を変形して x = y が得られれば、f は単射です。

単射性の基本形です。

x、y を A の任意の要素とし、f(x) = f(y) と仮定する。

式を整理して x = y が得られる。

したがって f は単射である。

全射性では、終域 B の任意の要素を b と置きます。

次に f(a) = b となる a を定義域 A の中から見つけ、実際に a が A に含まれることと、f(a) = b を確かめます。

このとき、原像となる要素を具体的に構成することが全射性の中心です。

全射性の基本形です。

b を B の任意の要素とする。

f(a) = b となる a を定め、a が A に属することを確認する。

よって b は f による像であり、f は全射である。

最後に、単射かつ全射であるため f は全単射である、と結論を書けば証明が完成します。

途中の計算が正しくても、この結論が抜けると設問に直接答えたことにならないため注意が必要です。

定義域と終域を先に確認する理由

同じ式で定められた関数でも、定義域と終域が変われば全単射かどうかの結論は変わります。

たとえば f(x) = x² という式は、実数全体から実数全体への写像としては全単射ではありません。

異なる実数である 1 と −1 が同じ値 1 に写るため、単射性が成立しないからです。

一方で、定義域を 0 以上の実数に限定すれば、x² は単射になります。

さらに終域も 0 以上の実数にすれば、任意の非負実数には平方根という原像があるため、全射性も成立します。

関数の式だけではなく、どこからどこへの写像かを読むことが証明の出発点です。

写像 単射性 全射性 全単射かどうか
実数全体から実数全体への x² 成立しない 成立しない 全単射ではない
非負実数から非負実数への x² 成立する 成立する 全単射である
実数全体から非負実数への x² 成立しない 成立する 全単射ではない

単射性の証明

続いては単射性の証明を確認していきます。

単射の定義と考え方

写像 f が単射であるとは、f(x) = f(y) ならば x = y が成り立つことです。

言い換えると、一つの出力に対して二つ以上の異なる入力が対応しない状態を表します。

単射性では、出力が同じであるという仮定から、入力も同じであると示す向きが重要です。

ここで「x = y なら f(x) = f(y)」と書いてしまうのは誤りです。

これは関数であれば当然成り立つ性質であり、単射性を示す条件にはなりません。

単射性は f(x) = f(y) から x = y へ進むと覚えると、向きを取り違えにくくなります。

単射性の証明では、出力が同じという条件を先に置きます。

入力が同じだから出力も同じという説明では、単射性の判定になりません。

一次関数による単射性の具体例

実数全体から実数全体への写像 f(x) = 3x − 2 を考えます。

この写像が単射であることを証明してみましょう。

x、y を実数とし、f(x) = f(y) と仮定する。

すると 3x − 2 = 3y − 2 である。

両辺に 2 を加えると 3x = 3y となる。

よって x = y である。

したがって f は単射である。

係数が 0 ではない一次関数は、このように等式を整理して入力の一致を導けます。

計算そのものは短くても、任意の x、y を取ったことと、結論を明示することが答案では欠かせません。

特に、途中で両辺を係数で割る場合は、その係数が 0 でないことを意識すると丁寧な証明になります。

単射性を否定する反例の探し方

単射ではないことを示したい場合は、異なる二つの入力が同じ出力になる例を一つ示せば十分です。

たとえば実数全体で f(x) = x² を考えると、f(1) = 1、f(−1) = 1 です。

しかし 1 と −1 は異なるため、この関数は単射ではありません。

グラフを使える場面では、水平線を引いたときにグラフと二点以上で交わるかどうかを見る方法も役立ちます。

水平線が複数の点で交わるなら、同じ出力を持つ異なる入力が存在します。

ただし、答案では図だけに頼らず、具体的な二つの値とその像を式で示すと確実です。

全射性の証明

続いては全射性の証明を確認していきます。

全射の定義と原像の存在

写像 f が A から B への全射であるとは、B の任意の要素 b に対し、f(a) = b を満たす a が A に存在することです。

全射性では、終域に取り残される要素がないかを調べます。

そのため、最初に取るべきものは定義域の x ではなく、終域の任意の要素です。

全射性の証明でよくある失敗は、特定の値だけを例として確認してしまうことです。

たとえば f(0) = 0、f(1) = 1 と書いても、終域のすべての要素をカバーした証明にはなりません。

任意の b を置き、その b に対応する原像を一般的な式で表す必要があります。

逆算による原像の構成

全射性を示す際には、f(x) = b を x について解く逆算が有効です。

先ほどの f(x) = 3x − 2 を、実数全体から実数全体への写像として考えます。

b を任意の実数とし、3x − 2 = b を解くと x = (b + 2)÷ 3 となります。

b を実数全体の任意の要素とする。

x = (b + 2)÷ 3 と置くと、x は実数である。

f(x) = 3((b + 2)÷ 3)− 2 = b となる。

よって任意の b は f による像であり、f は全射である。

この方法では、求めた x が本当に定義域に属するかの確認が必要です。

実数全体が定義域なら問題になりにくい一方、自然数や整数、区間が定義域の場合には特に慎重に確認しましょう。

全射性の証明では、原像の式を見つけた後に定義域への所属を確認します。

計算上は解けても、求めた値が定義域の外なら全射性は示せません。

終域によって変わる全射性

写像 f(x) = eˣ を実数全体で考えると、値は常に正です。

したがって終域が正の実数全体なら全射ですが、終域が実数全体なら 0 や負の数に対応する原像がありません。

この場合、同じ式でも終域の設定によって全射性が変わります。

関数 定義域 終域 全射性の判断
eˣ 実数全体 正の実数全体 任意の正の実数の対数を原像にできる
eˣ 実数全体 実数全体 0以下の実数に原像がなく全射ではない
x² 実数全体 非負実数全体 平方根を原像にできるため全射である

全射性の問題を解くときは、関数の値域と終域が一致しているかを確認する習慣が役立ちます。

値域は実際に出力される範囲であり、終域は問題で指定された到達先の集合です。

逆関数を使った証明

続いては逆関数を使った証明を確認していきます。

逆関数と全単射の関係

写像 f が全単射であるとき、f の逆関数が存在します。

逆関数とは、出力から元の入力を一意に戻す関数です。

逆に、適切な定義域と終域のもとで逆関数が存在することを示せれば、f が全単射であることの強い根拠になります。

ただし、逆関数の記号を書くだけでは証明になりません。

逆関数の候補が定義域と終域で正しく定義され、合成した結果が恒等写像になることを確かめる必要があります。

逆関数の存在は単射性と全射性をまとめて表す性質として理解すると便利です。

合成写像で確認する方法

f が A から B への写像、g が B から A への写像であるとします。

g∘f が A 上の恒等写像であり、f∘g が B 上の恒等写像であれば、g は f の逆関数です。

このとき f は全単射となります。

f(x) = 3x − 2 に対し、g(y) = (y + 2)÷ 3 とする。

g(f(x)) = (3x − 2 + 2)÷ 3 = x となる。

f(g(y)) = 3((y + 2)÷ 3)− 2 = y となる。

よって g は f の逆関数であり、f は全単射である。

合成の順序を入れ替えると、定義できる集合が違う場合があります。

そのため、どちらが A 上の恒等写像で、どちらが B 上の恒等写像なのかを意識して書くと安全でしょう。

逆関数を使う場面の注意点

逆関数による証明は見通しがよい反面、逆関数の候補を求める計算で定義域の条件を見落としやすい方法です。

たとえば x² の逆関数として平方根を考える場合、実数全体では一意に戻せません。

正の平方根だけを選んでも、負の入力を復元できないためです。

定義域を非負実数に限定して初めて、平方根は逆関数として機能します。

逆関数の議論では、入力を一意に復元できる範囲まで定義域を絞れているかを確認してください。

問題によっては単射性と全射性を直接示した方が、答案を読みやすくまとめられる場合もあります。

証明問題の具体例

続いては証明問題の具体例を確認していきます。

整数の写像における判定

整数全体から整数全体への写像 f(n) = n + 1 を考えます。

この写像は全単射です。

単射性について、f(m) = f(n) とすると m + 1 = n + 1 なので m = n となります。

全射性について、任意の整数 k に対して n = k − 1 と置けば n も整数です。

このとき f(n) = k となるため、任意の整数 k は像として表せます。

有限集合だけでなく整数のような無限集合でも、同じ基本手順で証明できる点が重要です。

有限集合での対応関係

有限集合の写像では、対応表を作ると単射性と全射性を視覚的に確認しやすくなります。

ただし、証明問題では表を見せるだけで終わらず、どの要素が重複せず、どの要素が漏れなく現れるかを文章で補うとよいでしょう。

定義域 A の要素 写像 f による像 終域 B の要素
a 1 1
b 2 2
c 3 3

この表では異なる a、b、c が異なる値に写るため単射です。

終域の 1、2、3 がすべて一度ずつ像として現れるため全射でもあります。

したがって、この対応は全単射です。

有限集合で定義域と終域の要素数が同じ場合、単射なら全射、全射なら単射となります。

しかし無限集合ではこの結論をそのまま使えないため、問題の集合が有限かどうかを確認しましょう。

分数式を含む写像の証明

実数全体から実数全体への写像 f(x) = 2x + 5 を考えます。

一次関数の係数が 0 でない場合は、単射性も全射性も比較的扱いやすい代表例です。

まず f(x) = f(y) から 2x + 5 = 2y + 5、すなわち x = y が得られるため単射です。

次に任意の実数 t に対して x = (t − 5)÷ 2 と置きます。

x は実数であり、f(x) = 2((t − 5)÷ 2)+ 5 = t となります。

よって全射でもあり、この写像は全単射です。

一次関数 ax + b は、a が 0 でなければ実数全体から実数全体への全単射になります。

a が 0 の場合は定数関数となり、実数全体では単射性も全射性も通常は成立しません。

このような具体例を繰り返すと、全単射の証明が計算問題ではなく、条件を順に満たす論理問題だと理解しやすくなります。

全単射の証明における注意点

続いては全単射の証明における注意点を確認していきます。

任意性を書き落とさない工夫

単射性では任意の二つの要素を取り、全射性では終域の任意の要素を取ります。

この任意性が書かれていないと、一部の値だけを確かめた説明に見える可能性があります。

答案の冒頭に「任意の x、y」や「任意の b」と置くことで、証明の対象範囲が明確になります。

一方で、必要のない仮定を増やすと文章が長くなり、主張が見えにくくなります。

何を任意に取るのか、何を仮定するのかを分けて書くのがコツです。

必要十分条件の取り違え

全単射なら逆関数が存在することと、逆関数が存在すれば全単射であることは密接な関係にあります。

ただし、ある条件が単射性だけを意味するのか、全射性まで含むのかを区別しなければなりません。

たとえば左逆関数の存在は単射性と関係し、右逆関数の存在は全射性と関係します。

証明の途中で「逆関数がありそう」と感じても、合成の結果や定義される集合を確認せず結論に飛ばないようにしましょう。

必要な条件をすべて示してから全単射と結論づける姿勢が、証明問題では評価につながります。

記号と文章を組み合わせる方法

数学の証明では記号だけを並べるより、節目で短い文章を添える方が読みやすくなります。

たとえば等式変形の後に「したがって x = y である」と書けば、単射性へつながる理由が明確です。

全射性では「この x は定義域に属する」「よって任意の b は像である」と記すと論理が閉じます。

記号の使い方に慣れていない段階では、まず日本語で証明の流れを作り、その後に数式を入れる方法もおすすめです。

単射性、全射性、全単射という結論の言葉を省略しすぎないことが、採点者にも伝わる答案につながります。

全単射の証明方法のまとめ

全単射を証明する基本は、単射性と全射性を別々に確認することです。

単射性では、f(x) = f(y) から x = y を導きます。

全射性では、終域の任意の要素を取り、その原像を定義域の中で構成します。

定義域と終域の設定は結論を左右するため、関数の式と集合の範囲を必ずセットで確認することが大切です。

逆関数、合成写像、具体例も活用しながら、任意性と定義域への所属を丁寧に書けば、証明問題でも安定して解答できるようになるでしょう。